エコキュート・給湯器

エコジョーズはやめとけと言われる5つの理由やガス代について検証

2025年10月3日

「エコジョーズはやめとけ」という意見を目にして、給湯器の交換に踏み切れないでいるのではないでしょうか。エコジョーズとは何か、その特徴から、エコキュートや普通の給湯器との違い、そして気になる月々のガス代費用まで、疑問は尽きないかもしれません。

実際に設置した人の後悔ブログを読むと、都市ガスのデメリットや、うるさい、壊れやすいといった近所迷惑に関する苦情が書かれていることもあり、不安になるのも当然です。

この記事では、エコジョーズはやめとけと言われるのはなぜか、その理由を深掘りします。同時に、知っておきたい3つのメリットや、エコジョーズに向いている人、逆に向いていない人の特徴も明らかにします。

家族構成に合わせたエコジョーズ24号のおすすめポイントや、最大いくらもらえるのか気になる補助金制度についても比較しながら、あなたが本当にエコジョーズを選ぶべきか判断するための情報を網羅的に解説します。

ポイント

  • 「エコジョーズはやめとけ」と言われる具体的な理由
  • エコジョーズのメリット・デメリットの全体像
  • エコキュートや従来型給湯器との客観的な違い
  • あなたの家庭がエコジョーズに向いているかの判断基準

エコジョーズはやめとけと言われる5つの理由やガス代について検証

エコジョーズはやめとけと言われる5つの理由やガス代について検証

  • そもそもエコジョーズとは?特徴を解説
  • エコジョーズと普通の給湯器の違い
  • エコジョーズ後悔ブログに見るデメリット
  • 月々のガス代費用は本当に安くなる?
  • うるさい・壊れやすいという近所迷惑の苦情

エコジョーズとは?特徴を解説

エコジョーズとは、少ないガス使用量で効率的にお湯を沸かすことができる「潜熱回収型ガス給湯器」の愛称です。

これまでのガス給湯器では、お湯を沸かす際に発生する約200℃の高温の排気ガスを、そのまま空気中に捨てていました。この捨てられていた排気ガスの熱(潜熱)を再利用し、あらかじめ水を温めておくのがエコジョーズの基本的な仕組みです。

熱を二段階で利用するため、従来型の給湯器と比べて熱効率が約80%から約95%へと大幅に向上しています。この高い熱効率により、同じ量のお湯を沸かすために必要なガスの消費量を約10~15%削減できるのが最大の特徴です。結果として、家庭のガス代節約と、CO2排出量の削減による環境負荷の低減に貢献します。

ただし、この潜熱を回収する過程で「ドレン水」と呼ばれる酸性の結露水が発生するため、これを中和して排出するための専用の配管工事が必要になる点が、従来型給湯器とは異なる部分です。

エコジョーズと普通の給湯器の違い

エコジョーズと普通の給湯器(従来型ガス給湯器)の最も大きな違いは、排気熱を再利用するかどうかにあります。この仕組みの違いが、性能や費用に様々な差異を生み出します。

両者の違いを以下の表にまとめました。

項目 エコジョーズ 普通の給湯器(従来型)
熱効率 約95% 約80%
ガス使用量 少ない(約10~15%削減) 多い
本体価格 高い 安い
設置工事 ドレン排水工事が追加で必要 基本的な給湯器交換工事のみ
初期費用合計 高くなる傾向がある 比較的安い
ランニングコスト 安い(ガス代が節約できる) 高い
環境性能 CO2排出量が少ない CO2排出量が多い

このように、初期費用は従来型の給湯器の方が安価です。しかし、長期的な視点で見ると、エコジョーズは毎月のガス代を抑えられるため、ランニングコストの面で優れています。どちらを選ぶかは、初期投資を抑えたいか、長期的なコスト削減を重視するかという点で判断が分かれるところです。

エコジョーズで後悔したブログに見るデメリット

インターネットでエコジョーズについて調べると、実際に使用した方の「後悔ブログ」が見受けられます。そこで語られるデメリットは、主に初期費用の高さと、特有のメンテナンスに関することです。

