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エアコン室外機カラカラ音の原因と今すぐ試せる対策3選をプロが解説

2025年10月2日

エアコンを使っていると、室外機から普段はしない音が聞こえてきて不安に感じた経験はありませんか。特に「カラカラ」という音は、何かが壊れているのではないかと心配になるものです。エアコンの室外機からカラカラ音がする場合、その原因は何なのでしょうか。

この記事では、エアコンの室外機から音がする原因、特にカラカラ音の原因は何かを詳しく解説します。エアコンの室外機がカラカラ言うのは故障ですか?という疑問にお答えし、カタカタ・パタパタ・ブーン・キュルキュルといった他の異音についても触れていきます。

また、エアコンの室外機が急にうるさくなった場合の具体的な対策方法や、カラカラ音や異音を放置するリスクと危険性もご紹介します。基本的な室外機の役割とは何かを理解した上で、修理代・工事の費用相場や、信頼できる修理・交換を依頼する業者選びのコツ、そしてよくある質問(FAQ)まで、網羅的に情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

ポイント

  • エアコン室外機から発生するカラカラ音の具体的な原因
  • 自分で今すぐ試せる室外機の異音への対策方法
  • 異音を放置した場合のリスクと故障かどうかの判断目安
  • 修理や交換が必要な場合の費用相場と優良な業者の選び方

エアコンの室外機からカラカラ音がする原因と危険性

  • 室外機の役割とは?
  • エアコンの室外機から音がする原因
  • 具体的なカラカラ音の原因は
  • カタカタ・パタパタ・ブーン・キュルキュルなど異音の種類
  • カラカラ音や異音を放置するリスクと危険性

室外機の役割とは?

エアコンの室外機は、室内機と対になって機能する、空調システムに不可欠な装置です。その主な役割は、室内の熱を外に逃がしたり、外の熱を室内に取り込んだりする「熱交換」を行うことです。

冷房運転の際には、室内機が部屋の暖かい空気を吸い込み、その熱を冷媒ガスに乗せて室外機へと運びます。室外機は、内部のファンと圧縮機(コンプレッサー)を使って、運ばれてきた熱を外部に放出します。これにより、室内機からは冷たい風が送り出されるのです。

一方、暖房運転ではこの逆のプロセスが行われます。室外機が外気の熱を吸収し、圧縮機でさらに高温にした熱を室内機に送ります。室内機はその熱を利用して暖かい風を部屋に供給する仕組みです。

このように、室外機は効率的な冷暖房を実現するために、常に屋外で稼働し続けている重要な役割を担っています。

エアコンの室外機から音がする原因

エアコンの室外機から異音がする場合、その原因は一つではありません。いくつかの要因が考えられますが、主なものとしては「汚れの蓄積」「設置の不安定さ」「部品の経年劣化」の3つが挙げられます。

汚れの蓄積

室外機は屋外に設置されているため、砂埃、落ち葉、ゴミ、さらにはペットの毛などが内部に侵入しやすい環境にあります。特に、ファンや熱交換器(アルミフィン)に汚れが蓄積すると、空気の流れが阻害され、モーターに余計な負荷がかかり異音の原因となります。

設置の不安定さ

室外機が傾いた地面やブロックの上に不安定な状態で設置されていると、運転時の振動が大きくなり、「ガタガタ」「ブーン」といった音を発生させることがあります。また、設置台のネジが緩んでいる場合や、室外機が壁や他の物に接触している場合も、振動による異音につながります。

部品の経年劣化

エアコンを長年使用していると、内部の部品が劣化してきます。特に、ファンを回転させるモーターや、冷媒ガスを圧縮するコンプレッサーといった主要部品が劣化すると、「カラカラ」「キュルキュル」といった金属がこすれるような異音や、これまでより大きな運転音が発生するようになります。

具体的なカラカラ音の原因は

室外機から聞こえる異音の中でも、特に「カラカラ」や「キュルキュル」といった金属がこすれるような音は、故障のサインである可能性が高いと考えられます。この種の音が発生する主な原因は、内部の回転部品、特にコンプレッサー(圧縮機)やファンモーターの不具合にあります。

コンプレッサーはエアコンの心臓部とも言える重要な部品で、冷媒ガスを圧縮し、温度を調整する役割を担っています。このコンプレッサーの軸や内部のベアリングが経年劣化や潤滑油不足によって摩耗すると、回転時に金属同士がこすれて「カラカラ」という音を発生させることがあります。

