窓・ドアの断熱リフォーム

二重窓でエアコンの電気代は安くなる?プロが教える効果と補助金

2026年2月24日

こんにちは、【e-MADOリフォーム】代表の鈴木 優樹です。 普段は「窓断熱の専門家」として、数多くの現場で省エネ・断熱リフォームの提案や施工を行っています。現場のプロだから分かる、損しないためのポイントをお伝えします。

最近、二重窓を設置するとエアコンの電気代が安くなるという話題や、その本当の効果について検索される方が非常に増えています。

特に夏や冬の厳しい季節になると、光熱費の節約に関するシミュレーションをされたり、エアコンをつけっぱなしにする場合の電気代の計算方法に悩んだりするご相談をよくいただきます。

この記事では、開口部の断熱の仕組みから、補助金を活用した賢い導入方法まで、現場のリアルな知見を交えて徹底的に解説します。

ご自宅の悩みを解決するヒントが必ず見つかりますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事のポイント

  • 窓の断熱性がエアコンの電気代削減に直結する物理的な理由
  • 二重窓の導入で得られる防音や結露防止などの生活上のメリット
  • 断熱シートで後悔しないための注意点と正しい選び方
  • 最新の公的補助金を活用して導入費用を大幅に抑える戦略

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二重窓にするとエアコンの電気代は本当に安くなる?プロが明かす節約の仕組み

冬の暖房時の熱流出の58%、夏の冷房時の熱侵入の73%が窓からであることを示す住宅のイラスト図解

住宅の冷暖房効率を根本から改善し、光熱費の請求書を見てため息をつく日々から抜け出すために、まず絶対に知っておくべき残酷な事実があります。それは、ご自宅の「熱の出入り口」の大部分が、壁でも屋根でもなく「窓などの開口部」に極端に集中しているということです。ここでは、なぜ窓の対策を後回しにすることがエアコンの過剰な負荷に直結し、電気代を無駄に跳ね上げているのか、その建築熱力学的なメカニズムを紐解きます。

住宅の快適な熱環境を維持し、限られたエネルギーを無駄なく使うためには、建物を覆う外皮(壁、屋根、床、そして窓)全体の断熱性能を高めることが不可欠です。

しかし、窓やドアといった「開口部」は、建物の表面積全体に占める割合がほんのわずかであるにもかかわらず、熱の通りやすさを示す「熱貫流率(U値)」が、分厚い断熱材が入った壁などに比べて異常なほど高いという構造的な弱点を持っています。

つまり、せっかく壁や屋根を分厚く断熱していても、窓がそのままでは、そこが建物全体における最大の「熱橋(サーマルブリッジ=熱が大量に逃げていく抜け道)」として機能してしまうのです。

これは決して感覚的な話ではありません。(出典:環境省『開口部の断熱化による省エネ効果』)などの公的データによる分析でも明確に示されています。

一般的な日本の住宅において、冬場の暖房使用時に室内から室外へと流出してしまう熱の割合は、なんと全体の約58%が窓などの開口部からだと言われています。さらに驚くべきことに、夏場の冷房使用時に室外から室内へと侵入してくる不快な熱気は、開口部経由が約73%という絶望的な割合を占めているのです。

この圧倒的で偏った熱の移動がある限り、家電量販店でどれだけ最新鋭の省エネエアコンを数十万円で購入して導入したとしても、根本的な解決には至りません。

窓が昔ながらの一枚ガラスや、熱を伝えやすいアルミサッシのままでは、エアコンが一生懸命に作った冷気や暖気が、窓から即座に外部へとダダ漏れになります。そして同時に、外からの焼け付くような熱気や凍えるような冷気が絶えず室内に侵入し続けるのです。

現代の気密性が高められた住宅において、エアコンによる厳密で快適な温湿度管理を実現するためには、この「開口部からの熱移動を物理的に遮断する」ことこそが最優先にして最大の課題となります。

熱の出入りを入り口でシャットアウトすること。これこそが、エアコンの稼働効率を劇的に引き上げ、毎月の「電気代削減」を達成するための、最も確実で根源的なアプローチであると断言します。

 二重窓(内窓)による断熱メカニズムとエアコン電気代削減の関係性

既存の外窓と新しい内窓の間に「空気の層」ができ、それが天然の断熱材として熱の移動をブロックする構造図

では、窓を「二重」にするという物理的な改修が、なぜそこまでエアコンの稼働効率を極限まで高め、毎月の電気代を安くすることができるのでしょうか。その劇的な変化の秘密は、ガラスそのものの性能だけではなく、二重窓を設置することで新たに生み出される「密閉された空気の層」の熱力学的な働きに隠されています。

