こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。
お部屋をすっきりと広く見せてくれる天井埋め込み型の照明器具、いわゆる「ダウンライト」。
新築時にはそのスタイリッシュさに惹かれて設置したものの、10年、15年と経過していざ電球が切れたり故障したりした際、「交換費用は一体いくらかかるのか?」「普通のシーリングライトのように自分で交換できないのか?」と不安に感じる方が非常に多いです。
特に現在は、従来の蛍光灯や白熱電球からLED照明への移行期にあたります。電球交換だけで済むのか、それとも器具ごとの電気工事が必要なのか、その判断基準は一般の方には少し分かりにくいのが実情です。
業者によって見積もり金額に数万円の差が出ることも珍しくありません。
この記事では、そんな天井埋め込み照明器具の交換費用に関する疑問を、現場の裏側を知る職人の視点から徹底的に解説します。適正価格を知り、損をしないためのリフォーム知識としてお役立てください。
目次
天井埋め込み照明器具の交換費用の相場と内訳
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- ダウンライトの本体価格と工事費の目安
- LED一体型と交換型の値段の違い
- 埋込穴サイズや寸法で変わる器具の価格
- 交換方法と電球交換・器具交換の違い
- 賃貸物件での照明交換は誰が負担するのか
- 複数箇所をまとめて交換する場合の割引
ダウンライトの本体価格と工事費の目安
天井埋め込み照明器具(ダウンライト)の交換を専門の電気工事業者やリフォーム会社に依頼した場合、総額の目安は1箇所あたり8,000円~20,000円程度となります。幅があるのは、選ぶ照明器具の機能やグレード、そしてご自宅の天井裏の状況によって作業内容が変わるためです。
この費用の内訳をさらに細かく分解してみましょう。
まず、技術料となる「工事費(作業工賃)」は、単純な交換作業であれば1箇所3,000円~5,000円前後が一般的な相場です。ここに、新しい照明器具の「本体価格」(2,000円~10,000円程度)が加わります。さらに忘れてはならないのが、「出張費」や「廃棄処分費」(諸経費として3,000円~5,000円程度)です。
見積もりを見る際の注意点
インターネット上の広告で「交換工事1箇所500円!」のような激安価格を見かけることがありますが、これはあくまで「20箇所まとめて工事した場合の1箇所あたりの作業費」であったり、出張費が別枠で高額に設定されていたりするケースが多々あります。私がお客様にアドバイスする際は、必ず「トータルの支払額」で比較するようお伝えしています。特に、古い器具の廃棄処分費が含まれているか、駐車場代を別途請求されないかは要確認ポイントです。
ここがポイント見積書に「工事一式」としか書かれていない場合は要注意です。「器具代」「工事費」「出張費」「処分費」が明確に分かれている業者は、透明性が高く信頼できる傾向にあります。
LED一体型と交換型の値段の違い
現在販売されているLEDダウンライトには、大きく分けて2つのタイプが存在します。光源(LEDチップ)と器具が完全に一体化している「LED一体型」と、昔ながらの照明のように電球だけを取り替えられる「交換型(ランプ別体型)」です。どちらを選ぶかによって、今回の工事費用だけでなく、将来発生するメンテナンスコストが劇的に変わります。
初期費用重視なら「LED一体型」
現在、新築やリフォームで主流となっているのがLED一体型です。最大のメリットは「安さ」と「デザイン性」です。本体価格が2,000円台からと非常に安価で、器具自体もコンパクトで天井裏のスペースを取らないため、断熱材が入っている天井でも施工しやすいのが特徴です。ただし、LEDの寿命(約10年・40,000時間)が来た際には、電球だけを変えることができないため、再度電気工事士に依頼して器具ごと交換する必要があります。
長期コスパ重視なら「交換型」
一方、交換型は本体価格が4,000円〜8,000円程度と、一体型に比べて初期費用が高くなります。しかし、一度設置してしまえば、将来電球が切れた際に、ご自身で数百円〜千円程度のLED電球を買ってきて交換するだけで済みます。工事費や出張費がかからないため、長い目で見ると圧倒的に経済的です。
| タイプ | 初期費用(器具代) | 10年後のメンテナンス | トータルコストの考え方 |
|---|---|---|---|
| LED一体型 | 安い (約2,000円〜) | 業者による工事が必要 (費用:数万円) | 初期費用は安いが、将来の出費が大きい |
