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窓の寒さ対策にプラダンレールを使った二重窓DIYの効果|100均・ホームセンターでのオススメを解説

2025年11月12日

窓の寒さ対策にプラダンレールを使った二重窓DIYの効果|100均・ホームセンターでのオススメを解説

冬の窓からの刺すような冷え込みに悩み、窓の寒さ対策にプラダンレールでのDIYを検討していませんか?

窓の寒さ対策で簡単な方法は?と情報を探す中で、手軽で安価なプラダンを使った方法が注目されています。

しかし、窓の寒さ対策でプラダンレールを使うと断熱効果があるの?と、その実力を疑問に思う方も多いでしょう。また、断熱ボードとプラダンどっちがいい?どおちらが効果的?など比較や、断熱シートとプラダンレールで断熱どっちがいい?かなど、他の対策との違いについても気になるところです。

材料となるプラダンレールは、100均(ダイソーやセリア)で見つかる手軽な商品から、ホームセンター(コメリ、カインズ)で販売されている本格的なプラダンの二重窓キットや専用のプラダン二重窓レールまで、選択肢が非常に豊富です。

一方で、プラダンレールの代用品のアイデアや、そもそもプラダンを窓に固定する方法は?という具体的な悩み、さらにはプラダンを窓に立てかけとはめるどっち?が効果的なのか、迷うこともあるかもしれません。

この記事では、賃貸でもできるDIY断熱の方法として、プラダンを窓に貼る結露対策の効果や、窓の寒さ対策をおしゃれに行うコツ、そしてDIYの限界点まで、プラダンレールを使った窓断熱のあらゆる疑問を総合的に解説します。

この記事のポイント

  • プラダンレールを使った窓断熱の具体的な効果と原理
  • 100均やホームセンターでの詳しい材料の選び方と比較
  • DIYの手順、プラダンレール代用のアイデアと失敗例
  • DIYの限界と補助金を活用した本格的な断熱リフォームの選択肢

窓の寒さ対策でプラダンレールDIYの基本と断熱効果

窓の寒さ対策でプラダンレールDIYの基本と断熱効果

  • 窓の寒さ対策でプラダンレールを使うと断熱効果があるの?
  • 窓の寒さ対策で簡単な方法は?
  • 断熱ボードとプラダンどっちがいい?どっちが効果的?
  • 断熱シートとプラダンレールで断熱どっちがいい?
  • 賃貸でもできるDIY断熱とプラダンを窓に貼る結露対策

窓の寒さ対策でプラダンレールを使うと断熱効果があるの?

結論から言えば、プラダン(プラスチックダンボール)とレールを使った窓の寒さ対策には、明確な断熱効果が期待できます。DIYと侮ってはいけません。その理由は、住宅の熱の出入りに深く関係しています。

家の熱が逃げる最大の原因は「窓」であり、大手サッシメーカーYKK AP株式会社の調査によれば冬場に外へ逃げていく熱の約58%が窓などの開口部からとされています。

つまり、どれだけ暖房を強くしても、窓の断熱が不十分だと熱がどんどん逃げてしまい、光熱費の無駄遣いにもつながるのです。このため、窓の断熱対策が非常に重要になります。

ここでプラダンが活躍します。プラダンは、紙のダンボールと同じように、2枚の板の間に「中空構造」と呼ばれる空気の層を持っています。ご存知の通り、空気は熱を伝えにくい(熱伝導率が低い)性質を持っています。ダウンジャケットが暖かいのも、羽毛の間にたくさんの動かない空気層をため込むからです。

プラダンの中空構造にある空気層が、外の冷たい空気と室内の暖かい空気を遮断する「断熱材」の役割を果たしてくれます。

プラダンの「二重」の断熱原理

プラダンレールを使って簡易的な二重窓(内窓)を作ると、断熱効果はさらに高まります。その理由は以下の二重の空気層が形成されるためです。

  1. プラダン自体の中空構造(空気層)
  2. 既存の窓ガラスとプラダンの間にできる、数センチの厚い空気層

熱伝導率が約0.024W/mKと非常に低い「空気」の層が二重になることで、熱の移動を強力に防ぎ、窓際からのヒンヤリとした冷気(コールドドラフト)を大幅に軽減できます。

もちろん、プロが施工する数万円以上する本格的な二重窓や高断熱ガラスには及びませんが、数千円のDIYとしては抜群のコストパフォーマンスと言えるでしょう。

窓の寒さ対策で簡単な方法は?

