新築のマイホーム計画や大規模なリフォーム、あるいは模様替えのタイミングで、お部屋の雰囲気を大きく左右するのが「照明選び」です。
「モデルルームのようなおしゃれなダウンライトに憧れるけれど、費用が高くなりそうで心配」「シーリングライトは実用的だけど、生活感が出て安っぽく見えないか不安」と、どちらをメインにするべきか頭を抱えている方は非常に多いのではないでしょうか。
特に気になるのが、導入時の初期費用だけでなく、日々の電気代や10年後に必ずやってくる交換費用といった、長期的なトータルコストの違いです。照明器具は一度設置してしまうと、配線工事が必要になるなど簡単には変えられない設備です。
そのため、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてコスト構造を正しく理解し、ライフスタイルに合った後悔のない選択をすることが重要です。
この記事では、ダウンライトとシーリングライトの費用比較を中心に、失敗しない選び方やコストダウンの賢いコツまでを徹底的に解説します。
ダウンライトとシーリングライトどちらが安い?初期費用は?
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- ダウンライトとシーリングライトの違いや特徴
- 新築のダウンライトとシーリングライト費用
- 新築照明コストダウンのコツ
- ダウンライトとシーリングライト電気代の比較
- シーリングライトを1日つけっぱなしにすると電気代はいくらですか?
- ダウンシーリングとは?
ダウンライトとシーリングライトの違いや特徴
まずは、両者の基本的な違いと特徴を正しく理解しましょう。単なる見た目の違いだけでなく、光の広がり方や設置方法、空間に与える印象には大きな差があります。
ダウンライトの特徴
天井に直径10cm〜15cm程度の穴を開けて、器具本体を埋め込むタイプの照明です。最大の特徴は、器具が天井から出っ張らないため、天井面がフラットになり、空間を視覚的にすっきり広く見せる効果があることです。
光の広がり方は比較的狭く、真下を照らす「集光タイプ」や少し広がる「拡散タイプ」などがありますが、基本的にはスポット的な照明として使われます。そのため、部屋全体を明るくするには、等間隔に複数個を配置する必要があります。
シーリングライトの特徴
天井にあらかじめ設置されている配線器具(引掛シーリングやローゼット)に、直接カチッと取り付けるタイプの照明です。1台で6畳から20畳といった広い部屋全体を、隅々まで均一に明るく照らすことができるのが最大の特徴です。取り付けや交換が非常に簡単で、特別な資格がなくても誰でも扱えるため、日本の住宅事情において最も一般的に普及している照明スタイルです。
| 項目 | ダウンライト | シーリングライト |
|---|---|---|
| 設置方法 | 天井埋め込み(要電気工事士資格・工事必須) | 引掛シーリング取付(配線器具があれば工事不要) |
| 見た目 | すっきり・フラット・モダン | 存在感がある・出っ張る・一般的 |
| 明るさ | スポット的・陰影がありドラマチック | 全体的に均一・影ができにくく作業しやすい |
| 交換 | 専門業者による取り外し・再工事が必要(一体型の場合) | 自分で簡単に交換・取り付けが可能 |
※引掛シーリングが設置済みの場合。ダウンライトでも「交換型(電球のみ交換可能)」の場合は電球交換は自分で行えますが、器具自体の寿命が来た際は工事が必要です。
新築のダウンライトとシーリングライト費用
これから新築を建てる場合、費用面ではどちらが有利なのでしょうか。結論から申し上げますと、初期費用に関してはシーリングライトの方が圧倒的に安く済みます。
シーリングライトは、家電量販店やネット通販で1台数千円から高機能なものでも1〜2万円程度で購入でき、引掛シーリングさえあれば取り付け工事費はかかりません。1部屋につき1台で済むため、部材費も最小限です。
一方、ダウンライトの場合、まず器具本体の価格がかかります。1個あたりの単価は安いものでは数千円ですが、部屋全体を明るくするためには、例えば8畳のリビングなら6個〜8個程度の設置が必要です。さらに、設置するためには天井への「穴あけ加工」や、一つひとつに配線を繋ぐ「電気工事費」が発生します。
費用の目安(6畳~8畳の部屋を想定した比較)