「二重窓(内窓)」とは、今現在ご自宅についている既存の窓(外窓)はそのまま残し、その室内側の窓枠(木枠部分)にもう一つ独立した新しい窓枠とガラスを追加して、開口部を二重構造にするリフォーム手法のことを指します。マンションや戸建てを問わず、手軽に劇的な効果を得られる手法として絶大な人気を誇っています。

この改修が電気代の削減に直結する最大の理由は、外側の窓と新設した内側の窓の間に形成される、数センチから十数センチの「密閉された空気層」にあります。

実は「空気」という物質は、風などの対流が発生しない静止した状態においては、熱伝導率(熱の伝えやすさ)が極めて低く、私たちが普段目にする発泡スチロールやグラスウールといった人工的な断熱材にも匹敵する、非常に優れた天然の断熱材として機能する性質を持っています。

二重窓を設置することによって生み出されたこの空気層が、室外からの厳しい冷気や猛烈な熱気の伝導に対する、強力で見えない緩衝地帯(バッファー)として働きます。それと同時に、エアコンで快適な温度に整えられた室内の空気が外へ逃げ出していくのを物理的に強力に遮断してくれるのです。ペラペラの一枚ガラスから、空気層を挟んだ二重窓へと生まれ変わることで、室内の断熱性能はこれまでの数倍へと劇的に向上します。

エアコンのインバーター制御と電力消費のカラクリ

エアコンの電力消費の仕組みを理解すると、二重窓の凄さがより一層際立ちます。エアコンの心臓部であるコンプレッサー(圧縮機)は、リモコンで設定した「目標温度」と「現在の室温」の大きな差を埋めるための立ち上がり時(フルパワー稼働時)に、最も莫大な電力を消費します。窓の断熱性が低い部屋では、せっかく設定温度に到達しても、窓からの熱の出入りによってすぐに室温が変化してしまうため、エアコンは常に高負荷での運転を再開・継続しなければなりません。

しかし、二重窓によって室温が外気温の影響をほとんど受けなくなると状況は一変します。

エアコンは一度設定温度に到達した後は、その温度を静かに維持する「アイドリング状態」に必要な、ごくわずかな最低限の電力のみで稼働できるようになるのです。最新エアコンの省エネ技術であるインバーター制御が、ここで初めて100%の最適性能を発揮します。これが、二重窓が長期的な電気代の大幅な削減に直結する論理的な理由です。

温が安定することでエアコンがフルパワー稼働からアイドリング運転になり、電気代が下がることを示すイメージ図

電気代削減以外の副次的効果と生活環境の向上(QOL)

二重窓へのリフォームを検討されている方の多くは、「エアコンの電気代を安くしたい」という経済的な動機からスタートされます。しかし、実際に施工を終えたお客様から寄せられる喜びの声の多くは、電気代の削減だけにとどまりません。

熱力学的・音響学的な副次効果として、ご家族の生活の質(QOL)を劇的に向上させる、数多くの驚くべきメリットが存在しているのです。

これらの付加価値を知れば、導入にかかるイニシャルコストが決して高い買い物ではないことがお分かりいただけるでしょう。二重窓への改修がもたらす生活環境へのポジティブな影響を、大きく4つのカテゴリーに分類して解説します。

