窓のお悩み

ブラインド入り複層ガラスのデメリットと外から見えにくい窓にする7つの方法

2025年9月10日

カーテンが不要で見た目もすっきりとし、掃除の手間も省けるブラインド入り複層ガラスは、非常に魅力的な窓の選択肢です。しかし、そのメリットの裏側にある、ブラインド入り複層ガラスのデメリットについて、深く理解されている方は少ないかもしれません。

例えば、複層ガラスの欠点やデメリットは何ですか?と問われた際に、具体的な価格や値段、そして万が一のブラインド内蔵サッシのトラブル発生時の修理価格まで想像できるでしょうか。

この記事では、LIXILのインプラス ブラインドインの価格といった具体的な製品情報から、複層ガラスの耐久年数はどのくらいかという基本的な疑問まで、徹底的に解説します。また、二重窓へのブラインド取り付けという別の選択肢や、電気をつけても外から見えないガラスの実現方法、さらには外から見えにくい窓にする7つの方法といった代替案もご紹介。気になる補助金の適用可否についても触れながら、後悔のない窓選びをサポートします。

ポイント

  • ブラインド入り複層ガラスの具体的なメリットと後悔に繋がりかねないデメリットがわかる
  • 故障時のトラブル内容、修理にかかる費用や価格の相場がわかる
  • 国の補助金制度が利用できるかどうかがわかる
  • 二重窓への後付けなど、他のプライバシー対策や代替案について知ることができる

ブラインド入り複層ガラスのデメリットと注意点

ブラインド入り複層ガラスのデメリットと注意点

  • メリットとデメリット
  • 複層ガラスの欠点やデメリットは何ですか?
  • ブラインド内蔵サッシのトラブルと修理価格
  • 複層ガラスの耐久年数はどのくらい?
  • 電気をつけても外から見えないガラスとは?

リットとデメリット

ブラインド入り複層ガラスは、その利便性とデザイン性から注目を集めていますが、導入を検討する際にはメリットとデメリットの両方を正確に把握しておくことが大切です。

まずメリットとして最も大きいのは、掃除の手間が一切かからない点です。ブラインドが2枚のガラスの間に密閉されているため、ホコリや油汚れが付着することがありません。特に、油はねが気になるキッチンや湿気が多い浴室など、ブラインドの手入れが難しい場所で大きな利点となります。また、カーテンやロールスクリーンが不要になるため、窓まわりがすっきりとし、部屋を広く見せる効果も期待できます。羽根の角度を調整することで、日差しをコントロールしながらプライバシーを確保できる点も魅力の一つです。

一方で、デメリットも存在します。最大の懸念点は、故障時の対応です。ガラスの内部にブラインドが組み込まれているため、万が一操作メカニズムに不具合が生じた場合、部分的な修理は極めて困難です。多くの場合、ガラス自体を交換する必要があり、修理費用が高額になる可能性があります。また、デザインの選択肢が限られる点もデメリットと言えるでしょう。ブラインドの色や種類は製品によって固定されており、後から模様替えのように変更することはできません。価格も通常の複層ガラスに比べて高価になる傾向があります。

複層ガラスの欠点やデメリットは何ですか?

ブラインド内蔵型に限らず、複層ガラスそのものにもいくつかの注意すべき点が存在します。これらを理解しておくことで、より総合的な判断が可能になります。

第一に挙げられる欠点は、内部結露のリスクです。複層ガラスは2枚のガラスの間の乾燥した空気層(またはガス層)によって断熱性能を発揮しますが、経年劣化によりガラスの周囲を固めているシール材が傷むと、そこから湿った空気が侵入し、ガラスの内側で結露が発生することがあります。一度内部結露が発生すると、清掃で取り除くことはできず、ガラスの交換が必要となります。

第二に、単板ガラスに比べて重量があるため、サッシや戸車に負担がかかりやすいという点です。特に大きな窓の場合、開閉が重く感じられることがあります。

第三に、熱割れのリスクです。ガラス面に太陽の日差しが当たると、当たっている部分とサッシに隠れて日陰になっている部分とで温度差が生じます。この温度差が大きくなると、ガラスが膨張に耐えきれずヒビが入ってしまうことがあります。これは複層ガラスに限った現象ではありませんが、断熱性が高い分、室内外の温度差が大きくなりやすいため注意が必要です。

