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エアコンから鈴虫のような音!キュルキュル音の原因と直し方を解説

2025年10月1日

エアコンをつけたとき、「キュルキュル」「チリチリ」といった、まるで鈴虫が鳴いているかのような異音に悩まされていませんか。涼しい秋なら風流に感じられるかもしれませんが、夏場のエアコンから聞こえてくると不快で気になるものです。

この鈴虫のような音の直し方を探している方のために、この記事ではエアコンの異音の原因を詳しく解説します。エアコンの中に虫がいる音なのかという疑問から、掃除で解決できる場合、具体的な対処法と対策まで網羅しています。

また、エアコンの異音を放置するリスクや危険性についても触れ、音が治まらない場合の修理・交換を依頼する業者選びのコツも紹介します。故障かもしれないと感じた際の異音の修理費用相場や、10年以上使用しているエアコンの買い替えについても解説しますので、よくある質問(FAQ)と合わせて参考にしてください。

この記事のポイント

  • エアコンから聞こえる鈴虫のような音の主な原因
  • 自分で今すぐ試せる具体的な対処法と直し方
  • 修理や買い替えを検討すべきタイミングとその費用相場
  • 安心して依頼できる修理・交換業者の選び方のコツ

エアコンから鈴虫のような音?原因と直し方の基本

エアコンから鈴虫のような音?原因と直し方の基本

  • 鈴虫のような音(キュルキュル)の異音の原因
  • エアコンの異音は本当に鈴虫なの?
  • エアコンの中に虫がいる音の可能性
  • エアコンの異音を放置するリスクや危険性
  • まず試したい簡単な対処法と対策

鈴虫のような音(キュルキュル)の異音の原因

エアコンから聞こえる鈴虫のような「キュルキュル」という音は、多くの場合、内部の部品が原因で発生しています。これは故障のサインである可能性もあれば、簡単なメンテナンスで解消できるケースもあります。

主な原因としては、送風ファンの汚れや、フィルターの目詰まりが考えられます。エアコンは室内の空気を吸い込み、内部で温度を調整して吹き出す仕組みです。このとき、空気中のホコリやゴミがフィルターを通過し、内部のファンに付着します。ファンに蓄積したホコリが、回転する際に軸や周辺部品と擦れることで、「キュルキュル」という鈴虫の鳴き声に似た音を発生させるのです。

また、室外機のファンモーターが劣化している場合にも同様の音が出ることがあります。モーター内部の潤滑油が切れたり、ベアリングが摩耗したりすると、回転時に摩擦音が生じます。室内機と室外機のどちらから音がしているのかを注意深く聞くことで、原因の特定につながるかもしれません。

エアコンの異音は本当に鈴虫なの?

「キュルキュル」という音が聞こえると、本物の鈴虫がエアコン内部にいるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。特に秋口など、虫の鳴き声が聞こえる季節には、その可能性を疑うのも自然なことです。

しかし、ほとんどの場合、エアコンから聞こえる鈴虫のような音は、本物の虫が原因ではありません。前述の通り、内部ファンの汚れやモーターの不具合といった、機械的な要因によって発生しているケースが圧倒的に多いです。音の聞こえ方として、一定のリズムで鳴り続ける、あるいはエアコンの運転開始と同時に鳴り始めるといった特徴があれば、機械的な異音である可能性がより高いと考えられます。

一方で、可能性は低いものの、実際に虫が内部に侵入しているケースも存在します。もし音が不規則であったり、何かが動くような音が混じっていたりする場合は、虫の侵入も視野に入れる必要があります。

エアコンの中に虫がいる音の可能性

エアコンの内部に虫が侵入する可能性はゼロではありません。特にゴキブリやクモ、小さな蛾などが、室外と室内をつなぐ経路から入り込むことがあります。

主な侵入経路として考えられるのは、結露水を屋外に排出するためのドレンホースです。ドレンホースの先端が地面に近かったり、防虫キャップが取り付けられていなかったりすると、そこから虫が這い上がってくることがあります。また、壁に開けられた配管用の穴の隙間も侵入経路になり得ます。

エアコン内部に虫がいる場合、「キュルキュル」という音よりも「カタカタ」「ガサガサ」といった、何かが動いたり壁にぶつかったりするような音が聞こえることが一般的です。もし虫がいることが疑われる場合、慌てて殺虫剤をエアコン内部に噴射するのは絶対に避けてください。殺虫剤の成分が内部の電子部品に付着し、故障や火災の原因となる危険性があります。

エアコンの異音を放置するリスクや危険性

エアコンから聞こえる鈴虫のような音を「たいしたことないだろう」と放置してしまうと、いくつかのリスクや危険性を引き起こす可能性があります。

第一に、エアコンの効率が著しく低下します。ファンやフィルターにホコリが詰まった状態で運転を続けると、空気の循環がスムーズに行われなくなります。これにより、部屋を冷やしたり暖めたりするのに通常より多くの電力が必要となり、結果として光熱費が上昇してしまいます。

