エコキュート・給湯器

エコキュートの水漏れを止める対処法と応急処置解説!原因をプロが解説

2025年9月24日

エコキュートから突然の水漏れが発生すると、誰でも慌ててしまうものです。「これって水漏れ?水漏れを確認する方法は?」「水漏れの原因は何だろう?」と不安になりますよね。

すぐに行うべき応急処置として止水栓の場所を確認しつつも、高額になりがちな水道代はどうなるのか、修理費用の目安や相場はいくらなのか、気になる点は尽きません。

この記事では、エコキュートの水漏れを止めるための具体的な手順を解説します。水漏れを自分で修理・対処する方法や、室外機の水漏れを自分で止める方法や手順、補修テープは有効なのか、そして最終的に水漏れはどこに連絡すれば良いのかまで、網羅的に説明します。万が一の際に火災保険が使えるのかという疑問にもお答えします。

ポイント

  • 水漏れか故障でない正常な排水かを見分ける方法
  • 水漏れを発見した際にすぐに行うべき応急処置の手順
  • エコキュートの水漏れの主な原因と修理費用の相場
  • 適切な連絡先と信頼できる修理業者の選び方

エコキュートの水漏れを止めるための初期対応

エコキュートの水漏れを止めるための初期対応

  • これって水漏れ?水漏れを確認する方法
  • エコキュートの水漏れの原因とは?
  • 水漏れ発見時にすべき応急処置
  • 止水栓の閉め方と場所
  • 水漏れで水道代はどうなるのか?

これって水漏れ?水漏れを確認する方法

エコキュートの周りが濡れているからといって、必ずしも故障による水漏れとは限りません。まずは慌てずに、本当に異常な水漏れなのかを確認することが大切です。

故障ではないケースとして、主に2つが考えられます。

一つは、ヒートポンプユニットが空気から熱を集める際に発生する「結露水」です。これはエアコンの室外機から水が出るのと同じ原理で、特に湿度が高い日や冬場に見られます。時間が経てば乾くようであれば、問題のない正常な動作です。

もう一つは、お湯を沸かす際にタンク内の水が温められて膨張し、その余分な圧力を逃がすために排水される「膨張水」です。これは主に沸き上げ中に排水されるもので、故障ではありません。

これらが原因ではないかを判断するため、まずはお湯が出るか、リモコンにエラーコードが表示されていないかを確認しましょう。一日中ずっと濡れている、水道メーターが回り続けている、お湯の減りが異常に早いといった症状がある場合は、故障による水漏れの可能性が高いと考えられます。

エコキュートの水漏れの原因とは?

エコキュートの水漏れには、いくつかの原因が考えられます。ご家庭の状況と照らし合わせることで、原因の特定につながる場合があります。

経年劣化

最も多い原因が、部品の経年劣化です。エコキュートの寿命は一般的に10年~15年とされており、長期間の使用により配管や接続部分のパッキンなどが劣化し、ひび割れや緩みが生じて水漏れを引き起こします。特に屋外に設置されているため、紫外線や風雨の影響で劣化が進みやすくなります。

配管の凍結

冬場の寒さが厳しい地域では、配管内の水が凍結し、膨張して配管を破損させてしまうことがあります。特に夜間の冷え込みが厳しい時期に起こりやすく、凍結防止機能が正常に作動していない場合や、配管の保温材が劣化している場合にリスクが高まります。

部品の不具合

エコキュートは多くの部品で構成されています。例えば、タンク内の圧力を調整する「減圧弁」や、お湯と水を混ぜる「混合弁」などの部品が故障することで、水漏れが発生することがあります。

初期不良や施工ミス

非常に稀なケースですが、設置初期からの不具合や、取り付け工事の際のミスが原因で水漏れが起こることも考えられます。

水漏れ発見時にすべき応急処置

エコキュートの水漏れを発見した場合、被害の拡大を防ぐために迅速な応急処置が求められます。専門業者が到着するまでの間に、以下の手順で対応してください。

 エコキュートの電源を切る

まず、水漏れが電気系統の部品にかかり、漏電やショートを引き起こす危険性を避けるために、エコキュートの電源を切りましょう。操作は、台所や浴室にあるリモコンの電源をオフにするだけでは不十分です。貯湯タンク本体にある漏電遮断器(ブレーカー)を「切」にしてください。場所が分からない場合は、家全体の分電盤にあるエコキュート専用のブレーカーを落とします。

