エコキュート・給湯器

おひさまエコキュートのデメリットや評判とは?電気代の比較徹底ガイド

2025年9月11日

太陽光発電の普及とともに注目を集める「おひさまエコキュート」。しかし、その導入を検討するにあたり、おひさまエコキュートのデメリットについて深く知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

その特徴や評判を調べる中で、そもそもおひさまエコキュートと普通のエコキュートの違いは何ですか?という基本的な疑問から、導入すると電気代はどれくらい変わるのか、具体的な価格や値段、そして初期費用・導入費用はどのくらいか、といったコスト面での不安が浮かび上がります。

また、パナソニックなどの主要メーカーの動向や、太陽光なしでの設置は可能なのか、蓄電池との併用は必須なのかといった技術的な側面も気になるところです。

さらに、エコキュートの寿命や耐久年数はどれくらいですか?おひさまエコキュートは曇りの日や雨の日でも稼働しますか?といったよくある質問に対する答えや、利用できる補助金の情報も判断材料として欠かせません。この記事では、これらの疑問にすべてお答えし、最終的におひさまエコキュートに向いているのはどんな人なのかを明確にしていきます。

ポイント

  • おひさまエコキュートの具体的なデメリットとメリット
  • 導入にかかる費用相場と利用できる補助金制度
  • 太陽光パネルや蓄電池との関係性についての注意点
  • ご自身の家庭に最適な選択か判断するためのポイント

おひさまエコキュートのデメリットと評判や基本情報!初期費用や電気代の比較

おひさまエコキュートのデメリットと評判や基本情報!初期費用や電気代の比較

  • そもそもおひさまエコキュートの特徴とは?
  • 普通のエコキュートとの違いは何ですか?
  • 導入すると電気代はどれくらい変わる?
  • 初期費用・導入費用と価格の相場
  • 太陽光なしでも設置できるのか
  • 評判やリアルな口コミなど

そもそもおひさまエコキュートの特徴とは?

おひさまエコキュートは、再生可能エネルギーである「空気の熱」と「太陽光発電でつくった電気」を組み合わせてお湯を沸かす、環境配慮型の給湯システムです。従来の電気給湯器よりも少ない電力でお湯を沸かすヒートポンプ技術を基本としており、そのエネルギー源として太陽光発電の電力を優先的に活用する点に最大の特徴があります。

この仕組みにより、電力会社から購入する電気量を大幅に削減し、光熱費の節約に大きく貢献します。また、CO2排出量を抑えることができるため、地球環境にもやさしい選択肢となります。さらに、多くの製品は断水時にタンク内の水を非常用の生活用水として利用できるため、防災の観点からもメリットがあります。

日中の暖かい空気を利用して効率よくお湯を沸かせる点や、太陽光発電の余剰電力を売電するのではなく自家消費に回せる点も、このシステムの大きな利点と考えられます。

普通のエコキュートとの違いは何ですか?

おひさまエコキュートと普通のエコキュートの最も大きな違いは、「お湯を沸かす時間帯」にあります。どちらも空気の熱を利用するヒートポンプ式給湯機である点は共通していますが、エネルギーを調達するタイミングが根本的に異なります。

普通のエコキュートは、主に電力料金が割安に設定されている「夜間」に電気を購入し、お湯を沸かしてタンクに貯めておきます。これは、夜間の電力需要が少ない時間帯に電気を使うことで、電力網全体の負荷を平準化しつつ、家庭の電気代を抑えるという考え方に基づいています。

一方、おひさまエコキュートは、太陽光パネルが発電する「昼間」に、その電気を優先的に使ってお湯を沸かします。これにより、FIT制度の売電価格が下がった現在、電気を売るよりも自家消費した方が経済的メリットが大きくなるという状況に対応しています。また、夜間よりも気温が高い日中に稼働するため、ヒートポンプの効率が向上し、より少ないエネルギーでお湯を沸かせるという利点もあります。

導入すると電気代はどれくらい変わる?