第二に、エアコン本体の寿命を縮める原因となります。異音は、部品が無理な状態で動作しているサインです。特にモーターの劣化などが原因の場合、放置すればするほど部品への負担が増大し、最終的には完全に故障してしまうことも考えられます。軽微な修理で済んだはずが、高額な修理費用が必要になったり、エアコン全体の買い替えが必要になったりするケースも少なくありません。

さらに、ホコリや汚れが原因の場合、カビの温床となり、アレルギーの原因物質を室内にまき散らすことにもつながるため、健康面でのリスクも無視できません。

まず試したい簡単な対処法と対策

業者に修理を依頼する前に、自分で試せる簡単な対処法と対策がいくつかあります。鈴虫のような異音の原因が軽度な汚れである場合、これらの対策で改善することが期待できます。

まず最初に行うべきは、エアコンの電源プラグを抜いて安全を確保した上で、フィルターの状態を確認することです。フィルターがホコリでびっשり詰まっている場合は、異音の直接的な原因となっている可能性があります。掃除機でホコリを吸い取り、汚れがひどい場合は水洗いをしましょう。

次に、ドレンホースの出口を確認します。ホースの先端にゴミや落ち葉が詰まっていないか、水たまりに浸かっていないかなどをチェックしてください。詰まりが原因で内部の湿度が高まり、部品の動作に影響を与えていることも考えられます。

これらの簡単な確認と清掃を行っても音が改善しない場合は、内部のファンやモーターに問題がある可能性が高まります。その際は、無理に自分で分解しようとせず、専門の業者に相談することが賢明です。

エアコンの鈴虫のような音の直し方を試してみても直らないなら交換推奨

エアコンの鈴虫のような音の直し方を試してみても直らないなら交換しよう

  • フィルター掃除で解決できる場合も
  • 故障かも?異音の修理費用相場
  • 10年以上使用のエアコンは買い替えを検討
  • 音が治まらない!修理・交換業者の選び方
  • エアコン異音に関するよくある質問(FAQ)

フィルター掃除で解決できる場合も

前述の通り、エアコンから聞こえる鈴虫のような音は、フィルターの掃除で解決できる場合があります。フィルターはエアコンの「マスク」のような役割を担っており、室内の空気に含まれるホコリやゴミを最初にキャッチする部分です。ここが目詰まりを起こすと、エアコンは効率的に空気を吸い込むことができなくなります。

空気を無理に吸い込もうとすることでモーターに過剰な負荷がかかり、異音が発生することがあります。また、吸い込みきれなかったホコリがフィルターを通り抜け、内部の送風ファンに付着して音の原因となることも考えられます。

フィルターの掃除手順

  1. 安全のため、必ずエアコンの電源プラグをコンセントから抜きます。
  2. エアコンの前面パネルを開け、フィルターを取り外します。取扱説明書で正しい外し方を確認してください。
  3. フィルターの表面(ホコリが付いている側)から掃除機をかけ、大きなホコリを吸い取ります。
  4. 汚れがひどい場合は、裏側からシャワーなどで水洗いをします。油汚れなどがある場合は、薄めた中性洗剤と柔らかいブラシで優しく洗いましょう。
  5. 洗浄後は、タオルで水気を拭き取り、風通しの良い日陰で完全に乾かします。直射日光に当てるとフィルターが変形する可能性があるため避けてください。
  6. 完全に乾いたことを確認してから、フィルターを元の位置にしっかりと取り付けます。

この掃除を2週間に1回程度行うことで、異音の予防だけでなく、冷暖房効率の維持や電気代の節約にもつながります。

故障かも?異音の修理費用相場

フィルターの掃除をしても「キュルキュル」という音がやまない場合、部品の故障が疑われます。自分で対処するのが難しい内部のトラブルは、専門の業者に修理を依頼する必要があります。

異音の原因となりやすい箇所の修理費用相場は、以下の通りです。ただし、これはあくまで目安であり、機種や設置状況、業者の料金体系によって変動します。

故障が考えられる箇所 修理内容 費用相場(税込)
室内の送風ファン 分解洗浄、部品の調整、または交換 15,000円 ~ 35,000円
室外機のファンモーター モーターの交換 15,000円 ~ 30,000円
コンプレッサー(圧縮機) コンプレッサーの交換 58,000円 ~ 105,000円

室外機のファンモーターの故障であれば、買い替えよりも修理の方が安価に済むことが多いです。しかし、エアコンの心臓部ともいえるコンプレッサーが故障している場合は、修理費用が非常に高額になる傾向があります。

このような高額な修理費用が見込まれる場合は、次の項目で解説するように、エアコン自体の買い替えを検討した方が長期的に見て経済的であるケースも少なくありません。まずは業者に見積もりを依頼し、修理費用と買い替え費用を比較検討することが大切です。