止水栓を閉める

次に、エコキュートへの給水を止めるために、止水栓を閉めます。これにより、新たな水がタンクに供給されなくなり、水漏れの量を最小限に抑えることができます。止水栓の詳しい場所や閉め方は次の項目で解説します。

これらの応急処置は、あくまで一時的な対策です。根本的な解決には専門家による点検と修理が不可欠なので、処置後は速やかに専門業者へ連絡してください。

止水栓の閉め方と場所

応急処置の鍵となるのが、エコキュートの「止水栓」を閉める作業です。止水栓は、水道管からエコキュートの貯湯タンクへ水が供給されるのを止めるためのバルブです。

止水栓は通常、貯湯タンクの下部にある配管カバーの中に設置されています。カバーはネジやフックで固定されているので、ドライバーなどを使って開けてください。中には複数の配管がありますが、水道管からタンクに接続されている「給水配管」に付いているものが止水栓です。多くの場合、ハンドル式またはレバー式になっています。

ハンドル式の場合は時計回りに回し、レバー式の場合は配管と直角になるように90度動かすと水が止まります。固くて動かない場合もありますが、無理に力を加えると破損の原因になるため注意が必要です。

もし、どのバルブが止水栓か分からない場合や、カバーが開けられない場合は、無理をせずに家全体の水道の元栓を閉めるという方法もあります。ただし、家全体の水が使えなくなるため、最終手段と考えましょう。

水漏れで水道代はどうなるのか?

エコキュートの水漏れを放置すると、漏れた分の水が常に水道メーターを回し続けるため、水道代が通常よりも大幅に高くなる可能性があります。発見が遅れるほど、請求額は高額になります。

しかし、多くの場合、高額になった水道料金の一部が減額される制度があります。これは「減免申請」と呼ばれる手続きで、各自治体の水道局に申請します。

この制度が適用されるのは、主に「使用者側に過失がなく、地面の下や壁の中など、発見が困難な場所からの漏水」といった条件を満たす場合です。エコキュートの内部部品の劣化などが原因であれば、認められる可能性が高いでしょう。

申請には、水道局指定の業者による修理証明書などが必要になる場合があります。まずは、お住まいの地域の水道局のウェブサイトを確認するか、電話で問い合わせて、減免制度の対象となるか、どのような手続きが必要かを確認してみてください。修理を依頼する業者にも、減免申請を考えている旨を伝えておくとスムーズです。

エコキュートの水漏れを止めるための修理知識

エコキュートの水漏れを止めるための修理知識

  • 水漏れはどこに連絡すればいい?
  • 修理費用の目安や相場
  • 水漏れを自分で修理・対処する方法
  • 補修テープでの応急処置は有効?
  • 火災保険は水漏れに適用される?

水漏れはどこに連絡すればいい?

応急処置を終えた後、次に考えるべきは「どこに修理を依頼するか」です。主な連絡先としては、以下の3つが挙げられます。

設置してくれた工事業者

エコキュートを設置した際の工事業者が分かる場合は、まずそこに連絡するのが良いでしょう。設置状況を把握しているため話が早く、工事保証の期間内であれば無償で対応してもらえる可能性があります。

 エコキュートのメーカー

本体内部の部品が原因と思われる場合は、エコキュートのメーカーのサポートセンターに連絡する方法もあります。製品保証期間内であれば、メーカーによる修理が受けられます。ただし、配管など設置工事に関わる部分からの水漏れは、保証対象外となることがほとんどです。

 給湯器・エコキュートの専門修理業者

設置業者が不明な場合や、メーカーの保証期間が過ぎている場合は、インターネットなどで探せる専門の修理業者に依頼するのが一般的です。24時間365日対応している業者も多く、迅速な対応が期待できます。複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討することをおすすめします。

修理費用の目安や相場

エコキュートの水漏れ修理にかかる費用は、原因や修理箇所によって大きく異なります。あくまで目安ですが、一般的な費用の相場を理解しておくと、業者から提示された見積もりが適正かどうかを判断する助けになります。

修理内容 費用の目安(部品代+作業費)
パッキンなど消耗品の交換 ¥8,000 ~ ¥20,000
配管の修理・交換 ¥15,000 ~ ¥50,000
混合弁・三方弁などの部品交換 ¥20,000 ~ ¥70,000
ヒートポンプユニットの修理 ¥80,000 ~ ¥150,000以上
貯湯タンクの修理・交換 ¥100,000 ~ 高額(交換推奨)