窓の寒さ対策で簡単な方法は?

窓の寒さ対策としてDIYでできる簡単な方法には、プラダンを使ったものでもいくつかのレベル(難易度)があります。特別な工具を必要とせず、手軽に試せるのがプラダンDIYの最大の利点です。

方法1:プラダンを窓に直接貼り付ける(難易度★☆☆)

最も手軽で安価な方法です。窓ガラスの寸法に合わせてプラダンをカットし、両面テープや吸盤などで窓ガラスに直接貼り付けます。これだけでもプラダンの中空構造が冷気を遮断し、一定の効果は感じられます。

ただし、この方法は窓の開閉が一切できなくなります。また、透明なテープを使っても見た目があまり良くなく、特に結露が多い窓では剥がした後に糊が残りやすい点が大きなデメリットです。換気が必要な窓には向きません。

方法2:窓とカーテンの間に立てかける(難易度★☆☆)

プラダンを窓枠のサイズに合わせてカットし、窓とカーテンの間に「立てかける」だけ、あるいは自立するように「コの字型」に折って窓枠にはめ込む方法です。こちらも非常に手軽です。

しかし、立てかけているだけなので、どうしても上下左右に隙間ができやすくなります。気密性が低いため断熱効果は限定的で、窓を開けるたびに倒れてくるのを直す手間もかかります。

方法3:プラダンレールで簡易二重窓を作る(難易度★★☆)

この記事のメインテーマであるプラダンレールを使う方法です。窓枠の上下(より本格的に行うなら左右も)にプラスチック製のレールを取り付け、そこにカットしたプラダンをはめ込みます。

これにより、プラダンが引き戸のようにスムーズに開閉できる簡易的な二重窓が完成します。

他の方法に比べて隙間が格段に減るため気密性が高く、高い断熱効果が期待できます。さらに、窓の開閉という利便性を損なわない点が最大のメリットです。

プラダン自体は非常に軽量で、特別な工具は不要、大きなカッターナイフがあれば簡単にカットできます。DIY初心者の方でも扱いやすい素材であることが、簡単な寒さ対策として最も支持される理由の一つです。

断熱ボードとプラダンどっちがいい?どっちが効果的?

窓の寒さ対策として、プラダンとよく比較されるのが「断熱ボード(主に発泡スチロール製)」です。ホームセンターなどで冬になると並びますが、どちらが良いかは、設置する窓の「採光」と「開閉」の必要性によって明確に分かれます。

プラダンは、半透明(クリア)タイプを選べば、室内の明るさを保ちつつ断熱できます。リビングや寝室、子ども部屋など、日中の明るさを確保したい部屋に最適です。前述の通り、レールを使えば開閉も可能です。

一方、発泡スチロール製の断熱ボードは、素材自体の断熱性能はプラダンよりも高い傾向にありますが、光を一切通さないという大きな特徴(デメリット)があります。そのため、設置すると部屋が真っ暗になってしまいます。基本的に固定して使うため、開閉もできません。

断熱ボードは、日中でも電気をつけっぱなしにすることになり、かえって不便になる可能性があります。採光が全く必要ない北側の物置や、浴室・トイレの型ガラスの小窓など、使用する場所はかなり限定されます。

断熱ボードとプラダンの比較表
項目プラダン(中空構造)断熱ボード(発泡スチロール)
断熱性〇(空気層による)◎(素材自体が高い)
採光性◎(半透明・クリアタイプあり)×(光を一切通さない)
加工性◎(カッターで容易)〇(カッターで切れるが屑が出やすい)
開閉対応〇(レール使用で可能)△(基本的には固定)
見た目△(色や透明度を選べる)×(圧迫感が強く、見た目が悪い)
おすすめの場所リビング、寝室、居室全般北側の窓、物置、採光不要の小窓

このように、リビングなどの主要な窓には、明るさと快適性を保ちつつ断熱できるプラダン(特にレール使用)が適していると言えます。加工時の「屑」の出にくさも、室内で作業する上ではプラダンに軍配が上がります。

断熱シートとプラダンレールで断熱どっちがいい?