おひさまエコキュートを導入した場合、電気代は多くの家庭で削減が期待できますが、その効果は現在の給湯方式やライフスタイルによって大きく異なります。

例えば、東京電力エナジーパートナーの試算によると、4人家族の標準的な新築住宅で都市ガス給湯器を使用している場合と比較して、おひさまエコキュートを導入すると年間の給湯光熱費を大幅に節約できる可能性があります。また、夜間電力で沸かす通常のエコキュートと比較しても、太陽光発電の自家消費分が増えるため、さらに年間で数万円の削減が見込めるとされています。

ただし、これはあくまで一例です。実際の削減額は、設置している太陽光パネルの容量、日中の電気使用量、契約している電気料金プラン、そして天候など、様々な要因に左右されます。特に、すでにオール電化で夜間電力プランを活用しているご家庭の場合、昼間の電力単価が高いプランに変更する必要があるため、ライフスタイルによっては思ったほどの節約効果が得られない可能性も考慮する必要があります。

初期費用・導入費用と価格の相場

おひさまエコキュートの導入を検討する上で、最も大きなハードルとなるのが初期費用です。費用は大きく分けて「機器本体の価格」と「設置工事費」で構成されます。

機器本体の価格は、メーカーやタンク容量によって異なりますが、2025年時点での主要メーカーの希望小売価格を見ると、370L(3~5人家族向け)でおおよそ100万円~130万円程度が目安となります。ただし、これはあくまで定価であり、実際の販売価格はこれよりも大幅に安くなるのが一般的です。

設置工事費は、既存の給湯器からの入れ替えか、新規設置かによって変動しますが、一般的には15万円~25万円程度が相場です。基礎工事や電気配線工事、水道配管工事などが含まれます。

したがって、機器代と工事費を合わせた導入費用の総額は、通常のエコキュートよりも高くなる傾向があります。正確な費用を知るためには、必ず複数の設置業者から見積もりを取り、詳細な内訳を比較検討することが不可欠です。

太陽光なしでも設置できるのか

結論から言うと、おひさまエコキュートは太陽光発電システムの設置が前提となる製品であり、太陽光パネルなしでの設置は意味を成しません。この製品の根幹は「太陽光発電で作った電気を自家消費してお湯を沸かす」という点にあるためです。

もし太陽光発電システムを導入せずに、おひさまエコキュート本体だけを設置した場合、電力単価が最も高い日中の電気を使ってお湯を沸かすことになります。これは、夜間電力でお湯を沸かす通常のエコキュートに比べて、電気代が大幅に高くなってしまうことを意味し、経済的なメリットは皆無です。

したがって、おひさまエコキュートを導入するということは、太陽光発電システムとセットで考える必要があります。すでに太陽光発電を設置しているご家庭が、エコキュートの買い替え時期に合わせて導入を検討するのが最も一般的なケースです。これから新築やリフォームで太陽光発電と給湯器を同時に導入する場合には、有力な選択肢の一つとなります。

おひさまエコキュート 評判や口コミ

おひさまエコキュートを実際に導入したご家庭の評判や口コミを調べてみると、その評価はメリットを強く実感する声と、いくつかの注意点を指摘する声に分かれる傾向があります。導入を成功させるためには、両方の意見を客観的に把握しておくことが鍵となります。

肯定的な評判・口コミ

肯定的な評判として最も多く聞かれるのは、やはり「光熱費の削減効果」に関するものです。特に、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)の期間が満了したいわゆる「卒FIT」を迎えたご家庭からは、「売電価格が下がった余剰電力を、自家消費でお湯を沸かすことに有効活用でき、以前よりも電気代が目に見えて安くなった」という満足の声が挙がっています。

また、生活リズムに関するメリットを指摘する声もあります。従来のエコキュートは夜間にヒートポンプが稼働するため、運転音を気にされる方もいました。しかし、おひさまエコキュートは日中に稼働するため、「夜間が静かになり、騒音のストレスがなくなった」という口コミも見受けられます。

さらに、パナソニックやダイキンなどが提供する専用アプリの利便性も評価されています。「翌日の天気予報と連携して自動で沸き上げプランを最適化してくれるので、手間なく効率的な運用ができる」「外出先からでもお湯張りができ、帰宅後すぐにお風呂に入れるのが便利」といった、スマートな機能に満足しているユーザーも少なくありません。

注意が必要な評判・口コミ

一方で、デメリットや注意点を指摘する評判も存在します。最も多いのは「初期費用の高さ」に関する懸念です。おひさまエコキュートは、通常のエコキュートに比べて本体価格が高価な傾向にあります。このため、「光熱費の削減メリットだけでは、高額な初期投資を回収できるか不安が残る」という声は、導入を検討する多くの方が抱く正直な感想でしょう。

