「ルーバー窓が古くなってきたけれど、交換費用はいくらかかるのだろうか」「冬場の寒さが気になるから、交換と合わせて補助金が使えたら…」
このように、ルーバー窓に関するお悩みを抱えていませんか。
ルーバー窓の交換を検討する際、多くの方がルーバー窓の交換費用や、利用できる補助金の有無について気にされます。また、そもそも今あるルーバー窓の欠点やデメリットは何で、メリットと比較してどうなのか、耐用年数はどのくらいなのか、といった基本的な疑問もあることでしょう。
さらに、交換以外の選択肢として、ハンドル部分の修理や内窓の設置費用、網戸の後付けは可能なのか、といった具体的な対策も知りたいところです。とりあえずの応急処置として、DIYや100均グッズでできる寒さ対策を探している方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、こうしたルーバー窓に関するあらゆる疑問を解消するため、交換で使える補助金の情報から、具体的な費用相場、ご自身でできる対策まで、専門的な情報を分かりやすく網羅的に解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点について深く理解できます。
- ルーバー窓の交換で利用できる補助金の詳細
- 窓の交換や内窓設置にかかる費用相場
- 交換以外の選択肢となる寒さ対策やメンテナンス方法
- ルーバー窓が持つメリット・デメリットと耐用年数
目次
ルーバー窓の交換で補助金を得るための基礎知識
- メリットは?基本的な特徴
- 欠点やデメリットは何ですか?
- 耐用年数は?
- 目安となるルーバー窓の交換費用
- 後付けできる?ルーバー窓の網戸後付け情報
- ルーバー窓のハンドルや内窓の基礎知識
メリットは?基本的な特徴
ルーバー窓(別名:ジャロジー窓)の最大のメリットは、換気性能の高さにあります。複数の細長いガラス板(羽根)がブラインドのように並んでおり、ハンドル操作で羽根の角度を自由に調整できるのが特徴です。
この構造により、全開にしなくても効率良く空気の入れ替えができます。例えば、プライバシーを守りたい浴室や脱衣所、トイレなどで、外からの視線を遮りながら湿気を逃がすのに非常に適しています。また、雨の日でも少しだけ羽根を開けることで、雨水の吹き込みを最小限に抑えながら換気が可能です。
このように、特定の場所において優れた換気能力を発揮することが、ルーバー窓が持つ大きな利点と考えられます。
欠点やデメリットは何ですか?
多くのメリットがある一方で、ルーバー窓には見過ごせない欠点やデメリットも存在します。これらを理解することが、交換を検討する上で大切な第一歩となります。
最大のデメリットは、断熱性と気密性の低さです。ガラスの羽根一枚一枚の間に隙間が生じやすい構造のため、冬は外の冷気が入り込みやすく、夏はエアコンの冷気が逃げやすくなります。このため、光熱費がかさむ原因にもなり得ます。
次に、防犯性の低さも大きな課題です。ガラスの羽根は比較的薄く、外からでも簡単に取り外せてしまうため、空き巣の侵入経路になりやすいというリスクがあります。実際に、防犯意識の高まりから、近年では新築住宅での採用が減少傾向にあります。
さらに、清掃のしにくさもデメリットとして挙げられます。ガラスの羽根が何枚も重なっているため、一枚ずつ拭き上げる必要があり、手間と時間がかかります。
これらのことから、快適性、安全性、メンテナンス性の観点から、他のタイプの窓への交換を検討する方が増えています。
耐用年数は?