騒音カット、結露防止によるカビ対策、二重ロックによる防犯性能向上を示すアイコン付きのメリット紹介図

効果の分類メカニズムと居住環境への圧倒的な好影響
断熱・省エネ効果と健康被害の防止窓からの熱貫流を抑え込むことで、足元だけが寒いといった室内の不快な「温度ムラ」を根絶し、冷暖房の稼働効率を最適化します。光熱費削減の主軸であると同時に、暖かいリビングから冷え切った廊下や浴室へ移動した際の急激な温度変化で血圧が乱高下する「ヒートショック現象」の予防にも直結し、ご家族の命と健康を守ります。
防音・遮音効果による静寂空間の実現窓ガラスの重さ(質量)が単純に倍増することに加え、間に挟まれた中間空気層が、音波の振動を効果的に吸収・減衰させるクッションの役割を果たします。これにより、幹線道路を走る自動車の騒音や、近隣の工事音などの不快な外部騒音の侵入をシャットアウトします。同時に、ご自宅内からのピアノの演奏音や赤ちゃんの泣き声などの音漏れも大幅に軽減し、ご近所トラブルを未然に防ぎます。
結露の物理的抑制とアレルゲンの排除冬場の窓枠をびしょ濡れにする憎き「結露」は、暖かく湿った室内の空気が、外気で冷やされた窓ガラスに触れて水滴に変わる現象です。二重窓にすることで、室内側の窓ガラスの表面温度が室温に近い状態に保たれるため、結露の発生メカニズムそのものを根本から破壊します。毎朝の面倒な窓拭きから解放されるだけでなく、カビやダニの繁殖を防ぎ、クリーンな空気環境を実現します。
強固な防犯性能による心理的安心感物理的に窓が二重になり、鍵(クレセント錠)も2つになることで、空き巣などの侵入者がガラスを破壊して鍵を開けるまでに要する時間が2倍以上に跳ね上がります。泥棒は侵入に5分以上かかると約7割が諦めると言われており、視覚的にも「この家は手こずりそうだ」と侵入を躊躇させる、極めて強力な心理的抑止効果が働きます。

これらの効果を確実なものにするため、現在国内の主要な建材メーカーは、技術の粋を集めた多様な二重サッシ・内窓製品を展開しています。

例えば、TOSTEM(LIXIL)の「インプラス」や、YKK APの「マドリモ 内窓 プラマードU」、大信工業株式会社の「内窓プラスト」、三協アルミの「後付樹脂内窓 プラメイクEⅡ」、そしてAGC(旭硝子)の「まどまどstd(スタンダード)」などが、市場を牽引する主力製品として高く評価されています。

プロの視点から特に注目していただきたいのは、これらの高性能製品の多くが、熱伝導率が非常に高い昔ながらの「アルミ素材」ではなく、熱を伝えにくい「樹脂(プラスチック)フレーム」を標準採用している点です。

樹脂の熱の伝えにくさはアルミの約1000分の1とも言われており、ガラス面だけでなく、サッシの枠部分からの熱の逃げ(熱橋現象)をも完璧に防ぎ切る、極めて高度で合理的な設計がなされています。

二重窓が失敗に終わる理由と「効果を感じられない」失敗談のホントの理由

これまでの解説で、二重窓が理論上いかに極めて優れた断熱改修であるかはお分かりいただけたと思います。しかし、ネットの口コミなどを見ていると、「高いお金を出して二重窓にしたのに、期待したほどエアコンの電気代が安くならない」「むしろ部屋が狭くなって後悔している」といった悲痛な声が散見されるのも事実です。

これらの失敗事象は、決して製品自体に欠陥があるわけではありません。その原因をプロの視点から論理的に解明します。

不満が生じるメカニズムを分析すると、住宅全体の熱力学的なバランスへの理解不足や、設置前の状況アセスメント(現状の正確な把握と前提条件の確認)の欠如により、主に以下の6つの「阻害要因」に明確に分類されます。ご自宅で同じ失敗を繰り返さないためにも、このリスクをしっかりと頭に入れておいてください。

局所的な改修による「熱のバイパス現象」の発生

これが最も多い失敗例です。予算の都合などで、リビングの大きな窓だけを二重窓にして、同じ部屋にある小さな小窓や勝手口が単板ガラスのまま放置されているケースです。部屋の断熱性能は「最も断熱性の低い弱い部分」に大きく引っ張られます。一部をどんなに強化しても、未対策の窓から冷気や熱気がバイパス(迂回)して侵入し続けるため、部屋全体の冷暖房効率は決して向上しません。

開口部以外の熱的欠陥(隙間風とコールドドラフト)

窓の断熱性を完璧に高めても、玄関ドアの郵便受けからの隙間風や、壁の換気口、あるいは経年劣化した壁内の隙間などから外気がスースーと流入している場合、二重窓の効果は無情にも相殺されてしまいます。特に、他の場所から侵入した冷気が床面を這うように広がる「コールドドラフト現象」が発生していると、足元の寒さは全く改善されず、結果的に寒さに耐えかねてエアコンの設定温度を無理に上げてしまうことになります。

躯体(家そのもの)の断熱材不足

「部屋が寒い、暑い」という原因が、実は窓ではなく壁の中にあると誤認してしまうケースです。昭和から平成初期に建てられ、壁面や床下、天井の断熱材が極端に不足している、あるいは経年劣化で断熱材がズレて沈下してしまっている住宅では、窓だけを最上級グレードにしても、家全体を覆う躯体からの熱損失を防ぎ切ることはできず、抜本的な光熱費の削減にはつながりません。

