「二重窓と断熱シートはどっちがいいのか」とお悩みではありませんか。
冬の寒さや夏の暑さ対策として窓の断熱は欠かせませんが、本格的なリフォームと手軽なDIYでは、どちらを選ぶべきか迷いますよね。そもそも二重窓の断熱効果はどの程度あるのか、また、窓の断熱シートは効果なしという噂は本当なのか、気になるところです。
この記事では、二重窓と結露防止・断熱シートはどっちがおすすめか、コスト・価格・値段を比較しつつ、多角的に解説します。
断熱シートを貼って得られるメリットだけでなく、二重窓に断熱シートやフィルムを貼ると割れるというリスク、特に複層ガラスのフィルム熱割れや、ガラスフィルムの熱割れ対策としての外貼りの有効性にも触れていきます。
二重窓に断熱シートはどっちに貼るのが正解か、また二重窓にプチプチを貼るときはどちらに貼るべきか、断熱シートの2枚重ねや窓の断熱シートを下だけに貼る方法の効果についても検証します。
結露やカビの問題から、断熱シート以外の窓の断熱対策の方法まで、あなたの疑問を解消する情報を網羅しました。
目次
二重窓と断熱シートどっち?効果とリスクを解説
- 二重窓の断熱効果とシートのメリット
- 窓の断熱シートは効果なしという噂
- 二重窓や複層ガラスはフィルムで熱割れする?
- 熱割れはガラスフィルムの外貼りで対策
- 結露が引き起こすカビの問題
二重窓の断熱効果とシートのメリット
窓の断熱性を高める二つの選択肢、「二重窓」と「断熱シート」。それぞれの効果とメリットを理解することが、最適な対策を選ぶ第一歩となります。
まず、二重窓(内窓)は非常に高い断熱効果を発揮します。既存の窓の内側にもう一つ窓を設置することで、窓と窓の間に空気の層が生まれます。この空気の層が断熱材の役割を果たし、外の冷気や熱気が室内へ伝わるのを大幅に抑制します。これにより、冬は暖房の熱が逃げにくく、夏は外からの暑さを遮断するため、年間を通じて冷暖房の効率が向上し、光熱費の節約に繋がるのです。さらに、防音効果や結露防止効果も高いのが大きな特長です。
一方、断熱シートを貼って得られるメリットは、その手軽さと費用の安さにあります。数千円程度から購入でき、専門的な工具がなくても自分で貼り付けられるため、すぐに対策を始めたい場合に適しています。シートの構造によって室内の熱が窓から逃げるのをある程度防ぎ、窓際のひんやり感を和らげる効果が期待できます。インテリア性を損なわない透明なタイプや、目隠し効果のあるデザイン性の高い製品も多く販売されています。
窓の断熱シートは効果なしという噂
「窓の断熱シートは効果なし」という声を聞くことがありますが、これは一概に正しいとは言えません。効果を感じられない場合、いくつかの原因が考えられます。
一つは、期待する効果のレベルが高すぎることです。断熱シートはあくまで手軽な対策であり、その断熱性能は本格的な二重窓には及びません。シートを貼ることで窓の表面温度の低下を多少緩和することはできますが、部屋全体の温度を劇的に維持するほどの力はないと考えるのが妥当でしょう。
また、製品の選択や貼り方も効果に大きく影響します。例えば、非常に薄いシートや、断熱性能が低い製品を選んでしまえば、体感できるほどの効果は得にくいでしょう。さらに、シートとガラスの間に空気が入ってしまったり、隙間ができていたりすると、そこから冷気が侵入するため、効果は半減してしまいます。
断熱シートは「何もしないよりは良い」というレベルの対策であり、外気温が厳しい環境や、根本的な断熱性能の向上を求める場合には、力不足を感じることがあります。そのため、「効果なし」という感想は、製品の性能や施工品質、そして期待値とのギャップから生まれることが多いと考えられます。
二重窓や複層ガラスはフィルムで熱割れする?