一般的に、ルーバー窓を含む住宅用サッシの耐用年数は、約15年から25年が目安とされています。ただし、これはあくまで目安であり、使用環境やメンテナンスの状況によって大きく変動します。
耐用年数が近づくと、さまざまな不具合のサインが現れます。
交換を検討すべきサイン
- ハンドルの不具合: ハンドルが固くて回らない、空回りする、ガタガタするといった症状は、内部のギアボックスが摩耗・破損している可能性があります。
- 開閉の不具合: 羽根がスムーズに開閉しない、完全に閉まらないといった場合、部品の劣化や歪みが考えられます。隙間ができてしまうと、断熱性や気密性がさらに低下します。
- 部品の破損: ガラスの羽根を固定している留め具(オペレーター)や、連結部分のプラスチック部品が経年劣化で破損することがあります。
- 隙間風やガタつき: 窓全体がガタついたり、明らかな隙間風を感じるようになったりした場合は、サッシ全体の寿命が近いサインと考えられます。
これらのサインが見られるようになったら、部品交換だけでなく、窓全体の交換を視野に入れる良いタイミングと言えるでしょう。
目安となるルーバー窓の交換費用
ルーバー窓の交換費用は、新しい窓の種類やサイズ、そして採用する工法によって大きく異なります。主な工法には「カバー工法」と「はつり工法」の2種類があります。
カバー工法
カバー工法は、既存の窓枠を残し、その上から新しい窓枠を被せて設置する方法です。壁や内装を壊す必要がないため、工事が1日で完了することが多く、費用も比較的安価に抑えられます。現在の窓リフォームでは主流の工法です。
はつり工法
はつり工法は、既存の窓を壁ごと撤去し、新しい窓を設置する方法です。壁の解体や補修、内装・外装の再仕上げが必要になるため、工期が長くなり費用も高額になります。窓のサイズや種類を大幅に変更したい場合に選択されます。
以下に、カバー工法でルーバー窓を一般的な窓に交換する場合の費用相場をまとめます。
交換先の窓の種類 | 費用相場の目安(1箇所あたり) | 特徴 |
引き違い窓 | 8万円 ~ 15万円 | 最も一般的で使いやすい。断熱性や気密性が向上する。 |
縦すべり出し窓 | 10万円 ~ 18万円 | 開けたときに風を取り込みやすい。デザイン性が高い。 |
FIX窓(はめ殺し窓) | 7万円 ~ 12万円 | 開閉できない固定窓。採光や眺望を目的とする場合に最適。 |
※上記は製品代と工事費を含んだ概算費用です。窓のサイズやガラスの性能(複層ガラス、Low-E複層ガラスなど)によって価格は変動します。
後付けできる?ルーバー窓の網戸後付け情報
ルーバー窓に網戸を後付けすることは可能です。ただし、一般的な引き違い窓用のスライド式網戸は構造上設置できません。そのため、ルーバー窓には専用の特殊な網戸を取り付ける必要があります。
主な選択肢は「プリーツ網戸(アコーディオン網戸)」と「ロール網戸」の2種類です。
- プリーツ網戸: 蛇腹状に折りたたんで収納するタイプの網戸です。コンパクトに収まり、見た目もすっきりしています。費用相場は1箇所あたり約3万円~5万円です。
- ロール網戸: スクリーンのように巻き上げて収納するタイプの網戸です。横引きタイプと縦引きタイプがあります。費用相場は1箇所あたり約3万円~6万円です。
どちらのタイプも、専門の業者に依頼して採寸・設置してもらうのが一般的です。DIYでの取り付けも不可能ではありませんが、正確な採寸と取り付けが求められるため、難易度は高いと言えます。
ルーバー窓のハンドルや内窓の基礎知識
窓全体の交換までは考えていない場合でも、部分的な改修で快適性を向上させる方法があります。代表的なのが「ハンドルの交換」と「内窓の設置」です。
ハンドルの不具合は、ルーバー窓で最も多く発生するトラブルの一つです。前述の通り、ハンドルが空回りしたり固くなったりした場合、内部のギアが破損している可能性が高いです。この場合、ハンドル部分だけを交換することで、再びスムーズに操作できるようになります。部品代と作業費を合わせて、1箇所あたり約1万5千円~3万円が費用の目安となります。
一方、寒さや騒音に悩んでいる場合は、内窓(二重窓)の設置が非常に効果的です。既存のルーバー窓の内側にもう一つ窓を取り付けることで、窓と窓の間に空気の層が生まれます。この空気層が断熱材の役割を果たし、断熱性、気密性、そして防音性を劇的に向上させます。
ルーバー窓の交換で補助金でお得に!寒さ対策に最適
- 内窓費用の相場は?
- 簡単なルーバー窓の寒さ対策diy
- 100均でできるルーバー窓の寒さ対策
- 最新のルーバー窓交換補助金制度を解説
内窓費用の相場は?
