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エアコンは何年もつ?平均寿命10年のウソホントと危険な限界サイン|損しない買い替えタイミングと節約術

2025年11月8日

エアコンは何年もつ?平均寿命10年のウソホントと危険な限界サイン|損しない買い替えタイミングと節約術

ご自宅のエアコンが何年もつのか、気になっていませんか。

エアコンが何年使えるかという疑問は、多くの方が抱えています。

エアコンの寿命は平均10年と言われますが、エアコンの寿命が20年や30年といったケースも耳にします。

一方で、エアコンは10年以上使うと危険ですか?という不安の声も少なくありません。

実際には、エアコンの使用頻度が寿命に影響しますし、エアコンのガス切れが何年で起こるか、エアコンの保証が何年かといった具体的な情報も知りたいところです。

また、エアコンの寿命について、ダイキンやパナソニックなど人気メーカーによる違いがあるのかも比較したい点でしょう。

古いエアコンを使うリスクと危険性を理解し、エアコンは20年壊れないという過信をせず、適切な寿命サインを見極めることが重要です。

この記事では、エアコンの寿命を増やす方法から、エアコンの買い替えを検討する3つのタイミング、さらにはエアコンの買い替え時に利用できる補助金制度まで、エアコンの寿命に関する疑問を網羅的に解説します。

この記事のポイント

  • エアコンの平均寿命とメーカーごとの特徴
  • 寿命を知らせる具体的なサインの見分け方
  • 古いエアコンを使い続けるリスクと安全な使用期間
  • 電気代の節約にもつながる最適な買い替え時期

エアコンは何年もつ?平均寿命と部品寿命

エアコンは何年もつ?平均寿命と部品寿命

  • エアコンの寿命とダイキンやパナソニックの製品比較
  • エアコンの保証は何年で切れる?
  • エアコンのガス切れは何年で起こる?
  • エアコンの使用頻度が寿命に与える影響
  • エアコンの寿命が20年・30年の実例
  • エアコンが20年壊れないは本当か?

エアコンの寿命とダイキンやパナソニックの製品比較

エアコンの寿命を考える際、ダイキンやパナソニックといった主要メーカーによる違いは気になる点です。結論から言えば、メーカー各社とも「設計上の標準使用期間」を10年と定めていることが多く、基本的な寿命の目安に大きな差はありません。

これは、長期間の使用による経年劣化を考慮し、安全に使用できる目安として設定されている期間です。

ただし、メーカーごとに製品の「強み」が異なるため、結果として耐久性や寿命感に違いが生まれる可能性はあります。

例えば、ダイキンは空調専業メーカーとして、室外機の耐久性や基本性能の高さを強みとしています。「うるさらX」などの上位モデルでは、タフネス室外機(高温・低温に強い)を採用している点が特徴です。

一方で、パナソニックは「ナノイーX」に代表される内部クリーン機能に力を入れています。エアコン内部のカビやホコリを抑制することは、熱交換器の効率低下を防ぎ、結果としてエアコンの負荷を減らして寿命を延ばすことにつながる可能性があります。

このように、メーカーによる直接的な寿命年数の違いは明言されていませんが、各社の独自技術が耐久性や長期的な性能維持に寄与していると考えられます。

補足:補修用性能部品の保有期間

寿命のもう一つの側面として、「修理できる期間」があります。

メーカーはエアコンの製造打ち切り後、修理に必要な「補修用性能部品」を一定期間保有する義務があります。この期間は多くのメーカーで10年です。10年を過ぎると部品がなくなり、故障しても修理自体ができなくなる可能性が高まります。

エアコンの保証は何年で切れる?

エアコンの「寿命」と「保証」は異なります。保証は、メーカーが定めた期間内に発生した自然故障を無償で修理するものです。一般的な保証期間を知っておくことは、万が一の故障時に役立ちます。

保証対象一般的な保証期間
エアコン本体購入日から1年間
冷媒回路(熱交換器、圧縮機など)購入日から5年間

上記は、多くのメーカーで採用されている標準的な保証期間です。ご覧の通り、エアコンの心臓部ともいえる冷媒回路は5年間と長く設定されています。

ただし、これはあくまでメーカー保証です。購入した家電量販店などが提供する「延長保証」(5年・10年など)に加入している場合は、保証内容が異なります。

保証書を確認し、ご自身が加入している保証の期間と範囲を正確に把握しておくことが大切です。

エアコンのガス切れは何年で起こる?

