窓のお悩み

後付けシャッターのデメリットとは?メリットと後悔しない選び方

2025年10月13日

新築時に設置を迷っていたり、すでにある窓の防犯性や防災性を高めたいと考えたりする中で、後付けシャッターの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に設置するとなると、後付けシャッターのデメリットや欠点が気になります。

シャッターの効果や必要性を感じつつも、後付けシャッターの価格や費用、特に電動シャッターの後付け価格や2階への設置費用はどのくらいかかるのか、また、シャッターの種類によって空き巣が嫌がる家のシャッターはどんな種類か、といった具体的な疑問が浮かぶはずです。

さらに、シャッターの後付け工事の費用相場や、信頼できる施工事業者の選び方、利用できる後付けシャッターの補助金はあるのか、そして後付けシャッターは固定資産税に影響するのか、など知りたいことは多岐にわたるでしょう。

この記事では、そうした疑問を解消し、後悔のない選択ができるよう、シャッターをつけるメリットからデメリットまで、網羅的に解説します。

ポイント

  • 後付けシャッターのメリットとデメリットの全体像
  • 防犯や防災におけるシャッターの具体的な効果
  • 後付けにかかる費用相場と活用できる補助金制度
  • シャッターの種類ごとの特徴と信頼できる業者の選び方

後付けシャッターのデメリット・欠点や効果を完全解説

後付けシャッターのデメリット・欠点や効果を完全解説

  • シャッターの効果や必要性とは
  • 改めて考えるシャッターをつけるメリット
  • 後付けシャッターのデメリットや欠点を解説
  • 空き巣が嫌がる家のシャッターはどんな種類か
  • 後付けシャッターは固定資産税に影響する?

シャッターの効果や必要性とは

窓にシャッターを後付けすることには、多くの効果が期待でき、さまざまな場面でその必要性が高まります。主な役割は、防犯、防災、そして快適性の向上です。

まず防犯面では、窓ガラスを物理的に保護することで、空き巣などの侵入を困難にします。侵入者は手間がかかる家を避ける傾向があるため、シャッターが閉まっているだけで侵入を諦めさせる心理的な効果も期待できます。

次に防災面です。台風や竜巻などの強風で物が飛んできた際に、窓ガラスが割れるのを防ぎます。ガラスの飛散による室内の被害や怪我のリスクを大幅に軽減できるため、近年増加する異常気象への備えとして非常に有効です。

さらに、遮光や遮熱、防音といった快適性を高める効果もあります。夏場は日差しを遮ることで室温の上昇を抑え、冷房効率を高めることが可能です。冬場は窓とシャッターの間に空気層ができることで断熱効果が生まれ、暖房の熱が逃げるのを防ぎます。また、外部の騒音を軽減し、静かな室内環境を保つ助けにもなるでしょう。

改めて考えるシャッターをつけるメリット

後付けシャッターの導入を検討する上で、そのデメリットだけでなく、得られるメリットを再確認することは大切です。主なメリットとして「防犯性の強化」「防災・減災対策」「快適性の向上」の3点が挙げられます。

第一に、防犯対策として非常に効果が高い点です。シャッターが閉まっていると、侵入者は窓を割るためにまずシャッターを破壊しなければなりません。これには大きな音と時間が必要となるため、侵入を諦めさせる強力な抑止力となります。

第二に、台風や強風時の飛来物から家を守る防災対策としての役割です。物が飛んできて窓ガラスが割れると、ガラスの破片が室内に散乱するだけでなく、強風が吹き込んでさらに被害が拡大する恐れがあります。シャッターは窓を物理的に保護し、家族の安全と財産を守る盾となります。

第三に、光や音、熱を遮ることで居住空間の快適性を高める点です。夏は強い日差しを遮って室温の上昇を抑え、冬は断熱効果で室内の暖かさを保ちます。これにより冷暖房の効率が上がり、省エネにも繋がります。また、外部の騒音を遮断し、静かな生活環境を実現する防音効果も期待できるのです。

後付けシャッターのデメリットや欠点を解説

多くのメリットがある一方で、後付けシャッターにはいくつかのデメリットや欠点も存在します。これらを事前に理解しておくことが、設置後の後悔を防ぐ鍵となります。

設置と維持に費用がかかる

最も大きなデメリットは費用面です。シャッター本体の価格に加え、設置工事費が必要になります。特に電動タイプや高機能な製品を選ぶと、初期費用は高額になる傾向があります。また、電動シャッターの場合は、モーターやセンサーなどの部品が故障した際の修理費用が手動タイプよりも高くなる可能性があることも念頭に置く必要があります。