同様に、室外機のファンを回すためのファンモーターも、長期間の使用により劣化します。モーター内部のベアリングが損傷したり、軸がずれたりすると、ファンがスムーズに回転できなくなり、「カラカラ」や「キュルキュル」といった異音が生じるのです。

これらの部品の不具合は、放置するとエアコンの性能を著しく低下させるだけでなく、最終的には完全に動かなくなる可能性もあります。したがって、「カラカラ」という音が聞こえた場合は、早めに専門家による点検を依頼することが賢明です。

カタカタ・パタパタ・ブーン・キュルキュルなど異音の種類

「カラカラ」という音以外にも、室外機は様々な異音を発することがあります。音の種類によって原因がある程度推測できるため、どのような音がするのかを注意深く聞き分けることが大切です。

音の種類 考えられる主な原因
カタカタ・ガタガタ 内部へのゴミや虫などの異物混入、部品の緩み、設置不良による振動、壁などへの接触
パタパタ ファンの羽根に異物が当たっている、ファンモーターの不具合
ブーン 正常なモーターの作動音。ただし、音が異常に大きい場合は設置不良による共振やコンプレッサーの劣化の可能性
キュルキュル ファンモーターのベアリング劣化や潤滑油切れなど、回転部品の不具合
ポコポコ ドレンホースからの空気の逆流や詰まりによる音
プシュー・シャー 冷媒ガスが流れる音や霜取り運転時の音で、多くは正常な作動音

「カタカタ」という音は、内部に枯れ葉や小石などの異物が入り込んでいる場合によく発生します。また、「ブーン」という音は通常時も発生しますが、急に大きくなった場合は注意が必要です。これらの音の種類と原因を参考に、次にご紹介する対処法を試してみてください。

カラカラ音や異音を放置するリスクと危険性

エアコンの室外機から発生するカラカラ音やその他の異音を「そのうち直るだろう」と放置してしまうと、いくつかの重大なリスクを引き起こす可能性があります。

第一に、冷暖房効率の著しい低下です。異音は、内部の部品が正常に機能していないサインです。汚れの蓄積や部品の劣化によってファンやコンプレッサーの動きが妨げられると、熱交換の効率が悪化します。その結果、設定温度になるまで時間がかかったり、エアコンが本来の性能を発揮できなくなったりします。

第二に、電気代の上昇が考えられます。冷暖房の効率が落ちると、エアコンは設定温度を維持しようと余計な電力を消費します。異音を放置することは、気づかないうちに無駄な電気代を支払い続けることにもつながりかねません。

第三に、エアコン本体の寿命を縮める危険性です。異音が出ている状態で運転を続けることは、エアコンに大きな負担をかけ続けることになります。軽微な不具合が、放置することで他の部品にも影響を及ぼし、最終的には修理不可能な重大な故障に至るケースも少なくありません。

そして最後に、近隣トラブルへの発展です。特に夜間、室外機の異音は想像以上に響くことがあります。ご近所の安眠を妨害し、騒音問題としてクレームにつながる可能性も十分に考えられます。

これらのリスクを避けるためにも、室外機の異音に気づいたら早期に対処することが大切です。

エアコンの室外機からカラカラ音がする時の対処法

  • 急にうるさくなった場合
  • 室外機がうるさいエアコンの対策方法
  • エアコンの室外機がカラカラ言うのは故障ですか?
  • 修理代・工事の費用相場と業者選びのコツ
  • よくある質問(FAQ)

急にうるさくなった場合

昨日までは静かだったのに、今日エアコンをつけたら室外機が急にうるさくなった、というケースがあります。このような場合、まずは慌てずにいくつかの点を確認してみましょう。

最初に考えられるのは、室外機の周辺環境の変化です。強風で飛ばされてきた物が室外機のファンに接触していたり、吸い込み口や吹き出し口を塞いでいたりしないか確認してください。植木鉢や自転車などが、振動で室外機に接触している可能性もあります。

次に、エアコンの運転モードや設定温度を確認します。特に暖房運転時や、外気温と設定温度の差が大きい時には、室外機はフルパワーで稼働するため運転音が大きくなる傾向があります。また、冬場の寒い日には「霜取り運転」が作動し、一時的に「プシュー」や「ゴー」といった通常とは異なる大きな音が発生することがありますが、これは故障ではありません。

