こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。 普段は「窓断熱の専門家」として、数多くの現場で省エネ・断熱リフォームの提案や施工を行っています。 現場のプロだから分かる、損しないためのポイントをお伝えします。
最近、築年数の経過したお宅にお邪魔すると、ブレーカーの交換費用について相談を受けることが増えてきました。
特に最新の家電やエアコンを導入した際に、急に電気が落ちるトラブルに直面し、分電盤の交換時期ではないかと不安になる方が多いようです。ブレーカーが落ちる原因が単なる使い過ぎなのか、それとも設備の劣化によるものなのかを判断するのは難しいですよね。
また、いざ業者に頼もうと思っても、漏電ブレーカーの交換にかかる料金や、無資格での電気工事の資格に関する法的なリスクなど、知らないと損をする情報もたくさんあります。
この記事では、私が現場で見てきた経験を交えながら、アンペアの変更に伴う工事費用の目安や、安全に電気を使い続けるための基礎知識を分かりやすく解説します。
ブレーカーの交換費用の相場と適切な時期の目安
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- ブレーカーの寿命は何年?交換時期を示すサイン
- 漏電ブレーカーが落ちる原因と交換にかかる料金
- 分電盤を丸ごと交換する際の工事費用と注意点
- 200V用コンセント増設やEV充電設備の設置価格
- 築年数が古い家の配線修理や追加工事の発生リスク
- 賃貸物件でのブレーカー故障は貸主が費用を負担
ブレーカーの寿命は何年?交換時期を示すサイン
ブレーカーにも他の住宅設備と同じように、明確な寿命が存在します。普段何気なくスイッチを上げ下げしているだけなので意識しにくいのですが、内部では金属のバネや接点が常に緊張状態で働いています。
一般的に、個別の安全ブレーカー(配線用遮断器)の寿命は13年から15年、これらを一つにまとめている分電盤全体の耐用年数は15年から20年と言われています。これは、日本電機工業会(JEMA)などの専門機関も提唱している基準です。
設置から15年を過ぎると、目に見える故障がなくても内部の絶縁体が劣化したり、接点が酸化して電気の流れが悪くなったりします。「まだ使えるから大丈夫」と放置するのが一番怖いんですね。
劣化が進むと、本来落ちるべきではない電流で落ちてしまったり、逆に過電流が流れても遮断されないといった重大な不具合を招くからです。特に、1990年代後半から2000年代前半に建てられた住宅にお住まいの方は、ちょうど交換の適齢期を迎えています。
具体的に「これは危ないな」と感じるサインは以下の通りです。これらの一つでも当てはまれば、それは設備からのSOSだと思ってください。
【危険】直ちに点検が必要な劣化の兆候
- 分電盤から「ジージー」「パチパチ」という異音が聞こえる
- ブレーカーのレバー部分が異常に熱を帯びている
- 分電盤の周辺からプラスチックが焼けたような焦げ臭い匂いがする
- ブレーカーの表面に変色や焦げ跡、ひび割れがある
- レバーを上げてもすぐに落ちてしまう、またはレバーが重くて動かない
もし異音や異臭がする場合は、内部でスパーク(火花)が散っている可能性があり、非常に危険な状態です。
そのまま放置すると、分電盤自体が発火し、最悪の場合は壁の内部から火の手が上がる火災につながる恐れがあります。私が現場で確認した例では、内部のネジが緩んで接触不良を起こし、熱でプラスチックがドロドロに溶けていたケースもありました。少しでも「おかしいな」と感じたら、使用を中断してすぐに専門の業者へ連絡することをおすすめします。(出典:一般社団法人 日本電機工業会『住宅用分電盤の交換時期について』)
漏電ブレーカーが落ちる原因と交換にかかる料金
漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、家の中のどこかで電気が漏れた(地絡した)時に、わずかな異常を感知して瞬時に回路を遮断してくれる「命の守り神」です。もしこの装置がないと、漏電した家電に触れた瞬間に感電してしまったり、漏れた電気が熱を持って火災の原因になったりします。しかし、この漏電ブレーカー自体も精密機器であるため、経年劣化によって故障します。