開閉に手間がかかる(手動の場合)

手動シャッターの場合、毎日の開閉が手間に感じられることがあります。特に大きな窓や複数箇所に設置した場合、朝晩の作業が負担になることも考えられます。腰をかがめてロックを解除したり、力を入れて引き上げたりする動作は、高齢の方や体の不自由な方にとっては大きな負担です。

閉めると室内が暗くなる

遮光性が高いことはメリットである反面、日中にシャッターを閉めると室内が真っ暗になってしまうという欠点もあります。防犯のために日中も閉めておきたい場合、照明をつけなければならなくなります。ただし、この問題は後述する通風・採光が可能なタイプのシャッターを選ぶことで解決が可能です。

虫が入り込む可能性がある

シャッターの収納ボックスやレール部分に、クモや虫が巣を作ったり、隠れたりすることがあります。シャッターを開閉する際に、これらの虫が室内に入り込んでしまう可能性は否定できません。シャッターと地面の隙間を塞ぐスポンジなどを活用することで、ある程度対策できます。

空き巣が嫌がる家のシャッターはどんな種類か

空き巣などの侵入犯罪者が最も嫌がるのは、「侵入に時間がかかり、大きな音が出る家」です。この観点から、防犯効果の高いシャッターの種類を考えると、いくつかのポイントが浮かび上がります。

まず、基本的なことですが、シャッターが閉まっていること自体が最も強力な防犯対策です。そのため、日常的にシャッターを閉める習慣が大切になります。特に、電動シャッターであれば、窓を開けずに室内からボタン一つで操作できるため、天候や時間帯を問わず手軽に開閉でき、防犯習慣を継続しやすくなります。タイマー機能付きのモデルなら、不在時でも自動で開閉させて在宅を装うことも可能です。

次にシャッターの素材や構造です。一般的なアルミやスチール製のシャッターでも十分な強度がありますが、より防犯性を高めたい場合は、スラット(羽根部分)が外れにくい構造になっている製品や、耐衝撃性の高い素材を使用したものが有効です。

また、手動シャッターの場合、外部から簡単に開けられないように、しっかりとしたロック機構が付いていることが不可欠です。複数のロックが付いているタイプや、破壊されにくい構造の鍵を選ぶと良いでしょう。

これらのことから、空き巣が嫌がるシャッターとは、「日常的に閉められており、破壊に時間がかかる頑丈な構造で、しっかり施錠されているシャッター」と考えられます。特に操作が簡単で習慣化しやすい電動シャッターは、防犯意識の実行性を高める上で非常に有効な選択肢です。

後付けシャッターは固定資産税に影響する?

シャッターを後付けした際に、多くの方が気になるのが固定資産税への影響です。固定資産税は、土地や家屋などの固定資産に対して課される税金であり、家屋の評価額に基づいて税額が決定されます。

結論から言うと、一般的な窓に後付けするシャッターは、固定資産税の評価対象となる「家屋」の評価額にほとんど影響を与えないケースが一般的です。

固定資産税における家屋の評価は、「外気分断性」「土地への定着性」「用途性」の3つの要件を満たすものを対象とします。シャッターは既存の家屋に付加される設備であり、シャッター自体が独立した家屋と見なされることはありません。

また、家屋の評価額は、再建築費評点数という、その家をもう一度建てた場合にいくらかかるかを基準に算出されます。シャッターの設置は、家屋の構造自体を大きく変更するリフォームとは見なされないため、評価額が変動する要因にはなりにくいのが実情です。

ただし、シャッターの設置が家屋全体の価値を著しく向上させるような大規模な改修(例えば、シャッター付きのガレージを増築するなど)と一体で行われる場合は、評価額に影響が出る可能性もゼロではありません。

基本的には、窓への後付けシャッターが原因で固定資産税が大幅に上がる心配は少ないと考えてよいでしょう。それでも心配な場合は、お住まいの市区町村の資産税課に問い合わせて確認することをおすすめします。

後付けシャッターのデメリットと費用と価格を徹底解説

後付けシャッターのデメリットと費用と価格を徹底解説

  • 後付けできるシャッターの種類と特徴
  • 電動シャッター後付け価格と2階の費用
  • 後付けシャッター価格と工事の費用相場
  • 活用できる後付けシャッター補助金制度
  • シャッターの後付け施工事業者の選び方

