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クーラーから水が漏れる7つの原因と直し方|自分でできる対処法解説

2025年10月15日

クーラーから水が漏れると、ポタポタと落ちる水滴に驚き、どう対処すればよいか慌ててしまいますよね。

実は、クーラーから水が漏れる原因の多くは、ドレンホースやフィルターの汚れにあり、自分でできる解決法や対処法も存在します。この記事では、水漏れが発生したらすぐにやるべきことから、具体的な水漏れの直し方まで詳しく解説します。

また、クーラー水漏れ修理を業者に依頼する際の修理代の価格や費用相場、信頼できる業者を選ぶときのポイントも紹介します。賃貸物件での水漏れ対策や、水漏れ結露の問題についても触れていきます。

起こりやすい症状をチェックして原因を特定し、適切な水漏れ対策を行いましょう。場合によっては、エアコンの購入で補助金を活用する方がお得なケースもありますので、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • クーラーから水が漏れる主な原因を理解できる
  • 水漏れ発生時にすぐやるべき応急処置がわかる
  • 自分でできる水漏れの直し方を具体的に学べる
  • 修理を依頼する場合の費用相場と業者選びのコツがわかる

クーラーから水が漏れるのはなぜ?原因と症状別7選

クーラーから水が漏れるのはなぜ?原因と症状別7選

  • 水漏れが発生したらすぐにやるべきこと
  • クーラーから水が漏れる原因とは?
  • 起こりやすい症状をチェックしてみよう
  • ドレンホースが原因のポタポタ水漏れ
  • フィルター原因の水漏れと結露の関係

水漏れが発生したらすぐにやるべきこと

クーラーからの水漏れを発見した場合、二次被害を防ぎ安全を確保するために、まずは落ち着いて行動することが大切です。最初にやるべきことは、エアコンの運転を停止させることです。

運転を止めれば、新たな結露水の発生が止まるため、水漏れの拡大を防げます。リモコンでオフにした後、必ずコンセントから電源プラグを抜いてください。水と電気が接触すると、漏電による感電や火災のリスクがあり非常に危険です。コンセント部分がすでに濡れている場合は、直接触らずにブレーカーを落としましょう。

次に、水漏れによって濡れてしまった床や壁、家財を保護します。放置するとシミやカビ、腐食の原因となるため、乾いたタオルや雑巾ですぐに水分を拭き取ってください。水が垂れ続けている場合は、エアコンの下にバケツやビニールシートを置いて被害の拡大を防ぎましょう。これらの応急処置を済ませた上で、水漏れの原因究明に進みます。

クーラーから水が漏れる原因とは?

クーラーから水が漏れる根本的な原因を理解するためには、まずエアコンが冷える仕組みを知る必要があります。エアコンは室内の暖かい空気を取り込み、内部の熱交換器で急激に冷やして冷たい風を送り出しています。この過程で、暖かい空気が冷やされると空気中の水分が結露し、水滴となって熱交換器に付着します。これは、冷たい飲み物を入れたグラスの表面に水滴がつくのと同じ原理です。

通常、この結露水は「ドレンパン」と呼ばれる受け皿に集められ、「ドレンホース」という配管を通って屋外へ排出されます。しかし、何らかの理由でこの排水経路がうまく機能しなくなると、行き場を失った水がドレンパンから溢れ出し、室内機から漏れてしまうのです。

主な原因としては、ドレンホースの詰まりや破損、フィルターの汚れによる結露の増加、あるいはエアコン本体の設置不良などが考えられます。

起こりやすい症状をチェックしてみよう

クーラーの水漏れは、どこから水が漏れているかによって、原因をある程度特定することが可能です。ご自宅のエアコンの症状と照らし合わせてみてください。

水漏れの発生場所 考えられる主な原因
エアコンの右側から ・ドレンホースの詰まり ・エアコン本体の傾き(右下がり)
エアコンの左側から ・エアコン本体の傾き(左下がり) ・ドレンホースの逆勾配
本体と壁の間(背面)から ・ドレンホースの接続不良や外れ
本体の底面から ・ドレンホースの詰まり ・ドレンパンの破損や汚れ
吹き出し口全体から ・フィルターや内部の汚れによる結露の増加 ・ドレンホースの詰まり
吹き出し口に水滴が付く ・設定温度が低すぎることによる結露
室外機から ・正常な排水(冷房時) ・霜取り運転による排水(暖房時)

特にエアコンの右側からの水漏れは、多くの機種で排水を担うドレンホースが右側に接続されているため、ホースの詰まりが原因であるケースが非常に多いです。室外機からの排水は、基本的には正常な動作なので心配ありませんが、それ以外の場所からの水漏れは、何らかの異常を示唆しています。

ドレンホースが原因のポタポタ水漏れ

クーラーの水漏れで最も一般的な原因が、ドレンホースの不具合です。ドレンホースは屋外にあるため、ホコリ、枯れ葉、ゴミ、さらには虫などが侵入しやすく、これらが内部で詰まることで水の流れを妨げます。