漏電ブレーカーの交換にかかる料金は、20,000円〜24,000円程度が一般的な目安です。この金額には、新しいブレーカーの部材代(約5,000円〜10,000円)に加えて、技術料、出張費、そして古いブレーカーの処分費が含まれます。もし深夜や休日などの緊急対応を依頼した場合は、さらに5,000円〜10,000円程度の上乗せが発生することもありますね。
漏電ブレーカーが落ちる原因は大きく分けて2つあります。
ひとつは、本当に家電や配線が漏電しているケース。もうひとつは、ブレーカー自体の経年劣化による「誤作動」です。
特に雨の日だけ落ちる、あるいは特定の家電を使っていないのに不定期に落ちるという場合は、ブレーカー内部の電子回路が湿気や劣化で不具合を起こしている可能性が高いです。
漏電ブレーカー交換時のチェックポイント
交換作業の際には、必ず「絶縁抵抗測定」という検査を行ってもらいましょう。
これは配線に漏電がないかを数値で確認する重要なテストです。ブレーカーだけ新しくしても、もし壁の中の電線が傷んでいたら、またすぐに電気が落ちてしまいますからね。プロの業者は必ず専用のテスター(メガー)を持っていますので、作業完了後に「数値に異常はありませんでしたか?」と一言確認するだけで、安心感がぐっと増しますよ。
命に関わる設備だからこそ、安さだけで選ぶのではなく、しっかりと測定・検査まで行ってくれる信頼できる業者に任せることが、結果として一番の節約につながります。故障してから慌てて高額な緊急対応を呼ぶよりも、15年というスパンを意識して計画的に交換を検討しましょう。
分電盤を丸ごと交換する際の工事費用と注意点
築20年を超えているお宅や、リノベーションを行うタイミング、あるいは大型家電を複数導入する際には、個別のブレーカー交換ではなく「分電盤そのもの」を丸ごと交換するのがベストな選択です。
古い分電盤は回路数が少なく、現代の電気消費量に対応しきれていないことが多いからです。最新の分電盤は耐雷サージ機能や、電気の使いすぎを音声やアラームで知らせてくれる機能が付いているモデルもあり、安全性と利便性が格段に向上します。
分電盤交換の費用は、回路数(ブレーカーの数)によって変動します。一般的な4人家族の住宅(12〜16回路程度)であれば、総額で50,000円〜80,000円程度が相場となります。以下に具体的な工事内容ごとの費用目安をまとめました。
| 工事内容 | 費用相場の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 分電盤交換(標準12回路) | 55,000円 〜 85,000円 | 本体代+工賃の合計目安 |
| 安全ブレーカー増設(1箇所) | 8,000円 〜 15,000円 | 配線引き回し距離により変動 |
| 主幹ブレーカー(契約変更用)交換 | 15,000円 〜 25,000円 | サービスブレーカー廃止工事等 |
| 幹線ケーブル張り替え(単3切替) | 60,000円 〜 180,000円 | 引き込み口から分電盤まで |
ここで非常に重要な注意点があります。築40年以上の古い木造住宅などの場合、現在の主流である「単相3線式(単3)」になっておらず、「単相2線式(単2)」という古い規格のままのことがあります。
単2だと100Vしか使えず、エアコンやIHクッキングヒーターなどの200V家電が使えません。この場合、分電盤だけ変えても意味がなく、電力会社から家の中までの太い電線(幹線)を引き直す大規模な工事が必要になります。これには電力会社への申請費用も含まれるため、総額で15万円〜25万円ほどかかるケースも珍しくありません。
分電盤交換を検討する際は、まずご自宅のブレーカーが「単3」なのか「単2」なのかを業者に確認してもらいましょう。また、交換時には将来の家電増設を見越して、少し回路数に余裕のある盤(予備スペースあり)を選んでおくと、後々の追加工事が非常に楽になりますよ。
200V用コンセント増設やEV充電設備の設置価格