後付けできるシャッターの種類と特徴

後付けできるシャッターには、スラット(羽根)の形状や機能によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解し、設置する目的や場所に合わせて選ぶことが大切です。

シャッターの種類 特徴 メリット デメリット
クローズタイプ スラットが完全に閉まり、窓を完全に覆う最も一般的なタイプ。 密閉性が高く、防犯性、遮光性、防音性に優れる。台風対策にも適している。 シャッターを閉めると室内が完全に暗くなり、通風・採光ができない。
スリットタイプ スラットの間に小さな穴が開いており、閉めた状態でも換気や採光が可能。 プライバシーを守りつつ、光や風を室内に取り入れることができる。 クローズタイプに比べると、構造が複雑な分、価格がやや高めになる。
ブラインドタイプ スラットの角度を調整でき、ブラインドのように光や風の量をコントロールできる。 シャッターを閉めたままで、天候や時間帯に合わせて細かく採光・通風を調整できる。 機能性が高い分、価格は他のタイプよりも高額になる傾向がある。

これらのシャッターは、それぞれ手動式と電動式から選ぶことができます。手動式はコストを抑えられますが、毎日の開閉が手間になる場合があります。一方、電動式は価格は高いものの、リモコンやスイッチで簡単に操作でき、タイマー機能など便利な機能が付いているものもあります。

近年では、既存の窓サッシの枠にそのまま取り付けられるリフォーム用のシャッターが主流で、壁を壊すなどの大規模な工事は不要です。窓の形状が特殊な場合(出窓や外開きの窓など)は設置が難しいこともありますが、多くの引き違い窓に対応可能です。

電動シャッター後付け価格と2階の費用

電動シャッターの後付け価格は、手動シャッターに比べて高額になる傾向があります。これには、モーターや制御装置といった部品代に加え、電源を確保するための電気工事費が必要になるためです。

一般的な掃き出し窓(幅1.6m×高さ2.0m程度)に電動シャッターを後付けする場合、商品代と標準的な工事費を合わせて30万円から50万円程度が価格の一つの目安となります。ただし、これはあくまで参考価格であり、シャッターのグレードや機能、設置場所の状況によって変動します。

特に、2階の窓にシャッターを後付けする場合は、追加の費用が発生する点に注意が必要です。2階での作業は、安全を確保するために足場の設置が必須となることがほとんどです。この足場の設置・解体費用として、別途10万円から20万円程度が必要になる場合があります。したがって、2階に電動シャッターを設置する場合の総額は、1階よりも高くなることを想定しておく必要があります。

また、シャッターの電源をどこから確保するかによっても電気工事費は変わってきます。近くに屋外コンセントがあれば比較的安価に済みますが、室内から壁に穴を開けて配線を引き込む場合は、作業が複雑になり費用が加算されることがあります。

正確な費用を知るためには、必ず複数の専門業者から見積もりを取り、工事内容の内訳を詳しく確認することが大切です。

後付けシャッター価格と工事の費用相場

後付けシャッターの価格は、シャッター本体の価格と設置工事費の合計で決まります。全体の費用相場は、選択するシャッターの種類(手動か電動か)、サイズ、そして設置場所の状況によって大きく変動します。

手動シャッターの場合

手動シャッターは、構造がシンプルなため本体価格も工事費も比較的安価です。一般的な大きさの窓(掃き出し窓)に設置する場合、本体と工事費を合わせた総額は10万円から25万円程度が相場となります。比較的小さな腰高窓であれば、10万円以下で設置できるケースもあります。

電動シャッターの場合

前述の通り、電動シャッターはモーターや電気工事が必要なため高額になります。同じ掃き出し窓への設置でも、総額で30万円から50万円程度を見込むのが一般的です。タイマー機能やスマートフォン連携などの高機能モデルになると、さらに価格は上がります。

工事費の内訳

工事費には、既存の窓の状態確認、シャッターの搬入・取り付け、そして場合によっては電気配線工事などが含まれます。特に注意が必要なのは、以下の追加費用です。

  • 足場代:2階以上の高所作業では、安全確保のために足場の設置が必要です。これには別途10万円~20万円ほどの費用がかかります。
  • 既存の雨戸の撤去費用:すでに雨戸が設置されている窓にシャッターを取り付ける場合、既存の雨戸を撤去する作業費と処分費が発生することがあります。
  • 電気工事費:電動シャッター設置の際、電源の確保が難しい場合は追加の配線工事が必要となり、費用が加算されます。

