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給湯器20号と24号の違いは?価格・ランニングコスト徹底比較検証

2025年10月2日

給湯器の交換を考えたとき、給湯器20号と24号の違いで悩む方は少なくありません。

そもそも給湯器の号数とは何か、そして給湯器20号と24号の違いや特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。価格を比較するとどちらがお得なのか、また1時間、1日、1ヶ月あたりのガス代の差やランニングコストの違いも気になるところです。結局のところ、給湯器は20号と24号のどちらがいいですか?という疑問に対し、この記事では20号がおすすめの人、24号がおすすめな人、そして20号と24号がそれぞれ何人世帯向けなのかを具体的に解説します。

正しい選び方を理解し、給湯器を交換する際の注意点を押さえることで、後悔のない選択が可能です。よくある質問(FAQ)にも触れながら、あなたの家庭に最適な一台を見つける手助けをします。

ポイント

  • 給湯器の「号数」が示す具体的な能力
  • 20号と24号の性能や価格、ランニングコストの差
  • 家族の人数やライフスタイルに合った給湯器の選び方
  • 給湯器の交換時に確認すべき重要な注意点

給湯器20号と24号の違いや特徴を検証

給湯器20号と24号の違いや特徴を検証

  • そもそも給湯器の号数とは?
  • 給湯器20号と24号の違いや特徴
  • 20号と24号の価格を比較
  • ランニングコストの違いを解説
  • 20号と24号は何人世帯向け?

そもそも給湯器の号数とは?

給湯器を選ぶ際に必ず目にする「号数」という言葉ですが、これは給湯器の能力を示す重要な指標です。具体的には、「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出すことができるか」を表しています。

例えば、20号の給湯器であれば、1分間に20リットルのお湯を供給する能力があるということです。同様に、24号なら1分間に24リットルのお湯を出すことが可能です。

この能力は、お湯の元となる水道水の温度に影響を受けます。水温が低い冬場は、設定した温度のお湯を作るためにより多くのエネルギーが必要となり、一度に出せるお湯の量が少なく感じられることがあります。逆に水温が高い夏場は、少ないエネルギーで済むため、パワフルにお湯を使えるように感じられます。

したがって、号数が大きいほど一度にたくさんのお湯を安定して供給できる能力が高い、と理解しておくとよいでしょう。

給湯器20号と24号の違いや特徴

20号と24号の給湯器は、家庭用として最も一般的に使われていますが、その最大の違いは前述の通り、一度に作れるお湯の量、つまり給湯能力にあります。この能力の違いが、お湯を同時に使用する際の快適さに直結します。

項目 20号給湯器 24号給湯器
お湯の供給量 1分間に20リットル 1分間に24リットル
推奨家族数 2人~3人家族 3人~5人家族
同時使用の快適性 2ヶ所同時使用で湯量がやや少なく感じることがある 2ヶ所同時使用でも快適。3ヶ所も状況により可能
特徴 コンパクトなモデルが多く、設置スペースが限られる場合に有利 パワフルな給湯能力で、冬場でも湯量が安定しやすい

20号の給湯器は、キッチンでお皿洗いをしながらシャワーを使うといった2ヶ所同時使用の際に、少し湯量が細くなったり、設定温度よりぬるく感じたりする可能性があります。一方、24号であれば、同様の状況でも湯量の変化を感じにくく、快適に使用することが可能です。

給湯能力以外の基本的な構造や寿命については、同じメーカーの同シリーズであれば大きな差はありません。選択の鍵は、ご自身の家庭がお湯をどのように使うかというライフスタイルを把握することになります。

20号と24号の価格を比較

給湯器本体の価格は、号数が大きいほど高くなる傾向にあります。一般的に、同じメーカーの同じ機能を持つ機種で比較した場合、20号と24号では本体価格に1万円から3万円程度の価格差が見られます。

ただし、これはあくまで定価での話です。実際に購入する際は、給湯器専門業者などを通じて割引価格で提供されることがほとんどです。業者によっては大幅な割引が適用されるため、最終的な価格差はさらに縮まることもあります。

また、工事費については、既存の給湯器と同じタイプ・同じ号数に交換する場合、20号でも24号でも「標準工事費」の範囲で収まることが多く、工事費自体に大きな差は出にくいです。しかし、号数を20号から24号へ上げる場合は、ガスメーターの交換が必要になるケースがあり、その際は別途手続きが必要になる点を覚えておく必要があります(ガスメーター自体の交換費用はガス会社の負担となる場合がほとんどです)。