初期費用が想定より高かった

最も多く見られる後悔の理由が、本体価格と工事費を合わせた初期費用の高さです。前述の通り、エコジョーズは従来型給湯器に比べて本体が高価な上、ドレン排水のための追加工事が必要になります。特に、給湯器の設置場所の近くに適切な排水経路がない場合、配管を延長するなどの複雑な工事が発生し、費用がさらにかさむ可能性があります。この点を十分に理解せずに導入し、最終的な請求額に驚くケースがあるようです。

定期的な部品交換が必要

エコジョーズには、発生した酸性のドレン水を中和するための「中和器」という部品が内蔵されています。この中和器は消耗品であり、製品にもよりますが約10年で交換が必要となります。交換費用は工事費を含めて1万円から4万円程度かかるため、このランニングコストを想定していなかったという声も聞かれます。給湯器本体が故障していなくても発生する費用であるため、長期的な維持費として計画に入れておくことが大切です。

月々のガス代費用は本当に安くなる?

エコジョーズを導入すればガス代が安くなると期待する方は多いですが、思ったほどの節約効果を感じられず、がっかりするケースも存在します。

その理由は、エコジョーズが削減できるのはあくまで「給湯」にかかるガス使用量に限られるためです。家庭でガスを使用する場面は、給湯以外にもガスコンロでの調理やガスファンヒーターなどの暖房があります。これらのガス使用量が多い家庭では、給湯部分のガス使用量が減っても、ガス代全体の削減インパクトが小さく感じられることがあります。

例えば、もともとお湯をあまり使わない一人暮らしの方や、日中は誰も家にいない共働きの二人暮らし世帯などでは、削減できるガス代よりも高い初期費用を回収するのに非常に長い年月がかかる可能性があります。

したがって、エコジョーズの恩恵を最大限に受けるのは、家族の人数が多く、毎日お風呂にお湯を張ったりシャワーを頻繁に使ったりするなど、給湯のガス使用量がもともと多いご家庭であると考えられます。

うるさい・壊れやすいという近所迷惑の苦情

エコジョーズの運転音が「うるさい」と感じたり、「壊れやすい」という印象を持ったりする方もいるようです。これが近所迷惑の苦情につながるのではないかと心配する声もあります。

運転音について

エコジョーズは、排気ガスを効率よく排出するためにファンが作動します。そのため、運転中には「ブーン」という低めの音がします。音の大きさは機種や設置環境によって異なりますが、特に静かな住宅街の夜間などでは、音が気になる可能性は否定できません。隣家の寝室の近くに設置するなどのケースでは、事前に施工業者と設置場所についてよく相談することが、後のトラブルを避ける鍵となります。

故障について

「エコジョーズは構造が複雑だから壊れやすい」というイメージがあるかもしれません。確かに、従来型給湯器に比べて部品点数が多いのは事実です。しかし、これが直接的に故障のしやすさに結びつくわけではなく、製品寿命は一般的に10年程度とされています。ただし、前述の中和器の寿命や、ドレン配管の詰まりなどが原因でエラー表示が出ることがあり、これを「故障」と捉える方もいるようです。定期的なメンテナンスを適切に行うことで、多くの不具合は未然に防ぐことが可能です。

エコジョーズ「やめとけ」は誤解!購入前に知るべき事

エコジョーズはやめとけ|は誤解!購入前に知るべき事

  • エコジョーズとエコキュートの違いを比較
  • エコジョーズの知っておきたい3つのメリット
  • 都市ガスのエコジョーズに向いている人
  • 逆にエコジョーズに向いていない人の特徴
  • 家族向けエコジョーズ24号がおすすめ
  • エコジョーズの補助金は最大いくらもらえる?

