夏の強い日差しを和らげるため、サンシェードを取り付けたいと考える方は多いでしょう。
しかし、いざ設置しようとすると「サンシェードの取り付けで網戸が邪魔になる」「すだれを試そうにも、都合よく引っ掛けるところがない」といった問題に直面することがあります。
特に、シャッターボックスがあるとサンシェードの設置がさらに難しく感じられるかもしれません。
また、賃貸住宅にお住まいの方や新築の家を大切にしたい方にとっては、サンシェードの取り付けで外壁に穴あけをすることは避けたいものです。
この記事では、こうした悩みを解決するため、工具を使わずにできる外壁へのサンシェード取り付けアイデアから、機能的なサンシェードのベランダでの付け方まで、様々な方法を網羅的に解説します。あなたの家の状況に合った最適な解決策がきっと見つかるはずです。
ポイント
- サンシェードの取り付けで網戸が邪魔になる具体的な原因
- 外壁に穴を開けずにサンシェードを設置するための方法
- 賃貸住宅や特殊な窓環境でも実践できる取り付けアイデア
- DIYから業者依頼まで、状況に応じた最適な解決策の選び方
目次
サンシェード取り付けで網戸が邪魔になる原因と対策
サンシェードの取り付けで多くの人がつまずく「網戸が邪魔」という問題。まずは、なぜ日除けは窓の外側が効果的なのかという基本から、具体的な取り付け方法まで、問題を解決するための知識とアイデアを見ていきましょう。
- 窓の外側に日除けを設置する必要性
- すだれで引っ掛けるところがない時の対処法
- サンシェード取り付けで外壁に穴あけしない方法
- 外壁へのサンシェード取り付けアイデア
- サンシェードの取り付けとシャッターボックスの関係
- サンシェードの簡単なベランダでの付け方
窓の外側に日除けを設置する必要性
夏の室温上昇を抑えるためには、窓の外側で日差しを遮ることが極めて効果的です。なぜなら、室温が上がる原因の約7割は、窓ガラスを通して侵入してくる太陽の熱だからです。
室内にカーテンやブラインドを取り付けた場合、日差しは一旦窓ガラスを通過してしまいます。これにより熱せられた窓ガラスやカーテン自体が室内に熱を放出してしまい、室温の上昇を十分に防ぐことができません。遮光や断熱をうたう高機能なカーテンであっても、この熱の伝わりを完全に断つことは難しいのです。
一方で、サンシェードやすだれを窓の外側に設置すると、太陽の熱が窓ガラスに到達する前に遮断できます。熱が室内に侵入するのを根本から防ぐため、室内側の対策と比較して格段に高い遮熱効果が期待できます。結果として、冷房効率が向上し、省エネにも繋がると考えられます。
すだれで引っ掛けるところがない時の対処法
「すだれを取り付けたいけれど、壁に釘を打てず、引っ掛ける場所もない」という悩みは非常によくあります。しかし、特別な道具がなくても、身近なものを活用して解決できる場合があります。
ゼムクリップと紐を使った取り付け方法
最も手軽なのは、事務用品のゼムクリップと不要になった靴紐などを組み合わせる方法です。まず、網戸のサッシを窓枠から一度取り外します。次に、ゼムクリップに紐を通し、そのクリップをサッシの上部の縁に引っ掛けます。サッシの縁は1ミリ程度の厚みなので、クリップを挟んでも網戸の動きにはほとんど影響ありません。
この方法の利点は、すだれが網戸と一体で動くことです。これにより、窓の開閉やベランダへの出入りがスムーズになり、すだれが邪魔になることがありません。
ただし、注意点もあります。すだれは自重で編み紐が伸び、時間と共にしたに垂れ下がってくることがあります。そのため、設置時には地面から5cmほど隙間をあけておくと、後で引きずるのを防げます。また、この方法は手軽ですが、台風などの強風時にはすだれが飛ばされる危険性があるため、事前に取り外すようにしましょう。
サンシェード取り付けで外壁に穴あけしない方法
外壁に穴を開けずにサンシェードを取り付けるには、壁や窓のサッシに傷をつけない専用の金具を活用するのが賢明です。主に、マグネットタイプ、接着タイプ、サッシ挟み込みタイプの3種類があります。
取り付け方法の種類 | メリット | デメリット・注意点 |
マグネットタイプ | 取り付け・取り外しが簡単。シャッターボックスやスチール製の雨戸などに使用できる。 | 磁石が付かないアルミや樹脂、木製の壁には使用できない。接着力が強力なため、塗装が剥がれる可能性に注意が必要。 |
接着タイプ | コンクリートやタイルなど、様々な材質の壁に取り付け可能。 | 接着剤の跡が残るため、賃貸住宅での使用は避けるべき。一度取り付けると剥がすのが困難。壁の材質によっては接着力が弱まる場合がある。 |