| 交換型 | 高い (約4,000円〜) | 自分で電球交換が可能 (費用:電球代のみ) | 初期費用は高いが、維持費が激安 |
埋込穴サイズや寸法で変わる器具の価格
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照明器具の費用を左右するもう一つの重要な要素が、天井に開いている穴の大きさ、専門用語で「埋込穴寸法」と呼ばれるサイズです。リフォームにおいては、既存の穴のサイズに合った器具を選ぶのが基本中の基本となります。
現在、市場で最も多く流通している標準的なサイズは、直径100mm(Φ100)、次いで125mm、150mmです。これら「定番サイズ」の器具は各メーカーが大量生産しているため競争が激しく、高機能なものでも比較的安価に手に入ります。
特殊サイズは追加費用に注意
問題となるのは、築20年以上のマンションや戸建てに見られる、直径175mmや200mmといった大きな穴や、逆に75mmといった極小サイズの穴です。これらのサイズに対応する最新のLED器具は種類が少なく、本体価格が割高になる傾向があります。
また、既存の穴が大きすぎて適合する器具がない場合は、「リニューアルプレート」というドーナツ状の金属板を使って穴の大きさを調整(縮小)する工事が必要になります。この場合、プレートの部材費(1,000円〜3,000円)と取り付けの手間賃が加算されるため、標準サイズへの交換よりも総額が高くなることを覚えておいてください。
交換方法と電球交換・器具交換の違い
一口に「ダウンライトの交換」と言っても、実は作業内容は大きく2つに分かれます。一つは、切れた電球だけを新しいものに取り替える「管球交換」。もう一つは、寿命を迎えた照明器具本体をごっそり入れ替える「器具交換」です。
「電球を変えるようにクルクル回せば外れると思っていたら、天井ごと外れそうになって焦った!」というお声をよくお聞きしますが、これは器具ごとの交換が必要なタイプを無理に外そうとした際によくあるトラブルです。ここでは、それぞれの正しい交換手順と、プロが行う工事の具体的な流れについて解説します。
自分でできる「電球交換」の手順と注意点
設置されているダウンライトが「交換型(ランプ別体型)」であれば、特別な道具を使わずにご自身で電球を交換できます。手順は以下の通りです。
- ステップ1: 安全のため、必ず壁のスイッチを切ります(感電や火傷防止)。
- ステップ2: 既存の電球を反時計回りに回して取り外します。カバーが付いている場合は、カバー枠を引き下げて外してから行います。
- ステップ3: 口金のサイズ(E26やE17など)と、対応するワット数を確認し、新しいLED電球を用意します。
- ステップ4: 新しい電球を時計回りに回して取り付け、スイッチを入れて点灯確認を行います。
調光機能付きスイッチには注意!壁のスイッチが「明るさを調節できる(調光)タイプ」の場合、必ず「調光器対応」と書かれたLED電球を選んでください。対応していない電球を使うと、点滅したり、故障の原因になったりします。
プロに依頼する「器具交換工事」の具体的な流れ
LED一体型の寿命や、器具自体の故障で「器具交換」が必要な場合、これは電気工事士による「工事」となります。私たちのような専門業者がどのような手順で作業を行っているかを知っていただくと、費用に対する納得感も変わるかと思います。
- 現場養生・安全確保: 脚立を立てる床や家具に傷がつかないよう、マットを敷いて養生します。また、ブレーカーを落として完全に通電を止めます。
- 既存器具の取り外し: 天井材(石膏ボード)を傷めないよう慎重に器具を外し、電源線を切断・取り外し処理を行います。
- 配線の接続作業: ここが最重要ポイントです。天井裏から来ている電源線を、新しい器具の端子台に確実に接続します。接続が甘いと発熱・発火のリスクがあるため、プロの技術が問われる工程です。
- 器具の埋め込み・固定: バネの力を使って、天井の穴に新しい器具を固定します。断熱材が入っている天井の場合は、放熱を妨げないようケーブルの取り回しに注意します。
- 点灯試験・清掃: ブレーカーを上げ、正常に点灯するか、異音がないかを確認します。最後にゴミを回収し、完了です。
穴のサイズが合わない場合
「古い器具を外したら、天井の穴が大きすぎた」というケースでは、「リニューアルプレート」という専用の化粧板を挟んで穴の隙間を埋める工法をとります。この場合、通常の工程に加えてプレートの取り付け作業が発生します。
このように、器具交換は単なる「付け替え」ではなく、配線処理や天井材の保護を含む複合的な作業です。
安全かつ美しく仕上げるためにも、器具本体の交換が必要な際は、無理をせずプロの手にお任せください。
賃貸物件での照明交換は誰が負担するのか