- シーリングライト(1台):本体価格 5,000円~15,000円程度 + 工事費 0円(標準仕様の場合が多い)合計:約5,000円〜15,000円
- ダウンライト(6灯設置):(本体価格 3,000円 + 工事費・加工費 3,000円~5,000円)× 6灯合計:約36,000円~48,000円
このように、同じ広さの部屋を照らす場合でも、ダウンライトを選択するとシーリングライトと比較して数倍から十倍近くの初期費用がかかることが一般的です。家全体を全てダウンライト仕様にすると、見積もりが数十万円単位で跳ね上がる要因となります。
新築照明コストダウンのコツ
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予算オーバーを防ぎつつ、デザイン性も確保したい。そんな方のために、照明費用を賢く抑えるためのコストダウンテクニックをご紹介します。
「おしゃれだから」といって全ての部屋をダウンライトにする必要はありません。「こだわりたい場所」と「コストを抑える実用的な場所」を明確に分ける「メリハリ」が重要ですよ。
具体的なコストダウン手法
- 場所による使い分け(メリハリ):来客のあるリビングや玄関、廊下など、デザイン性を重視したい場所にはダウンライトを採用し、寝室や子供部屋、ウォークインクローゼット、納戸などのプライベート空間やバックヤードは、安価で機能的なシーリングライトにするのが定石です。
- 施主支給を積極的に活用する:ハウスメーカーや工務店経由で照明器具を手配すると、管理費などが上乗せされることがあります。自分でネット通販や量販店で購入し、現場に持ち込む「施主支給」を行えば、器具代を大幅にカットできます。ただし、ダウンライトなどの電気工事を伴うものは保証の観点から嫌がられることもあるため、事前に担当者に確認が必要です。
- 引掛シーリングだけ設置してもらう:子供部屋などは、将来お子様の好みに合わせて照明を変えられるよう、新築時は「引掛シーリング(ローゼット)」の設置だけを依頼しておきます。入居時に自分で数千円のシーリングライトを購入して取り付ければ、初期費用を最小限に抑えられます。
ダウンライトとシーリングライト電気代の比較
導入後のランニングコストである「電気代」に違いはあるのでしょうか。現在はダウンライト、シーリングライト共に省エネ性能の高いLEDが主流となっているため、電気代に大きな差は生まれないというのが結論です。
一般社団法人日本照明工業会の資料によると、LED照明は従来の白熱電球や蛍光灯に比べて消費電力が非常に少なく、長寿命であることが示されています。(出典:一般社団法人 日本照明工業会「LED照明について」)
ただし、厳密に構造上の違いから比較すると、ダウンライトの方がわずかに電気代が高くなる傾向があります。シーリングライトは1つの大きな電源ユニットで効率よく発光制御を行いますが、ダウンライトは設置する個数分だけ電源ユニットが必要となり、それぞれの器具でわずかながら電力ロスが生じるためです。
とはいえ、その差は月額に換算しても数十円~百円程度であるケースが多く、照明選びにおいて電気代の違いが決定的な判断材料になることは少ないでしょう。
シーリングライトを1日つけっぱなしにすると電気代はいくらですか?
防犯対策で長期不在時に明かりをつけておきたい、あるいはペットのために薄暗くしておきたいなど、照明を長時間つけっぱなしにするケースもあるでしょう。
一般的な家庭用LEDシーリングライト(8畳用・消費電力30W~40W程度と仮定)を、1日24時間つけっぱなしにした場合の電気代を試算してみます。
計算式:消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)
試算結果(35WのLEDシーリングライト、単価31円/kWhの場合)
- 1時間あたり:約1.1円
- 1日(24時間)あたり:約26円
- 1ヶ月(30日)あたり:約780円
1ヶ月つけっぱなしでも千円未満で済む計算になります。
さらに、最新のシーリングライトには、設定した明るさに自動調整して無駄を省く「エコモード」や、不在時に自動で点灯・消灯を繰り返して在宅を装う「留守番機能」などが搭載されているモデルもあります。これらを活用すれば、防犯効果を高めつつ、さらに電気代を節約することが可能です。
ダウンシーリングとは?