初期費用を少しでも抑えたい場合は20号が有利ですが、長期的な快適性も考慮して、価格差と性能のバランスを見極めることが大切です。

ランニングコストの違いを解説

「号数が大きい24号の方がガス代が高くなるのでは?」と心配される方がいますが、これは一概には言えません。給湯器のガス代は、基本的にお湯を使った量に応じて決まります。

同じ温度のお湯を同じ量だけ使うのであれば、20号でも24号でも消費するガスの量は同じであり、ガス代に差は出ません。号数の違いは、お湯を沸かす「能力」の違いであって、「燃費」の違いではないからです。

ただし、注意点もあります。20号から24号に号数を上げると、蛇口やシャワーから出るお湯の勢いが強くなります。そのため、以前と同じ感覚で使っていると、無意識のうちにお湯の使用量が増えてしまい、結果的にガス代が上がってしまう可能性があります。

逆に、家族の人数に対して号数が小さすぎると、お湯が温まるまで時間がかかったり、お湯の出が悪くて長時間使用したりすることで、余計なガスや水道を使用してしまうことも考えられます。

ランニングコストを最適化するためには、家族の人数やライフスタイルに合った適切な号数を選び、無駄な使い方をしないことが最も効果的です。

20号と24号は何人世帯向け?

給湯器の号数を選ぶ上で最も分かりやすい目安が、世帯人数です。どの号数が自分の家族構成に適しているのかを把握しましょう。

20号が適している世帯

20号の給湯器は、主に2人から3人家族での使用が推奨されます。

例えば、夫婦2人暮らしや、親と小さい子供1人の3人家族などです。キッチンとシャワーを同時使用する場面が時々あっても、大きなストレスなく対応できる能力を持っています。単身者でも、お湯をよく使う方であれば16号より20号の方が快適に過ごせるでしょう。

24号が適している世帯

24号の給湯器は、3人から5人家族といった、より多くの人数で暮らす世帯に適しています。

特に、子育て世代の4人家族などで、夕食の準備をしながら子供をお風呂に入れるなど、複数の場所でお湯を同時に使う機会が多いご家庭には24号が安心です。二世帯住宅でキッチンや浴室が複数ある場合も、パワフルな24号が推奨されます。冬場でもシャワーの勢いが落ちにくいなど、安定した給湯能力が魅力です。

給湯器20号と24号の違いを踏まえた選び方

給湯器20号と24号の違いを踏まえた選び方

  • 給湯器で20号がおすすめの人
  • 給湯器で24号がおすすめの人
  • 給湯器を交換する際の注意点
  • 給湯器の選び方でよくある質問

給湯器で20号がおすすめの人

これまでの情報を踏まえて、20号の給湯器が特にどのような方におすすめなのかを具体的にまとめます。

20号がおすすめなのは、以下のようなライフスタイルの方です。

  • 2人〜3人で暮らしている方夫婦2人暮らしや、大人2人と幼児1人といった世帯構成の場合、20号の給湯能力で十分快適に過ごせる可能性が高いです。
  • お湯を同時に使う機会が少ない方家族の入浴時間がずれている、料理中にもう一人がシャワーを浴びることがほとんどないなど、お湯の同時使用が頻繁でなければ、20号で不便を感じることは少ないでしょう。
  • 初期費用を少しでも抑えたい方前述の通り、24号に比べて本体価格が若干安価なため、設置にかかる初期コストを少しでも節約したい場合には20号が選択肢となります。
  • 現在16号を使っていて少し物足りないと感じる方現在16号の給湯器を使用していて、「シャワーの勢いがもう少し欲しい」「キッチンと同時に使うと少し不便」と感じている場合、20号に上げるだけでお湯の使い勝手が大きく改善されます。

給湯器で24号がおすすめな人

一方で、24号の給湯器はよりパワフルな給湯能力を求めるご家庭に向いています。具体的には、以下のような方々におすすめです。

24号がおすすめなのは、以下のようなライフスタイルの方です。

  • 3人以上の家族、特に4人〜5人で暮らしている方家族の人数が多くなると、自然とお湯を使うタイミングが重なりがちです。特に子育て中のご家庭では、キッチン、洗面所、浴室での同時使用が日常的に発生するため、24号の能力が活躍します。
  • お湯を同時に2ヶ所以上で使うのが当たり前の生活をしている方家族それぞれの生活リズムに関わらず、誰かがお風呂に入っている時に気兼ねなくキッチンでお湯を使いたい、といった快適性を重視する方には24号が最適です。
  • 冬場でもパワフルなシャワーを使いたい方水温が低くなる冬は、給湯器の能力が最も試される季節です。24号であれば、冬場でも勢いの衰えを感じにくく、快適なバスタイムを維持できます。
  • 将来的に家族が増える可能性がある方現在は2人暮らしでも、将来的に子供を持つことを考えている場合など、ライフスタイルの変化を見越して余裕のある24号を選んでおくというのも賢明な判断です。