最近、私たちのリフォーム現場でも「電気自動車(EV)を買ったから外にコンセントを付けたい」「子供部屋に200Vのエアコンを入れたい」というご要望をいただく機会が激増しています。
既存の分電盤に「空き回路」があり、さらに電圧を100Vから200Vに切り替えるだけで済むのであれば、費用は15,000円〜30,000円程度と比較的安価に収まります。しかし、実際には専用の配線を新しく引くケースがほとんどです。
特にEV充電用の専用コンセント設置の場合、流れる電流が大きいため、しっかりとした太さの電線を分電盤から駐車場まで引く必要があります。配線の距離が短ければ5万円程度で済みますが、分電盤が家の反対側にあったり、壁の中を通す「隠蔽配線」を希望される場合は10万円〜15万円ほどの予算を見ておいたほうがいいでしょう。外壁に配線を這わせる場合は配管カバー(スリムダクト)の費用も加算されます。
また、エアコンの買い替え時にも注意が必要です。最近の省エネ性能が高い上位モデルは、広いリビング用などで200V電源を要求するものが多くなっています。
「せっかく最新のエアコンを買ったのに、電源工事が必要で設置できないと言われた」というトラブルは本当によくあります。
私は普段、エアコンの冷暖房効率を劇的に高める窓の断熱リフォームを推奨していますが、その大前提として、安定した電力供給ができる設備環境を整えることは非常に重要です。
200V工事を安く抑えるコツ
エアコンやEVの設置と「分電盤の交換」を同じタイミングで行うのが、最もコストパフォーマンスが高いです。別々に依頼すると、その都度出張費や基本工賃がかかりますが、まとめて行えば作業の手間が省けるため、数万円単位での値引き交渉もしやすくなります。将来的にIHにする予定はないか、エコキュートにする予定はないか、一度ご家族のライフプランを整理してみてください。
電圧切替や専用回路の増設は、見た目以上に専門的な知識が必要です。特に古い配線を無理に使い回すと発熱の原因になるため、必ず現地調査を行ってもらい、最適な配線ルートと部材を選定してもらいましょう。
築年数が古い家の配線修理や追加工事の発生リスク
私たちが窓や玄関のリフォームで古いお宅にお邪魔する際、プロの目から見て一番心配になるのが「壁の中の見えない部分」です。築30年、40年と経過した家は、ブレーカー本体だけでなく、そこに繋がっている電線(VVFケーブル)の被覆もパリパリに硬化しています。ブレーカーを新しくしようとして電線を触った瞬間に、絶縁被覆がポロポロと剥がれ落ちて芯線が剥き出しになる……という、現場の職人が冷や汗をかくような光景も実は珍しくありません。
このように、表面上のブレーカー交換だけでは済まない「追加工事のリスク」が古い家には常に潜んでいます。主な追加費用の要因としては、以下のようなものが挙げられます。
古いお家で発生しやすい追加費用の例
- 絶縁不良による配線引き直し: 漏電調査の結果、壁の中の配線が傷んでいて一部または全部の交換が必要になる場合。
- アース(接地)工事の欠如: 昔の家は水回り以外にアースがないことが多く、家電の安全のために新設が必要になる場合。
- ジョイントボックスの不良: 屋根裏などで配線が分岐している箇所の接触不良を直す費用。
- 壁の開口と補修: 配線を通すために壁に穴を開け、その後にクロスを貼り直すなどの内装費用。
これらは「手抜き工事」や「ぼったくり」ではなく、現代の安全基準で電気を使い続けるためにどうしても避けられない処置であることが多いです。特に昔はネズミが電線をかじっている被害も多く、分電盤を新しくして感度が良くなった結果、今まで気づかなかった微細な漏電を検知してしまい、電気が復旧できなくなる……という事態も起こり得ます。
見積もり時に「もし配線の劣化が見つかった場合、どのくらいの追加費用がかかる可能性がありますか?」と事前に聞いておくのが賢い方法です。
プロの業者であれば、これまでの経験から想定されるリスクを丁寧に説明してくれるはずです。目先の安さだけでなく、20年先まで安心して住める家にするためのメンテナンスだと考えて、余裕を持った予算組みをおすすめします。
賃貸物件でのブレーカー故障は貸主が費用を負担