もし、これらの状況に当てはまらず、明らかに内部から「ガラガラ」「ガコンガコン」といった異常な音がする場合は、部品の破損などが考えられます。このようなケースでは、さらなる損傷を防ぐために直ちにエアコンの運転を停止し、専門の業者に点検を依頼することをおすすめします。

室外機がうるさいエアコンの対策方法

室外機の音がうるさいと感じた場合、専門業者に依頼する前に自分で試せる対策がいくつかあります。原因が軽微なものであれば、これらの方法で改善する可能性があります。

対策1:室外機とその周辺の掃除

まず基本となるのが掃除です。安全のため、必ずエアコンの電源プラグを抜くか、ブレーカーを落としてから作業を行ってください。

  1. 室外機周辺の片付け: 室外機の吸い込み口や吹き出し口の周囲(少なくとも20cm以内)に物があれば移動させ、空気の流れを確保します。雑草や落ち葉なども取り除きましょう。
  2. 外側の汚れ落とし: 室外機本体の表面についた泥やホコリを、ほうきで軽く払い落とした後、雑巾で拭き取ります。
  3. 熱交換器(アルミフィン)の掃除: 室外機の裏側や側面にある薄い金属板が並んだ部分(フィン)にホコリが詰まっている場合は、使い古しの歯ブラシなどで優しく、フィンの目に沿ってホコリをかき出します。フィンは非常に曲がりやすいので、力を入れすぎないように注意してください。

対策2:防振ゴムの設置

「ブーン」「ガタガタ」といった振動音が気になる場合は、防振ゴムの設置が有効です。ホームセンターやインターネット通販で入手可能な室外機用の防振ゴムを、室外機の足の下に敷くことで、振動が地面や設置台に伝わるのを軽減できます。室外機を持ち上げる際は、重さで倒したり配管を傷つけたりしないよう、二人で慎重に作業することをおすすめします。

対策3:設置状況の確認

室外機を置いている台やブロックがガタついていないか確認し、安定しているか確かめます。また、室外機を固定している足元のネジが緩んでいる場合は、レンチなどで締め直すことで振動音が改善することがあります。

これらの対策を試しても異音が解消されない場合は、内部の部品の劣化や故障が考えられます。

エアコンの室外機がカラカラ言うのは故障ですか?

「エアコンの室外機がカラカラ言うのは故障ですか?」という問いに対しては、「故障の可能性が高いサイン」とお答えするのが最も適切です。

前述の通り、「カラカラ」や「キュルキュル」といった金属がこすれるような音は、コンプレッサーやファンモーターといったエアコンの心臓部とも言える部品の劣化や不具合が原因であることが多いからです。これらの部品はエアコンの性能に直結するため、不調を放置すれば最終的にエアコンが全く機能しなくなる恐れがあります。

ただし、全ての音が即座に故障を意味するわけではありません。例えば、エアコンの運転開始直後の小さな「カタカタ」音は電磁弁の作動音であったり、冬場の「プシュー」という音は霜取り運転であったりと、正常な動作による音も存在します。

一つの判断基準として、エアコンの使用年数が挙げられます。一般的にエアコンの寿命は10年程度とされています。もし10年以上使用しているエアコンから「カラカラ」という音が聞こえ始めたのであれば、経年劣化による故障の可能性が非常に高いと判断できます。

自分でできる掃除や対策を試しても音が止まらない、または音が 점점大きくなるような場合は、故障と判断し、深刻な事態になる前に専門の業者に診断を依頼しましょう。

修理代・工事の費用相場と業者選びのコツ

室外機の異音が自分で対処できない場合、修理や交換を検討する必要があります。その際に気になるのが費用と、どこに依頼すればよいかという点です。

修理代・工事の費用相場

エアコン室外機の修理費用は、故障箇所や交換する部品によって大きく異なります。あくまで目安ですが、主な修理費用の相場は以下の通りです。

修理内容 費用相場(出張費・技術料込み)
ファンモーターの交換 約15,000円 ~ 30,000円
コンプレッサー(圧縮機)の交換 約58,000円 ~ 105,000円
ドレンホースの清掃・修理 約8,000円 ~ 20,000円
ガス漏れの修理・補充 約20,000円 ~ 50,000円

