秋が深まり肌寒さを感じ始めると、暖房を何度からつけるべきか、室温の目安で悩む方が増えてきます。暖房を使い始める気温は何度ですか?という疑問や、暖房を何度から入れるのがおすすめ?といった具体的なタイミングを知りたいと思うのは自然なことです。
また、ガルちゃんや知恵袋などリアルな意見を見ると、推奨温度の20℃でも寒いのはなぜ?と感じる声も多く見られます。特に赤ちゃんがいるご家庭では室温管理に気を遣いますし、朝は何度から付ける?と迷うこともあるでしょう。
かといって電気代を考えると、冬は暖房なしで室内を何度にしたらいいですか?と考えるかもしれません。しかし、暖房をつけても部屋が寒い原因が解消されないままでは、効率が悪くなってしまいます。
この記事では、暖房を何度からつけるかという室温の目安から、設定温度を上げずに快適に過ごす節約術、そして冬の暖房代を節約・節電する10のコツまで、幅広く解説します。
目次
暖房は何度からつける?室温の目安を解説
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- 暖房は何度から入れるのがおすすめ?
- 暖房を使い始める気温は何度ですか?
- 暖房は何度からつける?外気温と朝の目安
- ガルちゃん・知恵袋などのリアルな意見
- 赤ちゃんがいる家庭の室温管理や目安
- 冬は暖房なしで室内を何度にしたらいいですか?
暖房は何度から入れるのがおすすめ?
暖房を何度から入れ始めるか、その目安は「室温が20℃を下回ったら」がおすすめです。
もちろん、寒さの感じ方には個人差があるため、これが絶対的な基準ではありません。しかし、多くの人が室温20℃を下回ると肌寒さを感じ始めるとされています。
環境省も、冬の暖房時の室温目安として20℃を推奨しています。これは快適性を保ちつつ、省エネルギーも考慮した温度です。
もし室内に温度計を設置しているなら、室温が20℃を下回ったタイミングで暖房の使用を検討し始めるとよいでしょう。無理に寒さを我慢すると体調を崩す原因にもなりかねないため、自分の体感に合わせて判断することが大切です。
暖房を使い始める気温は何度ですか?
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室温だけでなく、外気温も暖房を使い始める目安になります。一般的に「外気温が15℃を下回ったら」暖房を使い始める人が増える傾向にあります。
この理由は、外気温が15℃前後になると、特に日当たりや住宅の断熱性能によっては、室温が前述の目安である20℃を下回りやすくなるためです。
お住まいの地域によって時期は異なりますが、例えば北海道では9月下旬頃から、関東などでは10月下旬から11月頃に最低気温が15℃を下回る日が増えてきます。天気予報で最低気温をチェックし、15℃を下回る日が続くようになったら、暖房器具の準備や使い始めのタイミングと考えるとよいでしょう。
暖房は何度からつける?外気温と朝の目安
日中の外気温が15℃を下回るようになると暖房を意識し始めますが、特に注意したいのが「朝」の冷え込みです。
朝方は一日の中でも特に気温が下がりやすく、室温も大きく低下します。睡眠の専門家によると、快適な目覚めのためには起床時の室温を20℃から22℃程度に保つことが望ましく、少なくとも16℃以上が推奨されています。
室温がこれを下回ると、寒さで布団から出にくくなるだけでなく、急激な温度変化によるヒートショックのリスクも高まります。
このため、朝の室温が16℃を下回るようなら、暖房をつけるタイミングと言えます。対策として、エアコンのタイマー機能を活用し、起床する1時間ほど前から暖房が作動するように設定しておくと、快適かつ安全に朝を迎えることができます。
ガルちゃん・知恵袋などのリアルな意見
環境省は室温20℃を推奨していますが、インターネット上の掲示板(ガルちゃん)やQ&Aサイト(知恵袋)などで見られるリアルな意見や、各種調査データを見ると、実際の設定温度はそれよりも高い傾向があります。
例えば、ある調査によれば、暖房時のエアコンの平均設定温度は22℃から25℃程度であるという結果も出ています。
これは、推奨されている「室温20℃」と、エアコンの「設定温度20℃」が必ずしも一致しないことが一因と考えられます。また、20℃という室温自体を「少し肌寒い」と感じる人も少なくありません。
このように、公的な推奨目安と実際の人々の感覚には少し差があることがわかります。無理せず、ご自身が快適に過ごせる温度設定を見つけることが重要です。
赤ちゃんがいる家庭の室温管理や目安
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生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で体温を調節する機能がまだ未熟です。そのため、大人が快適な室温よりも少し高めに設定してあげることが望ましいです。
冬場の場合、室温の目安は20℃から23℃程度、新生児(生後28日未満)の場合は23℃から25℃程度がよいとされています。
ただし、赤ちゃんは基本的に体温が高く暑がりな側面もあります。厚着のさせすぎや暖めすぎは、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高める可能性も指摘されているため注意が必要です。大人が少し肌寒いと感じる程度が、赤ちゃんにとっては快適な場合もあります。
室温だけでなく、湿度も40%から60%程度に保つことが大切です。乾燥はウイルスの活動を活発にし、肌トラブルの原因にもなります。
こまめに赤ちゃんの様子を確認し、以下のサインに注意しましょう。
暑さを感じているサイン
- 顔が赤く火照っている
- 背中や頭に汗をかいている
- 呼吸が速い
寒さを感じているサイン
- 手足や唇が青白い
- お腹や背中が冷たい
- 体を丸めて縮こまっている
これらのサインを見ながら、室温や衣類、寝具で調節してあげてください。
冬は暖房なしで室内を何度にしたらいいですか?