これらの費用は現場の状況によって大きく異なるため、最終的な価格は必ず専門業者による現地調査の上で見積もりを取得し、比較検討することが不可欠です。

活用できる後付けシャッター補助金制度

シャッターの後付けリフォームは、一定の条件を満たすことで国や地方自治体が実施する補助金制度の対象となる可能性があります。費用負担を軽減するために、これらの制度を積極的に活用することをおすすめします。

現在、国の代表的な補助金制度として「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などがあります。これらの制度は、主に住宅の断熱性能を高めるリフォームを対象としています。

シャッターの設置は直接的な断熱改修とは見なされにくいですが、「窓の交換」や「内窓の設置」といった他の断熱リフォームと同時に行うことで、補助金の対象となる場合があります。特に、シャッター付きの窓サッシへ交換する工事などは、補助金の対象として認められる可能性が高いです。

注意点として、これらの補助金制度は、予算の上限に達し次第、受付が終了してしまいます。また、申請手続きは工事を行う事業者が代行することが一般的ですので、補助金の利用を考えている場合は、契約前に事業者へその旨を伝え、制度に詳しいかどうかを確認することが不可欠です。

補助金の対象となる製品や工事の要件、申請期間などは年度によって変更されるため、常に最新の情報を確認する必要があります。リフォームを検討する際には、まず「住宅省エネ2024キャンペーン」などの公式サイトを確認するか、リフォーム業者に現在利用可能な補助金がないか相談してみましょう。

シャッターの後付け施工事業者の選び方

後付けシャッターの性能を最大限に引き出し、長く安心して使い続けるためには、信頼できる施工事業者を選ぶことが非常に大切です。事業者を選ぶ際には、以下のポイントを比較検討することをおすすめします。

複数の業者から相見積もりを取る

まず基本となるのが、複数の事業者から見積もりを取ることです。最低でも2~3社から見積もりを取得し、価格だけでなく、提案されるシャッターの種類、工事内容の詳細、保証の有無などを比較しましょう。極端に安い見積もりには、必要な作業が含まれていなかったり、後から追加費用を請求されたりするリスクもあるため注意が必要です。

実績と専門知識が豊富か

シャッターの取り付けは、建物の構造や窓の状況を正確に判断する必要がある専門的な工事です。事業者のウェブサイトなどで過去の施工事例を確認し、シャッターの後付け工事の実績が豊富かどうかをチェックしましょう。窓まわりのリフォームを専門に扱っている業者であれば、より安心して任せられます。

現地調査と説明が丁寧か

契約前に必ず現地調査を行い、窓の寸法や状態を細かく確認してくれる事業者は信頼できます。その際に、工事の手順や考えられるリスク、最適なシャッターの種類などについて、専門用語を多用せず分かりやすく説明してくれるかどうかも重要な判断基準です。質問に対して誠実に答えてくれる姿勢も確認しましょう。

保証やアフターサービスが充実しているか

シャッターは長期間使用する設備です。万が一の不具合や故障に備え、製品保証だけでなく、工事に対する保証やアフターサービスが整っているかを確認しておくことが大切です。保証期間や内容を書面で明確に提示してくれる事業者を選びましょう。

後付けシャッターのデメリットを理解し交換・導入しよう:まとめ

  • 後付けシャッターは多くの引き違い窓に設置が可能
  • 主なメリットは防犯性の向上、台風などからの防災、遮光・遮熱・防音効果
  • デメリットとして設置費用、手動の場合の開閉の手間、室内の暗転などが挙げられる
  • 侵入に時間と音がかかるため、シャッターは空き巣対策に有効
  • 特に操作が簡単な電動シャッターは防犯習慣を維持しやすい
  • 一般的な窓への後付けが固定資産税に与える影響はほとんどない
  • シャッターにはクローズ、スリット、ブラインドの3タイプがある
  • 目的に応じて採光や通風が可能なタイプを選ぶと快適性が向上する
  • 手動シャッターの費用相場は10万円~25万円程度
  • 電動シャッターの費用相場は30万円~50万円程度
  • 2階への設置は足場代として別途10万円~20万円が必要になる場合がある
  • 国の補助金制度を利用できる可能性があるため、業者への確認が不可欠
  • 補助金は断熱性能向上が主な目的の制度と組み合わせることが多い
  • 信頼できる業者を選ぶには、複数の相見積もり、実績確認、丁寧な説明が鍵となる
  • 工事保証やアフターサービスの有無も必ず確認する
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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