天井から吊り下げられた明かりを変えたいけれど、ぶら下がりの古い照明器具の外し方がわからず困っていませんか。
長年使用していると、そのぶら下がりの古い照明器具の名前すら不明で、どのように扱えばよいか不安になるものです。
特に和室や天井の高い場所での古い照明器具交換は、配線がどうなっているのか、自分できる作業なのか判断に迷うことも多いでしょう。
四角い引掛シーリングの取り扱いや取り外し手順、もし業者に依頼した場合の交換費用も気になるところです。
そもそもぶら下がりの照明器具とはどのような構造なのか、照明器具の古いタイプを使い続けることは危険ですかという疑問も解消する必要があります。
ここではぶら下がりの古い照明器具の外し方(取り外し方)はどのような手順なのか、古い照明器具の買い替えや交換を検討する際に役立つ情報を網羅的に解説します。
目次
ぶら下がりの古い照明器具の外し方の基本知識
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- ぶら下がり照明器具とは?
- ぶら下がり古い照明器具の名前と種類
- 照明器具の古いタイプは危険ですか?
- 取り外しが難しい四角いカバーの対処法
- ぶら下がり古い照明器具の外し方(取り外し方)は?
- 古い照明器具交換は自分でできる?
ぶら下がりの照明器具とは?
一般的に「ぶら下がり照明器具」と呼ばれるものは、天井からコードやチェーンで吊り下げられている「ペンダントライト」や、厚みのある本体が天井から少し下がっている古いタイプのシーリングライトを指すことが多くあります。
シーリングライトとペンダントライトの違い
シーリングライトは天井に直接貼り付くように設置される円盤状や四角状の照明です。一方、ペンダントライトはコードなどで吊り下げ(ぶら下がり)て使用する照明を指します。
特に古い住宅では、蛍光灯を使用したペンダントライトが和室やダイニングによく設置されています。これらは天井にある「引掛シーリング」や「ローゼット」と呼ばれる配線器具に接続されているのが一般的です。
ペンダントライトは光源が低くなるため、食卓などを集中的に照らすのに適していますが、古いタイプの場合は器具自体が重く、地震時の揺れが大きいという特徴もあります。
ぶら下がりの古い照明器具の名前と種類
交換をスムーズに行うためには、現在設置されている照明器具の種類を把握することが大切です。
ぶら下がりタイプの古い照明器具には、いくつかの代表的な名称と形状があります。形状によって取り外し手順の微調整が必要になるため、まずは以下の表で自宅の照明がどれに当てはまるか確認しましょう。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| ペンダントライト | コードやチェーンで吊り下げられているタイプ。和風の笠がついたものや、ガラスシェードなど多岐にわたります。最も一般的な「ぶら下がり」タイプです。 |
| シャンデリア | 装飾性が高く、複数の電球がついている重量のある照明。直付けされている場合もありますが、簡易取付型であれば自分で外せます。 |
| 直管型蛍光灯照明 | オフィスやキッチンでよく見られる、長い蛍光灯が露出しているタイプ。紐スイッチで操作するものが多いです。古いものは安定器が重く、取り扱いに注意が必要です。 |
また、照明器具そのものの名前だけでなく、天井についている接続部分(配線器具)の種類も重要です。
「角型引掛シーリング」や「丸型フル引掛シーリング」などが一般的ですが、古い家屋では電源コードが天井から直接出ている「直結タイプ」も存在します。この配線器具の形状が、自分で交換できるかどうかの決定的な判断材料となります。
照明器具の古いタイプは危険ですか?
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照明器具には寿命があり、一般的に設置から10年〜15年が交換の目安とされています。
見た目がきれいでも、内部の安定器やソケット、配線の絶縁被覆が熱や経年劣化によって傷んでいる可能性があります。
放置することのリスク
古い照明器具をそのまま使い続けると、発煙や発火、漏電による感電事故につながるリスクがあると指摘されています。特に「ジージー」という異音がしたり、焦げ臭いにおいがしたりする場合は直ちに使用を中止する必要があります。
また、長期間使用されたプラスチックカバーや部品は劣化して脆くなっており、地震の揺れや清掃時のわずかな衝撃で落下・破損する危険性も考慮しなければなりません。安全性を確保するためにも、適切な時期での交換が推奨されます。
一般社団法人 日本照明工業会のガイドラインでも、設置後10年を過ぎた照明器具は外観に異常がなくても内部劣化が進行しているため、交換を検討するよう呼びかけられています(出典:一般社団法人 日本照明工業会「照明器具の寿命」)。
取り外しが難しい四角いカバーの対処法
古いシーリングライトの中には、四角い形状のカバーがついているものがあります。これらは現在の回転式(回して外すタイプ)とは異なり、特殊な固定方法が採用されているケースが少なくありません。いざ外そうとしてもビクともせず、困ってしまう代表的なケースです。
四角いカバーが外れない主な原因として、以下の構造が考えられます。
- プッシュアップ式:カバー全体を上に押し上げながら金具をずらすタイプ。バネで固定されているため、強めに押し上げる必要があります。
- フック固定式:側面にフックやレバーがあり、それを解除する必要があるタイプ。小さなレバーが見えにくい場所にあることもあります。
- スライド式:カバーを特定の方向にスライドさせて外すタイプ。一度少し持ち上げてから横にずらす構造のものもあります。
無理に引っ張ると天井材を傷めたり、器具が落下したりする恐れがあります。まずは側面や隅に「押す」「引く」といった表示がないか確認し、隙間から内部の固定金具の構造をライトで照らして観察することが重要です。
カバーと本体の隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで構造を確認する場合も、ガラスを割らないよう細心の注意を払ってください。
ぶら下がり古い照明器具の外し方(取り外し方)は?