排水できなくなった水はホース内を逆流し、室内機のドレンパンから溢れてポタポタと水漏れを引き起こすのです。

ドレンホースの主な不具合

  • ホース内部の詰まり: ゴミや虫、ヘドロ状の汚れが詰まっている。
  • ホースの折れ曲がりや圧迫: ホースが折れたり、植木鉢などの物で潰されたりして水の通り道が塞がれている。
  • 先端の不具合: ホースの排出口が上を向いていたり、水たまりに浸かっていたりして、うまく排水できない。
  • 逆勾配: ホースが途中でたるむなどして、水がスムーズに流れるための下り勾配が確保できていない。

これらの症状は、屋外のドレンホースの状態を目で見て確認できる場合も多いです。水漏れに気づいたら、まずドレンホースの先端から水が正常に排出されているかを確認することが、原因究明の第一歩となります。

フィルター原因の水漏れと結露の関係

ドレンホースに異常が見られない場合、次に考えられるのがフィルターの汚れです。エアコンのフィルターにホコリが溜まると、空気の通り道が狭くなります。これにより、エアコンは十分な空気を吸い込むことができず、内部の熱交換器が過剰に冷やされてしまうのです。

熱交換器が冷えすぎると、通常よりも多くの結露が発生します。この大量の結露水がドレンパンの許容量を超えてしまい、溢れた水が吹き出し口などから漏れ出てくることがあります。

また、エアコンの設定温度を極端に低く設定している場合も、室温との温度差が大きくなるため結露が発生しやすくなります。吹き出し口のルーバーに水滴がついてポタポタと垂れてくる場合は、この過剰な結露が原因である可能性が高いと考えられます。この場合は、フィルターを清掃したり、設定温度を少し上げたりすることで改善することがあります。

クーラーから水が漏れる時の対処法

クーラーから水が漏れる時の対処法

  • 自分でできる水漏れの直し方と対処法
  • 賃貸物件での水漏れ対策
  • クーラー水漏れ修理と修理代の費用相場
  • 失敗しない修理業者を選ぶときのポイント
  • エアコン購入で補助金を活用する方法

自分でできる水漏れの直し方と対処法

エアコンの水漏れ原因がドレンホースの詰まりやフィルターの汚れである場合、ご自身で対処できる可能性があります。ただし、作業前には必ずエアコンの電源プラグを抜いて安全を確保してください。

ドレンホースの詰まり解消法

ドレンホースの排出口付近にゴミが見える場合は、割り箸などで慎重に取り除きます。内部で詰まっている場合は、掃除機を使う方法が有効です。

  1. ドレンホースの先端に、ガーゼや薄い布を輪ゴムで固定します。これは、ゴミや水を直接吸い込まないためのフィルターの役割を果たします。
  2. 布の上から掃除機のノズルを当て、スイッチのオン・オフを繰り返しながら2〜3秒ほど吸引します。
  3. 詰まりが取れると、ホース内に溜まっていた水とゴミが出てきます。

注意点として、掃除機で水を吸い込むと故障の原因になるため、吸引は短時間で慎重に行ってください。市販の「ドレン用サクションポンプ」を使用すると、より安全かつ効果的に詰まりを解消できます。

フィルターの掃除方法

  1. エアコンのフロントパネルを開け、フィルターを取り外します。
  2. フィルターの表面(ホコリが付いている側)から掃除機でホコリを吸い取ります。
  3. 汚れがひどい場合は、裏面からシャワーの水を当てて水洗いします。
  4. 洗浄後は、風通しの良い日陰で完全に乾かしてから、元に戻します。

これらの対処法を試しても水漏れが改善しない場合は、内部部品の故障や設置不良など、専門的な対応が必要な原因が考えられるため、無理せず業者に相談しましょう。

賃貸物件での水漏れ対策

賃貸物件に備え付けられているクーラーから水が漏れた場合、自分で修理業者を手配する前に、必ず大家さんや管理会社に連絡してください。これが最も重要な対策です。

賃貸契約では、設備に不具合が生じた際の報告義務が定められていることが一般的です。報告を怠ったり、自己判断で修理を行ったりすると、修理費用が自己負担になるだけでなく、契約違反と見なされる可能性もあります。

基本的に、経年劣化や通常の利用範囲内で発生した故障の修理費用は、貸主(大家さん)が負担します。しかし、フィルターの掃除を怠ったことが原因など、入居者の管理不行き届きが原因と判断された場合は、入居者が費用を負担することもあります。

水漏れを放置した結果、壁紙にシミができたり、床が腐食したりするなど、被害が拡大してしまった場合、その原状回復費用を請求されるリスクも考えられます。そのため、水漏れに気づいたら、応急処置を施した上で、速やかに大家さんや管理会社に状況を報告し、指示を仰ぐことが賢明な対応です。

クーラー水漏れ修理と修理代の費用相場

自分で対処しても水漏れが直らない場合や、原因が特定できない場合は、専門の修理業者に依頼することになります。クーラーの水漏れ修理にかかる費用は、原因や作業内容によって大きく異なります。