特にコンプレッサーの交換は高額になりがちで、エアコンの使用年数によっては新品に買い替えた方が経済的な場合もあります。まずは業者に見積もりを依頼し、修理費用と買い替え費用を比較検討することが大切です。

修理・交換を依頼する業者選びのコツ

安心して任せられる業者を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。

  1. 料金体系が明確か: 見積もりを依頼した際に、作業内容ごとの料金や出張費、追加料金の有無などを明確に説明してくれる業者を選びましょう。「一式」ではなく、詳細な内訳を提示してくれるかがポイントです。
  2. 実績と口コミを確認する: 業者のウェブサイトで施工実績を確認したり、第三者の口コミサイトで評判をチェックしたりすることで、信頼性を判断する材料になります。
  3. 資格の有無: ガスを扱う作業には専門の資格が必要です。「ガス溶接技能者」や「冷凍空気調和機器施工技能士」などの有資格者が在籍しているか確認すると、より安心です。
  4. 保証制度が充実しているか: 修理後の保証期間を設けている業者を選びましょう。万が一、修理後に再び不具合が発生した場合でも、無償で対応してもらえるかを確認しておくことが重要です。

複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、対応の丁寧さや保証内容なども含めて総合的に比較検討することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

ここでは、エアコン室外機の異音に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 室外機の音について近所から苦情が来てしまいました。どうすればよいですか?

A1. まずはご自身で本日ご紹介した騒音対策(周辺の掃除、防振ゴムの設置など)を試してみてください。それでも改善しない場合は、お住まいの自治体の環境課などに相談し、地域の騒音基準値を確認する方法があります。基準値を超えるような騒音の場合は、専門業者による点検や修理、場合によってはより静音性の高い新しい機種への買い替えを検討する必要があります。近隣の方へは、対策を講じている旨を丁寧に説明し、理解を求める姿勢が大切です。

Q2. 賃貸マンションに備え付けのエアコン室外機から異音がします。誰に連絡すればよいですか?

A2. 賃貸物件に備え付けられている設備の場合、修理の責任は大家さんや管理会社にあります。ご自身で勝手に業者を手配するのではなく、まずは大家さんか管理会社に連絡し、状況を説明して指示を仰いでください。修理費用も原則として貸主負担となりますが、契約内容によっては異なる場合もあるため、念のため賃貸契約書を確認しておくとよいでしょう。

Q3. 10年以上使っているエアコンの室外機からカラカラ音がします。修理と買い替え、どちらがお得ですか?

A3. 10年以上使用しているエアコンの場合、買い替えをおすすめします。メーカーの部品保有期間(通常、製造終了後約10年)が過ぎていると、修理に必要な部品がなく修理自体が不可能な場合があります。また、仮に修理できたとしても、他の部品が次々に劣化して故障する可能性が高く、結果的に修理費用がかさんでしまうことも考えられます。最新のエアコンは省エネ性能も格段に向上しているため、長期的に見れば電気代の節約にもつながり、買い替えた方が経済的であるケースが多いです。

エアコンの室外機からカラカラ音がする時の対処法:総まとめ

この記事では、エアコンの室外機からカラカラという異音がする際の様々な側面について解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • 室外機の主な役割は室内の熱を外に逃がす(冷房)または外の熱を取り込む(暖房)熱交換
  • 室外機の異音の主な原因は汚れの蓄積、設置不良、部品の経年劣化
  • 「カラカラ」「キュルキュル」音はコンプレッサーやファンモーター故障のサインの可能性が高い
  • 「カタカタ」音は異物混入や部品の緩みが原因であることが多い
  • 「ブーン」という大きな音はモーターへの高負荷や振動が原因
  • 異音の放置は冷暖房効率の低下や電気代の上昇につながる
  • 放置を続けるとエアコンの寿命を縮め、重大な故障の原因となる
  • 近隣との騒音トラブルに発展するリスクもある
  • 自分でできる対策として室外機周辺の掃除が基本
  • 振動音には防振ゴムの設置が有効
  • 急にうるさくなった場合は周辺環境の変化や霜取り運転を確認
  • ファンモーターの修理は約1.5万~3万円、コンプレッサーは高額になりがち
  • 業者を選ぶ際は料金の明確さ、実績、資格、保証の有無を確認
  • 使用年数が10年を超える場合は修理よりも買い替えを検討するのが賢明
  • 賃貸物件の場合はまず大家さんや管理会社に相談する
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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