既存住宅の高いベースライン性能による「体感のギャップ」

近年の厳しい省エネ基準に適合して建てられた最新の高断熱・高気密住宅など、もともと家全体の基本性能が非常に高い場合の話です。ここにさらに追加で二重窓を設置しても、すでにエアコン効率が良い状態からのスタートとなるため、劇的な室温の変化や、目に見えて光熱費が半減するといった「上積みされる効果」を実感しにくい傾向があります。

費用対効果(ROI)の不成立と投資回収の長期化

設置にかかった数十万円の費用に対して、毎月削減できる光熱費が数千円程度であった場合、経済的な観点から「元を取るのに何十年もかかるから失敗だった」と認知されるケースです。特に賃貸物件や、数年以内に引っ越す予定がある短期間の居住の場合、初期投資の回収は物理的に不可能です。「二重窓にすれば電気代がタダ同然になる」といった、魔法のような過度な期待値とのギャップが深い後悔を生みます。

運用に伴う物理的負担の増加(日常のデメリット)

窓が2枚になるということは、単純に「窓の開け閉めや換気の手間が倍増する」「年末の大掃除で窓拭きの負担が倍になる」ということを意味します。日常的な動作のハードルが上がることを事前に想定できていないと、生活のストレスになります。また、室内側に数センチメートルから十数センチメートルの窓枠が新たに出っ張る構造となるため、「部屋が狭く感じる」「置きたかった家具が窓枠に干渉して置けなくなった」といった圧迫感も、事前のシミュレーション不足による典型的な後悔のポイントです。

これらの事象から導き出される重要な結論は、二重窓を設置する前に「今の不満の本当の原因が、本当に窓の断熱不足にあるのかどうか」を冷静に切り分ける作業が絶対に不可欠であるということです。

鈴木
鈴木
効果を最大化するためには、一部の窓だけでなく、その部屋のすべての窓をまるごと均一に対策することや、目的に合った適切なアセスメントとLow-E複層ガラスなどの製品選びが成功の生命線となります。

断熱シートと二重窓の比較検証とリスク

費用を抑えるために、ホームセンターなどで安価に買える「断熱シート」を検討される方も多いでしょう。しかし、プロの視点から見ると、これには一般の方があまりご存じない、知られざる大きな物理的リスクが潜んでいます。

エアコンの電気代削減や冬場の寒さ対策として、本格的な二重窓の工事の代わりに、手軽な断熱シートや緩衝材(プチプチ)が選ばれることがあります。

しかし、根本的な解決と長期的な省エネを目指すなら「二重窓」、賃貸での一時的な応急処置なら「断熱シート」という明確な使い分けが必要です。ここでは、安易な自己判断が引き起こす危険性について解説します。

断熱シート貼付に伴う「熱割れ」の物理的リスク

温度差によって窓ガラスが割れる熱割れ現象への注意を促す警告マークとひび割れた窓のイラスト

費用を抑えたい気持ちはとてもよく分かります。しかし、ホームセンターなどで手に入る「断熱シート」を安易に既存の窓ガラスにDIYで貼り付ける行為には、非常に危険な物理的リスクが潜んでいます。それが「熱割れ(ねつわれ)」と呼ばれる現象です。この現象の恐ろしいところは、ボールをぶつけたような物理的な衝撃を一切与えていないにもかかわらず、ある日突然、窓ガラスにピキッと巨大なヒビが入ってしまう点にあります。

熱割れが起こるメカニズムを分かりやすく解説します。冬場の晴れた日など、窓ガラスに直射日光が当たると、光を受けたガラスの中央部分は急激に温度が上昇して熱膨張を始めます。一方で、アルミサッシや樹脂サッシの枠の奥に埋め込まれている周辺のガラス部分や、日陰になっている部分は冷たいままの状態で維持されます。この時、1枚のガラスの中で「膨張して広がろうとする部分」と「冷たくて動かない部分」の間に、すさまじい引っ張りの力(熱応力)が生まれるのです。

通常の何も貼っていない一枚ガラスであれば、この温度差による力になんとか耐えられるように設計されています。しかし、ここに断熱シートを密着させてしまうと、ガラスの表面に熱が過剰にこもりやすくなり、中央部と周辺部の温度差が極端に開いてしまいます。限界を超えた瞬間、ガラスは自らの内部ストレスに耐えきれなくなり、破壊されてしまうのです。