もしあなたがアパートやマンションなどの賃貸物件にお住まいで、ブレーカーの調子が悪いと感じているなら、費用の心配をする前にまず「契約書」を確認しましょう。
結論から言うと、通常の生活をしていてブレーカーが壊れた場合、その交換費用は大家さんや管理会社の負担で修理するのが法律・慣習上のルールです。
電気設備である分電盤やブレーカーは、建物の「付帯設備」とみなされます。エアコン、給湯器、備え付けの照明などと同じ扱いです。これらが経年劣化によって故障し、生活に支障が出る状態を解消する義務は貸主(大家さん)にあります。したがって、入居者が自費で直す必要はありません。ただし、これには絶対守らなければならない鉄則があります。
賃貸でのトラブルを防ぐための手順
絶対にやってはいけないのは、自分で勝手に業者を呼んで修理を完了させてしまうことです。後から「壊れていたから直しました。領収書を送るので代金を振り込んでください」と請求しても、「管理会社指定の安い業者があったのに」「勝手に設備を改造された」と拒否され、トラブルになるケースが後を絶ちません。
- 1. まず不具合の症状(どの頻度で落ちるか、異音がするか等)をメモする。
- 2. 管理会社または大家さんに電話し、現状を伝える。
- 3. 管理会社が手配する業者の訪問を待つ。
例外として、例えば「契約アンペア数を勝手に上げて、分電盤ごと変えてしまった」「自分の不注意で水をかけてショートさせた」というような、入居者の過失や自己都合による変更の場合は、入居者の自己負担になります。
また、アンペア変更については「退去時に元の容量に戻すこと」を条件に許可されることが多いので、工事前に必ず確認をとるようにしましょう。基本的には「何かあったらまずは管理会社へ」が、最も安く、かつ確実に解決できる方法ですよ。
ブレーカーの交換費用を節約する方法・安く抑えるコツは?
- 悪徳業者を回避する相見積もりと優良店の選び方
- DIYは違法?電気工事士の資格が必要な作業範囲
- 補助金が使える感震ブレーカー導入のメリット
- 停電や故障時の漏電調査費と応急処置にかかる費用
- パナソニック製など高機能な分電盤の本体価格
悪徳業者を回避する相見積もりと優良店の選び方
リフォームや修繕の世界で、最も確実かつ効果的な節約方法は「相見積もり」を取ることです。電気工事も例外ではありません。特に「今なら近くを回っているので無料で点検しますよ」と突然訪問してくる業者には十分注意してください。
「このままだと火事になる」「漏電していて電気代がもったいない」と不安を煽り、相場の3倍〜5倍という法外な金額で契約を迫るトラブルが今でも多発しています。
適正価格を知るためには、最低でも地元の電気工事店やリフォーム店など、合計3社程度に見積もりを依頼しましょう。同じ作業内容でも、会社によって「出張費」の設定や「部材の仕入れ値」が異なるため、1万円〜2万円の差が出ることは普通にあります。優良な業者を見極めるためのチェックリストを以下にまとめました。
信頼できる業者選びの3つの鉄則
- 明細が具体的か: 見積書に「電気工事一式」とだけ書く業者は避けましょう。ブレーカーの種類、数量、工賃が明確に分けられている会社は信頼できます。
- 電気工事業の届出: 会社のホームページ等で「電気工事業届出」の番号を掲げているか確認してください。これは営業するための法的な義務です。
- 質問への回答: 「なぜこの部品が必要なのか」「追加費用が出る可能性はあるか」という質問に対し、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる担当者は、現場の質も高い傾向にあります。
最近はネットの仲介サイトも便利ですが、仲介手数料が上乗せされている場合もあります。可能であれば、地域で長く営業している「街の電気屋さん」にも声をかけてみてください。
彼らは移動コストが低いため、意外と安く、かつアフターフォローも手厚いことが多いですよ。価格の安さだけで選ぶのではなく、保証期間や「何かあった時にすぐに駆けつけてくれるか」という安心感も含めて判断しましょう。
DIYは違法?電気工事士の資格が必要な作業範囲
昨今のDIYブームで、「YouTubeで動画を見たから自分でもできそう」と考える方が増えています。
