「賃貸だけど、隣の部屋へのピアノの音漏れや外の騒音が気になる…防音のために二重窓にしたい」と考えていませんか。
しかし、実際に調べてみると、二重窓は防音効果なしという意見や、設置にかかる費用の問題、さらにはdiyで安く済ませようとして失敗するケースも見受けられます。
特に賃貸物件では、マンションの管理規約による許可の必要性や、大家さんとの賃貸二重窓に関する交渉、退去時の二重窓の賃貸における原状回復義務など、特有の課題が山積みです。
自分で取り付けできるのか、DIYではめごろし窓のような本格的なものが作れるのか、といった疑問も尽きないでしょう。
また、防音だけでなく、二重サッシによる暑さ対策や、国の二重窓補助金制度の活用など、知っておきたい情報は多岐にわたります。
この記事では、これらの悩みを解消し、賃貸で二重窓を実現するための具体的な方法を、専門的な視点から分かりやすく解説します。
- 二重窓の具体的な防音効果とメリット・デメリット
- 賃貸物件で設置する際の許可の取り方と交渉のコツ
- DIYで設置する場合の手順とプロに頼む費用の比較
- 国や自治体の補助金を活用して費用を抑える方法
目次
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賃貸で二重窓にしたい!防音効果と基本知識
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- 大家さんへの交渉のコツと許可取り・メリットの伝え方を解説
- 二重窓は賃貸だと原状回復が原則
- 二重窓は防音効果なしと言われる理由
- 防音したいピアノの音はどれくらい静かに?
- 二重サッシは夏の暑さ対策にもなる?
- 具体的な設置費用とシミュレーション
- 二重窓リフォームで使える補助金とは
大家さんへの交渉のコツと許可取り・メリットの伝え方を解説
賃貸物件で内窓(二重窓)を設置するには、貸主(大家さん)や管理会社の許可が必須です。「断られるのが怖い」と諦めてしまう方も多いですが、交渉の切り口を「借主の要望」から「貸主のメリット」に転換することで、許可を得られる確率は格段に上がります。
ここでは、不動産管理の視点を踏まえた、効果的な交渉術と具体的な手順を解説します。
「防音」よりも「結露防止」をアピールする
交渉の際、単に「うるさいから防音したい」と伝えると、大家さんは「神経質な入居者だ」と警戒したり、「退去時のトラブルが面倒だ」と感じたりしがちです。
そこで有効なのが、「結露防止による建物の保護」を強調する作戦です。
「冬場の結露がひどく、窓枠や壁紙にカビが生えて建物が傷むのを防ぎたいので、内窓を設置させていただけませんか?」
大家さんにとって、窓周りの結露によるカビや腐食は、物件の寿命を縮める大きな悩みです。「自費で建物を守ってくれる」という提案であれば、断る理由はほとんどなくなります。結果として、防音効果も手に入ります。
「造作買取請求権の放棄」を明言する
許可取りの最大の障壁は「退去時の原状回復(取り外し)」と「費用の精算」です。これをクリアにするために、以下の2点を書面またはメールではっきりと伝えましょう。
- 設置費用は全額借主(自分)が負担する。
- 退去時は内窓を置いていき、所有権を放棄する(造作買取請求権の放棄)。
「造作買取請求権(ぞうさくかいとりせいきゅうけん)」とは、借主が取り付けた設備を、退去時に大家さんに買い取らせる権利のことです。これを「放棄します(=タダであげます)」と宣言することで、大家さんは無料で物件のグレードアップ(断熱・防音性能の向上)が図れるため、Win-Winの関係を築けます。
許可取りの具体的な手順とメールテンプレート
いきなり電話をするのではなく、履歴が残るメールや書面での相談をおすすめします。管理会社を通す場合は、担当者が大家さんに説明しやすいよう、カタログのコピーや見積もりを添付するとスムーズです。
【相談用メールテンプレート】
件名:〇〇号室 結露対策および断熱改修(内窓設置)のご相談