「エアコンの効きが悪くなった=ガスが切れた」と考える方がいますが、これは少し誤解を含んでいます。

結論として、エアコンは適切に設置・使用されていれば、10年、20年と経過しても「ガス切れ」は起こりません。エアコンの冷媒ガス(フロンガス)は、室内機と室外機の間を循環して熱を運ぶ役割を担っており、車のガソリンのように消費されるものではないからです。

では、なぜ「ガス切れ(ガス漏れ)」が起こるのでしょうか。主な原因は以下の通りです。

  • 設置時のミス: 配管の接続部分(フレア加工)の不備など。
  • 経年劣化や振動: 配管の接続部が緩んだり、微細な亀裂が入ったりする。
  • 外的要因: 引越し時の移設作業や、室外機への衝撃など。

もしエアコンの効きが悪い場合、ガス漏れが原因であれば、5年~6年程度で症状として現れることがあります。しかし、ガス漏れは「寿命」ではなく「故障・不具合」です。

冷媒ガスを補充すれば機能は回復しますが、漏れている原因(穴や亀裂)を特定して修理しない限り、根本的な解決にはなりません。効きが悪いと感じたら、まずは専門業者に点検を依頼しましょう。

エアコンの使用頻度が寿命に与える影響

エアコンの使用頻度が寿命に与える影響

エアコンの寿命は、使用頻度や使い方によって大きく左右されます。当然ながら、使用頻度が高ければ高いほど、エアコンの寿命は短くなる傾向があります。

エアコンの心臓部である「コンプレッサー(圧縮機)」や、室内機・室外機の「ファンモーター」は、稼働時間が長くなるほど摩耗し、劣化が進みます。

例えば、リビングのように家族が長く過ごす部屋で1日中(夏・冬)稼働しているエアコンと、寝室で夏場の夜間しか使わないエアコンとでは、同じ10年でも部品の消耗度は全く異なります。

特に、「連続運転」はエアコンに負荷がかかると考えがちですが、一概にそうとは言えません。エアコンが最も電力を消費し、機械に負荷がかかるのは、「運転開始時」に室温を設定温度まで急速に変化させるときです。

このため、30分程度の外出であれば、電源をオフにするよりも「つけっぱなし」のほうが、部品への負荷が少なく、結果的に寿命に良い影響を与える可能性があります。

エアコンの寿命が20年・30年の実例

「エアコンの寿命は平均10年」とされていますが、実際には20年、あるいは30年近く問題なく稼働しているエアコンも存在します。

データベース情報や、電気工事業者の経験談によれば、交換依頼で訪問した際に、20年~30年前、中には40年近く前のエアコンがまだ現役で使用されていたケースも報告されています。

これらの長寿命エアコンに共通する要因としては、以下のような点が考えられます。

  • 前述の通り、使用頻度が極端に低い(例:客間や特定の季節のみ)。
  • シンプルな構造(昔の機種は機能が少ない分、故障箇所も少ない)。
  • 定期的な清掃やメンテナンスが行われていた。
  • 設置環境が良かった(直射日光が当たらない、湿気が少ないなど)。

ただし、これらはあくまで「結果的に長持ちした」例です。

製品の安全面やエネルギー効率を考慮すると、20年、30年の使用を推奨するものではありません。

エアコンが20年壊れないは本当か?

エアコンが20年壊れないは本当か?

前述の実例から「エアコンは20年 壊れ ない」というイメージを持つかもしれませんが、これは「運良く壊れなかった」と解釈するのが適切です。

全てのエアコンが20年持つわけでは決してありません。

統計データから見る現実

総務省統計局の調査(消費動向調査)によれば、エアコンの平均使用年数(買い替えまでの期間)は約13~14年というデータがあります。また、買い替え理由の約7割が「故障」です。

(参照:令和7年3月時点 消費動向調査「主要耐久消費財の買替え状況」|総務省統計局)