給湯器を交換する際の注意点

給湯器を交換する、特に号数を変更する際には、いくつか事前に確認しておくべき注意点があります。これらを見落とすと、後でトラブルになったり、期待した性能が得られなかったりする可能性があります。

賃貸物件の場合は管理会社や大家さんに確認

賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、給湯器は建物の設備の一部であり、所有者は大家さんです。勝手に交換することはできません。故障した場合や号数を変更したい場合は、必ず事前に管理会社や大家さんに連絡し、許可を得る必要があります。物件によっては設置できる号数が決まっている場合もあるため、確認は必須です。

ガスメーターの能力を確認する

号数を上げる際に特に重要なのが、ガスメーターの供給能力です。ガスメーターにはそれぞれ供給できるガスの量に上限があり、給湯器の号数がこの能力を超えてしまうと、安全装置が作動してガスが止まってしまうことがあります。一般的に、4号メーターなら20号まで、6号メーターなら24号まで対応可能です。ガスメーターの号数は本体に「NB6」のように記載されているので、事前に確認しましょう。もし能力が足りない場合は、契約しているガス会社に連絡してメーターを交換してもらう必要があります。

追い焚き機能の有無を確認する

現在設置されている給湯器が「追い焚き機能付き」か「給湯専用」かによって、交換できる機種が限定されます。配管の構造が異なるため、基本的に追い焚き機能がないタイプからあるタイプへ変更するには、浴槽に穴を開けるなどの追加工事が必要になります。現在の給湯器リモコンに「おいだき」ボタンがあるかどうかで簡単に見分けられますので、必ず確認しておきましょう。

給湯器の選び方でよくある質問

給湯器の20号と24号の選び方に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1: 大は小を兼ねるで、とりあえず24号にしておけば間違いないですか?

A1: 必ずしもそうとは言えません。2人暮らしのようにお湯の使用量が少ないご家庭が24号を設置しても、その能力を最大限に活かす機会は少ないかもしれません。前述の通り、お湯の勢いが良くなることで無意識に使いすぎてしまい、かえってガス代や水道代が上がる可能性もあります。初期費用も高くなるため、ご家庭のライフスタイルに合った適切な号数を選ぶのが最も経済的で効率的です。

Q2: 20号から24号に交換する工事は大変ですか?

A2: 給湯器本体のサイズは20号と24号でほとんど変わらないため、設置場所が同じであれば、交換工事自体が特別に大変になることは少ないです。ただし、前述の通り「ガスメーターの能力」が足りているかの確認は必須です。能力が不足している場合は、ガス会社によるガスメーターの交換が必要になります。

Q3: エコジョーズの場合でも号数の考え方は同じですか?

A3: はい、同じです。エコジョーズは排熱を再利用して効率よくお湯を沸かす省エネ性能の高い給湯器ですが、「号数」が示す「1分間に出せるお湯の量」の定義は従来の給湯器と全く同じです。したがって、エコジョーズを選ぶ際も、20号か24号かの選択は、これまで解説してきた世帯人数やお湯の使い方を基準に判断します。

給湯器20号と24号の違いや特徴:総まとめ

この記事で解説した、給湯器の20号と24号の違いに関する重要なポイントを以下にまとめます。

  • 給湯器の号数は「水温+25℃」のお湯を1分間に何リットル出せるかを示す能力の指標
  • 20号は1分間に20リットル、24号は1分間に24リットルの給湯能力を持つ
  • 最大の違いは一度に使えるお湯の量であり、同時使用時の快適さに影響する
  • 20号は2人から3人家族、24号は3人から5人家族が一般的な目安
  • 本体価格は24号の方が1万円から3万円程度高い傾向にある
  • 同じ湯量を使えばガス代は変わらないが、号数を上げると使用量が増えやすい
  • 20号は初期費用を抑えたい少人数世帯におすすめ
  • 24号はお湯を同時に使う機会が多い、快適性を重視する多人数世帯におすすめ
  • 号数を上げる際はガスメーターの供給能力の確認が必須
  • 賃貸物件での交換は必ず管理会社や大家さんの許可が必要
  • 追い焚き機能の有無など、現在の給湯器のタイプを確認することが大切
  • 大は小を兼ねるとは限らず、ライフスタイルに合った号数選びが最も経済的
  • エコジョーズを選ぶ際も号数の基本的な考え方は同じ
  • 迷った場合は、将来の家族構成の変化も考慮に入れると良い
  • 最終的な判断は専門の業者に相談するのが安心
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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