サッシ挟み込みタイプ | 窓のサッシレールに挟んで固定するため、壁を傷つけない。賃貸住宅でも安心して使える。 | レールの形状によっては取り付けられない場合がある。多くは網戸の外側にあるレールに取り付けるため、網戸があると設置できない製品もある。 |
これらの方法を選ぶ際は、まずご自宅の壁やサッシの材質を確認することが大切です。例えば、マグネットタイプを購入したものの、サッシがアルミ製で使えなかったという失敗はよくあります。それぞれの方法の利点と注意点を理解し、ご自宅の環境に最適なものを選びましょう。
外壁へのサンシェード取り付けアイデア
専用のフックが使えない場合でも、工夫次第でサンシェードを取り付けることは可能です。ここでは、DIYで実践できるいくつかのアイデアを紹介します。
一つは、突っ張り式のポールを活用する方法です。物干し竿などを立てるための強力な突っ張りポールを窓の両脇に設置し、そのポールにフックを取り付けてサンシェードを吊るします。この方法なら、壁やサッシに一切触れることなく設置が完了します。
また、地面に置いたコンクリートブロックや水の入ったペットボトルを重り(ウェイト)として利用し、そこから伸ばしたロープでサンシェードを固定する方法もあります。ベランダの床や地面がある場合に有効な手段です。
これらの方法は、設置場所の状況に合わせて柔軟に対応できるのが魅力ですが、安定性と安全性の確保が鍵となります。特に、突っ張りポールは定期的に緩みがないか点検し、ウェイトを使う場合は十分な重さを用意して、強風で飛ばされないように万全の対策を講じてください。
サンシェードの取り付けとシャッターボックスの関係
シャッターボックスがある窓では、サンシェードの取り付けを諦めてしまう人も少なくありません。しかし、シャッターボックスはサンシェードの取り付けに活用できる場合があります。
例えば、シャッターボックスの材質がスチール製であれば、前述の強力なマグネットフックを取り付ける格好の場所になります。これにより、壁に穴を開けることなくフックを固定できます。
ただし、DIYでシャッターボックスに直接ネジなどで金具を取り付けるのは避けた方が賢明です。ボックスを傷つけたり、内部のシャッター機構に影響を与えたりするリスクがあります。
専門業者が取り付ける「アウターシェード」と呼ばれる製品の中には、シャッターボックスが設置されている窓にも問題なく施工できるタイプがあります。これらは建物の構造を考慮して設計されているため、見た目もスマートで耐久性も高く、安心して使用できます。
サンシェードの簡単なベランダでの付け方
ベランダはサンシェードを取り付けるための工夫がしやすい場所です。最も一般的なのは、ベランダの手すりを活用する方法でしょう。サンシェードの上部をサッシ用のフックなどで固定し、下部を手すりに紐や専用のバンドで結びつけます。これにより、シェードが風でばたつくのを効果的に防げます。
物干し竿受けがある場合は、そこに突っ張り棒などを渡してサンシェードを吊るすという手もあります。
いずれの方法でも、落下防止対策は徹底してください。特にマンションの中高層階では、サンシェードが落下すると重大な事故に繋がる可能性があります。固定する紐は耐候性の高いものを選び、結び目が緩んでいないか定期的に確認することが大切です。風が強い日には無理せず取り外す判断も求められます。
サンシェード取り付けで網戸が邪魔な時のアイデア
「網戸が邪魔」という問題を、より直接的に解決する方法や、さらに快適性を高めるための選択肢もあります。DIYでできる手軽なテクニックから、プロに依頼する本格的な対策まで、一歩進んだ解決策をご紹介します。
- 賃貸でも使える外壁サンシェード取り付けアイデア
- クリップを使った網戸と一体化させる方法
- すだれハンガーを利用した取り付けテクニック
- 業者に依頼するアウターシェードという選択肢
賃貸でも使える外壁サンシェード取り付けのアイデア
前述の通り、賃貸住宅でサンシェードを取り付ける際は、建物を傷つけないことが絶対条件です。退去時の原状回復義務を考慮すると、接着剤やネジの使用は基本的にNGと考えましょう。
そこで改めて、賃貸住宅で安心して使える取り付けアイデアを整理します。最も有力な選択肢は、サッシ枠に挟み込むタイプのフックです。これらは工具不要で取り付けられ、取り外しも簡単なため、跡が残る心配がありません。
また、突っ張りポールを利用する方法も賃貸向きです。窓枠の外側に十分なスペースがあれば、壁やサッシに一切負荷をかけることなく設置できます。
ベランダの手すりや物干し竿受けを活用する方法も有効です。重要なのは、これらの既存設備を傷つけないように、紐やバンドの下に保護用の布やゴムを一枚挟むといった配慮をすることです。少しの工夫で、賃貸住宅でも快適な日除け空間を作ることが可能になります。
クリップを使った網戸と一体化させる方法