〇〇不動産(または〇〇様)
〇〇号室に入居中の〇〇です。
現在、窓の結露が気になっており、カビ等で建物を傷めないよう、既存の窓の内側に「内窓(二重窓)」の設置を検討しております。
つきましては、以下の条件で設置のご許可をいただけないでしょうか。
【設置条件の提案】
- 費用負担:製品代・工事費ともに全額私が負担いたします。
- 施工方法:専門業者(〇〇リフォーム)に依頼し、建物に傷がつかないよう施工します。
- 退去時の対応:設置した内窓は、退去時に無償で残置(造作買取請求権を放棄)し、物件の付帯設備としてお譲りいたします。
(※もし残置が不可であれば、私の負担で撤去し原状回復いたします)
内窓を設置することで、断熱性と防音性が向上し、将来的な空室対策や物件価値の維持にもつながると考えております。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
承諾書を取り交わす重要性
口頭での「いいよ」だけで工事を進めるのは危険です。後で「そんなこと言っていない」「元に戻せ」といったトラブルを防ぐため、必ず「承諾書」を取り交わしましょう。
多くのリフォーム会社では、「賃貸用の施工承諾書」のひな形を持っています。見積もりを取る際に「大家さんへの提出用書類を用意してほしい」と依頼すれば、スムーズに対応してくれます。
このように、相手の不安を解消しメリットを提示する交渉を行えば、賃貸であっても二重窓による快適な防音生活を手に入れることは十分に可能です。
二重窓は賃貸だと原状回復が原則
賃貸物件で二重窓を検討する際、最も注意しなければならないのが「原状回復義務」です。これは、退去する際に部屋を「借りた時の状態に戻して返す」という、借主(入居者)に課せられた基本的な義務です。
もし、このルールを無視して設置してしまうと、退去時に高額な修繕費用を請求されるトラブルになりかねません。ここでは、二重窓設置における原状回復のポイントと注意点を詳しく解説します。
そもそも「原状回復」とは?
国土交通省のガイドラインによれば、経年劣化(日焼けや通常の摩耗など)による損耗は貸主(大家さん)の負担とされています。しかし、借主の「故意・過失」や「通常の使用を超える使用」によって生じた損耗については、借主が復旧費用を負担しなければなりません。
二重窓の設置は、入居者の都合による改修(グレードアップ)にあたるため、原則として「設置した窓を全て取り外し、取り付け前の状態に戻す費用」は借主負担となります。
最大のネックは「ビス穴(ネジ穴)」の補修
本格的な内窓(二重窓)は、気密性を確保するために窓枠にビス(ネジ)を打ち込んで固定します。この際に開いた「ビス穴」の扱いは、画鋲の穴とは大きく異なります。
- 画鋲の穴:通常の使用範囲内とみなされ、大家さん負担になることが多い(※契約内容による)。
- ビス穴(ネジ穴):窓枠という建具本体に穴を開ける行為であり、明確な「毀損(きそん)」とみなされ、ほぼ100%借主負担での修繕が必要になります。
ビス穴の補修は、単に穴を埋めるだけでなく、窓枠全体の塗装や、場合によっては枠材ごとの交換が必要になることもあります。その場合、数万円から十数万円単位の請求になるリスクがあることを理解しておく必要があります。
両面テープや接着剤の跡にも注意
「ビスを使わないタイプなら大丈夫」と考え、強力な両面テープでレールを固定する簡易内窓を選ぶ方もいます。しかし、ここにも落とし穴があります。
強力な粘着テープは、剥がす際に窓枠の塗装や表面シートまで一緒に剥がしてしまうことが多々あります。また、糊(のり)の跡が頑固に残ってしまうこともあります。これらも「原状回復」の対象となり、修繕費用を請求される可能性があるため、マスキングテープを下地に貼るなどの養生対策が不可欠です。
「残置(置いていく)」という解決策
前述の「大家さんへの交渉」でも触れましたが、原状回復義務を回避する最も有効な手段は、大家さんの合意を得て「残置」することです。