最後に、価格が単板ガラスよりも高いこともデメリットの一つです。初期費用はかかりますが、断熱性向上による光熱費の削減効果を考慮すると、長期的な視点でのコストパフォーマンスを評価することが求められます。

ブラインド内蔵サッシのトラブルと修理価格

ブラインド内蔵サッシで最も懸念されるのが、故障した際のトラブルとそれに伴う修理価格です。通常のブラインドであれば、紐が切れたり、スラット(羽根)が曲がったりしても、部品交換や簡単な修理で対応できる場合が多いです。

しかし、ブラインド内蔵サッシの場合、故障は密閉されたガラスの内部で起こります。考えられるトラブルとしては、「操作コードが切れる・絡まる」「スラットが動かなくなる・傾いたままになる」といったものが挙げられます。これらのトラブルが発生した場合、前述の通り、ガラスの分解修理は基本的に不可能です。

したがって、修理の選択肢は「ガラスユニット全体の交換」となるのが一般的です。これは、単なるガラスの交換ではなく、ブラインド機構が組み込まれた特殊な複層ガラスを取り寄せて入れ替える作業になります。

その修理価格は、窓のサイズやガラスの性能にもよりますが、数万円から十数万円と高額になるケースが少なくありません。通常のカーテンやブラインドの買い替え費用と比較すると、非常に大きな出費となる可能性があります。この「故障=高額な交換費用」というリスクは、ブラインド入り複層ガラスを導入する上で最も慎重に検討すべきデメリットと言えるでしょう。

複層ガラスの耐久年数はどのくらい?

複層ガラスの耐久年数を考えるとき、ガラス自体の寿命と、断熱性能を維持するための「シール材」の寿命を分けて考える必要があります。

ガラスそのものは、物理的な衝撃で割れない限り、半永久的に使用することが可能です。しかし、複層ガラスの心臓部であるガラス間の密閉空間を維持しているシール材には寿命があります。このシール材が経年劣化すると、気密性が損なわれ、断熱効果の源である乾燥空気やアルゴンガスが外部に漏れ出し、代わりに湿った空気が侵入してしまいます。

一般的に、このシール材の耐久年数は10年から20年程度とされています。製品の品質や使用環境(日当たりの強さ、温度変化の激しさなど)によってこの期間は変動します。シール材が劣化し、前述した「内部結露」が発生した状態が、複層ガラスの断熱性能上の寿命と言えます。

この時点で断熱効果は著しく低下しているため、性能を回復させるにはガラスの交換が必要になります。ブラインド入り複層ガラスもこの点では同様であり、製品を選ぶ際には、メーカーがどの程度の製品保証を付けているかを確認することも一つの判断材料となります。

電気をつけても外から見えないガラスとは?

夜間に室内の電気をつけると、外から家の中が丸見えになってしまうというプライバシーの問題は、多くの方が抱える悩みです。この問題を解決する「電気をつけても外から見えないガラス」には、いくつかの種類や方法があります。

ブラインド入り複層ガラスは、この課題に対する非常に有効な解決策の一つです。ブラインドのスラットを完全に閉じれば、物理的に視線を遮断するため、夜間でも室内の様子が外に漏れることはありません。日中はスラットの角度を調整して光を取り入れつつ、夜は完全に閉じるという使い分けができるのが最大の強みです。

その他の方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 型板ガラス(すりガラス):表面に凹凸があり、光を通しながら視線を遮ります。ただし、夜間に室内で電気をつけると、人影はぼんやりと映ってしまいます。
  • 合わせガラス(乳白色タイプ):2枚のガラスの間に乳白色の膜を挟んだものです。影も映りにくくプライバシー保護性能は高いですが、日中の採光性も低くなります。
  • スマートウィンドウ(調光ガラス):電気のオンオフで透明な状態と不透明な状態を切り替えられる特殊なガラスです。非常に高価ですが、究極のプライバシーガラスと言えるかもしれません。
  • 後付けの窓用フィルム:ミラータイプのフィルムは日中、外から見えにくくなりますが、夜間は室内の方が明るいため効果が逆転します。目隠しシートは常時視線を遮ります。

それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、プライバシーを確保したいレベルや採光の必要性、予算に応じて最適なものを選ぶことが求められます。

ブラインド入り複層ガラスのデメリットや欠点と価格・値段を解説

ブラインド入り複層ガラスのデメリットや欠点と価格・値段を解説

  • インプラス ブラインドインの価格・値段
  • 補助金は利用できる?
  • 二重窓へのブラインド取り付け方法
  • 外から見えにくい窓にする7つの方法
  • 外から見えない窓はリクシルにある?