このデータは、「10年」という設計上の寿命を超えて使用されている実態と、15年を迎える頃には多くが故障によって買い替えられている現実を示しています。

「エアコンが20年壊れない」というのは神話のようなもので、現実には設計上の寿命である10年を超えたあたりから、故障のリスクが急激に高まると考えるべきです。

エアコンが何年もつか見極める交換サインと危険性

エアコンが何年もつか見極める交換サインと危険性

  • 危険?古いエアコンを使うリスクと危険性
  • エアコンは10年以上使うと危険ですか?
  • 寿命サインを見極めるポイント
  • エアコン買い替えを検討する3つのタイミング
  • エアコン 買い替え 補助金制度の活用
  • まとめ:エアコンが何年もつか知り備えよう

危険?古いエアコンを使うリスクと危険性

古いエアコンを「まだ使えるから」という理由で使い続けることには、目に見えないリスクが潜んでいます。

最も懸念されるのは、火災などの重大事故です。NITE(製品評価技術基盤機構)からも、長年使用したエアコンによる発火事故が報告されており、注意喚起が行われています。

古いエアコンが引き起こす主なリスクは以下の通りです。

発火・出火のリスク

長年の使用により、内部の配線や部品(リレー、コンデンサーなど)が劣化し、絶縁不良を起こすことがあります。そこにホコリや湿気が溜まると、ショートして発火に至るケースです。また、電源コードが家具の下敷きになるなどしてストレスがかかり、断線して発火する危険性もあります。

漏電のリスク

内部の電気回路が劣化すると、漏電(電気が外に漏れる)する可能性があります。エアコン使用時に漏電ブレーカーが落ちる場合は、この兆候かもしれません。感電の危険性もあり、非常に深刻な状態です。

健康被害のリスク

古いエアコンは内部にカビやホコリが蓄積しやすくなっています。異臭がするだけでなく、運転時にカビの胞子を室内にまき散らし、アレルギーや呼吸器系疾患の原因となる可能性があります。

これらのリスクは、使用年数が長くなるほど高まります。特に製造から10年を超えた製品は、NITEによる「長期使用製品安全点検制度」の対象とはなっていませんが、経年劣化による事故が起こりやすいことを認識しておく必要があります。

(参照:NITE(製品評価技術基盤機構)「古いエアコンは、発火のおそれも」)

エアコンは10年以上使うと危険ですか?

エアコンは10年以上使うと危険ですか?

前項のリスクを踏まえると、「エアコンは10年以上使うと危険ですか?」という問いに対する答えは、「はい、危険性が高まります」となります。

もちろん、10年を1日でも過ぎたら即座に危険になるわけではありません。

しかし、10年という期間は、メーカーが安全に使用できる目安として設定した「設計上の標準使用期間」であり、同時に「補修用性能部品」の保有期間が切れる目安でもあります。

つまり、10年を超えたエアコンは以下の2つの問題を抱えることになります。

  1. 経年劣化による事故リスク: 部品の劣化が進み、いつ発火や漏電が起きてもおかしくない状態に近づきます。
  2. 修理不能リスク: 故障してもメーカーに部品がなく、修理を断られる可能性が非常に高くなります。

真夏や真冬に突然エアコンが故障し、しかも修理もできないという事態は、生活に深刻な影響を与えます。安全面と安定した生活を維持する観点から、10年を超えたエアコンは「危険性が増している」と認識し、買い替えを検討し始めるのが賢明です。

寿命サインを見極めるポイント

エアコンが寿命に近づくと、さまざまなサインを発します。

これらの兆候を見逃さず、早めに点検や買い替えを検討することが重要です。特に注意すべき「寿命サイン」をまとめました。

寿命サイン具体的な症状と想定される原因
冷暖房の効きが悪い設定温度にしても快適にならない。フィルター掃除をしても改善しない場合、冷媒ガス漏れやコンプレッサーの機能低下が考えられます。
異常な音がする「ガタガタ」「カタカタ」「ブーン」など、以前はしなかった音がする。ファンモーターの軸ずれやコンプレッサーの異常が疑われます。
異臭が発生する酸っぱい臭いやカビ臭い臭いがする。内部のカビが原因ですが、フィルター洗浄や内部清浄機能を使っても改善しない場合は、劣化が進行している可能性があります。
室内機から水漏れするドレンホースの詰まりが原因の場合もありますが、内部の熱交換器の異常や本体の破損が原因であることも。放置すると漏電やカビの原因になります。
ブレーカーが落ちるエアコンの運転を開始すると漏電ブレーカーが落ちる。これは最も危険なサインの一つで、内部での漏電やショートが考えられます。

