こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木優樹です。普段は窓断熱の専門家として、数多くの現場で省エネや断熱リフォームの提案、施工を行っています。現場のプロだから分かる、損しないためのポイントをお伝えします。
最近はリモートワークやオンラインゲームが普及し、家のどこにいても高速で安定した通信が欠かせない時代になりましたね。
特に1階にルーターがあるけれど、2階の自室で快適にネットを使いたいという悩みは非常に多いです。1階から2階に lanケーブルを繋ぎたいけれど、費用がいくらかかるのか、自分でdiyができるのか、それともプロの業者に頼むべきか迷っている方もいらっしゃるでしょう。家の壁の中に配管なしの状態であったり、外壁を伝わせて配線したりと、住宅の構造によって最適な方法は異なります。
この記事では、建物の構造を熟知した私の視点から、失敗しないための具体的なルート選びやコストの目安をはっきりとお伝えします。最後まで読めば、あなたの家に最適なネット環境を構築する方法が確実に見つかります。
目次
1階から2階にlanケーブルを繋ぎたい時のプラン
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- 隠蔽配線や空配管を活用した美観重視の施工法
- 工事業者に依頼する場合の費用相場と注意点
- DIYでの配線に欠かせない通線ワイヤーの使い方
- エアコンの配管穴を利用した屋外配線の手順
- 外壁配線を行う際の固定方法と防水対策
隠蔽配線や空配管を活用した美観重視の施工法
最も理想的なのが、壁の内側を通す「隠蔽配線」です。2000年代以降の住宅であれば、将来の増設用に壁の中に「CD管」や「PF管」と呼ばれるオレンジ色や白の配管があらかじめ設置されていることが多いです。これを利用すれば、ケーブルを完全に隠せるため、新築時のような美しい仕上がりを維持できます。
隠蔽配線のチェックポイント
- 各部屋のコンセント付近に「LAN」や「TEL」と書かれたプレートがあるか確認する。
- 浴室の天井裏やクローゼットにある「情報分電盤」から各部屋へ配管が伸びているか。
この配管があれば、後述する通線ワイヤーを使って比較的スムーズにケーブルを通せます。壁の見た目を変えずに済むため、資産価値を維持したい持ち家の方には一番のおすすめです。
工事業者に依頼する場合の費用相場と注意点
「自分でするのは不安」「壁を傷つけたくない」という場合は、専門の通信工事業者に依頼するのが確実です。プロに頼む最大のメリットは、通信テストまで確実に行い、見た目も綺麗に仕上げてくれる点にあります。
| 施工内容 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 空配管がある場合の通線 | 15,000円〜25,000円 | 作業がスムーズで比較的安価 |
| 配管がなく外壁を這わせる場合 | 40,000円〜60,000円 | 高所作業が必要になり費用が上がる |
| 室内露出(モール施工) | 20,000円〜35,000円 | 距離に応じて材料費が変動 |
※数値データはあくまで一般的な目安であり、現場の状況により異なります。正確な情報は各工事業者の公式サイトを確認するか、見積もりを依頼してください。特に外壁作業が伴う場合は、足場の有無などで金額が大きく変わるため、事前に複数の業者から相見積もりを取ることを推奨します。
DIYでの配線に欠かせない通線ワイヤーの使い方
もし壁の中に空配管があるなら、DIYで挑戦することも可能です。その際に絶対に必要なのが「通線ワイヤー(フィッシュテープ)」です。これは柔軟性と強度があるワイヤーで、配管の中に押し込んで反対側からケーブルを引っ張り出すために使います。
コツは、ワイヤーの先端にケーブルを固定する際、ビニールテープで段差がないように滑らかに巻くことです。
また、配管内の摩擦を減らすために「シリコンスプレー」をケーブルに塗布すると、驚くほどスッと通ります。ただし、無理に引っ張ると配管内でケーブルが詰まり、業者でも修復不能になるリスクがあるため、少しでも手応えが重いと感じたら無理をせずプロに相談してください。
エアコンの配管穴を利用した屋外配線の手順
壁の中に配管がなく、新しく壁に穴を開けたくない場合に有効なのが、既存のエアコン配管穴(スリーブ)を拝借する方法です。エアコンの冷媒管が通っている隙間に、LANケーブルを滑り込ませて外に出します。
ここで注意したいのが、私のような窓リフォームの専門家が最も気にする「気密性と防水」です。ケーブルを通した後に、エアコンパテを適当に埋めると、そこから隙間風が入ったり、雨水が侵入して壁の中を腐らせたりする原因になります。パテは一度古いものを剥がし、ケーブルの隙間を埋めるように指でしっかり押し込んで再封止してください。エアコンの機能性については、こちらの「エアコンがキュルキュル音がする原因と対策」でも解説しているような、気圧や密閉度の問題も関わってきますので、丁寧な作業が求められます。
外壁配線を行う際の固定方法と防水対策
1階から2階へ外壁を伝わせて配線する場合、最も重要なのは「屋外用LANケーブル」を使用することです。室内用の白いケーブルをそのまま外に出すと、数年で紫外線により被覆がボロボロになり、断線や最悪の場合は火災の原因にもなりかねません。必ず黒いPE被覆の屋外専用品を選んでください。