事前に「退去時は内窓をそのまま置いていきます(原状回復義務を免除してもらう)」という書面での合意があれば、取り外す手間も、ビス穴を修復する費用もかかりません。まずはこの形での合意を目指して交渉し、それが難しい場合にのみ、原状回復が容易な簡易タイプの製品(突っ張り式など)を検討するのが賢明な手順と言えます。
二重窓は防音効果なし!と言われる理由
二重窓を設置したにもかかわらず「防音効果がなかった」という感想を目にすることがあります。
これは、二重窓の特性や騒音の種類を正しく理解せずに設置してしまったケースがほとんどです。効果を実感できない主な原因は、主に4つ考えられます。
第一に、騒音の種類が二重窓の苦手なタイプであった可能性が挙げられます。二重窓が効果を発揮するのは、空気の振動によって伝わる「空気伝搬音」です。人の話し声や犬の鳴き声、テレビの音などがこれにあたります。
一方、壁や床の振動によって伝わる「固体伝搬音」には、あまり効果を期待できません。例えば、工事の振動音や上階の足音、線路が近い場合の電車の振動音などは、窓だけを防音対策しても室内への侵入を防ぎきれないのです。
第二に、窓ガラスやサッシの選択が適切でなかった場合です。防音性能は、ガラスの厚みや種類、サッシの素材によって大きく変わります。
単に窓を二重にしただけでは、期待したほどの効果は得られません。特に、既存の窓と新しく設置する内窓のガラスの厚みが同じだと、「共鳴現象」が起きてしまい、特定の周波数の音がかえって増幅されてしまうことさえあります。
第三に、窓の気密性に問題があるケースです。既存の外窓のサッシが歪んでいたり、部品が劣化していたりすると、隙間から音が漏れ入ってしまいます。いくら高性能な内窓を設置しても、音の侵入口である隙間を塞がなければ、防音効果は半減してしまうでしょう。
そして最後に、外窓と内窓の間の「中間空気層」の幅が不適切な場合が考えられます。
この空気層がクッションの役割を果たし音を減衰させるため、ある程度の幅が必要です。
一般的に7cm以上の幅が推奨されますが、この幅が狭すぎると十分な防音効果を発揮できません。これらの理由から、二重窓は効果がないと感じることがあるのです。
防音したい!ピアノの音はどれくらい静かに?
ピアノの音は、近隣トラブルの原因になりやすい音の一つです。この音を防ぐ目的で二重窓を検討する方は少なくありません。
二重窓は、ピアノのような楽器から発せられる「空気伝搬音」に対して、非常に高い効果を発揮します。
具体的にどれくらい静かになるかというと、サッシメーカーの実験データによれば、一般的な二重窓(内窓)の設置で、騒音レベルを約40dB(デシベル)低減できるとされています。
人間の耳には、10dB下がると音が半減したように感じられるため、40dBの低減は驚くほど静かになったと実感できるレベルです。
例えば、80dB程度のピアノの音は、40dBにまで軽減される計算になります。
80dBが「地下鉄の車内」や「救急車のサイレン(20m地点)」に相当する騒音であるのに対し、40dBは「図書館の館内」や「静かな住宅地の昼間」に匹敵する静けさです。つまり、隣室や屋外への音漏れを、日常会話が気にならないレベルまで大幅に抑えることが可能になります。
ただし、最大の効果を得るためには、適切な製品選びが不可欠です。
より高い防音効果を得るためのポイント
ピアノの音は低音から高音まで幅広い音域を持つため、より高い防音性能が求められます。効果を高めるには、厚みの異なるガラスを組み合わせた「異厚複層ガラス」や、2枚のガラスの間に特殊な防音フィルムを挟んだ「防音合わせガラス」を選ぶことが推奨されます。
これらのガラスは、特定の音域で発生しやすい共鳴を防ぎ、全音域にわたってバランス良く音を遮断する性質を持っています。
したがって、適切なガラスと気密性の高いサッシを選ぶことで、ピアノの音漏れの悩みは大幅に改善されると考えられます。
二重サッシは夏の暑さ対策にもなる?