特に注意が必要なのが、ガラスの中にワイヤーが入っている「網入りガラス」や、すでに2枚のガラスで構成されている「複層ガラス(ペアガラス)」です。

これらのガラスは通常の単板ガラスよりも熱割れに対する耐性が低く、断熱シートを貼ることは極めて危険な行為です。万が一ガラスが割れてしまった場合、断熱シートで節約できる数百円の電気代とは比較にならないほど高額なガラス交換費用が請求されます。リスクのある断熱シートの運用は原則として推奨できません。

断熱シートの正しい貼付位置と失敗例

前項で熱割れのリスクについてお伝えしましたが、賃貸住宅などでどうしても退去時の原状回復を優先せざるを得ず、応急処置として断熱シートを使用したいという方もいらっしゃるでしょう。

その場合でも、正しい物理法則に基づいた貼付位置を守らなければ、せっかくの時間と労力が完全に無駄になってしまいます。断熱シートの運用において、最も重要な厳格なルールは「必ず室内の空気に直接触れる一番内側の面に貼る」ということです。

なぜ内側でなければならないのでしょうか。断熱の本来の目的は、エアコンで快適な温度に調整された「室内の空気」を、冷たい外の環境に逃がさないことです。もし、二重窓の外側(外気に直接接する窓)や、一枚ガラスの外側にシートを貼ってしまった場合、シートと室内の間にある空気は、容赦なく外気の影響を受けて冷却されてしまいます。これでは、シートが本来持っている「熱の移動を遅らせる機能」が全く発揮されず、電気代の削減効果はゼロに等しくなってしまいます。

さらに、現場でよくお見掛けする間違った施工手法として「シートの2枚重ね」や「結露がひどい下半分だけの貼付」があります。より高い断熱効果を求めてシートを何重にも重ねてしまう方がいますが、これは絶対に避けてください。熱が過剰にこもり熱割れのリスクが倍増するだけでなく、部屋に入る自然光を極端に遮ってしまい、日中でも照明が必要になるなど生活環境が悪化します。また、自重が重くなることで結露の水分と共に剥がれ落ちやすくなります。

窓の下半分だけにシートを貼る方法も、したたり落ちてくる結露の水分を一時的に吸い取る「対症療法」としての機能しか持ち合わせていません。

窓全体の熱の通りやすさ(熱貫流率)を下げる効果は全くないため、部屋はいつまで経っても寒いままですし、エアコンの稼働率も下がりません。本気で電気代を下げ、根本的な寒さや暑さを解決したいのであれば、やはり初期投資を行ってでも、空気を完全に密閉できる確実な「二重窓(内窓)」の設置を選択するのが、プロとしての明確な結論です。

なぜ二重窓でエアコンの電気代が下がるのか?窓と熱の意外な関係性

二重窓リフォームを検討する際、最大の壁となるのが数十万円単位の初期費用ですが、現在は国や自治体からかつてない規模の補助金が出ています。この制度の構造を正しく理解し、賢く活用する戦略をお伝えします。

政府のカーボンニュートラル宣言と住宅の省エネ化推進策を背景に、住宅の窓断熱改修に対しては歴史的とも言える超特大の予算が組まれています。

これを利用することで、導入のイニシャルコストを劇的に下げ、投資の回収期間を大幅に短縮することが可能になります。

「先進的窓リノベ事業」の基本構造と4つの対象工事

国の補助金と自治体の助成金を重ねて受給することで、実質負担額を大幅に減らす戦略の図解

環境省主導の「先進的窓リノベ事業」は、高い断熱性能を持つ窓への改修を対象とした、まさに千載一遇のチャンスとも呼べる大規模な補助金制度です。この制度の最大の特徴は、一戸あたりの補助金額の上限が最大200万円と非常に手厚く設定されている点です。

実際に支給される金額は、工事費用の約半額相当を上限として、新しく設置する窓の「性能グレード(SS、S、Aなど)」と「サイズ(大・中・小)」の掛け合わせによって厳密に規定されます。対象となる工事は以下の4種類に分類されます。