ホームセンターに行けばブレーカー本体も売っていますしね。しかし、はっきり言います。電気工事だけは、素人のDIYは絶対にやめてください。これは「推奨しない」レベルではなく、日本の法律(電気工事士法)によって厳格に禁止されている犯罪行為です。
ブレーカーの交換、配線の接続、コンセントの増設などは、すべて「第二種電気工事士」以上の資格を持つ人しか行えません。なぜこれほど厳しいのか。それは、電気のミスは「目に見えないまま命を奪う」からです。無資格で行うDIYには、以下のような取り返しのつかないリスクが伴います。
【厳禁】無資格DIYが招く4つの破滅的リスク
- 火災の発生: ネジの締め付けが数ミリ甘いだけで、そこが抵抗となって発熱し、数ヶ月後に突然発火します。これを「トラッキング現象」や「接触不良火災」と呼び、原因の特定が難しいため家全体が燃えるまで気づかないことが多いです。
- 感電死の危険: 100Vの電気でも、条件が重なれば人は死に至ります。作業中の事故だけでなく、家族が触れて感電するリスクも考慮すべきです。
- 火災保険が下りない: もし無資格工事が原因で火災が発生した場合、重大な過失とみなされ、数千万円の損害があっても保険金が一切支払われない可能性が高いです。
- 法的な罰則: 3万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役といった刑事罰の対象になります。
数千円から1万円程度の工賃をケチって、数千万の資産と家族の命を天秤にかけるのは、あまりに割に合わないギャンブルです。専門家は専用の絶縁工具を使い、規定のトルク(力)でネジを締め、最後に測定器で安全を確認します。この「安心」こそが、工賃の本当の対価なのです。資格を持っていない場合は、潔くプロに依頼しましょう。
補助金が使える感震ブレーカー導入のメリット
もし分電盤やブレーカーの交換を計画しているなら、ぜひ一緒に検討してほしいのが「感震ブレーカー」の設置です。これは地震が発生した際に、一定以上の揺れ(震度5強程度)を感知すると自動で主幹ブレーカーを遮断してくれる装置です。なぜこれが必要なのかというと、大きな地震の後に発生する火災の多くが「通電火災」だからです。
通電火災とは、地震で倒れた電気ストーブや傷ついた配線が、停電から復旧した(通電した)際に発火する現象です。不在時に電気が戻って火が出るため、発見が遅れて被害が拡大しやすいんですね。このリスクを最小限に抑えるため、現在、国や多くの自治体が感震ブレーカーの設置を強く推奨しています。
補助金制度を賢く利用しよう
多くの自治体では、感震ブレーカーの購入・設置費用に対して補助金を出しています。特に「木造住宅密集地域」に指定されているエリアでは、費用の1/2〜2/3、場合によっては実質無料で設置できるケースもあります。自治体によって「分電盤タイプ」が対象だったり「簡易タイプ」が対象だったりと条件が異なるため、以下の手順で確認してみてください。
- 1. Google等で「(お住まいの市区町村名) 感震ブレーカー 補助金」と検索。
- 2. 自治体の防災課やホームページで、対象となる製品の基準を確認。
- 3. 工事の「前」に申請が必要な場合が多いので、業者に依頼する前に必ず市役所へ相談。
分電盤まるごと交換の際に感震機能付きモデルを選べば、別々に取り付けるよりも工事費が安く済みます。防災対策をしながら、自治体の支援でコストを抑える。これこそが、これからの賢い住宅メンテナンスの形ですね。
停電や故障時の漏電調査費と応急処置にかかる費用
「朝起きたら突然電気がつかない」「特定の部屋だけ停電した」といったトラブルで急遽業者を呼ぶ場合、交換費用とは別に必ず発生するのが「調査費(診断料)」です。これを「何も交換していないのにお金を取るのか」と感じる方もいるかもしれませんが、実はこの調査こそが最もプロの技術を必要とする工程です。
漏電調査費の相場は、13,000円〜25,000円程度です。これには現場までの出張費、そして「どこで、なぜ漏電しているのか」を突き止めるための作業料が含まれます。