エコジョーズとエコキュートの違いを比較

高効率給湯器を検討する際、エコジョーズと必ず比較対象になるのが「エコキュート」です。両者は省エネという共通点を持ちながら、お湯を沸かす仕組みやエネルギー源が全く異なります。

エコジョーズがガスを燃焼させて瞬間的にお湯を沸かすのに対し、エコキュートは電気を使い、空気の熱を集めてお湯を作るヒートポンプ式の給湯器です。作ったお湯は貯湯タンクに溜めておく仕組みになっています。

どちらがご家庭に適しているか判断するために、両者の違いを表で見てみましょう。

項目 エコジョーズ(ガス) エコキュート(電気)
エネルギー源 ガス(都市ガス・プロパンガス) 電気
お湯の作り方 瞬間式(使うたびに沸かす) 貯湯式(夜間に沸かして溜める)
湯切れ 心配ない タンクのお湯を使い切ると発生する
設置スペース コンパクト(給湯器本体のみ) 広いスペースが必要(貯湯タンク+ヒートポンプ)
初期費用 25万円~40万円程度 40万円~70万円程度(より高価)
ランニングコスト ガス代が安くなる 割安な夜間電力プランで電気代が安くなる
水圧 水道直圧でパワフル 機種によるが、やや弱まることがある
災害時の対応 電気停止時もガスが通じていれば使える 断水時もタンクの水を非常用水として使える

お湯をたくさん使うご家庭で湯切れの心配をしたくない場合や、設置スペースが限られているマンションなどではエコジョーズが有利です。一方、オール電化の住宅や、割安な夜間電力を活用して光熱費を大きく削減したい場合はエコキュートにメリットがあります。

エコジョーズの知っておきたい3つのメリット

「やめとけ」という意見の裏で、エコジョーズが選ばれ続けるのには明確な理由があります。ここでは、特に評価されている3つのメリットを解説します。

メリット1:お湯切れの心配がない

エコジョーズ最大のメリットは、水道水を瞬間的に沸かしてお湯にする「瞬間式」であるため、お湯切れの心配が全くない点です。家族が立て続けにシャワーを浴びたり、キッチンと浴室で同時にお湯を使ったりしても、お湯がなくなることはありません。来客時など、急にお湯の使用量が増える場面でも安心して使えます。これは、お湯をタンクに溜めて使う貯湯式のエコキュートにはない大きな強みです。

メリット2:ガス代を確実に節約できる

熱効率が約95%と非常に高いため、従来型ガス給湯器と比べて約10~15%のガス使用量を削減できます。これは月々のガス代に直接反映され、特にプロパンガスを使用しているご家庭や、お湯の使用量が多いご家庭ほど、大きな節約効果を実感できます。初期費用はかかりますが、長く使えば使うほど、このランニングコストの差がメリットとして現れてきます。

メリット3:設置スペースがコンパクト

エコジョーズは、お湯を溜める貯湯タンクが不要なため、本体が非常にコンパクトです。従来型のガス給湯器とほぼ同じサイズなので、買い替えの際に設置場所に困ることはほとんどありません。戸建てはもちろん、ベランダなどの限られたスペースに設置する必要があるマンションにも柔軟に対応できます。

都市ガスのエコジョーズに向いている人

エコジョーズのメリットを最大限に活かせるのは、特定の条件に当てはまるご家庭です。以下の特徴に当てはまる場合、エコジョーズの導入を積極的に検討する価値があります。

  • 家族の人数が4人以上で、お湯の使用量が多い毎日の入浴やシャワー、食器洗いなどで大量のお湯を使うご家庭では、ガス代の削減効果が大きくなり、高い初期費用を比較的早く回収できる可能性があります。また、お湯切れの心配がないため、家族それぞれが使いたいタイミングでお湯を気兼ねなく使えます。
  • 床暖房(ガス温水式)を使用しているガス温水式の床暖房は、給湯器で作ったお湯を循環させて部屋を暖めます。エコジョーズを使えば、この床暖房に必要な大量のお湯を効率よく作ることができるため、暖房にかかるガス代も節約できます。
  • 給湯器の設置スペースが限られているマンションのベランダや、戸建てでも隣家との間が狭い場所など、大きな貯湯タンクを置くスペースがない場合には、コンパクトなエコジョーズが最適です。

エコジョーズに向いていない人の特徴

一方で、エコジョーズを導入してもあまりメリットを感じられない、あるいは設置が難しいケースもあります。以下のような特徴に当てはまる場合は、他の選択肢を検討した方が良いかもしれません。