電気代の節約を考えて、できるだけ暖房なしで過ごしたいと考える方もいるかもしれません。しかし、健康維持の観点からは、室温を一定以上に保つことが強く推奨されています。
WHO(世界保健機関)は、健康的な室温として「18℃以上」を推奨しています。
室温が18℃を下回る環境では、血圧の上昇や呼吸器系疾患のリスクが高まるとされています。特に高齢者がいるご家庭では、寒い浴室やトイレとの温度差による「ヒートショック」の危険性が増大します。
お住まいの住宅の断熱性能が高ければ、暖房なしでも室温が18℃を下回らない場合もありますが、多くの住宅では冬場の早朝や夜間には18℃未満になりがちです。
暖房なしで過ごす場合でも、室温計で温度をチェックし、18℃を下回るようなら無理をせず暖房を使用することを推奨します。
暖房を何度からつける?室温の調整や節約術
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- 暖房をつけても部屋が寒い原因
- 推奨温度の20℃でも寒いのはなぜ?
- 設定温度を上げずに快適に過ごす節約術
- 冬の暖房代を節約・節電する10のコツと電気代
- 暖房を何度からつけるか室温で判断しよう
寒いのは窓の断熱効果が無いのが原因かも
暖房をつけても部屋が寒い原因
エアコンの暖房をつけているにもかかわらず、部屋がどうも寒いと感じる場合、いくつかの原因が考えられます。
第一に、エアコンの設定温度を20℃などにしていても、実際の室温が設定温度まで達していない可能性があります。暖かい空気は天井付近に溜まりやすく、足元は冷えたままという「温度ムラ」が発生しやすいためです。
第二に、住宅の断熱性能が不十分であることです。窓や壁、床などから外の冷気が侵入したり、室内の暖かい空気が逃げたりしていると、暖房の効率が著しく低下します。
第三に、そもそも設定温度20℃では暖かさを感じにくい、という体感温度の問題もあります。これらについては、次の項目で詳しく解説します。
推奨温度の20℃でも寒いのはなぜ?
環境省が推奨する室温20℃で設定しても寒く感じる主な理由は、大きく分けて二つあります。
一つは、前述の通り、住宅の断熱性能が低い場合です。断熱が不十分だと、エアコンで空気を暖めても、窓や壁から冷気が伝わってきます。暖かい空気は天井に溜まり、冷たい空気は床に溜まるため、足元が冷えて寒さを感じやすくなります。
もう一つの理由は、「体感温度」が実際の室温より低いことです。体感温度は、室温だけでなく、壁や窓の表面温度、湿度、気流などにも影響されます。
例えば、室温が20℃であっても、冷たい窓ガラスや壁の表面温度が15℃だった場合、そこからの放射冷却(冷たい面に体温が奪われる現象)によって、人の体感温度は約17℃程度にしか感じられないとされています。
このため、設定温度を20℃にしても、寒さを感じてしまうのです。
設定温度を上げずに快適に過ごす節約術
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推奨温度の20℃でも寒く感じるからといって、すぐに設定温度を上げるのは電気代がもったいないです。設定温度を上げる前に、以下の工夫で体感温度を上げることを試してみましょう。
①風向きと風量を調節する
暖かい空気は上に溜まりやすいため、エアコンの風向きは「下向き」に設定するのが基本です。床に溜まった冷たい空気を押し上げ、部屋全体の空気を循環させる効果が期待できます。風量は「自動運転」が効率的です。
②室内の空気を循環させる
サーキュレーターや扇風機を併用し、天井に向けて風を送ると、天井付近に溜まった暖かい空気が部屋全体に行き渡り、足元の冷えが改善されます。温度ムラを解消するのに非常に効果的です。
③室内の湿度を上げる
同じ室温でも、湿度が高い方が暖かく感じられます。冬場は空気が乾燥しやすいため、加湿器を使ったり、洗濯物を室内干ししたりして、湿度を40%から60%程度に保つよう心がけましょう。体感温度が上がり、ウイルスの活動を抑える効果も期待できます。
④暖房空間を小さくする
リビング階段に仕切りを設けたり、使っていない部屋のドアをしっかり閉めたりして、暖房する空間を小さく区切ることも節約につながります。
冬の暖房代を節約・節電する10のコツと電気代
暖房にかかる電気代は、家計の中でも大きな割合を占めます。エアコン暖房の場合、設定温度を1℃下げるだけで約10%の消費電力削減につながると言われています。
無理のない範囲で、以下の節約・節電のコツを実践してみましょう。
エアコンは「自動運転」を選ぶ
弱運転は設定温度に達するまで時間がかかり、かえって電気代が高くつくことがあります。自動運転で一気に室温を上げる方が効率的です。
フィルターをこまめに掃除する(2週間に1回目安)