インプラス ブラインドインの価格・値段

ブラインド入り複層ガラスの具体的な製品として、LIXILの「インプラス」シリーズにラインナップされている「ブラインドイン複層ガラス」が挙げられます。これは内窓(二重窓)として設置するタイプで、既存の窓の内側に取り付けることで断熱性や防音性を高めつつ、ブラインド機能を追加できます。

その価格・値段は、主に「窓のサイズ」と「工事費」によって決まります。あくまで目安ですが、一般的な腰高窓(幅1.6m × 高さ1.m程度)の場合、製品代と工事費を合わせて15万円~25万円程度が相場となることが多いようです。掃き出し窓のような大きなサイズになると、価格はさらに上がります。

価格に影響を与える主な要因は以下の通りです。

要因 価格への影響 説明
窓のサイズ サイズが大きくなるほど、製品代・工事費ともに高くなります。
ガラスの性能 ブラインドイン複層ガラスは、基本的に断熱タイプのガラスとセットになっています。
工事の難易度 設置場所の状況によっては、追加の部材(ふかし枠など)が必要になり、費用が加算される場合があります。
施工業者 業者によって、製品の値引率や工事費の設定が異なります。

通常の複層ガラスの内窓設置と比較すると、価格は高くなります。しかし、内窓の設置費用に加えて、別途高品質なブラインドを購入・設置する費用を考えると、トータルコストでは大きな差がなくなる可能性もあります。正確な費用を知るためには、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、比較検討することが不可欠です。

補助金は利用できる?

窓のリフォームは、住宅の省エネ性能を向上させる重要な工事であるため、国や自治体から手厚い補助金が交付されることが多くあります。しかし、ブラインド入り複層ガラスの場合、補助金の利用には注意が必要です。

2025年現在、国の主要な窓リフォーム補助金である「住宅省エネ2025キャンペーン(先進的窓リノベ事業など)」では、補助金の対象となるかどうかは、製品の「断熱性能(熱貫流率 Uw値)」によって厳密に定められています。

ブラインド入り複層ガラスは、ブラインドのスラット(羽根)がガラス間の熱の伝わり方に影響を与えるため、統一された断熱性能値を算出することが難しい、という技術的な課題があります。このため、多くのブラインド入り複層ガラス製品は、これらの「断熱」を要件とする補助金の対象外となっているのが現状です。

ただし、制度によっては「防音」目的での改修が対象となる場合や、自治体独自の補助金が利用できる可能性もゼロではありません。

したがって、補助金の活用を前提にブラインド入り複層ガラスを検討している場合は、必ずリフォームを依頼する専門業者に、「この製品は現在利用可能な補助金の対象になりますか?」と事前に明確に確認することが極めて大切です。断熱性能を重視した補助金は使えない可能性が高い、と認識しておくと良いでしょう。

二重窓へのブラインド取り付け方法

ブラインド入り複層ガラスの代替案として非常に有効なのが、既存の外窓と、後から設置する内窓(二重窓)の「間」に、通常のブラインドを取り付ける方法です。

この方法には、ブラインド内蔵型にはないメリットがあります。まず、コストを抑えられる可能性があります。内窓とブラインドを別々に購入するため、製品の選択肢が広く、予算に合わせて組み合わせを選ぶことができます。

また、将来的にブラインドが故障したり、デザインに飽きたりした場合でも、ブラインドのみを簡単に交換できる点は大きな利点です。修理や交換の自由度が高いと言えます。

しかし、この方法にもデメリットは存在します。最も大きいのは、操作の煩わしさです。ブラインドの角度調整や上げ下げを行うには、まず手前にある内窓を開けるという一手間が必要になります。頻繁に操作する窓の場合、この手間がストレスに感じられるかもしれません。

さらに、掃除の手間も発生します。外窓と内窓の間の限られたスペースでブラインドの掃除をしなければならず、手が届きにくいため、思った以上に大変な作業になる可能性があります。設置には、ブラインド本体を取り付けられるだけの十分な奥行き(窓枠の幅)が必要となる点も、事前に確認しておくべき注意点です。