窓に貼る断熱シート(通称「プチプチ」や「結露防止シート」など)も非常に手軽な対策です。これとプラダンレールを使った簡易二重窓を比較した場合、より高い断熱効果を期待できるのはプラダンレールです。

その理由は、形成される空気層の「厚み」と「密閉性」の決定的な違いにあります。

断熱シートも、プチプチの気泡や特殊なシート構造で空気層を作りますが、その層は非常に薄く、せいぜい「ミリ単位」です。また、窓ガラスに直接(水や粘着剤で)貼り付けるため、ガラス自体の冷たさがシート越しに伝わりやすいです。手軽ですが、効果はマイルドと言えます。

対してプラダンレール方式は、プラダン自体が持つ中空構造(数ミリの空気層)に加えて、既存の窓との間に「数センチ単位」の厚い空気層を作り出します。この「分厚い空気の壁」が、断熱シートとは比較にならない強力な断熱効果を発揮するのです。

断熱シートの注意点

断熱シートは手軽さが最大の魅力ですが、いくつかの注意点があります。特に結露がひどい窓に貼ると、シートとガラスの間で発生した結露が逃げ場を失い、カビの温床になったり、粘着力が弱まってすぐに剥がれたりすることがあります。

また、網入りガラスペアガラス(複層ガラス)は、熱割れのリスクがあるため断熱シートの使用を禁止している場合が多く、注意が必要です。

手軽さやコスト(数百円)を最優先するなら断熱シートも選択肢になりますが、開閉の利便性を保ちつつ、ワンランク上のしっかりとした断熱効果を得たいのであれば、プラダンレールを選ぶ方が賢明です。

賃貸でもできるDIY断熱とプラダンを窓に貼る結露対策

賃貸でもできるDIY断熱とプラダンを窓に貼る結露対策

プラダンレールを使ったDIYは、賃貸住宅でも原状回復可能な方法で行うことができ、多くのDIY派に支持されています。また、厄介な「結露」に対しても一定の効果を発揮します。

賃貸でDIYする際の最重要注意点

賃貸住宅でのDIYで最も重要なのは、退去時に元通りに戻せる(原状回復)ことです。プラダンレールを窓枠に固定する際、付属の強力な両面テープで直接貼ってしまうと、剥がす際に窓枠の塗装や表面の化粧シートまで一緒に剥がしてしまう危険性があります。

これを防ぐため、DIY愛好家の間では定番のテクニックがあります。それは、まず窓枠に「養生テープ(マスキングテープ)」を貼り、その上から両面テープでレールを固定するという方法です。こうすることで、剥がす際は養生テープごと綺麗に剥がすことが可能になり、窓枠を傷つけません。

養生テープ(マスキングテープ)の過信は禁物

養生テープは剥がしやすいのが特徴ですが、万能ではありません。長期間(ワンシーズン以上)貼りっぱなしにすると、日光(紫外線)の影響で糊が変質し、窓枠に糊が残ったり、跡が付いたりする可能性がゼロではありません。特に安価なテープは糊残りしやすい傾向があります。必ずシーズンオフには剥がすこと、そして目立たない場所で試してから本番作業に移ることをおすすめします。

プラダンによる結露対策

冬の朝、窓ガラスがびっしょり濡れる結露は、カビやダニの原因にもなり不快です。結露は、室内の暖かい湿った空気が、外気で冷やされた窓ガラスに触れて急激に冷やされることで発生します。

プラダンで簡易二重窓を作ると、室内の暖かい空気が直接冷たい窓ガラスに触れにくくなります。プラダン自体の表面温度もガラスほど低くはならないため、室内側(プラダン表面)での結露の発生を大幅に抑える効果が期待できます。

ただし、プラダンを設置しても、既存の窓(外窓)とプラダンの間は冷たい空間のままです。

そのため、その空間で結露が発生すること自体は防げません。部屋の湿度が高すぎたり、換気が不十分だったりすると結露は発生しやすくなるため、適度な換気も併せて行うことが重要です。

窓の寒さ対策にプラダンレールDIYの実践と注意点

窓の寒さ対策にプラダンレールDIYの実践と注意点

  • プラダンレールなど100均・ダイソー・セリアとホームセンター比較
  • プラダン二重窓レールとプラダン二重窓キットの活用
  • プラダンレールの代用とプラダンを窓に固定する方法は?
  • プラダンを窓に「立てかけ」と「はめる」はどっちがおすすめ?
  • 窓の寒さ対策をおしゃれに行う
  • プラダンレールを超える断熱リフォーム