作業員は「メガー(絶縁抵抗計)」という特殊な測定器を使い、家中のコンセントや照明器具、壁の中の配線を一つずつ切り離しながら、消去法で原因箇所を特定していきます。家が大きい場合や配線が複雑な場合、この特定作業だけで1〜2時間かかることもあります。
調査費に含まれるプロの仕事
原因が「雨漏りによる照明器具の腐食」だったり、「庭の防犯ライトへの浸水」だったり、はたまた「床下でネズミが配線をかじった跡」だったりと、原因は多岐にわたります。
それを見つけ出し、取り急ぎその回路だけを切り離して他の部屋の電気を使えるようにする「応急処置」までが調査費の範囲内であることが多いです。原因不明のまま放置するのが一番の火災リスクですので、この調査費は安全を確保するための必要不可欠なコストと言えます。
もし調査の結果、ブレーカーの交換が必要になれば、調査費に部材代と交換工賃が加算されます。逆に、単にコンセントの抜き差しで直るような軽微なものであれば、調査費だけで済むこともあります。
焦って適当な便利屋さんに頼むのではなく、「漏電調査が可能です」と明記している、測定器を完備した電気工事専門店に依頼するのが、結局は一番早く安く解決する近道です。
パナソニック製など高機能な分電盤の本体価格
最後に、交換する「モノ」の選び方について解説します。国内で圧倒的なシェアと信頼を誇るのは、やはりパナソニック(Panasonic)です。特に「スマートコスモ」シリーズは、これからの時代のスタンダードとなる機能を備えています。分電盤は一度変えたら20年は使い続けるものですから、少し予算を足してでも良いものを選んでおく価値は十分にあります。
高機能な分電盤の本体価格は、回路数にもよりますが、定価ベースで13万円〜20万円程度、実売価格(工事店からの提供価格)で7万円〜12万円程度が相場です。これに工賃が加わります。普通の標準的な分電盤が本体3万円〜5万円程度ですから、倍近い差はありますが、それに見合うメリットがあります。
高機能タイプで得られる安心と便利
- あかりあんしん機能: 地震で主幹が落ちても、避難用に一部のライトだけを一定時間点灯させ続ける機能。
- かみなりあんしんばん: 近くに雷が落ちた際、異常な電圧(雷サージ)が家電に流れ込むのを防ぎ、パソコンやテレビが壊れるのを守ってくれます。
- HEMS連携: どの部屋でどれだけ電気を使っているかをスマホで見える化できます。将来的に太陽光発電や蓄電池、V2H(電気自動車からの給電)を導入する際、この盤があればスムーズに連携可能です。
今は必要ないと思っても、10年後、20年後には電気自動車や蓄電池が当たり前の時代になっているでしょう。その時に「また分電盤を買い替えなきゃいけない……」となるのが一番もったいない出費です。
もし予算が許すなら、将来を見据えた「拡張性のあるモデル」を選んでおくことを、リフォームのプロとして強くおすすめします。信頼できるメーカー品を選ぶことは、単なるブランド志向ではなく、長期的なメンテナンスコストを抑える賢い投資なのです。
ブレーカーの交換費用のまとめ
電気は私たちの生活に欠かせないインフラですが、古くなったブレーカーを使い続けることは、見えない火種を抱えているのと同じです。今回の記事で紹介したように、ブレーカーの交換費用は、個別の交換であれば2万円前後、分電盤まるごとの交換であれば5万円〜15万円程度と、工事の規模や家の状況によって幅があります。
大切なのは、異音や頻繁な遮断といった設備からのサインを見逃さず、寿命が来る15年〜20年を目安にプロの点検を受けることです。
無資格でのDIYは絶対に避け、信頼できる電気工事店に相見積もりを依頼して、納得のいく形でメンテナンスを進めてください。正確な費用については、ご自宅の契約アンペア数、回路数、そして壁の中の配線状態によって異なるため、最終的には信頼できる専門業者の方に現地を見てもらうのが一番の近道ですよ。
皆さんが安全で快適な毎日を過ごせるよう、本記事が参考になれば幸いです。
もし、電気設備の更新に合わせて「冬は暖かく、夏は涼しい家」にしたいとお考えでしたら、ぜひ窓の断熱についても目を向けてみてください。電気を効率よく使い、かつ逃がさない住まい作りが、これからの省エネ生活の鍵となります。