  • 一人暮らしや二人暮らしで、お湯の使用量が少ないもともとのガス使用量が少ないため、エコジョーズを導入してもガス代の削減額はわずかです。高価な初期費用を回収できず、結果的に従来型の給湯器を設置した方がトータルコストで安くなる可能性が高いと考えられます。
  • オール電化の住宅に住んでいる、またはオール電化を検討しているオール電化住宅では、熱源がすべて電気に統一されているため、ガス給湯器であるエコジョーズを設置することはできません。将来的にオール電化を考えている場合も、エコキュートを選ぶ方が合理的です。
  • ドレン排水工事が物理的に難しい給湯器の設置場所の近くに、雨どいや汚水桝などの適切な排水設備がない場合、ドレン水の排水経路を確保できません。建物の構造上、どうしても配管工事ができない場合は、エコジョーズの設置を諦めざるを得ないことがあります。

家族向けエコジョーズ24号がおすすめ

エコジョーズを選ぶ際、「号数」という指標が大切になります。号数とは、「水温+25℃」のお湯を1分間に何リットル出せるかを示す能力のことで、数字が大きいほど一度にたくさんのお湯を供給できます。

号数 主な目安 おすすめの家族構成
16号 冬場でもシャワーを浴びるのに十分 1人~2人暮らし
20号 シャワーとキッチンでの同時使用が可能 2人~3人家族
24号 浴室とキッチンで同時に使ってもパワフル 4人以上の家族

4人以上の家族がいるご家庭では、「24号」が最もおすすめです。24号であれば、冬場でも誰かがシャワーを浴びている最中に、キッチンで洗い物をしてもお湯の勢いが落ちにくく、快適に使用できます。家族がそれぞれの生活リズムでお湯を使ってもストレスを感じることが少ないため、家庭内の小さなイライラを解消することにも繋がります。

エコジョーズの補助金は最大いくらもらえる?

エコジョーズの導入を後押しする制度として、国や地方自治体が実施する補助金があります。これを活用することで、初期費用を大幅に抑えることが可能です。

国の代表的な事業として、2024年に実施された「給湯省エネ2024事業」があります。これは、省エネ性能の高い給湯器の導入を支援するもので、エコジョーズも対象に含まれていました。

給湯省エネ2024事業の例

この事業では、性能に応じて補助額が設定されており、エコジョーズ(正式には潜熱回収型給湯器)の導入に対して、基本的な補助額として1台あたり最大10万円が支給されるケースがありました。さらに、インターネットに接続して遠隔操作ができる機能など、特定の性能を満たす機種であれば、追加の補助が受けられる場合もあります。

これらの国の補助金は、予算の上限に達し次第終了となるため、常に最新の情報を確認することが大切です。また、国だけでなく、お住まいの市区町村が独自に補助金制度を設けている場合もあります。給湯器を交換する前には、必ず「お住まいの自治体名 給湯器 補助金」などのキーワードで検索し、利用できる制度がないか確認することをおすすめします。

エコ ジョーズはやめとけの真相は初期費用の高さ:総括

ここまで、「エコジョーズはやめとけ」と言われる理由から、そのメリットや具体的な選び方まで解説してきました。この記事の要点を以下にまとめます。

  • エコジョーズは排気熱を再利用する高効率なガス給湯器
  • 従来型給湯器よりガス使用量を約10~15%削減できる
  • 「やめとけ」と言われる主な理由は初期費用の高さ
  • ドレン排水工事が追加で必要になる
  • 約10年に一度、中和器の交換費用がかかる
  • お湯の使用量が少ない家庭では節約メリットが小さい
  • 運転音やドレン排水の管理には注意が必要
  • 最大のメリットはお湯切れの心配が全くないこと
  • エコキュートと違い貯湯タンクが不要で設置場所を選ばない
  • 水道直圧のためシャワーの水圧がパワフル
  • 4人以上の家族には24号が最適
  • ガス温水式床暖房との相性が非常に良い
  • 国の補助金制度を活用すれば初期費用を抑えられる
  • 地方自治体独自の補助金制度も存在する可能性がある
  • お湯を気兼ねなく使いたい家庭には強くおすすめできる選択肢
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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