二重窓(二重サッシ)は防音対策として注目されがちですが、実は断熱性能も非常に高く、夏の厳しい暑さ対策にも大きな効果を発揮します。住宅の中で最も熱の出入りが激しい場所は窓であり、夏場に外から室内に入ってくる熱の約7割は窓からだと言われています。
二重窓を設置すると、既存の外窓と新たに取り付けた内窓の間に空気の層が生まれます。
この空気層が、熱の伝わりを妨げる断熱材のような役割を果たし、外の暑い空気が室内へ侵入するのを効果的に防ぎます。これにより、冷房の効きが格段に良くなり、設定温度を緩やかにしても快適な室温を保ちやすくなるのです。
特に、遮熱性能に特化した「Low-E複層ガラス」を内窓に採用すると、その効果はさらに高まります。
Low-E複層ガラスは、ガラスの表面に特殊な金属膜(Low-E膜)がコーティングされており、太陽光の熱(日射熱)を効果的に反射します。夏の強い日差しによる室温の上昇を強力に抑えてくれるため、西日が当たる部屋などには特におすすめです。
このように、二重窓は冷房効率を向上させ、電気代の節約にもつながるため、夏の暑さ対策として非常に有効な手段と言えます。また、冬には室内の暖かい空気を外に逃がしにくくするため、年間を通して光熱費の削減と快適な室内環境の維持に貢献してくれるでしょう。
具体的な設置費用とシミュレーション
賃貸物件で二重窓を設置する際、最も気になるのが費用でしょう。費用は、窓のサイズ、選ぶサッシの素材、そしてガラスの種類によって大きく変動します。
一般的な腰高窓(幅165cm × 高さ110cm程度)に、断熱性と防音性のバランスが良い「樹脂サッシ+Low-E複層ガラス」の内窓を1箇所設置する場合、製品代と工事費を合わせておおよそ8万円から15万円程度が目安となります。
より高い防音性能を求めて「防音合わせガラス」を選ぶと、費用はさらに2万円から5万円ほど高くなる傾向があります。
ガラスの種類による性能と価格の違い
ガラスの種類によって、断熱性、防音性、そして価格が異なります。ご自身の目的や予算に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
| ガラスの種類 | 断熱性能 | 防音性能 | 価格の目安 | 特徴 |
| 単板ガラス | △ | △ | 安い | 最も基本的な1枚ガラス。防音・断熱効果は低い。 |
| 複層ガラス | 〇 | 〇 | 普通 | 2枚のガラスの間に空気層がある。基本的な断熱・防音性能を持つ。 |
| Low-E複層ガラス | ◎ | 〇 | やや高い | 特殊な金属膜で日射熱をカット。高い断熱性と遮熱性を持つ。 |
| 異厚複層ガラス | 〇 | ◎ | やや高い | 厚みの違う2枚のガラスで共鳴を防ぐ。防音性能が高い。 |
| 防音合わせガラス | 〇 | ◎ | 高い | 特殊な防音フィルムを挟み込み、高い遮音性を発揮する。 |
これはあくまで一例であり、正確な費用を知るためには、専門業者に見積もりを依頼することが不可欠です。多くの業者では、窓のサイズや現状の写真を送るだけで概算金額がわかるオンライン見積もりサービスを提供しています。
複数の業者から見積もりを取り、価格や提案内容を比較検討すると良いでしょう。
二重窓リフォームで使える補助金とは
二重窓の設置は、省エネ性能を高めるリフォームとして、国や自治体が実施する補助金制度の対象となる場合があります。これらの制度をうまく活用すれば、高機能な窓を導入する際の初期費用を大幅に抑えることが可能です。
代表的な国の制度として「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などがあります。これらの事業は、断熱性能の高い窓へのリフォームを促進することで、住宅の省エネ化を図ることを目的としています。
補助金制度の主な特徴と注意点
補助金の額は、設置する内窓の性能(断熱グレード)とサイズによって決まり、1箇所あたり数万円から、条件によっては10万円を超える補助が受けられることもあります。
例えば「先進的窓リノベ2024事業」では、工事内容に応じて最大200万円/戸の補助が設定されていました。
ただし、補助金を利用するにはいくつかの注意点があります。
- 対象製品を選ぶこと: 補助金の対象となるのは、事務局が定めた基準以上の断熱性能を持つ製品に限られます。
- 登録事業者に依頼すること: 工事を依頼する業者が、事前に補助金事業の事務局に登録されている必要があります。個人で製品を購入してDIYで設置した場合は、基本的に対象外となります。
- 申請期間内に手続きすること: 補助金には予算があり、申請額が予算の上限に達すると受付が終了してしまいます。リフォームを決めたら、早めに業者へ相談し、手続きを進めることが肝心です。
- 所有者の同意: 賃貸物件の場合、リフォームの申請者は住宅の所有者(大家さん)となるのが一般的です。借主が補助金を利用したい場合は、必ず大家さんの同意と協力が必要になります。
これらの制度は毎年度更新されるため、最新の情報を環境省や国土交通省の公式サイトで確認するか、リフォーム業者に問い合わせて、現在利用できる制度があるかを確認することをおすすめします。
賃貸で二重窓にしたい!防音を実現する手順
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- マンションでの内窓設置に許可は必要?