賃貸マンションやアパートにお住まいの方からよく頂くのが、「ダウンライトが切れたけれど、これは自分で払わなければならないの?」というご質問です。結論から申し上げますと、天井埋め込み照明器具本体の交換費用は、原則として貸主(大家さんや管理会社)の負担となります。
天井埋め込み照明は、入居者が持ち込んだものではなく、最初から建物に付帯している「設備」とみなされます。エアコンや給湯器と同じ扱いです。したがって、経年劣化による故障や寿命で点かなくなった場合の修繕義務は貸主にあります。
トラブルを避けるためのガイドライン
ただし、国土交通省のガイドラインでも示されている通り、入居者の故意(わざと)や過失(不注意)で壊してしまった場合は入居者負担となります。また、電球交換だけで済むタイプの場合、電球は「消耗品」扱いとなり、入居者が費用を負担する契約になっていることが一般的です。
最も重要なのは、勝手に業者を呼んで交換しないことです。「連絡するのが面倒だから」と自分で業者を手配し、後から管理会社に請求しても認められないケースがほとんどです。まずは管理会社に「照明が点かなくなった」と連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。
(出典:国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』)
複数箇所をまとめて交換する場合の割引
リビングやキッチン、廊下などでは、ダウンライトが等間隔で複数個設置されているデザインが一般的です。もし、その中の一つが寿命で点滅し始めたり、点かなくなったりした場合は、他の器具も同じように寿命が近づいているサインです。
このような状況では、不具合が出た1箇所だけを交換するのではなく、部屋全体、あるいは家全体のダウンライトをまとめて交換依頼することを強くおすすめします。これは単なる営業トークではなく、お客様の財布を守るための合理的な提案です。
なぜ「まとめ交換」が安いのか
電気工事の費用において、大きなウェイトを占めるのが「人件費(出張費)」です。職人が現場に向かい、道具を準備し、養生をする手間は、交換するのが1個でも10個でもそれほど変わりません。そのため、多くの業者では「1台目は工事費5,000円、2台目以降は2,500円」といった具合に、複数割引を設定しています。
例えば、5箇所の交換を5回に分けて依頼すれば出張費が5回分かかりますが、一度に済ませれば1回分です。10年以上経過している照明器具であれば、思い切って全交換することで、トータルコストを数万円単位で節約できることも珍しくありません。
天井埋め込み照明器具の交換費用を抑えるポイント
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- 電気工事士の資格なしでDIYは危険
- 自分で電球交換できるタイプの選び方
- 家電量販店やホームセンターに頼むメリット
- 地域の電気工事店とリフォーム会社の比較
電気工事士の資格なしでDIYは危険
最近はDIYブームもあり、「YouTubeで交換動画を見たから自分でもできそう」「ホームセンターで器具だけ買ってくれば材料費だけで済む」と考える方が増えています。しかし、プロとして断言します。
天井埋め込み照明器具の交換は、電気工事士の資格を持たない方が行うことは法律(電気工事士法)で禁止されています。
ダウンライトの多くは、天井裏からきている100Vの電源線を、器具の端子台に直接差し込む「電源直結式」という構造になっています。この接続が不完全だと、接触不良による発熱、スパークが発生し、最悪の場合は天井裏で火災が発生します。見えない場所で火が回るため、発見が遅れ、大事故につながるリスクが非常に高いのです。
保険が適用されないリスクも
さらに恐ろしいのは、無資格者のDIY工事が原因で火災や漏電事故が起きた場合、火災保険の補償対象外となる可能性が極めて高いことです。「数千円の工事費を節約した結果、家を失い、補償も受けられない」という事態は絶対に避けなければなりません。ご自身の安全と資産を守るためにも、必ず有資格者に依頼してください。
DIY可能な例外ケース
唯一の例外として、天井に「引掛シーリング(ローゼット)」などの配線器具があらかじめ設置されており、そこにカチッとはめ込むタイプの小型ダウンライト(シーリングライト)であれば、資格がなくても交換可能です。まずは既存の器具を少し外して、配線状況を確認してみましょう。
自分で電球交換できるタイプの選び方
