一条工務店での家づくりにおいて、標準仕様として多くの施主が採用する「RAYエアコン」。しかし、長く住み続ける中で、その交換費用や将来的なメンテナンスについて不安を感じていませんか?
「長府製作所製のRAYエアコンとは一般的なエアコンと何が違うのか」「冷えないという評判や口コミは本当なのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
実のところ、構造的な特徴や将来のコストリスクを考慮して、設計段階でRAYエアコンをやめる選択をする賢い施主様も増えています。
この記事では、RAYエアコンの耐用年数や寿命は何年ですか?という基本的な疑問から、保証期間の仕組み、クリーニングや掃除の難易度までをWEBライターの視点で詳しく解説します。
さらに、実際にレイエアコンで後悔する具体的なデメリットや、万が一、一条工務店のレイエアコンが壊れたらどうすればいいですか?といったトラブル時の対処法、そしてRAYエアコンの買い替えや交換を検討する3つのタイミングについても深掘りしていきます。
目次
一条工務店RAYエアコンの交換費用と特徴
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- 長府製作所の一条工務店RAYエアコンとは
- 一条工務店RAYエアコンの評判や口コミ
- レイエアコンで後悔するデメリット
- 一条工務店RAYエアコンが冷えない理由
- RAYエアコンのクリーニングと掃除
- 一条工務店RAYエアコンをやめる選択
長府製作所の一条工務店RAYエアコンとは
一条工務店で家を建てる際、LDKなどのメインエリアに標準仕様として設置されるのが「RAYエアコン」です。
一般的な家電量販店で見かけるパナソニックやダイキンといったメーカー品とは異なり、これは住宅設備機器メーカーである長府製作所(CHOFU)が製造している、床暖房用室外機と一体型になった特殊な空調システムです。
長府製作所は、給湯器や空調システムにおいて高い技術力を持つ信頼できるメーカーです。(参照:長府製作所「温水熱源機付エアコン」製品情報)
【RAYエアコンの仕組み】
通称「温水熱源機付エアコン」とも呼ばれ、屋外に設置された1台の室外機が、「エアコンの冷暖房機能」と「全館床暖房の温水を作る熱源機能」の二役を担っています。
通常、エアコンは「室内機1台に対し室外機1台」がセットになっていますが、RAYエアコンの場合、この室外機が家の暖房システムの心臓部である床暖房機能も兼ね備えている点が最大の特徴です。
そのため、大豪邸でない限り、基本的には家の中心となる場所に1台だけ設置されるケースが一般的です。
一条工務店RAYエアコンの評判や口コミ
実際にRAYエアコンを使用しているオーナーからの評判は、その特殊性ゆえに評価が分かれる傾向にあります。
肯定的な意見としては、「標準仕様(追加費用なし)で全館床暖房とエアコンが付いてくるため、初期費用を大幅に抑えられた」「室外機が1台で済むため、家の外観や庭のスペースがスッキリする」といった声が挙げられます。特に外観を重視する方にとっては、室外機の数を減らせる点は大きなメリットです。
一方で、ネガティブな口コミとして多いのが「エアコン単体としての機能性」に関する声です。
「風向きの自動調整が甘い」「スマホ連携やAI自動運転といった最新機能がない」など、家電メーカーの最新フラッグシップモデルと比較すると、機能がシンプルすぎて物足りなさを感じる方が多いようです。
また、故障時の対応についても、「一条工務店のアフターサポートを経由しなければならないため、修理に来るまでのタイムラグがある」といった意見が見られます。
家電量販店で購入したエアコンであれば、メーカーサポートや購入店に連絡して即日対応してもらえることもありますが、ハウスメーカー専用品であるがゆえのメンテナンスフローの長さは、夏場や冬場の緊急時に不安要素となります。
レイエアコンで後悔するデメリット
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RAYエアコンを採用して後悔する最大のポイントは、「床暖房(または床冷房)とエアコンを同時に使用できないケースがある」という、構造上の避けられない仕様です。これは、1つの室外機で2つの機能(床の温水循環とエアコンの冷媒循環)を賄っているために発生する制約です。