「ダウンライトのような天井がすっきりした見た目にしたいけれど、工事費はかけたくない」「賃貸だけどおしゃれにしたい」という方にぴったりなのが、「ダウンシーリング(小型シーリングライト)」という選択肢です。
ダウンシーリングの特徴とメリット
- 工事不要で取り付け簡単:天井に引掛シーリングさえあれば、一般的なシーリングライトと同様に、カチッと回すだけで誰でも簡単に取り付けられます。電気工事士の資格も不要です。
- コンパクトでスタイリッシュ:直径10cm~15cm程度の小型サイズで、厚みも抑えられているため、ダウンライトに近いミニマルな見た目を実現できます。
- 穴あけ不要で賃貸OK:天井に穴を開けて埋め込む必要がないため、賃貸住宅でも原状回復の心配なく使用可能です。
特に、廊下、トイレ、洗面所、内玄関、ウォークインクローゼットなどの狭い空間において、ダウンライト風の演出を手軽に低コストで導入できるため、近年非常に人気が高まっている照明器具です。
ダウンライトとシーリングライトどちらが安いか?トータル費用で比較
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- ダウンライトとシーリングライトどっちがいいおすすめ?
- シーリングライトのデメリットは?
- 照明選びで後悔する理由
- ダウンライトをやめてシーリングにする工事費込み相場
- ダウンライトとシーリングライトの組み合わせと併用
ダウンライトとシーリングライトどっちがいいおすすめ?
「結局、我が家にはどっちがいいの?」と迷われている方のために、優先順位別のおすすめを整理しました。どちらが良いかは、住まい手の「何を優先するか」によって正解が異なります。
| 優先順位 | おすすめの照明 | 理由 |
|---|---|---|
| コスト最優先 | シーリングライト | 初期費用が安く、工事も不要。さらに自分で交換できるため将来のメンテナンス費用も最小限です。コストパフォーマンスは最強と言えます。 |
| デザイン最優先 | ダウンライト | 器具の存在感を消し、天井をフラットにすることで空間を広く見せます。ホテルライクで洗練されたモダンな印象を作りたいならこちらです。 |
| 機能性・手軽さ | シーリングライト | 調光(明るさ調整)・調色(色味変更)がリモコン1つで手軽に行えます。常夜灯なども標準装備されており、生活の利便性が高いです。 |
| 掃除の手間なし | ダウンライト | 埋め込み式のため、器具の上部やカバーの中にホコリや虫が溜まることがありません。高い位置の掃除が苦手な方には大きなメリットです。 |
シーリングライトのデメリットは?
機能性とコストパフォーマンスに優れるシーリングライトですが、導入前に知っておくべきデメリットも存在します。これらを許容できるかが選定の鍵となります。
主なデメリット
- 圧迫感を感じる場合がある:天井から器具が10cm〜15cm程度出っ張るため、天井高が低い部屋では圧迫感を感じることがあります。
- デザインの限界と生活感:薄型やおしゃれなデザインの製品も増えていますが、どうしても「照明器具がついている」という存在感があり、生活感が出やすくなります。スタイリッシュさではダウンライトに一歩譲ります。
- 部屋の隅が暗くなりやすい:部屋の中心から全体を拡散光で照らすため、部屋の隅や家具の裏側、天井の隅などに影ができやすく、のっぺりとした印象になることがあります。
- 虫やホコリの侵入:カバーと本体の隙間から小さな虫やホコリが入り込むことがあり、美観と明るさを保つためには定期的にカバーを外して清掃する必要があります。
照明選びで後悔する理由
照明選びでよくある失敗や後悔のパターンを知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ダウンライトで最も多い後悔は、「眩しすぎる(グレア)」という問題です。
ダウンライトは強い光を下方向に放つため、光源が直接目に入ると非常に不快な眩しさを感じます。特に寝室でベッドの枕元の真上にダウンライトを配置してしまい、「寝転ぶと眩しくてリラックスできない」「目が覚めてしまう」という失敗例は後を絶ちません。
また、「配置を変えられない」ことも大きなデメリットです。家具の配置を変えたら、照明の位置がおかしくなってしまった、ということも起こり得ます。