これらのサインが複数見られる場合、または修理してもすぐに別の箇所が故障する場合は、製品全体の寿命が近いと判断できます。

エアコン買い替えを検討する3つのタイミング

エアコンが何年もつかを気にするのは、最適な買い替え時期を知りたいからでもあります。

以下の3つのタイミングを目安に、買い替えを具体的に検討することをおすすめします。

使用期間が10年を超えたタイミング

これまで述べてきた通り、「10年」は安全面、修理の可否、エネルギー効率のすべての面で大きな節目です。故障していなくても、予防的な買い替えを検討する十分な理由になります。

寿命サインが現れたタイミング

前項で挙げた「効きが悪い」「異音がする」「水漏れする」といった寿命サインが見られた時です。修理費用が高額になる場合や、修理しても別の不具合が出るリスクを考えると、最新機種への買い替えが得策な場合があります。

電気代が急に高くなったと感じるタイミング

最新のエアコンは、10年前のモデルと比較して省エネ性能が格段に向上しています。古いエアコンは効率が落ちているため、同じ設定温度でも余計に電力を消費している可能性があります。「最近エアコンの電気代が高い」と感じたら、買い替えによる光熱費の削減効果も試算してみましょう。

特に夏や冬の繁忙期に故障すると、修理や交換工事が混み合い、何週間も待たされることがあります。快適な季節である春や秋に、余裕を持って買い替えを計画するのが最もおすすめです。

エアコンの買い替え補助金制度の活用

エアコンの買い替えは大きな出費ですが、国や自治体が実施している補助金制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。

これらの補助金は、多くの場合、省エネ性能の高い(環境に配慮した)製品への買い替えを促進することを目的としています。

補助金制度の例

  • 東京都「東京ゼロエミポイント」: 省エネ性能の高いエアコン(統一省エネラベル★4以上など条件あり)に買い替えた都民に対し、ポイント(商品券やLED割引券と交換可能)を付与する制度です。(参照:東京ゼロエミポイント 公式サイト)
  • 国の支援事業(例:子育てエコホーム支援事業): 新築やリフォームと併せて高効率のエアコンを設置する場合に、補助金の対象となることがあります。(参照:子育てエコホーム支援事業 公式サイト)
  • 各市区町村独自の補助金: お住まいの市区町村が独自に省エネ家電の購入補助を行っている場合があります。

補助金制度は、予算の上限、申請期間、対象となる製品の条件が厳密に定められています。また、年度によって内容が変更されたり、終了したりすることがあります。

買い替えを検討する際は、必ずお住まいの自治体のホームページや、環境省のポータルサイトなどで最新の情報を確認してください。

まとめ:エアコンが何年もつか知り備えよう

エアコンが何年もつかという疑問について、その平均寿命や交換サイン、リスクについて解説しました。この記事の要点をリストでまとめます。

  • 家庭用エアコンの寿命の目安は平均10年
  • メーカーの「設計上の標準使用期間」も10年が多い
  • ダイキンやパナソニックなどメーカーによる寿命の公的な差はない
  • エアコンの保証は本体1年、冷媒回路5年が一般的
  • エアコンのガス切れは何年で起こるというものではなく設置不良や故障が原因
  • エアコンの使用頻度が高いと部品が摩耗し寿命は短くなる傾向
  • エアコンの寿命が20年や30年となる実例は使用頻度が低いケースが多い
  • エアコンが20年 壊れ ないというのは稀なケースと考えるべき
  • 古いエアコンを使うリスクと危険性には火災や漏電がある
  • エアコンは10年以上使うと経年劣化による危険性が高まる
  • 寿命サインには冷暖房の効きが悪い、異音、異臭、水漏れなどがある
  • エアコン買い替えを検討する3つのタイミングは使用10年超、寿命サイン、電気代の増加時
  • エアコンの買い替えで補助金制度(ゼロエミポイントなど)を活用できる場合がある
  • エアコンの寿命を増やす方法として定期的なフィルター掃除が挙げられる
  • 10年を超えたエアコンは修理部品がなく修理できないリスクがある

 

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  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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