10年以上使用のエアコンは買い替えを検討

お使いのエアコンを10年以上使用している場合、異音が発生したタイミングで買い替えを検討することをおすすめします。一般的に、家庭用エアコンの設計上の標準使用期間(寿命の目安)は10年とされています。

10年を超えると、たとえ一箇所の部品を修理しても、経年劣化により次々と別の部品が故障する可能性が高まります。そのたびに修理費用を払い続けるよりも、最新のエアコンに買い替えた方が結果的にコストを抑えられることがあります。

また、メーカーは製品の補修用性能部品を製造終了後、約10年間保有することが一般的です。そのため、10年以上前の機種になると、修理に必要な部品が手に入らず、修理自体が不可能になるケースも出てきます。

さらに、近年のエアコンは省エネ性能が飛躍的に向上しています。10年前のモデルと比較すると、期間消費電力量が大幅に削減されており、毎月の電気代を大きく節約できる可能性があります。異音をきっかけに、長期的な視点で買い替えを判断することも一つの賢明な選択です。

音が治まらない!修理・交換業者の選び方

自分で対処しても異音が改善せず、修理や交換を決断した場合、信頼できる業者を選ぶことが非常に大切です。業者選びを誤ると、不適切な修理で症状が悪化したり、高額な費用を請求されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。

以下に、安心して依頼できる業者を選ぶための3つのポイントを挙げます。

 料金体系が明確であること

作業前に必ず見積もりを提示し、料金の内訳を丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。基本料金の他に、出張費や部品代、追加作業費などがどのように発生するのか、事前に確認することが肝心です。「作業してみないとわからない」といった曖昧な説明で作業を始めようとする業者には注意が必要です。

実績や口コミを確認できること

業者のウェブサイトなどで、過去の修理実績や施工事例を確認しましょう。特に、自分と同じような症状の修理経験が豊富であれば、スムーズな対応が期待できます。また、第三者が投稿する口コミサイトやレビューも参考にすると、利用者のリアルな評価を知ることができます。良い評価だけでなく、万が一の際の対応に関する悪い評価にも目を通しておくと、より客観的な判断ができます。

損害賠償保険に加入していること

万が一、修理作業中にエアコンや家財を破損させてしまった場合に備え、損害賠償保険に加入している業者を選ぶと安心です。保険加入の有無をウェブサイトで明記しているか、事前に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。

これらのポイントを踏まえ、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく対応の丁寧さや信頼性も比較して、納得のいく業者を選んでください。

エアコン異音に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、エアコンの異音に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 電源を切っているのに「カタカタ」と音がするのはなぜですか?

A1. エアコンの電源を切っている(運転を停止している)にもかかわらず「カタカタ」といった音がする場合、いくつかの原因が考えられます。一つは、気密性の高い部屋で換気扇などを使用している際に、ドレンホースから外気が逆流し、内部の部品を動かして音を立てるケースです。また、可能性は低いですが、ゴキブリなどの虫が内部に侵入し、動き回る音であることも考えられます。

Q2. 室外機から「キュルキュル」音がする場合の対処法は?

A2. 室外機から「キュルキュル」という音が聞こえる場合、ファンモーターの劣化や故障の可能性が高いです。室外機のファンがスムーズに回転していない状態であり、放置すると完全に動かなくなる恐れがあります。この場合、個人での修理は困難で危険を伴うため、速やかに専門の修理業者に点検を依頼してください。

Q3. エアコンの掃除をしたら異音が大きくなった気がします。

A3. フィルターやダストボックス、前面パネルなどが正しく取り付けられていない可能性があります。特に自動お掃除機能付きのエアコンは部品が複雑なため、少しのズレが振動や異音につながることがあります。もう一度、各部品が「カチッ」と音がするまで確実にはめ込まれているか確認してください。それでも改善しない場合は、掃除によって内部の汚れが移動し、新たな箇所で干渉している可能性も考えられるため、専門業者に相談することをおすすめします。

エアコンの鈴虫のような音の直し方や対処法:総まとめ

この記事では、エアコンから聞こえる鈴虫のような音の原因と直し方について解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • 鈴虫のような音の主な原因はファンやフィルターのホコリ
  • 室外機のファンモーター劣化も原因の一つ
  • ほとんどの場合、本物の虫が原因ではない
  • 虫が原因の場合は「カタカタ」といった音がすることが多い
  • 殺虫剤の内部噴射は故障の原因になるため厳禁
  • 異音の放置は電気代の上昇や寿命を縮めるリスクがある
  • まずはフィルターの掃除を試すことが基本的な対処法
  • 掃除は電源プラグを抜いてから行う
  • 掃除で直らない場合は内部部品の故障の可能性
  • ファンモーターの修理相場は1.5万円から3万円程度
  • コンプレッサー故障は修理費用が高額になりやすい
  • 10年以上使用しているエアコンは買い替えが経済的な場合も
  • 業者選びは料金の明確さ、実績、保険の有無が鍵
  • 複数の業者から見積もりを取って比較検討することが大切
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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