- diyではめごろし窓は作れるのか
- diyで安く済ませる場合の注意点
- 自分で取り付けを行う際のリスク
マンションでの内窓設置に許可は必要?
賃貸マンションやアパートで内窓を設置する場合、原則として大家さん(貸主)や管理会社の許可が必要です。たとえ自分の部屋の中の工事であっても、無断で行うことは契約違反となり、後々のトラブルに発展する可能性があります。
許可が必要な理由は、主に二つあります。一つは、窓が建物の「共用部分」と見なされる場合があるためです。分譲マンションでは、窓サッシや窓ガラスは共用部分と定められていることが多く、個人の判断で変更することはできません。賃貸物件においても、この考え方が準用されることがあります。
もう一つの理由は、借主が負う「原状回復義務」に関係します。内窓の設置では、既存の窓枠にビス(ネジ)を打ち込んで固定するのが一般的です。このビス穴は、退去時に「借主の故意・過失による損傷」と判断され、修繕費用を請求される可能性が非常に高いのです。
そのため、工事を計画する前に、必ず賃貸借契約書を確認し、大家さんや管理会社に「防音対策のために内窓を設置したい」という意向を伝え、許可を得る手続きを踏まなくてはなりません。この事前の相談と許可が、円満にリフォームを進めるための最も大切なステップとなります。
費用負担に関する交渉の選択肢
費用負担についても、いくつか選択肢を提示すると交渉がスムーズに進むことがあります。
- 大家さん負担で設置してもらう: 物件の価値向上を理由に、大家さんに費用を全額負担してもらう交渉です。
- 費用を折半する: 借主と大家さんで費用を半分ずつ負担する方法です。
- 借主負担で設置し、原状回復を免除してもらう: 借主が全額費用を負担する代わりに、退去時に内窓をそのまま残す(原状回復義務を免除してもらう)ことを許可してもらう交渉です。この場合、内窓は大家さんの所有物となるため、双方にとってメリットのある着地点と言えます。
これらの点を踏まえ、丁寧な言葉遣いで相談すれば、許可を得られる可能性は高まります。感情的にならず、あくまで物件の価値を高めるための前向きな提案として話を進めることが成功の秘訣です。
DIYではめごろし窓は作れるのか
DIYで、はめごろし窓(FIX窓)のような内窓を自作することは、不可能ではありません。インターネット上では、ホームセンターで手に入る木材やプラスチック段ボール(プラダン)、ポリカーボネート板などを使って内窓を製作する方法が数多く紹介されています。
基本的な作り方は、採寸した窓枠に合わせて木材などでフレームを組み、そこにポリカーボネート板などのパネル材をはめ込んで完成させるというものです。正しく採寸し、隙間なく窓枠にはめ込むことができれば、一定の防音効果や断熱効果は期待できます。特に、何もしない状態に比べれば、外からの音や冷気の侵入を軽減できるでしょう。
しかし、プロが施工するような本格的なはめごろしタイプの二重窓を、DIYで完璧に再現するのは非常に困難です。
その理由は、住宅の窓枠が必ずしも完全に水平・垂直ではないためです。築年数が経過した建物では、わずかな歪みが生じていることが多く、その歪みを考慮せずに製作すると、どうしても隙間ができてしまいます。
この隙間が、音漏れや結露の発生原因となるのです。
言ってしまえば、DIYでの製作は、費用を抑えられる可能性がある一方で、性能面では妥協が必要になることを理解しておく必要があります。
DIYで安く済ませる場合の注意点
DIYで内窓を設置する最大の魅力は、専門業者に依頼するよりも費用を安く抑えられる点にあります。しかし、安易に飛びつくと「安物買いの銭失い」になりかねないため、いくつかの注意点を理解しておくことが不可欠です。