簡単な部品交換であれば数万円で済みますが、熱交換器など重要な部品の修理やヒートポンプユニット全体の交換となると、費用は高額になります。

また、使用年数が10年を超えている場合は、修理をしても別の箇所がすぐに故障する可能性があります。そのため、修理費用が高額になる場合は、新しいエコキュートへの交換を勧められることも少なくありません。必ず複数の業者から見積もりを取り、修理と交換の両方の選択肢を検討することが賢明です。

水漏れを自分で修理・対処する方法

水漏れを発見すると、自分で修理できないかと考える方もいるかもしれません。しかし、原則として、専門的な知識や資格がない方がエコキュートの内部を分解・修理することは非常に危険であり、避けるべきです。

ご自身で行うべきなのは、あくまで「応急処置」までです。具体的には、前述した「電源を切る」「止水栓を閉める」といった、被害の拡大を防ぐための作業に留めてください。

無理に自分で修理しようとすると、症状をさらに悪化させたり、感電や火傷の危険が伴ったりします。また、一度分解してしまうと、メーカー保証の対象外となってしまう可能性も高まります。安全かつ確実に問題を解決するためにも、必ずプロの業者に依頼するようにしましょう。

補修テープでの応急処置は有効?

ホームセンターなどで販売されている水漏れ補修用のテープを使って、一時的に水漏れを止めようと考える方もいるかもしれません。

しかし、この方法はおすすめできません。エコキュートの配管には、沸き上げ時に高温のお湯が流れ、高い圧力がかかります。市販のテープでは、この温度と圧力に耐えきれず、すぐに剥がれてしまったり、効果がなかったりする場合がほとんどです。

また、テープを巻くことで水漏れ箇所が分かりにくくなり、専門業者が原因を特定する際の妨げになる可能性もあります。根本的な解決にはならず、かえって修理作業を複雑にしてしまう恐れがあるため、テープによる自己修理は試みずに、速やかに専門家へ相談することが最善の策です。

火災保険は水漏れに適用される?

エコキュートの水漏れによって、床が水浸しになるなどの被害が出た場合、「火災保険で補償されるのか」という点は多くの方が気になるところです。

結論から言うと、加入している火災保険の契約内容によりますが、適用される可能性があります。ポイントは「水濡れ補償」という特約が付帯しているかどうかです。

この特約が付いている場合、エコキュート本体の故障(給排水設備の事故)によって生じた、床や壁、家財などの損害に対して保険金が支払われます。

ただし、注意点が2つあります。一つは、補償の対象はあくまで「水漏れによって被害を受けた建物や家財」であり、エコキュート自体の修理費用は対象外となるのが一般的であることです。もう一つは、経年劣化による水漏れは補償の対象外とされるケースが多い点です。

まずはご自身の保険証券を確認し、「水濡れ補償」の有無や適用条件をチェックしてみてください。

総括:エコキュートの水漏れを止める方法

この記事で解説した、エコキュートの水漏れを発見した際に取るべき行動や知識について、重要なポイントを最後にまとめます。

  • エコキュート周りが濡れていても、結露や膨張水など故障ではない場合がある
  • 水漏れを放置すると水道代や電気代が高騰するリスクがある
  • 水漏れを発見したら、まずエコキュートの電源を切り、止水栓を閉める
  • 止水栓は貯湯タンク下部のカバー内にあることが多い
  • 水漏れの主な原因は経年劣化や配管の凍結
  • 専門知識がない状態での自己修理は危険なため避ける
  • 水漏れ補修テープでの応急処置は効果が薄く推奨されない
  • 連絡先は設置業者、メーカー、専門修理業者のいずれか
  • 修理費用は数万円から数十万円と幅広く、高額な場合は交換も視野に入れる
  • 複数の業者から相見積もりを取ることが大切
  • 水道代の減免申請ができる場合があるため水道局に確認する
  • 火災保険の「水濡れ補償」で建物や家財の損害が補償される可能性がある
  • エコキュート本体の修理費用は火災保険の対象外となることが多い
  • 使用年数が10年以上の場合は修理より交換が最適な場合もある
  • 慌てず正しい応急処置を行い、速やかに専門家へ相談することが最善の解決策
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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