前述の通り、ルーバー窓の寒さ対策として非常に効果が高いのが内窓の設置です。交換に比べて費用を抑えつつ、断熱性や気密性を大幅に改善できます。
内窓の設置費用は、窓のサイズやガラスの種類によって変わります。
窓のサイズ | ガラスの種類 | 費用相場の目安(1箇所あたり) |
小窓(腰高窓) | 単板ガラス | 約4万円 ~ 7万円 |
複層ガラス | 約6万円 ~ 10万円 | |
大窓(掃き出し窓) | 単板ガラス | 約7万円 ~ 12万円 |
複層ガラス | 約10万円 ~ 18万円 |
※上記は製品代と工事費を含んだ概算費用です。
※より高い断熱性能を持つ「Low-E複層ガラス」を選択すると、費用はさらに上がります。
内窓の設置工事も、多くの場合1箇所あたり数時間から半日程度で完了します。窓の交換と同様に、内窓設置も国の補助金制度の対象となる場合が多いため、活用を検討する価値は十分にあります。
簡単なルーバー窓の寒さ対策diy
本格的なリフォームの前に、まずは自分でできる対策を試したいという方もいるでしょう。DIYによる寒さ対策は、費用を抑えながら一定の効果が期待できます。
最も手軽で効果的なのは、隙間テープの活用です。ルーバー窓のサッシと窓枠の隙間や、ガラスの羽根同士の隙間に専用の隙間テープを貼ることで、冷気の侵入をある程度防ぐことができます。ホームセンターなどで様々な種類が販売されており、数百円から購入可能です。
また、窓全体を覆うように断熱ボードやプラスチック段ボール(プラダン)を設置するのも一つの方法です。これらを窓枠のサイズに合わせてカットし、はめ込んだり両面テープで固定したりします。見た目は損なわれますが、断熱効果は比較的高くなります。
さらに、厚手の断熱カーテンや遮光カーテンに付け替えるだけでも、窓からの冷気を遮断し、室内の暖気を逃がしにくくする効果が得られます。
100均でできるルーバー窓の寒さ対策
もっと手軽に対策を始めたい場合は、100円ショップで手に入るグッズを活用する方法もあります。
代表的なのは、窓に貼る「断熱シート」です。梱包材として使われる気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)のような構造で、窓ガラスに直接貼り付けることで空気の層を作り、断熱効果を高めます。霧吹きで窓を濡らすだけで簡単に貼り付けられるタイプが多く、手軽に試せるのが魅力です。
DIYの項目で紹介した「隙間テープ」も、100円ショップで手に入ります。まずは安価なもので試してみて、効果を実感できれば、より性能の高い製品をホームセンターなどで探すという手順も良いでしょう。
これらの対策はあくまで応急処置的なものですが、何もしない状態に比べれば寒さを和らげる効果はあります。コストをかけずに今すぐできる対策として、試してみる価値はあると考えられます。
最新のルーバー窓交換補助金制度を解説
ルーバー窓の交換や内窓の設置には、国の補助金制度を活用できる場合があります。これにより、リフォーム費用を大幅に抑えることが可能です。2025年時点において、窓リフォームで活用できる代表的な補助金制度は以下の通りです。
先進的窓リノベ2025事業
省エネ効果の高い断熱窓へのリフォームを促進するための補助金制度です。補助額が非常に大きく、工事費用の50%相当額などを上限に、最大200万円の補助が受けられます。
ルーバー窓を、補助金の基準を満たす高性能な断熱窓(複層ガラスやLow-E複層ガラスなど)に交換する場合や、内窓を設置する場合が対象となります。
子育てエコホーム支援事業
子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とした制度ですが、窓の断熱改修などはその他の世帯も対象となります。先進的窓リノベ事業と比べると補助額は少なくなりますが、対象となる窓の性能基準が比較的緩やかで、幅広いリフォームに利用しやすいのが特徴です。
これらの補助金は、予算の上限に達し次第、受付が終了となります。また、申請手続きは基本的に工事を行うリフォーム事業者が代行します。そのため、リフォームを検討する際は、まず業者に補助金の利用が可能かどうか、どの制度が最適かを確認・相談することが非常に大切です。
制度名 | 主な対象工事 | 特徴 |
先進的窓リノベ2025事業 | 高性能な断熱窓への交換、内窓設置 | 補助額が非常に大きいが、窓の性能基準が高い |
子育てエコホーム支援事業 | 断熱窓への交換、内窓設置など | 幅広い世帯が利用可能で、対象工事も多岐にわたる |
※制度の詳細は変更される可能性があるため、必ず経済産業省や国土交通省の公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
ルーバー窓の交換で補助金を賢く活用:総括
この記事では、ルーバー窓の交換で使える補助金を中心に、費用や対策について詳しく解説してきました。
最後に、今回の内容の重要なポイントをまとめます。
- ルーバー窓は換気性に優れるが断熱性・気密性・防犯性に課題がある
- 耐用年数の目安は約15年から25年でハンドル不良などが交換のサイン
- 交換費用は工法や窓の種類で異なりカバー工法が主流
- カバー工法による引き違い窓への交換は8万円前後からが目安
- 国の補助金制度を活用すればリフォーム費用を大幅に軽減できる
- 2025年時点では「先進的窓リノベ事業」が最も補助額が大きい
- 補助金は省エネ性能の高い窓ほど高額になる傾向がある
- 補助金申請は工事事業者が行うため事前の相談が不可欠
- 補助金には予算があり先着順となるため早めの検討が望ましい
- 交換以外の対策として断熱性や防音性を高める内窓設置も有効
- 内窓の設置費用はサイズやガラスの種類により約4万円から
- DIYでは隙間テープや断熱ボードの活用が考えられる
- 100均の断熱シートは手軽に試せる応急処置として活用できる
- 網戸はプリーツ式やロール式で後付けが可能
- リフォームを依頼する際は複数の業者から見積もりを取り比較検討することが大切