この仕様により、以下のような具体的なデメリットが発生します。
【RAYエアコンの主なデメリット】
- 冬場の併用不可:床暖房稼働時に「部屋が暖まるまでエアコンで急速暖房したい」と思っても、室外機の能力が床暖房に取られているため、エアコン暖房を併用できない、あるいは著しく能力が落ちる場合があります。
- さらぽか空調との競合:オプションの「さらぽか空調(床冷房)」を採用している場合、夏場に床冷房とRAYエアコンの冷房を同時に強運転させることが難しいケースがあります。
- 故障時の共倒れリスク:室外機が故障した場合、床暖房とエアコンの両方が同時に使えなくなります。真冬にこの状況になると、家全体の暖房手段を失うことになります。
特に高気密高断熱住宅である一条工務店の家では、季節の変わり目に「床暖房を入れるほどではないが、少し肌寒いのでエアコンを使いたい」というシーンや、「来客があるので一時的に室温を下げたい」というシーンが発生します。
このような場合に、柔軟な使い方ができない点が、住み始めてから気づく大きな後悔ポイントとなっています。
一条工務店RAYエアコンが冷えない理由
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「RAYエアコンが冷えない」という声がネット上などで散見されますが、その原因の一つに、前述した「さらぽか空調(床冷房)」との併用不可問題が深く関係しています。
さらぽか空調を採用している家庭では、夏場、室外機が床下のパイプに冷水を循環させる「床冷房モード」で稼働しています。この時、室外機は床冷房のためにフル稼働している状態です。この状態でRAYエアコンのスイッチを入れて冷房を使おうとしても、室外機のリソースが足りず、冷たい風が出てこない、あるいは送風のような状態になってしまうことがあります。
そのため、真夏の猛暑日に「床冷房だけでは室温が下がりきらない」「風呂上がりに急いで涼みたい」と感じても、RAYエアコンを補助的に使うことができず、結果として「暑い」「冷えない」という不満につながります。
| 季節・状況 | RAYエアコンの状態 | 必要な代替手段 |
|---|---|---|
| 冬(床暖房稼働時) | 暖房運転が制限される (室外機を共有しているため) | 他の部屋のルームエアコンや 補助暖房器具を使用 |
| 夏(さらぽか床冷房時) | 冷房運転が制限される (室外機を共有しているため) | 他の部屋のルームエアコン (サーキュレーター等の併用) |
このように、RAYエアコンとは別に、独立したルームエアコンを設置していない限り、快適な温度調整が難しくなるケースがあるのが現状です。
RAYエアコンのクリーニングと掃除
エアコンを長く清潔に使うために不可欠なクリーニングですが、RAYエアコンの場合は一般的なルームエアコンに比べて難易度が高く、費用も割高になる傾向があります。
その理由は、内部構造が特殊であるためです。RAYエアコンは長府製作所の独自設計であり、一般的なエアコンとは電装部品やモーターの配置が異なります。
そのため、一般的なエアコンクリーニング業者(おそうじ本舗やダスキン、くらしのマーケットの登録業者など)に依頼しようとしても、「長府製の床暖房連動型エアコン」と伝えた時点で、対応不可と断られるケースが多々あります。
【クリーニング依頼時の重要ポイント】
- 事前の確認が必須:予約時に必ず「一条工務店のRAYエアコン(長府製作所製)」であることを伝えてください。当日になって作業不可となるトラブルを防げます。
- 業者選びの難しさ:分解洗浄には専門的な知識が必要なため、対応実績のある熟練のスタッフがいる店舗を探す必要があります。
- 費用相場:特殊機種扱いとなるため、通常のお掃除機能なしエアコンよりも数千円〜高い設定(1.5万〜2万円以上)になることが一般的です。
一条工務店RAYエアコンをやめる選択
これから設計を行う方や、将来的な交換を見据えている方の間で、「最初からRAYエアコンを採用しない(やめる)」という選択が増えています。契約時期やキャンペーン内容にもよりますが、RAYエアコンを標準仕様から外す(不採用にする)ことで、約4万円前後の減額となる場合があります。
この減額された資金を原資にしつつ、さらに費用を追加して、三菱電機の「霧ヶ峰」やダイキンの「うるさら」、パナソニックの「エオリア」といった高性能な汎用ルームエアコンを家電量販店で購入・設置することで、以下のような大きなメリットが得られます。