フィルターの目詰まりは暖房効率を著しく低下させます。掃除機でホコリを吸い取るだけでも効果があります。
室外機の周りに物を置かない
室外機の吹き出し口を塞ぐと、運転効率が下がります。雪が多い地域では、雪で埋もれないよう対策も必要です。
窓の断熱対策を徹底する
熱の出入りが最も大きいのは窓です。厚手のカーテンや、床まで届く長さのカーテンに変えるだけでも効果があります。断熱シートを窓に貼るのもよいでしょう。
サーキュレーターや扇風機を併用する
前述の通り、室内の温度ムラをなくし、体感温度を上げます。
加湿器を併用する
湿度を上げて体感温度を上げれば、設定温度を必要以上に上げずに済みます。
短時間の外出なら「つけっぱなし」にする
エアコンは起動時に最も電力を消費します。30分程度の外出であれば、消すよりもつけっぱなしの方が節約になる場合があります。
内窓(二重窓)を取り付ける
費用はかかりますが、断熱効果が飛躍的に向上します。結露対策にもなり、国や自治体の補助金が使える場合もあります。
重ね着や暖かい小物を利用する
ひざ掛け、厚手の靴下、ルームシューズなどを活用し、首・手首・足首の「三首」を温めると効果的です。
電力会社や料金プランを見直す
ご家庭のライフスタイルに合った電力プランに変更することで、電気代自体を削減できる可能性があります。
寒いのは窓の断熱効果が無いのが原因かも
暖房の設定温度を上げても、なぜか部屋が暖かく感じられない、特に足元が冷えるといった場合、その原因は窓にある可能性が考えられます。
住宅において、窓は壁などに比べて熱が非常に逃げやすい部分です。一般的に、冬場に暖房で暖められた室内の熱のうち、約50%以上が窓などの開口部から外へ逃げていくとされています。つまり、いくらエアコンで空気を暖めても、半分近い熱が窓から失われている状況では、室温を快適に保つことが難しくなります。
この現象には、主に二つの理由があります。
一つは、「コールドドラフト」と呼ばれる現象です。これは、室内の暖かい空気が断熱効果のない冷たい窓ガラスに触れて冷やされ、重くなって床下へ下降していく空気の流れを指します。この冷たい空気の流れが床を伝って広がるため、暖房をつけているにもかかわらず「足元がスースーする」「床が冷たい」といった感覚を引き起こします。
そしてもう一つは、体感温度の低下です。前述の通り、室温が仮に20℃あったとしても、外気によって冷やされた窓ガラスの表面温度が10℃程度しかない場合、人は寒さを感じやすくなります。これは、人の体から発せられる熱が、冷たい窓に向かって放射冷却によって奪われてしまうためです。
例えば、室温が20℃でも、窓の表面温度が10℃であれば、体感温度はその中間である15℃程度にしか感じられないとも言われています。これが、推奨温度に設定しても寒さを感じる大きな要因の一つです。
このような状態を放置すると、暖房効率が悪いまま運転を続けることになり、電気代が高騰する原因にもなります。また、冷たい窓は結露も発生しやすく、カビやダニの温床となり健康面でのデメリットも懸念されます。
対策としては、厚手のカーテンを床まで隙間なく垂らしたり、窓に市販の断熱シートを貼ったりする方法があります。これらも一定の効果は期待できますが、根本的な解決を目指すのであれば、内窓(二重窓)の設置や、断熱性能の高い窓ガラスへの交換といったリフォームが最も効果的です。
暖房を何度からつけるか室温で判断しよう:まとめ
この記事では、暖房をいつから使い始めるかの目安や、節約術について解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- 暖房を使い始める目安は室温が20℃を下回ったとき
- 外気温の目安は15℃を下回ったとき
- 環境省が推奨する冬の室温目安は20℃
- 健康維持のためWHOは室温18℃以上を推奨
- 18℃未満はヒートショックなどの健康リスクが高まる
- 朝の起床時は室温16℃以上、できれば20℃~22℃が理想
- 起床1時間前のタイマー運転がおすすめ
- 赤ちゃんがいる家庭の室温目安は20℃~25℃
- 赤ちゃんの様子(汗や手足の色)を見て調節する
- 推奨の20℃で寒い理由は「温度ムラ」と「体感温度の低下」
- 実際の平均設定温度は22℃~25℃と高めの傾向
- 設定温度を上げる前に「風向き(下向き)」「空気循環」「加湿」を試す
- サーキュレーターは天井に向けて運転し温度ムラを解消する
- 湿度は40%~60%に保つと体感温度が上がる
- 暖房の設定温度を1℃下げると約10%の節約効果
- エアコンは「自動運転」が最も効率的
- フィルター掃除は2週間に1回行う
- 窓には厚手のカーテンや断熱シートで対策する
- 短時間(30分程度)の外出ならつけっぱなしがお得な場合も
- 無理な我慢はせず、自分の体調や家族構成に合わせて室温を判断する