また、システムの特性上、「天候への依存」は避けられない課題です。口コミの中には、「梅雨の時期や冬場に曇天が続くと、太陽光発電がほとんど機能せず、結局割高な昼間の電気を購入して沸き上げることになった」「思ったほど電気代が安くならなかった月もある」といった、理想と現実のギャップに関する指摘が見られます。

さらに、「製品の選択肢の少なさ」を挙げる声もあります。登場してからの歴史が浅いため、通常のエコキュートに比べて選べるメーカーやタンク容量のラインナップが限られており、「自宅の設置スペースに合う薄型タイプがなかった」「希望する機能を持つ製品が見つからなかった」というケースもあるようです。

これらの評判からわかることは、おひさまエコキュートがご家庭のライフスタイルや設置環境、そして何を重視するかによって、その評価が大きく変わる製品であるということです。したがって、導入を検討する際には、こうした実際のユーザーの声を参考に、ご自身の状況と照らし合わせながら慎重に判断することが求められます。

おひさまエコキュートのデメリットと評判|蓄電池との併用メリットや補助金の条件

おひさまエコキュートのデメリットと蓄電池との併用メリットや補助金の条件

  • 評判から見るパナソニック製品の実際
  • 蓄電池との併用メリットと注意点
  • 補助金はいつまで?利用条件は?
  • おひさまエコキュートに向いているのはこんな人
  • よくある質問(寿命・天気など)

評判から見るパナソニック製品の実際

パナソニックは、おひさまエコキュート市場においても主要なメーカーの一つであり、独自の機能と豊富なラインナップで高い評判を得ています。

パナソニック製品の大きな特徴は、先進的なエネルギーマネジメント機能です。例えば、専用アプリを通じてインターネットから翌日の日射量予報データを取得し、発電量が多いと予測される時間帯に自動で沸き上げをシフトする「日射量シフト」機能は、業界でも先進的な取り組みです。これにより、天候の変化にきめ細かく対応し、自家消費を最大化します。

また、災害への備えとして、台風や大雪などの気象警報が発令された際に、自動でタンクを満タンまで沸き上げる「エマージェンシー沸き上げ」機能も搭載されており、万が一の断水時にも安心です。

ラインナップの豊富さも魅力で、他社に先駆けて狭小地にも設置しやすい「薄型モデル」を投入するなど、多様な住宅事情に対応しています。実際の口コミでは、これらの省エネ機能やアプリの使いやすさを評価する声がある一方で、価格面や、機能が複雑で使いこなせないといった意見も見られます。

蓄電池との併用メリットと注意点

おひさまエコキュートと家庭用蓄電池を併用することは、太陽光エネルギーを最大限に活用し、エネルギー自給率を高める上で非常に有効な組み合わせです。

最大のメリットは、エネルギーの効率的な利用です。晴れた日中、太陽光発電の電力がおひさまエコキュートの湯沸かしを終えてもさらに余っている場合、その余剰電力を蓄電池に貯めておくことができます。そして、貯めた電気を夕方から夜間の電力消費に使うことで、電力会社から買う電気を最小限に抑えられます。

また、災害時のレジリエンス(強靭性)も大幅に向上します。停電が発生しても、蓄電池に電気が残っていれば、テレビや冷蔵庫といった必要最低限の家電を使い続けることが可能です。おひさまエコキュートのタンク内の水と合わせれば、非常時でも普段に近い生活を維持しやすくなります。

注意点としては、蓄電池の導入には別途高額な初期費用がかかることが挙げられます。おひさまエコキュートと同時に導入する場合、費用対効果を慎重にシミュレーションする必要があります。

補助金はいつまで?利用条件は?