外から見えにくい窓にする7つの方法

プライバシーを守り、外からの視線を効果的に遮る方法は、ブラインド入り複層ガラスだけではありません。目的や予算、デザインの好みに応じて、様々な選択肢があります。ここでは7つの代表的な方法を紹介します。

  1. ブラインド入り複層ガラスの導入:この記事で解説している通り、プライバシーと採光を自在にコントロールできる高機能な選択肢です。
  2. 内窓(二重窓)の設置:内窓のガラスを型板ガラス(すりガラス)にすることで、断熱性・防音性を高めながら視線を遮ることができます。
  3. 後付けブラインドやロールスクリーン:最も一般的で手軽な方法です。豊富なデザインから選べ、インテリアに合わせてコーディネートを楽しめます。
  4. 遮光・遮像カーテン:厚手の遮光カーテンは夜間のプライバシーを完全に守ります。日中は、外から見えにくいミラーレースカーテンや遮像レースカーテンが有効です。
  5. 窓用目隠しフィルムの貼り付け:すりガラス調やデザインパターン付きのフィルムを貼ることで、手軽にプライバシーを確保できます。ただし、一度貼ると剥がすのが大変な場合もあります。
  6. 外付けのシェードやオーニング:建物の外側で日差しと視線を遮るため、室内の開放感を損ないません。遮熱効果も非常に高いです。
  7. 面格子やルーバーの設置:防犯性を高めながら、角度によって視線を遮る効果があります。浴室やトイレの窓によく用いられます。

これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて使うことで、ご自宅の状況に最適なプライバシー対策を実現できます。

外から見えない窓はリクシルにある?

大手住宅設備メーカーであるLIXIL(リクシル)は、プライバシー保護のニーズに応える多様な窓製品をラインナップしています。

もちろん、この記事のテーマであるブラインド入り複層ガラスも、内窓「インプラス」のオプションとして提供されています。これは、既存の窓の内側に取り付けることで、断熱・防音性能の向上と共に、視線コントロール機能を追加できる製品です。

それ以外にも、LIXILでは様々な解決策を提案しています。例えば、窓ガラス自体の選択肢として、一般的な型板ガラス(すりガラス模様)はもちろん、よりデザイン性の高い装飾ガラスも用意されています。これらは、光を柔らかく取り入れながら、外部からの視線を効果的に遮ります。

また、窓の種類として、ブラインドのように羽根の角度を調整できる「ルーバー窓(ジャロジー窓)」や、外付けのスクリーンで視線を遮る製品もあります。

したがって、「外から見えない窓」をLIXILで探す場合、ブラインド入り複層ガラスを筆頭に、ガラスの種類、窓の種類、そして後付けのオプション品まで、幅広い選択肢の中から予算やデザインの好みに合わせて最適な製品を見つけることが可能です。ショールームなどで実物を確認し、専門のスタッフに相談してみることをお勧めします。

ブラインド入り複層ガラスのデメリット:まとめ

  • ブラインド入り複層ガラスは掃除不要という大きなメリットがある
  • デメリットとして最も大きいのは故障時に修理が難しく交換費用が高額になる点
  • ブラインドの色やデザインの選択肢が限られ後から変更できない
  • 通常の複層ガラスよりも製品価格が高い傾向にある
  • 複層ガラス自体の寿命はシール材の劣化に左右され約10年~20年が目安
  • シールが劣化すると内部結露が発生し断熱性能が失われる
  • LIXILのインプラスなど内窓として設置する製品が主流
  • 断熱性能の評価が難しく国の省エネ補助金(先進的窓リノベ事業など)の対象外となることが多い
  • 補助金利用を考える際は事前に業者への確認が必須
  • 代替案として内窓と通常ブラインドの組み合わせがある
  • 内窓との組み合わせはコストを抑えられブラインド交換も可能
  • ただし内窓を開けてから操作する必要があり手間がかかる
  • 目隠しフィルムや遮像カーテンなど他のプライバシー対策も多数存在する
  • 故障リスクと高額な修理費用が最大の懸念点であり慎重な検討が必要
  • メリットとデメリットを総合的に比較しライフスタイルに合うか判断することが大切
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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