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一般的な引掛シーリングに接続されている「ぶら下がり照明」の外し方は、以下の手順で行います。
高所での作業となるため、安定した脚立を用意し、転倒防止のために誰かに支えてもらうなどの安全対策を講じてください。
基本的な取り外し手順
- 電源を切る:壁スイッチだけでなく、ブレーカーを落とすとより安全です。誤ってスイッチが入ることを防ぎます。
- 冷却時間を置く:点灯直後は蛍光灯や電球が高温になっているため、消灯後30分程度待ち、冷めてから作業を開始します。
- カバーやシェードを外す:ペンダントライトの場合はそのまま作業できることもありますが、ガラス製の重いカバーがある場合は、落下防止のため先に取り外して軽量化します。
- コネクタを抜く:本体とアダプタがケーブルでつながっている場合は、ロックをつまんで引き抜きます。硬い場合は左右に揺らしながら抜きます。
- 本体を外す:天井のアダプタ(シーリングキャップ)にあるロック解除ボタン(赤いボタンなど)を押しながら、反時計回りに回して取り外します。
ペンダントライトの場合は、天井の接続部分(シーリングキャップ)にあるロックボタンを押しながら左(反時計回り)に回すだけで外れるものが大半です。このとき、コード部分だけを持って回そうとすると断線の原因になるため、必ずプラグ部分(根元)を持って回すようにしてください。
古い照明器具交換は自分でできる?
古い照明器具の交換が自分でできるかどうかは、「天井の配線器具の状態」によって決まります。ここを見誤ると法的な問題や安全上のリスクが生じるため、慎重な確認が必要です。
自分で交換可能なケースは、照明器具を外した際、天井に「引掛シーリング」や「ローゼット」と呼ばれるコンセントのような部品がついている場合です。これらは工事資格なしで抜き差しが可能です。
一方で、以下のような場合は電気工事士の資格が必要となり、自分での交換はできません。
- 天井から電線が直接照明器具に入り込んでいる(直結配線)
- 配線器具が破損している、またはグラグラしている
- 新しい照明器具が重く、天井の補強が必要な場合
「直結配線」は、主に築年数の古い住宅のキッチンや洗面所、和室などで見られます。
この場合、配線を切断して新しい引掛シーリングを取り付ける工事が必要になります。無理に自分で作業を行うと、感電や火災、落下の原因となります。少しでも配線に不安がある場合は、専門業者へ依頼することが賢明です。
ぶら下がりの古い照明器具の外し方と交換手順
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- ぶら下がり古い照明器具交換の流れ
- 古い照明器具交換で天井と配線を確認
- 和室での古い照明器具交換のポイント
- 業者への交換費用の相場目安
- 古い照明器具の買い替えや交換を検討する
ぶら下がり古い照明器具交換の流れ
既存の照明を取り外した後、新しいLEDシーリングライトやペンダントライトへ交換する流れを解説します。ここでは、一般的な「引掛シーリング」が天井に設置されている前提で進めます。手順を間違えると点灯しなかったり、落下の原因になったりするため、一つひとつ確実に進めましょう。
- 新しいアダプタの取り付け:新しい照明器具に付属している専用アダプタを、天井の配線器具(引掛シーリング)の穴に合わせて差し込み、「カチッ」と音がするまで右(時計回り)に回して固定します。このロック音が重要です。
- 本体の取り付け:照明器具本体をアダプタの中心に合わせて押し上げます。「カチッ」と音がするまで、あるいはレバーがロック位置に来るまで押し込み、手を離しても落ちてこないか確認します。
- コネクタの接続:アダプタから出ているコードと本体側の端子を接続します。余ったコードは器具内のフックなどに収め、影が出ないようにします。
- カバーの取り付け:本体にカバーを取り付け、回転させて固定します。カバーが斜めになっていないか、全周を確認してください。
- 点灯確認:ブレーカーを上げ、壁スイッチを入れて点灯するか確認します。リモコンの設定が必要な場合もあるため、説明書を参照してください。
古い照明器具交換で天井と配線を確認
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古い照明器具を外した際、天井に残る「引掛シーリング(ローゼット)」の状態を必ずチェックしてください。照明器具と同様に、配線器具にも寿命があります。長年重い照明を支えてきた配線器具は、見えない部分で劣化している可能性があります。
このような状態なら交換が必要です
- プラスチック部分にひび割れや欠けがある
- 変色している、焦げた跡がある
- 天井への固定ネジが緩んでいる
- 配線器具自体が15年以上経過している