おひさまエコキュートの導入にあたっては、国の補助金制度を活用することで初期費用を大幅に抑えることが可能です。2025年時点で中心となるのは、経済産業省が主導する「給湯省エネ2025事業」です。

この事業では、省エネ性能の高い給湯器の導入を支援しており、おひさまエコキュートは特に手厚い補助の対象となっています。2025年度の制度では、おひさまエコキュート1台あたり12万円または13万円の補助が受けられます。さらに、既存の電気温水器から買い替える場合は、追加で4万円が加算されるため、非常に大きな補助額となります。

補助金を利用するための主な条件は以下の通りです。

  • 対象となる製品を導入すること。
  • 補助金事業に登録された設置業者に工事を依頼すること。
  • 申請期間内に手続きを完了させること。

補助金の申請手続きは、基本的に工事を依頼した設置業者が代行してくれます。ただし、この補助金は国の予算が上限に達し次第、受付が終了となります。例年、申請が殺到し早期に終了する傾向があるため、導入を検討している場合は、できるだけ早く情報を集め、業者に相談することが賢明です。また、国だけでなく、お住まいの自治体が独自に補助金制度を設けている場合もありますので、併せて確認することをおすすめします。

おひさまエコキュートに向いているのはこんな人

これまでのメリットとデメリットを踏まえると、おひさまエコキュートの導入が特に向いているのは、以下のような条件に当てはまるご家庭です。

第一に、「すでに太陽光発電システムを設置している、またはこれから設置する予定がある方」です。前述の通り、この製品は太陽光発電との連携が前提であり、その恩恵を最大限に引き出せるのは太陽光パネルがあるご家庭です。特に、FIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了したいわゆる「卒FIT」を迎えたご家庭では、売電単価が大幅に下がるため、余剰電力を自家消費に回せるおひさまエコキュートは非常に合理的な選択肢となります。

第二に、「日中の在宅時間が短く、電力消費が少ないご家庭」です。日中に発電した電気を家庭内で消費しきれず、余剰電力が発生しやすいライフスタイルの場合、その電気を湯沸かしに有効活用できるため、経済的なメリットが大きくなります。

第三に、「環境意識が高く、エネルギーの自給自足に関心がある方」です。再生可能エネルギーを最大限活用し、CO2排出量を削減できるおひさまエコキュートは、持続可能な暮らしを目指す方にとって魅力的な製品と言えるでしょう。

よくある質問(寿命・耐久年数・天気など)

おひさまエコキュートの導入を検討する際によく寄せられる、寿命や天候に関する質問についてお答えします。

Q. エコキュートの寿命や耐久年数はどれくらいですか?

A. 一般的に、エコキュートの寿命(耐用年数)は10年~15年程度とされています。これは、空気の熱を取り込む「ヒートポンプユニット」と、お湯を貯める「貯湯タンクユニット」を合わせたシステム全体の目安です。使用頻度や設置環境、メンテナンスの状況によって寿命は変動します。例えば、潮風に当たる沿岸地域や、水質が特殊な地域では、部品の劣化が早く進む可能性があります。定期的な点検やメンテナンスを行うことで、製品をより長く安定して使用することが期待できます。

Q. おひさまエコキュートは曇りの日や雨の日でも稼働しますか?

A. はい、稼働します。おひさまエコキュートは、太陽光発電の電力が不足する曇りや雨の日、あるいは夜間にお湯が足りなくなった場合でも、通常のエコキュートと同様に電力会社から電気を購入して自動でお湯を沸かすことができます。そのため、「天気が悪いとお風呂に入れない」といった心配は一切ありません。多くの製品では、天気予報と連携して、翌日が雨の予報であれば、自動的に夜間の割安な電力を使って多めに沸き上げておくなど、賢く運転を制御する機能が搭載されています。

まとめ:おひさまエコキュートのデメリット

  • おひさまエコキュートは太陽光発電の電気で昼間に沸かす給湯器
  • 最大のデメリットは太陽光発電システムが必須である点
  • 太陽光なしでの設置は経済的メリットがない
  • 初期費用は通常のエコキュートやガス給湯器より高額になる
  • 天候に左右され雨や曇りの日は発電効率が落ちる
  • ただし天気が悪くても電力購入で湯切れの心配はない
  • 製品や対応する電気料金プランの選択肢がまだ少ない
  • 通常のエコキュートよりタンクのラインナップが限られる
  • 蓄電池との併用は有効だがさらに初期費用が増大する
  • 夜間電力プランの恩恵を受けにくくなる場合がある
  • 国の補助金制度を活用すれば初期費用を軽減できる
  • 補助金は予算上限があり早期終了の可能性がある
  • 卒FITを迎えた家庭や日中不在がちな家庭に向いている
  • 導入前に費用対効果のシミュレーションが不可欠
  • メリットとデメリットを理解し家庭に合うか慎重な判断が必要
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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