一方、シーリングライトでの後悔は、「おしゃれに見えない」「雰囲気が単調」といったデザイン面での不満が主です。また、和室やモダンなリビングに、何も考えずに量販店で買った白い円盤型のシーリングライトをつけてしまい、インテリアの雰囲気を台無しにしてしまったというケースもあります。
経済産業省の資源エネルギー庁も、省エネ性能だけでなく、生活シーンに合わせた適切な照明選びを推奨しています。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約(照明)」)
ダウンライトをやめてシーリングにする工事費込み相場
「新築時にダウンライトにしたけれど、やっぱり眩しいし暗いからシーリングライトに変えたい」あるいは「ダウンライトの交換時期が来たけれど、費用が高いからシーリングライトに変更したい」という場合、リフォーム費用はどれくらいかかるのでしょうか。
ダウンライトからシーリングライトへの変更には、単なる器具交換だけでなく、「電気配線の変更工事」と、ダウンライトを取り外した後の穴を塞ぐ「天井の穴埋め補修(クロス張り替え)」という2つの工程が必要です。
工事費用の相場(1箇所あたり)
- 電気工事費(配線組み替え・引掛シーリング設置):5,000円~10,000円程度
- 内装補修費(穴埋め・クロス貼り替え):20,000円~50,000円程度(補修範囲による)
- 合計目安: 30,000円~60,000円前後
内装工事が絡むため、費用は思った以上に高額になりがちです。また、マンションなどの集合住宅では、天井裏の構造(二重天井か直天井かなど)によっては配線工事が難しい場合もあるため、必ず事前に専門業者やリフォーム会社へ現地調査を依頼する必要があります。
ダウンライトとシーリングライトの組み合わせと併用
「どちらか一つに絞れない」という場合は、両方を組み合わせる「併用プラン(一室多灯)」が非常におすすめです。実は、プロの照明設計でもよく使われる手法です。
例えば、リビングのメイン照明として、部屋全体を明るくできる調光機能付きのシーリングライトを中央に設置します。そして、テレビボードの上やソファ周りの壁際、観葉植物を置くコーナーなどに、ダウンライトを補助照明として配置します。
併用のメリット
- シーンに応じた使い分けが可能:子供の勉強や家事、作業をする時はシーリングライトをつけて部屋全体を明るくし、夜に映画を見たりお酒を飲んでリラックスする時はシーリングライトを消してダウンライトのみにするなど、生活シーンに合わせて雰囲気をガラリと変えることができます。
- 明るさとコストのバランス:シーリングライトでベースの明るさを十分に確保できるため、設置するダウンライトの数を必要最小限に減らすことができ、トータルコストを抑えられます。
- デザイン性の向上:空間に光の陰影や奥行きが生まれ、単調になりがちな部屋が一気におしゃれな印象になります。
ダウンライトとシーリングライトどちらが安いのか:まとめ
最後に、ダウンライトとシーリングライトの費用対効果と賢い選び方について、重要なポイントをまとめました。
- 初期費用は器具代が安く工事不要なシーリングライトの方が圧倒的に安い
- ダウンライトは器具代に加え、個数分の電気工事費と天井加工費がかかる
- 日々の電気代はどちらもLEDなら大差ないが、構造上わずかにシーリングライトが有利
- ダウンライト(一体型)の寿命交換には再度電気工事が必要で、維持費が高い
- シーリングライトは自分で簡単に交換でき、将来のメンテナンス費用がほぼゼロ
- 10年スパンのトータルコストで見れば、シーリングライトが最も経済的
- ダウンライトは天井をフラットにし、空間を広くスタイリッシュに見せる効果に優れている
- シーリングライトは部屋全体を均一に照らし、機能性とコストパフォーマンスに優れている
- 「ダウンシーリング」なら工事不要で、手軽にダウンライト風の演出が可能
- 寝室の枕元など、視界に光源が入る場所へのダウンライト設置は「眩しさ」の原因になるため避ける
- コストダウンには「施主支給」の活用や、場所ごとに照明を使い分ける「メリハリ」が有効
- リビングでは実用性と雰囲気を両立できる「シーリングとダウンライトの併用」もおすすめ
- 将来的な模様替えや子供の成長も考慮して、柔軟に対応できる配線計画を立てる
- 後悔しないためには、デザインだけでなく「どう暮らすか」というライフスタイルに合った照明を選ぶことが最重要