プラダンレールなど100均・ダイソー・セリアとホームセンター比較

プラダンレールや関連部材は、100均(ダイソー、セリアなど)とホームセンター(カインズ、コメリなど)のどちらでも入手可能ですが、それぞれ品質、サイズ、品揃えが大きく異なります。

100均(ダイソー・セリア)の最大の利点は、もちろんコストの安さです。関連部材を全て揃えても数百円で済む場合があります。ただし、取り扱っているプラダンのサイズが小さく(A3やA4サイズなど)、大きな窓には使えません。また、レールの種類も限られていたり、店舗によっては取り扱いがなかったりする場合が多いです。浴室やトイレの小窓など、ごく小さな窓に限定して「お試し」でやってみるには良いでしょう。

ホームセンター(カインズ・コメリ)は、DIY関連商品が主力なだけあり、品揃えが圧倒的に豊富です。

大判のプラダン(サブロク板と呼ばれる910mm×1820mmなど)が手に入るため、リビングの掃き出し窓にも対応可能です。また、プラダンの一般的な厚み(4mmが多い)に合わせた専用の上下レール、サイドを塞ぐフレーム材、開閉用の取っ手シールまで、必要な部材が全て揃います。特にカインズなどでは「簡易内窓フレームレールセット」といった専用キットも販売されており、品質も安定しています。

100均の「配線カバー」をレールに代用する裏技

100均で専用レールが見つからない場合、電気コードを隠すための「配線カバー(配線モール)」をレールとして代用するDIY手法もあります。

これを窓枠の上下に貼り、その溝にプラダンをはめ込むというものです。しかし、本来の用途とは異なるため、プラダンの厚みと溝の幅がうまく合わず(浅すぎてすぐ外れる、またはキツすぎて動かない)、強度が不足するなど、失敗のリスクも伴います。

結論として、リビングの掃き出し窓など、日常的に使う大きな窓や、しっかりした仕上がり(気密性)を求める場合は、最初からホームセンターで専用の材料を揃えることを強くおすすめします。

プラダン二重窓レールとプラダン二重窓キットの活用

ホームセンターなどで材料を選ぶ際、「レール単体」をバラで買うか、「二重窓キット」を購入するかで迷うかもしれません。これはDIYの経験値や、何を重視するかで選択が変わります。

レール単体(上下レールや横フレームなど)を個別に購入する場合、必要な分だけ購入できるため、コストを最小限に抑えられる可能性があります。しかし、プラダンの厚みに合うか、横ズレを防ぐフレームは必要か、上下レールの深さ(通常、上レールを深く、下レールを浅くしてはめ込みやすくします)をどうするかなど、自分で設計を考える必要があります。DIYに慣れた方向けと言えるでしょう。

一方、プラダン 二重窓キット(カインズの「簡易内窓フレームレールセット」などが有名)は、必要な部材(レール、フレーム、取っ手、固定用両面テープなど)が一式セットになっています(※プラダン本体は別売りの場合が多いので注意)。

どの部材を組み合わせれば良いか迷う必要がなく、カットする寸法の計算方法なども説明書に分かりやすく記載されています。

DIY初心者の方や、部材選びで失敗したくない方、見た目をできるだけスッキリとプロっぽく仕上げたい方には、二重窓キットの利用が断然おすすめです。必要なものが過不足なく揃っているので、採寸とカット、組み立て作業に集中できますよ。

キットはレール単体で揃えるよりも割高にはなりますが、部材選定の失敗リスクをゼロにし、作業の確実性と仕上がりの良さを買うと考えれば、十分にその価値がある選択肢です。

プラダンレールの代用とプラダンを窓に固定する方法は?

プラダンレールの代用とプラダンを窓に固定する方法は?