サンシェードの取り付けで網戸が邪魔になるなら、いっそのこと網戸自体に取り付けてしまうという逆転の発想があります。この方法の最大のメリットは、網戸を動かせばサンシェードも一緒にスライドするため、出入りや窓の開閉の妨げにならない点です。
これを実現するのが、身近なゼムクリップや専用のクリップです。
ゼムクリップでの代用
大きめのゼムクリップを2つ用意し、一つはフック状に、もう一つは輪っか状になるように手で加工します。これを組み合わせて簡易的なフックを作り、網戸サッシの上部に引っ掛けて、すだれやサンシェードを吊るします。安価ですぐに試せるのが魅力ですが、クリップの加工に少し手間がかかることと、強度が市販品に劣る点がデメリットです。
市販の専用クリップ
ホームセンターなどでは、網戸にサンシェードを取り付けるための専用クリップも販売されています。これらは耐久性や取り付けやすさが考慮されており、より確実に固定できます。
どちらの方法でも、あまりに重いサンシェードを吊るすと網戸のフレームが歪んだり、戸車の消耗を早めたりする可能性があるので注意が必要です。軽量なすだれや小型のサンシェードに適した方法と考えましょう。
すだれハンガーを利用した取り付けテクニック
「すだれハンガー」と呼ばれる製品は、網戸があってもサンシェードを取り付けられるように設計された優れたアイテムです。特に、ネジでサッシ枠の厚みに合わせて固定するタイプのハンガーは、安定性が高く、賃貸住宅でも傷をつけずに使用できます。
これらの製品の多くは、窓から少し離してすだれを設置できるような構造になっています。これにより、窓ガラスとすだれの間に空気の層ができ、風通しが良くなることで遮熱効果がさらに高まるという利点があります。
中には、取り付け金具を上下逆さまにすることで、網戸のフレームに直接取り付けられる2WAY仕様の製品も存在します。これが「サンシェードの取り付けで網戸が邪魔」という問題を解決する直接的な答えの一つとなります。製品によって耐荷重が異なるため、使用したいサンシェードのサイズや重さに合ったものを選び、必要に応じて複数個設置して安定させることが大切です。
業者に依頼するアウターシェードという選択肢
DIYでの取り付けに不安がある場合や、より高い機能性・デザイン性を求める場合には、専門業者に施工を依頼する「アウターシェード」が最適な選択肢となります。
アウターシェードは、日除け専用に開発された建材製品です。そのため、DIYで後付けするサンシェードとは一線を画す多くのメリットがあります。
まず、遮熱率が非常に高いことが挙げられます。製品によっては日射熱を8割以上カットするものもあり、室温の上昇を効果的に抑制します。また、生地は日差しを遮りつつも、室内から屋外の景色は見えるように作られているタイプが多く、部屋からの開放感が損なわれません。
操作性も魅力の一つです。使わない時は上部のボックスにスムーズに収納でき、必要な時だけ引き出してフックに固定するだけです。強風時にバタついたり、季節ごとに出し入れしたりする手間から解放されます。
もちろん、専門業者による施工費用がかかるという点はデメリットですが、建物の外観に調和するデザイン性の高さや、長期的に安心して使える耐久性を考えれば、十分に価値のある投資と言えるかもしれません。
まとめ:サンシェード取り付けで網戸が邪魔な時の対処法
夏の厳しい日差し対策としてサンシェードは非常に有効ですが、取り付け時に網戸が障害となるケースは少なくありません。
この記事で解説した様々な方法を参考に、ご自身の住まいの状況に最適な解決策を見つけてください。最後に、取り組む前に確認すべき重要なポイントをまとめます。
- 日除けは室内カーテンより窓の外側に設置する方が遮熱効果は高い
- 網戸が邪魔な場合、網戸自体にクリップで取り付ける方法がある
- ゼムクリップと紐を使えば工具不要で取り付けも可能
- サッシ枠を挟むタイプのフックは賃貸住宅でも安心して使える
- マグネットフックはアルミサッシには使用できないので材質確認が必須
- 接着剤で固定するフックは跡が残るため賃貸では避ける
- 突っ張りポールを使えば壁やサッシを一切傷つけずに設置できる
- すだれハンガーは網戸があっても取り付けられる便利な製品がある
- ベランダの手すりや物干し竿受けも有効な取り付け場所になる
- DIYでの取り付けは落下防止と強風対策を徹底する
- シャッターボックスがスチール製ならマグネットフックが活用できる
- 重いシェードを網戸に直接付けるとフレームが歪む可能性がある
- 窓とシェードの間に隙間を作ると風通しが良くなり効果が上がる
- より高い機能性やデザイン性を求めるなら業者施工のアウターシェードも検討する
- 取り付け方法を選ぶ際はまず自宅の壁やサッシの材質を確認する