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今回の交換費用だけでなく、10年後、20年後を見据えた「ライフサイクルコスト」を抑えたいのであれば、やはり「交換型(ランプ別体型)」を選ぶことが賢明です。先ほども触れましたが、場所や用途に応じて器具を使い分けるのがプロのテクニックです。
場所別・おすすめの器具タイプ
- リビング・キッチン・ダイニング: 点灯時間が長く、電球の消耗が激しい場所。ここは初期費用が少し高くても「交換型」を選びましょう。数年おきに電球交換が発生しても、工事費がかからないメリットが大きいです。
- 廊下・トイレ・洗面所: 点けたり消したりが頻繁な場所。ここも「交換型」がおすすめですが、最近のLEDは点滅に強いため、予算によっては一体型でも許容範囲です。
- クローゼット・納戸: 使用頻度が低く、点灯時間が短い場所。ここは電球が切れるまでの期間が非常に長いため、安価な「LED一体型」で十分元が取れます。
このように、家の中を一律にするのではなく、場所ごとに最適な器具を選定することで、無駄のない賢いリフォームが可能になります。
家電量販店やホームセンターに頼むメリット
「近所の電気屋さんも知らないし、どこに頼めばいいか分からない」という場合、大手家電量販店やホームセンターのリフォームコーナーを利用するのも一つの有効な手段です。これらの店舗に依頼する最大のメリットは、圧倒的な安心感と手続きの簡便さにあります。
店頭に並んでいる実物の商品を見て選び、その場で工事の申し込みまでワンストップで完了します。また、独自のポイント還元が利用できたり、クレジットカード払いや分割払いに対応していたりと、決済面での利便性も高いです。万が一不具合があった場合でも、店舗という窓口が明確なため、アフターフォローの面でも安心感があります。
コスト構造の理解が必要
ただし、費用面では注意が必要です。家電量販店自体が工事を行うわけではなく、提携している下請けの電気工事店が実際の作業を行います。
そのため、工事費には店舗の手数料(中間マージン)が上乗せされる構造になっており、地域の電気工事店に直接依頼するよりは若干割高になる傾向があります。「多少高くても、手間なく安心して任せたい」という方には最適です。
地域の電気工事店とリフォーム会社の比較
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費用をできるだけ安く抑えつつ、確かな技術で工事をしてほしい場合は、地域の電気工事店や、私たちのような地域密着型の小規模リフォーム会社に直接依頼するのが正解です。
中間マージンが発生しないため、適正価格かつ安価に施工できるケースが多いのが特徴です。
また、最近では「くらしのマーケット」のようなマッチングサイトを利用して、評判の良い個人の職人を自分で探す方も増えています。顔写真や口コミ評価を確認できるため、ある程度安心して依頼できるのがメリットです。
「安かろう悪かろう」を避けるために
ただし、個人業者の中には技術力や対応の質にばらつきがあるのも事実です。窓の断熱リフォームの現場でもよくある話ですが、良い職人は単に交換するだけでなく、「この部屋ならこちらの色味の方が落ち着きますよ」「今のスイッチだと使いにくいので交換しましょうか?」といった、プロならではのプラスアルファの提案をしてくれます。
見積もり依頼時のメールや電話の対応が丁寧か、質問に分かりやすく答えてくれるかを確認することが、良い業者に出会うための第一歩です。
天井埋め込み照明器具の交換費用のまとめ
ここまで、天井埋め込み照明器具の交換費用について、相場から安く抑えるための具体的なノウハウまでお話ししてきました。
1箇所あたり8,000円〜2万円という費用は決して安い金額ではありませんが、毎日使う「光」の環境を整えることは、生活の質に直結する重要な投資です。
記事のまとめ
- 工事費込みの相場は1箇所8,000円~2万円程度(器具代・処分費含む)
- 「LED一体型」は初期費用が安いが、球切れ時に工事が必要
- 「交換型」は初期費用が高いが、自分で電球交換ができ維持費が安い
- 賃貸の場合、器具の故障は原則貸主負担。必ず管理会社へ連絡する
- 配線工事は法律で有資格者のみ可能。DIYは厳禁
- 複数箇所をまとめて依頼することで、1箇所あたりのコストを下げる
照明が新しくなり、お部屋が明るくなると、気分まで晴れやかになるものです。
もし、照明交換のついでに「冬場の窓辺が寒い」「結露がひどい」といったお悩みがあれば、ぜひ窓の断熱対策も合わせて検討してみてください。光と温度、両方の環境を整えることで、あなたのお家時間はもっと快適で素敵なものになりますよ。
※本記事で紹介した費用は一般的な目安です。現場の状況や地域によって異なりますので、正確な金額は必ず専門業者に見積もりを依頼してご確認ください。