- 最新機能の享受:最新の省エネ性能、フィルター自動掃除機能、AIによる快適制御など、好みの機能を持つエアコンを自由に選べます。
- 迅速な修理対応:故障時も近所の家電量販店やメーカーサポートに直接連絡でき、スピーディーな修理や買い替えが可能です。
- リスク分散:床暖房用室外機(ヘッダーボックス等で別途施工)とエアコン室外機が独立するため、万が一床暖房が故障してもエアコンで暖を取ることができ、その逆も可能です。
- 将来コストの削減:汎用品であれば、10年後の買い替え時もセール時期を狙うなどで費用を安く抑えやすくなります。
ただし、他社製エアコンを設置する場合、隠蔽配管(壁の中に配管を通す施工)の可否や、専用コンセントの位置、室外機の設置場所確保など、設計段階での綿密な打ち合わせが必要不可欠です。
一条工務店RAYエアコンの交換費用と寿命
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- RAYエアコンの耐用年数や寿命は何年ですか
- RAYエアコンの保証期間について
- 一条工務店のレイエアコンが壊れたらどうする
- RAYエアコンの買い替えや交換の3つのタイミング
RAYエアコンの耐用年数や寿命は何年ですか
RAYエアコンを含む家庭用エアコンの一般的な耐用年数(設計上の標準使用期間)は10年とされています。これは、製品の安全使用が保証される目安の期間です。
実際、内閣府が行っている消費動向調査によると、二人以上の世帯におけるエアコンの平均使用年数は約13.6年(令和6年3月調査)となっており、多くの家庭で10年以上使用されている実態があります。(出典:内閣府「消費動向調査」)
しかし、これはあくまで平均値であり、RAYエアコンの場合は注意が必要です。
なぜなら、RAYエアコンは夏場の冷房だけでなく、冬場は全館床暖房の熱源として長時間・高負荷で稼働し続けるからです。一般的なエアコンよりも室外機の稼働時間が圧倒的に長くなるため、コンプレッサーなどの基幹部品の摩耗が早く進み、7年〜8年程度で不具合が出始めるケースも珍しくありません。
RAYエアコンの保証期間について
「一条工務店の家は長期保証だから安心」と思われがちですが、建物(構造躯体)と設備機器(エアコン等)の保証は全く別物であることを理解しておく必要があります。
RAYエアコンのような電化製品には、基本的にメーカー保証(通常1年)が適用されます。一条工務店独自のメンテナンスプログラムなどにより保証期間が延長される場合もありますが、それでも引き渡しから一定期間(多くは5年〜10年、契約内容や有償メンテナンス加入状況による)を過ぎれば、修理は全額自己負担となります。
【確認事項】
故障してから「保証が切れていた」と焦らないよう、ご自身の契約書にある「設備機器保証」の項目や期間を必ず確認しておきましょう。消耗品としての扱いになるため、永久保証ではありません。
一条工務店のレイエアコンが壊れたらどうする
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万が一RAYエアコンが故障した場合、基本的には一条工務店のアフターサポートセンター(または専用アプリ)を通じて修理依頼を行うことになります。
ここでの注意点は、一般的な「街の電気屋さん」や「家電修理業者」に電話をしても、RAYエアコンが特殊な機器(床暖房連動型)であるため、修理を受け付けてもらえないことがほとんどだという点です。部品の供給ルートも限られているため、一条工務店を経由せざるを得ません。
修理の一般的な流れとしては、「一条工務店へ連絡」→「メーカー(長府製作所)や指定業者の手配」→「日程調整」→「現地調査・修理」となります。このプロセスには、連絡から訪問まで数日〜1週間程度かかることもあります。
特に真冬に床暖房の熱源(室外機)として機能しているRAYエアコンが故障すると、床暖房もエアコン暖房も使えず、家全体の暖房手段を失うことになります。
高気密住宅で石油ファンヒーターが使えない場合、予備の暖房器具(電気ストーブやコタツ)や、別の部屋のルームエアコンの確保が死活問題となります。
RAYエアコンの買い替えや交換の3つのタイミング
RAYエアコンの不調を感じた際、修理して使い続けるか、思い切って交換するか悩むところです。交換を検討すべきタイミングは、主に以下の3つです。