工事の種類施工の具体的内容と特徴
内窓(二重サッシ)設置既存の窓枠の内側にもう一つ新しい窓を追加する工事。壁を壊すなどの大掛かりな作業が不要で、施工が比較的容易であり、最も費用対効果が高い手法です。
外窓交換(カバー工法・はつり工法)古いサッシごと、新しい高性能な窓に入れ替える工事です。壁を壊さずに既存の枠の上から新しい枠を被せる「カバー工法」と、壁を一部壊して枠ごと取り替える「はつり工法」があります。
ガラス交換既存のサッシ枠はそのまま残し、ガラスのみを高性能なもの(複層ガラス等)に入れ替える工事。最も低コストですが、アルミ枠からの熱損失は防げないため効果は限定的になる場合があります。
ドア交換(カバー工法等)玄関ドアや勝手口ドアを高断熱なものに交換する工事です。ただし、窓の改修工事と「同一契約」で行う場合のみ対象となるという厳しい付帯条件が存在します。

この中で、私たちが最も推奨し、多くのお客様から選ばれているのが「内窓設置」です。

一方で「ガラス交換」は手軽な工事として選ばれやすいですが、既存のサッシ枠の断熱性が変わらないため、結露抑制やエアコンの電気代削減を根本から解決するには至らないケースがあることに十分留意する必要があります。

 2025年事業の終了ステータスと「我が家の断熱窓検索」システム

前項で解説した「先進的窓リノベ事業」をはじめとする「住宅省エネキャンペーン」は、その補助額の大きさから非常に人気が高く、毎年凄まじいスピードで予算が消化されていきます。

事実として、2025年度の事業(子育てグリーン住宅支援事業などを含む)は、交付申請額が予算上限に向かって怒涛の勢いで推移し、2025年12月31日をもってすべての交付申請(予約含む)の受付が完全に終了しています。「いつでも申請できるだろう」と油断していると、いざ工事を決断した時にはすでに手遅れになります。

この補助金事業において、一般の消費者にとって非常に強力な味方となっていたのが、国が公式に提供していた「我が家の断熱窓検索」という高度なシミュレーションシステムです。補助金の計算は専門家でも頭を悩ませるほど複雑ですが、このシステムを使えば誰でも精緻な事前算出が可能でした。

「我が家の断熱窓検索」を構成する4つのステップ

  • STEP 1:立地の選択(地域区分) - 日本全国を気象条件で分けた1地域(寒冷地)から8地域(温暖地)までの区分を選択します。住所からの検索も可能です。
  • STEP 2:住宅の構造等の選択 - 戸建て住宅、あるいは集合住宅(階数など)といった建築物の構造を選択します。
  • STEP 3:工事内容の選択 - 内窓設置、外窓交換など、具体的なリフォーム工事の手法を選択します。
  • STEP 4:製品の機能の選択 - 性能区分(断熱性能のグレード等)を選択します。

この検索ツールにより、同じ製品であっても住宅の立地や構造によって補助額が変動する実態を正確に比較検討することができました。そして、プロとして絶対にお伝えしておかなければならない厳格なルールがあります。それは、これらの補助金を申請する権利を持つのは、あらかじめ国に登録された「窓リノベ事業者(住宅省エネ支援事業者)」のみであるということです。一般消費者が個人的に購入・設置したり、未登録の業者に依頼したりした場合は、いかに高性能な製品であっても補助金は1円も支給されません。事前の業者選定がすべてを握っていると言っても過言ではありません。

「先進的窓リノベ2026」の展望:非住宅への対象拡大と性能基準の厳格化

2026年以降の補助金制度は、対象の枠が大きく広がる一方で、求められる性能のハードルが明確に上がり、二極化の動きが顕著になっています。今後のトレンドを先読みして解説します。

次年度以降の施策となる「住宅省エネ2026キャンペーン」においては、社会全体の窓断熱を推し進めるという国の強い意志が反映されています。

施設型・非住宅建築物への補助対象の拡大

2026年以降、低性能な窓が補助金対象外になり、高断熱な複層ガラスが必須となる基準の推移を示すステップ図

2026年以降の窓断熱補助金制度は、まさに大きな転換期を迎えています。

これまでの制度は、主に私たちが暮らす「一般の居住用住宅」をターゲットとして、家庭部門からの二酸化炭素排出量を削減することに主眼が置かれていました。しかし、国全体でのカーボンニュートラル目標を達成するためには、より大規模なエネルギーを消費している施設へのアプローチが不可欠です。そこで2026年の新制度では、一定の厳しい条件を満たした「非住宅建築物」も強力な補助対象として組み込まれることになりました。

具体的にどのような施設が対象になるのか、その枠組みは非常に幅広く設定されています。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、図書館といった「教育施設」はもちろんのこと、診療所や老人ホーム、保育所などの「医療・福祉施設」も対象です。