以下は、2025年9月時点での一般的な修理代の費用相場です。

修理内容 費用相場(税込) 作業内容の目安
ドレンホースの詰まり除去・調整 8,000円 ~ 15,000円 専用ポンプでの詰まり除去、ホースの傾き調整など
ドレンパンの洗浄・修理 10,000円 ~ 20,000円 内部の汚れや詰まりの清掃、軽微な補修
室内機の分解洗浄(クリーニング) 12,000円 ~ 25,000円 熱交換器やファンなど内部全体の汚れを除去
部品交換(ドレンパンなど) 15,000円 ~ 30,000円 部品代+作業費
ガス漏れ修理・ガスチャージ 20,000円 ~ 50,000円 ガス漏れ箇所の特定・修理、冷媒ガスの補充
設置不良の修正 15,000円 ~ エアコンの再設置や配管の修正

あくまで目安であり、業者やエアコンの機種、設置状況によって料金は変動します。依頼する前には、必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容と費用の内訳を明確に確認することが大切です。出張費や点検料が別途発生する場合もあるため、総額でいくらかかるのかを事前に把握しておきましょう。

失敗しない修理業者を選ぶときのポイント

クーラーの水漏れ修理を依頼する際に、信頼できる業者を選ぶことは非常に重要です。業者選びで失敗しないためには、以下のポイントを確認しましょう。

料金体系が明確か

まず、ウェブサイトなどで料金が明確に提示されているかを確認します。「基本料金◯◯円~」といった曖昧な表示だけでなく、どのような作業にいくらかかるのか、出張費や見積もり料は無料かなど、費用の内訳が分かりやすい業者を選びましょう。作業前に必ず総額が記載された見積書を提示してくれるかどうかも、信頼性を見極めるポイントです。

実績と口コミを確認する

業者の施工実績や経験年数も判断材料になります。多くの修理実績がある業者は、様々なケースに対応できる技術力を持っている可能性が高いです。また、インターネット上の口コミや評判も参考にしましょう。実際に利用した人のリアルな声は、サービスの質やスタッフの対応を知る上で役立ちます。

保証やアフターフォローの有無

修理後の保証制度(再修理保証など)が整っているかも確認が必要です。万が一、修理後に同じ症状が再発した場合に、無償で対応してもらえるかといったアフターフォローの充実は、技術力に自信がある証拠とも考えられます。

複数の業者から見積もりを取る

最も大切なのは、1社だけで決めずに、必ず2~3社から相見積もりを取ることです。これにより、料金の相場感がわかり、不当に高額な請求をされるのを防げます。また、電話やメールでの問い合わせ対応の丁寧さも、その業者の姿勢を判断する良い材料になります。

エアコン購入で補助金を活用する方法

エアコンの使用年数が10年を超えている場合や、修理費用が高額になる場合は、修理ではなく新しいエアコンへの買い替えを検討するのも賢明な選択です。最新のエアコンは省エネ性能が格段に向上しているため、長期的に見れば電気代の節約につながります。

さらに、エアコンの購入や設置にあたっては、国や自治体が実施する補助金制度を活用できる場合があります。例えば、国が主導する「子育てエコホーム支援事業」などでは、省エネ性能の高いエアコンの設置が補助金の対象となることがあります。

自治体によっては、独自の省エネ家電買い替え促進事業や、高齢者世帯向けの熱中症対策支援として補助金を出しているケースも少なくありません。

これらの補助金は、予算の上限に達し次第終了することが多いため、買い替えを検討する際は、お住まいの自治体のウェブサイトなどで最新情報を早めに確認することが大切です。補助金を活用すれば、高性能なエアコンをよりお得に導入できる可能性があります。

クーラーから水が漏れる理由と重要なポイント:まとめ

  • クーラーから水が漏れる主な原因はドレンホースの詰まりやフィルターの汚れ
  • 水漏れを発見したら、まずエアコンの電源を切りコンセントを抜く
  • 二次被害を防ぐため、床や壁、家財を水から保護する
  • 水漏れの主な原因はドレンホースの詰まりや汚れ
  • フィルターのホコリも過剰な結露を招き、水漏れの原因になる
  • ドレンホースの詰まりは掃除機や専用ポンプで解消できる場合がある
  • フィルターは定期的に清掃し、清潔に保つことが予防策となる
  • 賃貸物件の場合は、まず大家さんや管理会社に連絡することが最優先
  • 自己判断での修理は費用負担のリスクがあるため避ける
  • 修理費用の相場は原因により異なり、8,000円から数万円が目安
  • 業者を選ぶ際は、料金の明確さ、実績、口コミ、保証の有無を確認する
  • 必ず複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することが重要
  • 使用年数が長いエアコンや修理費が高額な場合は買い替えも検討する
  • 買い替えの際は、国や自治体の補助金制度を活用できる可能性がある
  • 自分で対処できない場合は、無理をせず速やかに専門業者に相談する
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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