設置から10年以上が経過した時
製造から10年が経過すると、メーカーの部品保有期間が終了している可能性が高くなります。修理したくても部品がない、あるいは修理費用が高額になりがちです。また、10年前の機種と最新機種では省エネ性能に大きな差があるため、電気代の観点からも買い替えが推奨されます。
床暖房や冷房の効きが悪くなった時
冷媒ガスの漏れや、心臓部であるコンプレッサーの劣化が疑われます。特に「設定温度にしても冷えない・暖まらない」「異音がする」という症状は寿命のサインです。床暖房の温まりが悪くなった場合も、室外機の不調である可能性があります。
高額な修理見積もりが出た時
基盤交換やコンプレッサー交換など、修理費用が10万円を超えるような見積もりが出た場合は、新品への交換を検討すべきです。修理しても他の部品が壊れる「イタチごっこ」になるリスクがあるためです。
一条工務店RAYエアコンの交換費用まとめ
RAYエアコンを交換する場合、費用は「一条工務店の言い値」になりやすいという、消費者にとって厳しい側面があります。
これは、RAYエアコンが一般市場に流通していない専用品であるため、家電量販店で相見積もりを取って価格競争させることができないためです。
交換費用の目安としては、本体価格に加え、既存機器の撤去・処分費、特殊な設置工事費を含めると、一般的なルームエアコンの交換費用よりも割高になる傾向があります。
また、もし「RAYエアコンをやめて、市販のルームエアコン(三菱やダイキン等)に切り替えたい」と考えた場合、以下のようなハードルが存在し、追加工事費がかさむ可能性があります。
| 項目 | 課題と費用要因 |
|---|---|
| 電圧・コンセント | 床暖房用室外機と電源を共有しているため、特殊な200V配線になっている場合があります。汎用エアコン用にコンセントの増設や電圧切替、形状変更工事が必要になる可能性があります。 |
| 隠蔽配管の再利用 | 壁の中に配管を通す「隠蔽配管」の場合、配管サイズが合わない、または洗浄が必要なケースがあり、再利用が難しいことがあります。露出配管への変更が必要になる場合もあります。 |
| 壁紙・穴の補修 | RAYエアコンと汎用エアコンでは室内機のサイズや配管穴の位置が異なるため、交換後に壁紙の汚れや古い穴が目立つ場合があり、クロスの補修費用が発生することがあります。 |
このように、単純に「壊れたから家電量販店で買ってきて付け替える」ということが難しいため、交換時は結局、一条工務店に相談し、提示された見積もりを受け入れざるを得ないケースが多くなります。これが、最初からRAYエアコンを採用せずに、将来の自由度が高い汎用ルームエアコンを選ぶ施主が増えている大きな理由の一つです。
最後に、一条工務店のRAYエアコンの交換費用や特徴、そして「やめる」という選択肢について要点をまとめます。
- RAYエアコンは長府製作所製の床暖房一体型エアコンであり、特殊な設備である
- 交換費用やメンテナンス費は相見積もりが難しく、一条工務店の言い値になりやすい
- 床暖房やさらぽか空調(床冷房)稼働時は、RAYエアコンを同時に十分に使えない制約がある
- 故障時の修理依頼は一条工務店経由となり、対応に時間がかかる場合がある
- 一般的な耐用年数は10年前後だが、床暖房負荷により7〜8年で不具合が出ることもある
- クリーニングは特殊構造のため、対応できる業者が限られ費用も割高(1.5〜2万円超)になる
- 冷えない原因として、さらぽか空調との併用制限やメンテナンス不足が挙げられる
- RAYエアコンをやめると約4万円の減額になる場合がある(契約時期による)
- 市販のルームエアコンなら、性能比較や価格競争の恩恵を受けられ、機能も豊富である
- 他社製エアコンへの交換には、電圧変更や配管工事、壁補修などのハードルがある
- 室外機が共有のため、故障すると床暖房もエアコンも同時に使えなくなるリスクがある
- 保証期間は機器により異なるため、必ず契約書の「設備保証」を確認する必要がある
- 買い替えのタイミングは「10年経過」「効きが悪い」「高額修理見積もり」の3点
- 将来的なコストと自由度を優先するなら、最初から汎用エアコンを採用するのも賢い選択
- どうしても採用する場合は、故障時に備えて予備の暖房手段を確保しておくことが重要