さらに、神社や寺院、教会といった公的な性質を持つ施設、そして一般の方に身近なところでは、日用品を販売する店舗や事務所を兼ねている「店舗・兼用住宅(150㎡以内の店舗などの条件あり)」までもが補助の対象範囲に含まれることになりました。

この制度拡充において特筆すべきは、その補助上限額の桁違いの大きさです。延床面積が240平方メートル以下の小規模な非住宅施設であっても上限100万円、240平方メートルを超えるような大規模な施設に至っては、なんと上限「1,000万円」まで引き上げられており、事業者向けの脱炭素投資への強力なインセンティブが提供されています。

延床面積が大きく上限額が高い非住宅の大規模改修においては、すべての窓を一度に改修するのではなく、長時間人が滞在する区画や日射の影響が強い面の窓から優先的に内窓を設置する「工区を切った段階的導入」が、費用対効果を最適化しつつ運営への影響を抑える現実的で賢い戦術となります。

 性能基準の厳格化と「足切り」規定の導入

補助金の対象範囲が非住宅へと大きく広がる一方で、一般の住宅も含めて、窓に求められる「省エネ効果(性能基準)」はこれまでにないほど厳格化されています。国も無尽蔵に予算を持っているわけではありませんから、確実にエアコンの電気代削減効果を生み出す製品にだけ予算を集中投下するという方針です。

窓やドアの断熱性能は、「熱貫流率(Uw値・Ud値)」という数値で評価されます。この数値は「どれだけ熱を逃がしやすいか」を示しており、数値が小さければ小さいほど断熱性能が優れていることを意味します。2026年の制度において最も注目すべき大きな変更点が、明確な「足切り」規定の導入です。

これが2026年からの最大のルール変更です。内窓の設置工事においてUw値が1.9以下の製品は補助の対象外となります。

国の定める基準を超過(断熱性が低い)している製品や、事務局に登録されていない製品は一切認められません。

この「Uw1.9以下の対象外」という規定には、単なるコストダウン目的の質の低いリフォーム(低グレードのガラスやアルミ比率の高いサッシの組み合わせ)を市場から排除し、もはや国策としての省エネ目標に貢献しないという政府の明確な意思表示が込められています。

皆様がエアコンの電気代を確実に削減するためには、より高性能なLow-E複層ガラス等の標準化を推し進め、確実に効果を発揮できる製品のみを選別することが絶対条件となります。

地方自治体の独自助成制度と「ダブル受給(併用)」による投資回収の極大化

国の補助金だけでも強力ですが、お住まいの地域によってはさらに手厚い支援を受けられる裏技があります。それが「ダブル受給」という戦略です。

エアコンの電気代削減に向けた二重窓投資の「経済的な合理性(コストパフォーマンス)」を極限まで高めるための、知る人ぞ知るもう一つの高度な戦略が存在します。それが、国と皆様がお住まいの「地方自治体(都道府県や市区町村)」がそれぞれ提供している補助金を組み合わせて同時に受け取る、「併用(ダブル受給)」というテクニックです。

特に東京都内の各市区町村では、国だけではカバーしきれない自己負担分を大きく減らせる独自の助成制度が充実しており、この「ダブル受給」が常識とされるほど強力なスキームとなっています。

以下は、東京都内の主要な特別区における、2026年最新の補助要件と特記事項の比較分析です。地方自治体の制度は、国よりも予算規模が小さいため独自のローカルルールが極めて厳格に設定されている点に最大の注意が必要です。

自治体名補助率と上限額特記事項・厳守すべき申請の絶対条件
葛飾区(かつしかエコ助成金)助成対象経費の1/4(上限20万円)工事着工の「4週間前」までに事前申請を行い、承認を得ることが絶対条件です。区の審査に時間を要するため、思い立ってすぐの着工はできず、緻密なスケジュール管理の難易度が非常に高くなります。
江東区補助対象経費の10%(上限10万円)令和7年度から高断熱ドアも対象に追加されました。必ず「工事着工前」の申請が必要であり、工事が終わった後の事後報告は一切認められません。
渋谷区工事費用の20%(上限10万円)物理的性能基準に加え、区と協定を結んだ「区内施工事業者」への依頼が絶対条件となります。外部の業者に依頼した場合は対象外となるため、業者選びの段階で勝負が決まります。