外壁配線の絶対ルール
- ケーブルを壁に固定する際は、2階の入線口よりも一度下に垂らしてから上に入れる「ドリップループ(水切り)」を設けること。これで雨水が室内に入るのを防げます。
- 外壁にビスを打つ場合は、必ず変成シリコンなどのコーキング材を穴に充填してください。
見た目を気にするなら、外壁の色に合わせた「PF管」の中にケーブルを通すのがベストです。これにより、ケーブルの劣化をさらに防ぐことができ、家の外観もスッキリします。
1階から2階にlanケーブルを繋ぎたい際の注意点
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- 賃貸物件で役立つフラットケーブルの設置術
- 通信速度を左右する規格Cat6Aの選び方
- 無線LANやPLCと有線接続の安定性を比較
- メッシュWi-Fiと有線LANの最適な使い分け
- 壁面プレートやLANコンセントの設置と成端
賃貸物件で役立つフラットケーブルの設置術
賃貸マンションなどで壁に穴を開けられない、外を回せないという状況では、室内を這わせるしかありません。そこで活躍するのが、きしめんのように平たい「フラットケーブル」です。ドアの隙間やカーペットの下を通すことができるため、生活の邪魔になりません。
ただし、壁に固定する際は直接強力な両面テープを貼ると、退去時に壁紙が剥がれて修復費用を請求される恐れがあります。おすすめは、まず壁紙に「マスキングテープ」を貼り、その上からモールや両面テープを貼る方法です。これなら原状回復も簡単です。ただし、フラットケーブルは構造上ノイズに弱いため、電子レンジなどの家電からはなるべく離して配線するのが安定のコツです。
通信速度を左右する規格Cat6Aの選び方
1階から2階に lanケーブルを繋ぎたいなら、選ぶべき規格は「Cat6A(カテゴリ6A)」一択です。現在、光回線の主流は1Gbpsですが、すでに10Gbpsのプランも普及し始めています。一度壁の中や外壁に配線すると、後から交換するのは非常に大変です。
なぜCat6Aなのか?
Cat5eやCat6は1Gbpsが上限ですが、Cat6Aは10Gbpsに対応しています。さらに、通信の安定性を決める「周波数帯域」も広いため、動画視聴やオンラインゲームでの遅延(ラグ)を最小限に抑えられます。迷ったらCat6Aを選んでおけば、今後10年は安心です。
無線LANやPLCと有線接続の安定性を比較
「有線工事は面倒だから、無線やPLCでいいのでは?」と考える方も多いでしょう。しかし、1階と2階の通信において、床(障害物)という壁は想像以上に厚いです。Wi-Fiは電子レンジや近隣の電波干渉を受けやすく、速度が不安定になりがちです。また、コンセント経由で通信するPLCも、家の電気配線の状況に左右されるため、本来の速度が出ることは稀です。
オンライン会議中に声が途切れたり、FPSゲームで一瞬のラグに泣いたりしたくないのであれば、物理的に繋がった有線LANに勝るものはありません。通信の確実性を求めるなら、コストをかけてでも有線化する価値は十分にあります。
メッシュWi-Fiと有線LANの最適な使い分け
最近人気の「メッシュWi-Fi」は、家中に電波を広げるには優れた仕組みです。しかし、1階の親機と2階の子機の間が無線だと、どうしても速度低下が発生します。ここで最強の構成となるのが、「有線バックホール」という手法です。
1階から2階へ有線LANを1本だけ引き、その先に2階用のWi-Fiアクセスポイント(メッシュの子機)を接続します。こうすることで、2階でも1階と全く変わらない爆速のWi-Fi環境が手に入ります。PCやゲーム機は直接有線で繋ぎ、スマホやタブレットは爆速Wi-Fiで使う。これが現代住宅におけるネットワーク構築の完成形と言えます。
壁面プレートやLANコンセントの設置と成端
壁から出たケーブルをそのままPCに差してもいいのですが、壁に「LANコンセント(ジャック)」を設置すると非常にプロっぽい仕上がりになります。最近では専用の工具がなくても、パチっとはめ込むだけで配線ができる「ツールレスジャック」が市販されています。
ただし、ケーブルがCat6Aなのに、ジャックがCat5e用だったりすると、そこがボトルネックになって速度が落ちてしまいます。必ず全ての部材の規格を統一させてください。また、ジャック内部の細い線を剥きすぎるとノイズの原因になるため、説明書をよく読んで慎重に成端しましょう。
1階から2階にlanケーブルを繋ぎたい時のまとめ
1階から2階に lanケーブルを繋ぎたいという願いを叶えるには、家の構造を把握し、無理のないルートを選ぶことが成功への近道です。空配管があるならDIYで安価に、配管がない場合や外壁配線が必要な場合は、防水や安全の観点からプロの業者へ依頼することを強くおすすめします。
特に屋外配線やエアコン穴の処理は、建物の寿命にも関わる重要な工程です。通信の安定性は日々のQOL(生活の質)に直結しますので、将来を見据えたCat6A規格での構築を検討してみてください。
最終的な判断や高所作業が伴う工事については、信頼できる専門家へ相談し、安全かつ確実に快適なネット環境を手に入れましょう。
もし窓周りのリフォームや、それに伴う断熱改修に興味があれば、私たちが運営する「内窓リフォームの施工事例」もぜひ参考にしてください。家全体の快適性を高めるお手伝いをさせていただきます。