専用のプラダンレールがどうしても入手できない場合、他のもので代用しようと試みる方もいます。

また、レールを使わずにプラダンを固定する方法についても、改めて詳しく解説します。

プラダンレールの代用アイデアと注意点

前述の通り、最もポピュラーな代用品は100均の「配線カバー」です。また、ホームセンターで売られている1cm角程度の「角材(木材)」を2本平行に貼り付けて溝を作る方法もあります。しかし、これらの代用品には注意が必要です。

代用品でのよくある失敗例

  • 溝が浅すぎた:配線カバーを使ったが溝が浅く、プラダンが少しの振動や風ですぐに外れて倒れてくる。
  • 溝が広すぎた:角材の間隔を広くしすぎて、プラダンがガタガタ動いてしまい、隙間だらけで断熱効果が半減した。
  • 強度が足りない:大きな掃き出し窓で代用品を使ったら、プラダンの重みや「たわみ」でレール(代用品)ごと歪んでしまった。
  • 木材の反り:角材を使った場合、結露の湿気で木材が反ってしまい、スムーズに開閉できなくなった。

代用品はコストを抑えられますが、プラダンの厚み(通常4mm)と溝の幅が精密に合わないと、スムーズな開閉ができなかったり、気密性が著しく低下したりするリスクが非常に高いです。特別なこだわりがなければ、専用品のレールを使うのが最も確実で、結果的に満足度も高くなります。

プラダンを窓に固定する方法(レール不使用)

レールを使わずにプラダンを固定する場合は、以下の方法が一般的ですが、それぞれ一長一短があります。

  • 両面テープで直貼り:窓ガラスや窓枠に直接貼り付けます。最も簡単ですが、開閉不可、視界不良、原状回復困難というデメリットだらけです。
  • 養生テープで目張り:窓枠の周囲を養生テープで目張りするように固定します。気密性は上がりますが、見た目が非常に悪く、窓も開けられません。
  • 吸盤:プラダンに穴を開けて吸盤を取り付け、窓ガラスに吸着させます。取り外し可能で開閉(取り外して開ける)もできますが、吸盤とガラスの間に隙間ができやすく、断熱効果は下がります。

プラダンを窓に「立てかけ」と「はめる」はどっちがおすすめ?

手軽さで言えば「立てかける」だけですが、断熱効果と日常の利便性を両立させるなら「はめる(レールを使う)」方法を強く推奨します。

「立てかける」方法は、窓とカーテンの間にプラダンを置くだけ、あるいはコの字に折って窓枠に仮置きするだけです。

これでも一定の断熱効果(プラダン自体の中空構造による)はありますが、上下左右に必ず隙間ができます。この隙間から冷気が侵入(コールドドラフト)してくるため、効果は半減してしまいます。また、窓を開閉するたびにプラダンを移動させる必要があり、非常に不便です。

一方、プラダンレールを使って「はめる」方法は、上下の隙間をレールで塞ぐことができます。左右もフレーム材(キットに含まれることが多い)を使えば、気密性は格段に向上します。これにより、プラダンと窓ガラスの間の空気層が「動かない空気」となり、断熱効果を最大化できるのです。

「立てかけ」は、あくまで一時的なお試しや、開閉の必要がない小さな窓(FIX窓)向けの「点」の対策です。

「はめる(レール)」は、日常的に使うリビングや寝室の窓向けで、効果と利便性のバランスが取れた「面」の対策と言えます。

窓際からの冷気を感じにくくなり、暖房効率も上がるため、光熱費の節約にもつながる可能性が高いのは、間違いなく「はめる」方法です。

窓の寒さ対策をおしゃれに行う

「プラダンは安っぽく見えそう」「DIY感が出すぎてインテリアに合わない」と、見た目を心配する方もいるかもしれません。しかし、素材選びと少しの工夫で、窓の寒さ対策をおしゃれに行うことも十分に可能です。

透明度の高い素材を選ぶ

プラダンには様々な色がありますが、圧迫感を減らし、採光を維持するためには「クリア(半透明)」タイプがおすすめです。これだけでも部屋の印象は大きく変わりません。

さらに、プラダンよりも高価(数倍程度)になりますが、「ポリカ中空ボード(ツインカーボなど)」という選択肢もあります。これはポリカーボネート製で、プラダンと似た中空構造を持ちながら、ガラスに近い非常に高い透明度を持つのが特徴です。強度もプラダンより格段に高く(耐候性にも優れる)、見た目はほとんどプロが施工した内窓と変わらないレベルに仕上げることも可能です。

フレームやレールの色を窓枠と合わせる

DIY感が強く出てしまう最大の原因は、後付けしたレールやフレームの色が既存の窓枠と合っていないことです。多くの簡易内窓キットやレールは、「ホワイト」「ブラウン」「木目調」「アイボリー」など、日本の住宅でよく使われる窓枠の色に合わせたカラーバリエーションが用意されています。窓枠の色と合わせることで、後付け感を最小限に抑え、スッキリとした一体感が生まれます。