素晴らしいことに、これら地方自治体の補助金の多くは、国の「先進的窓リノベ事業」との併用が公式に認められています。例えば、マンションや戸建てにおいて内窓を16箇所(中サイズ14箇所、小サイズ2箇所)、必要に応じてガラス交換を2箇所行った場合、総工費が約57万〜95万円と想定される規模の改修において、国と自治体の補助金を最大化するよう組み合わせることで、実質的な手出し金額を数十万円単位で圧倒的に圧縮することが可能になります。

ただし、地方自治体の補助金は予算枠が限られており、年度途中で予算上限に達し次第終了となる「先着順」の性質が強いです。また、条件を一つでも見落とすと受給権利を失うため、「電気代が気になるから」と見切り発車で施工するのではなく、事前の綿密な調査と準備、写真撮影などの段取りが成功の鍵を握ります。

二重窓でエアコンの電気代は変わる!光熱費を抑える賢い対策である:まとめ

部屋単位での対策、登録事業者への相談、補助金の早期申請の3点をまとめたチェックマークと握手のイラスト

ここまで、住宅における窓という存在の重要性と、二重窓への改修がもたらす効果、そして補助金を活用した賢い導入戦略について、現場のプロとしての知見を余すところなくお伝えしてきました。すべての熱力学的なデータ、建築環境工学のセオリー、そして現在の日本における経済的なインセンティブの状況を総合的に分析すると、皆様にお伝えすべき最終的な結論は極めて明確になります。

「二重窓(内窓)の設置」は、ご自宅の開口部から日々垂れ流されている甚大な熱の損失(冬場は暖気の58%が流出、夏場は熱気の73%が侵入)を根本的かつ物理的に遮断し、エアコンの空調負荷を劇的に軽減することで、中長期的な電気代削減に直接的に寄与する、極めて有効かつ経済合理性の高い「賢い投資」であると確信を持って断言できます。

しかしながら、その素晴らしい省エネ効果や、補助金を含めた高い費用対効果を確実に皆様の手で実現するためには、ただ単に市場に出回っている安価な製品を適当に見つけて設置すればよいという単純な話ではありません。

一部の窓だけを改修して満足してしまう局所的な対応や、住宅全体の気密性が担保されていない状態での見切り発車は、せっかくの熱のバイパス(抜け道)を許容してしまい、「何十万円もかけたのに、結局エアコンの電気代が安くならない」という最悪の失敗事例に直結してしまいます。安易な断熱シートへの依存も、熱割れリスクの誘発や根本的な断熱性能の欠如から、恒久的な解決策とはなり得ません。

皆様が真の意味での省エネと、驚くほど快適な室温環境の向上、そしてQOL(防音による静寂、毎朝の結露からの解放、強固な防犯対策)の改善を享受するためには、今の住まいの不満の真因が本当に窓にあるのかを専門的な目でアセスメントすることが第一歩です。

そして、2026年以降にますます厳格化される国の性能基準(Uw値1.9以下の除外など)を軽々とクリアできる、「Low-E複層ガラス」などを搭載した高性能な内窓を妥協せずに選定する必要があります。

さらに経済的な側面においては、国の「先進的窓リノベ事業」という特大の予算と、東京都の各区などの地方自治体が独自に提供する補助金を「併用(ダブル受給)」する、極めて高度でシビアな申請戦略を計画的かつスピーディーに実行することが求められます。

これらの一連の複雑なプロセス(正しい現状分析、最適な製品の選定、ミスの許されない補助金申請のプロジェクトマネジメント)をすべて個人で抱え込み、完璧に成功させるのは至難の業です。だからこそ、国に正規登録された信頼のおける「窓リノベ事業者」への早期の相談が、最も確実で安全な課題解決の道筋となります。

本記事で解説いたしましたエアコンの電気代削減の数値や、各種補助金制度の詳細な条件などは、あくまで一般的な目安であり、執筆時点での最新情報に基づいたものです。

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  • この記事を書いた人

代表 鈴木優樹

13年間で1万台以上のエアコンを設置してきた経験から、私は「部屋の温度こそが、家族の距離を縮める」という答えに辿り着きました。リビングが魔法瓶のように温かくなれば、家族は自然と一つの場所に集まります。無駄な電気代を削り、最もコスパの良い方法で「会話が弾む温かいリビング」をつくること。 皆様に、窓のリフォームを通じて、家族がもっと仲良くなれる幸せな時間をお届けします。

▼保有資格▼第二種電気工事士/建築物石綿含有建材調査者/石綿作業主任者/ガス可とう管接続工事監督者など

-窓・ドアの断熱リフォーム