第一に、材料費が思った以上にかかる可能性があることです。簡易的なプラダンであれば安価ですが、防音性や耐久性を考えてポリカーボネート板を選ぶと、それなりの価格になります。
窓のサイズによっては、材料費だけで数万円に達することもあり、業者に依頼する簡易な内窓製品と大差ない金額になることも少なくありません。
第二に、製作に要する時間と手間です。正確な採寸から材料のカット、組み立てまで、かなりの作業時間と労力が必要です。特にDIYに不慣れな方にとっては、想像以上に大変な作業となるでしょう。
そして最も注意すべきは、性能面での限界です。自作の内窓では、気密性を完璧に確保することが難しく、プロが施工した製品ほどの防音・断熱効果は期待できません。
隙間から音が漏れたり、結露が発生してカビの原因になったりするリスクも伴います。これらの点を踏まえると、DIYはあくまで「簡易的な対策」と位置づけ、過度な期待はしない方が賢明です。
自分で取り付けを行う際のリスク
市販の内窓キットを購入し、自分で取り付けを行う場合にも、いくつかのリスクが伴います。
最大のリスクは、採寸ミスです。内窓はミリ単位での正確な採寸が求められます。
ほんの数ミリの誤差が、設置不可能となったり、大きな隙間を生んで性能を著しく低下させたりする原因になります。特に、古い住宅の歪んだ窓枠の採寸は、プロでも慎重に行う作業であり、DIY初心者には難易度が高いと言えます。
また、取り付け作業中の破損リスクも考えられます。特に、掃き出し窓のような大きなガラス窓は非常に重く、一人での作業は危険です。搬入中に壁や床を傷つけたり、ガラスを割ってしまったりする可能性もあります。
万が一、製品を破損させてしまった場合、当然ながら保証は適用されず、全て自己負担での再購入となってしまいます。
これらのリスクを考慮すると、多少費用がかかったとしても、採寸から設置まで責任を持って行い、製品保証や工事保証が付く専門業者に依頼する方が、最終的には安心で確実な方法と言えるでしょう。
業者に依頼すれば、補助金制度の対象となる可能性も広がり、結果的にDIYと変わらない費用で、はるかに高い性能と安心感を得られる場合もあります。
賃貸で二重窓にしたい!防音対策について:総括
賃貸物件で騒音問題に悩み、二重窓による防音対策を検討されている方へ、この記事で解説した要点を以下にまとめます。
ご自身の状況に合わせて、最適な選択をするための一助となれば幸いです。
- 賃貸物件でも大家さんや管理会社の許可を得れば二重窓は設置可能
- 交渉の際は防音や断熱による物件価値の向上を伝えるのがコツ
- 設置費用は借主負担とし原状回復義務を免除してもらう交渉が現実的
- 退去時には設置した窓を撤去し元に戻す原状回復が原則
- ビス穴は借主負担での修繕となる可能性が非常に高い
- 傷をつけない突っ張り式や両面テープ式の簡易的な製品もある
- 二重窓は空気の層で音を遮断する空気伝搬音に特に有効
- 人の話し声やペットの鳴き声、ピアノの音などに高い効果を発揮
- 工事の振動や上階の足音など固体伝搬音への効果は限定的
- 防音効果なしの原因は不適切な製品選びや隙間にあることが多い
- 防音合わせガラスや異厚複層ガラスを選ぶと効果が高まる
- 二重窓は断熱性も高く夏場の暑さ対策や冬の寒さ対策にもなる
- DIYでの自作は可能だが性能の限界と製作の手間を理解する必要がある
- 専門業者に依頼すれば補助金制度を利用して費用を抑えられる場合がある
- 最終的には費用対効果と手間を考え専門家への相談が推奨される