丁寧に作業する(最重要)

当たり前のことですが、これが一番重要です。寸法を1mm単位で正確に測り、カッターで(必ず定規を当てて)真っ直ぐに切る、テープ類がはみ出さないように丁寧に作業する。こうした作業の丁寧さが、最終的な仕上がりの美しさに直結します。

どうせなら、機能性だけでなく見た目もこだわりたいですよね。

予算が許せば、ポリカ中空ボードと窓枠に合わせた色のフレームキットを使ってみてください。DIYとは思えないほど「おしゃれ」な仕上がりが目指せますし、耐久性も高いので満足感が長く続きますよ。

プラダンレールを超える断熱リフォーム

ここまでプラダンレールを使ったDIYについて詳しく解説してきましたが、DIYにはどうしても限界があります。

プラダンDIYはあくまで「簡易的」な対策であり、根本的な解決にはならないことも理解しておく必要があります。

DIY(プラダンレール)の限界点

  • 耐久性:プラダン(ポリプロピレン)やプラスチック製のレールは、日光(紫外線)や温度変化で徐々に劣化します。数年単位での使用には向かず、黄ばんだり、割れやすくなったりします。
  • 気密性:どれだけ丁寧に取り付けても、プロが施工するアルミや樹脂サッシの内窓のような完璧な気密性(パッキンなど)を出すことは困難です。
  • たわみ:リビングの掃き出し窓のような大きな窓(特に高さのある窓)では、プラダンが自重で「たわみ」、中央部が弓なりになってレールから外れやすくなったり、隙間が大きくなったりします。これはDIYの最大の壁です。
  • 見た目:工夫はできても、やはり既製品のサッシの美しさや高級感には及びません。

これらのDIYの限界を感じる場合、またはより高い断熱性、さらには遮音性・防犯性・耐久性を求める場合は、プロによる本格的な窓断熱リフォームを検討する段階です。

窓の寒さ対策にプラダンレールDIYで快適に過ごす注意点:まとめ

主な方法として、以下の3つが挙げられます。それぞれ特徴やコストが異なります。

  1. 内窓(二重窓)の設置既存の窓の内側(室内側)に、もう一つ新しい窓枠(樹脂製が主流)と窓を設置する方法です。プラダンDIYの最終進化形とも言えます。非常に高い断熱効果に加え、優れた遮音効果も得られるのが最大の特徴です。LIXILの「インプラス」やYKK APの「プラマードU」などが有名です。
  2. ガラス交換(高断熱ガラス)既存の窓枠(サッシ)はそのまま利用し、ガラスのみを断熱性能の高いものに交換する方法です。日本板硝子の真空ガラス「スペーシア」などが代表的で、アタッチメントを用いることで古い単板ガラスのサッシにも対応できる場合があります。窓の開閉操作性が一切変わらないのがメリットです。
  3. カバー工法(窓交換)既存の窓枠の上から新しい窓枠を被せて、新しい窓(サッシごと)を取り付ける方法です。壁を壊す大掛かりな工事が不要で、窓枠自体の断熱性も根本から向上させたい場合(例:古いアルミサッシから樹脂サッシへ)に有効です。

補助金活用で本格リフォームが断然おすすめ

プラダンレールでのDIYは、数千円で試せる手軽さが魅力です。しかし、根本的な寒さ対策を施し、この先何年も続く光熱費を削減したいのであれば、本格的なリフォームが最適解となります。

「リフォームは費用が高い」とためらうかもしれませんが、現在、国は住宅の省エネ化・断熱化を強力に推進しており、「先進的窓リノベ事業」などの補助金制度が非常に充実しています。

条件や工事内容(内窓設置やガラス交換など)によっては、工事費用の半額相当、最大200万円といった高額な補助金が受けられるケースも珍しくありません。(出典:先進的窓リノベ2025事業 公式サイト

結果的に、DIYで毎年悩み、材料を買い替えるよりも、補助金を使って高性能な窓にした方が、毎月の光熱費の削減効果も含めてトータルで得になる可能性が非常に高いのです。

まずは専門業者に相談し、ご自宅の窓が補助金の対象になるか、無料で見積もりを取ってみることを強くおすすめします。

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  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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