一般社団法人 日本配線システム工業会によると、配線器具の交換目安は約10年とされています(出典:一般社団法人 日本配線システム工業会「配線器具の交換の目安」)。
配線器具が劣化している状態で新しい照明を取り付けると、重さに耐えきれず落下したり、接触不良で点灯しなかったりするトラブルが発生します。配線器具の交換には電気工事士の資格が必要ですので、異常が見られた場合は電気工事店に相談してください。
和室での古い照明器具交換のポイント
和室でよく見られる「竿縁天井(さおぶちてんじょう)」の場合、注意が必要です。竿縁天井は天井板を細い木(竿縁)で支えている構造で、表面に凹凸があります。この凹凸が、一般的なシーリングライトの取り付けを難しくする要因となります。
一般的なシーリングライトは平らな天井に取り付けることを想定しているため、そのままではスポンジが密着せず、ぐらついたり落下したりするリスクがあります。この場合、以下の対処が必要です。
- 竿縁天井対応のアダプタを使用する:照明器具メーカー(パナソニックなど)から販売されている、段差を解消するための専用部材(竿縁天井取付アダプタ)を使用します。これにより器具を水平に固定できます。
- ペンダントライトを選ぶ:吊り下げ型であれば、天井の凹凸の影響を受けにくいため、設置が容易です。既存のデザインに近いものを選べば、和室の雰囲気も損ないません。
また、古い和室のペンダントライトは配線が直結されているケースも多いため、取り外し前に必ず天井との接続部分を目視で確認しましょう。四角い台座のようなものがあれば引掛シーリングの可能性がありますが、確信が持てない場合はプロに見てもらうのが安心です。
業者への交換費用の相場目安
自分で交換が難しい場合、専門業者に依頼することになります。費用は依頼先や作業内容によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。予期せぬ出費を防ぐためにも、相場を知っておくことは重要です。
| 作業内容 | 費用相場(目安) |
|---|---|
| 照明器具の交換(配線器具あり) | 3,000円 〜 5,000円 |
| 直結配線の取り外し・引掛シーリング設置 | 5,000円 〜 10,000円 |
| 古い照明器具の処分費 | 1,000円 〜 3,000円 |
| 出張費 | 2,000円 〜 5,000円 |
家電量販店で購入時に工事を依頼する場合と、地域の電気工事店やリフォーム会社に依頼する場合で料金体系が異なります。
また、天井が高すぎて足場が必要な場合や、補強工事が必要な場合は追加料金が発生します。事前に見積もりを取り、処分費や出張費が含まれているか総額を確認することをおすすめします。
古い照明器具の買い替えや交換を検討するタイミングやメリット
ぶら下がり古い照明器具を最新のLED照明に買い替えることには、多くのメリットがあります。単に明るくなるだけでなく、生活の質を向上させる様々な効果が期待できます。
LED照明への交換メリット
- 電気代の節約:蛍光灯に比べて消費電力が少なく、電気代を抑えられます。環境省の「あかり未来計画」によると、電球形LEDランプは一般電球と比べて約85%の省エネ効果があるとされています(出典:環境省「あかり未来計画」)。
- 長寿命:交換頻度が減るため、高い場所での電球交換の手間がなくなります。約10年間交換不要とも言われており、メンテナンスが非常に楽になります。
- 調光・調色機能:リモコンで明るさや色味(昼光色・電球色など)を変えられるため、読書やリラックスタイムなど生活シーンに合わせた使い方が可能です。
- 虫が寄りにくい:LEDは虫が好む紫外線をほとんど出さないため、カバー内に虫が入りにくく、掃除の手間も省けます。
特にご高齢の方が住む家では、明るさを確保しつつ電球交換の手間をなくすことは、転倒事故防止の観点からも非常に有効です。古い器具の不具合を機に、安全で快適な最新機種への買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
ぶら下がりの古い照明器具の外し方のまとめ
- ぶら下がり照明にはペンダントライトやシャンデリアなどがある
- 天井に引掛シーリングがあれば自分で交換が可能
- 直結配線の場合は電気工事士の資格が必要になる
- 四角いカバーは押し上げ式やフック式の可能性がある
- 古い照明器具は内部劣化による発火や落下の恐れがある
- 作業前には必ずブレーカーを落として感電を防ぐ
- 点灯直後は器具が高温のため冷ましてから作業する
- 配線器具にひび割れや変色がないか確認する
- 和室の竿縁天井は専用アダプタが必要な場合がある
- 配線器具ごとの交換費用相場は5,000円〜1万円程度
- LEDへの交換は電気代節約や虫除け効果がある
- 無理に外そうとすると天井を破損するリスクがある
- 15年以上経過した配線器具は交換が推奨される
- 高い場所での作業は脚立を使い安全を確保する
- 不安な場合は無理せず専門業者に依頼する