二重窓や複層ガラスに断熱シートやフィルムを貼ると、ガラスが「熱割れ」を起こして割れる可能性があります。これは、DIYで対策を行う際に最も注意すべきリスクの一つです。
熱割れとは、ガラスの一部分が直射日光などで高温になり、サッシに隠れた周辺の冷たい部分との温度差によってガラス内部に歪みが生じ、その力に耐えきれずヒビが入る現象です。
特に複層ガラス(ペアガラス)は、2枚のガラスの間に空気層があるため、もともと熱が逃げにくい構造をしています。ここに断熱フィルムを貼ると、室内側のガラスとフィルムの間にさらに熱がこもりやすくなり、ガラスの温度が異常に上昇することがあります。結果として、ガラス面内の温度差が大きくなり、熱割れのリスクが単板ガラスよりも高まる傾向があるのです。
また、ガラスの中にワイヤーが入った「網入りガラス」は、ガラスと金属ワイヤーの熱による膨張率の違いから、特に熱割れを起こしやすいことで知られています。ほとんどの断熱シート製品で網入りガラスへの使用は禁止されているため、自己判断で貼ることは絶対に避けるべきです。
熱割れはガラスフィルムの外貼りで対策
断熱シートによる熱割れのリスクを効果的に低減する方法として、「外貼り」タイプのフィルムを使用することが挙げられます。
室内側にフィルムを貼る場合、太陽の熱は一度ガラスを通過してからフィルムに吸収・反射されます。このため、熱がガラスとフィルムの間にこもりやすく、ガラス自体の温度が上昇することが熱割れの一因でした。
一方で、外貼りタイプのフィルムは、太陽光がガラスに到達する前に、その多くをフィルム面で反射・吸収します。つまり、熱源をガラスの外側で遮断できるため、ガラス本体の温度上昇を大幅に抑制することが可能です。これにより、ガラス面内に極端な温度差が生まれにくくなり、熱割れのリスクを大きく下げることができます。
もちろん、外貼りタイプであっても、複層ガラスや網入りガラスに対応している製品かどうかを事前に確認することは不可欠です。屋外での作業になるため施工の難易度は少し上がりますが、熱割れのリスクを避けながら断熱効果を得るための、非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
結露が引き起こすカビの問題やリスク
冬場の窓に関する悩みで、寒さと並んで深刻なのが結露です。そして、結露を放置すると、高い確率でカビが発生し、健康や住まいに悪影響を及ぼす可能性があります。
結露は、室内の暖かい空気に含まれる水蒸気が、外気で冷やされた窓ガラスやサッシに触れて水滴に変わることで発生します。この水分は、窓のパッキンやカーテン、壁紙などに付着したホコリを栄養源として、カビを繁殖させる絶好の温床となります。
発生したカビは、見た目が不衛生なだけでなく、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの健康被害を引き起こすアレルゲンになることがあります。また、カビは深く根を張り、窓のゴムパッキンや壁紙、木材などを劣化させ、住宅の寿命を縮める原因にもなりかねません。
断熱対策は、この結露を抑制する上でも非常に有効です。二重窓や断熱シートによって窓の表面温度が外気の影響を受けにくくなると、室内空気との温度差が小さくなり、結露の発生自体を大幅に減らすことができます。結露とカビの問題を根本的に解決するためには、表面的な水分を拭き取るだけでなく、窓の断熱性を向上させることが大切です。
二重窓か断熱シートどっち?貼り方と選び方の比較やオススメ
- 二重窓への断熱シートはどっちに貼る?
- 断熱シートの2枚重ねや下だけの貼り方
- コスト・価格・値段を比較して選ぶ
- 断熱シート以外の窓の断熱対策の方法
- 結局どっちがいい?二重窓と断熱シート
二重窓への断熱シートはどっちに貼る?
二重窓が設置されている環境で、さらに断熱シートを使って効果を高めたいと考える場合、「外窓と内窓、どっちに貼るのが正解か?」という疑問が生じます。また、手軽な対策として人気の「プチプチ」を二重窓に貼るときはどちらに貼るべきでしょうか。
一般的に、断熱シートは室内側の窓、つまり「内窓」に貼ることが推奨されます。その理由は、断熱の基本的な考え方に関係しています。断熱の目的は、室内の暖かい(または涼しい)空気を外に逃がさず、外の冷たい(または熱い)空気を中に入れないことです。
断熱シートを内窓に貼ることで、室内の空気と直接触れる最後の砦である内窓の断熱性能を補助し、室温の維持に貢献します。もし外窓に貼ってしまうと、外窓と内窓の間の空気層が外気の影響で冷やされやすくなり、内窓自体の結露防止効果などが十分に発揮されない可能性があります。
二重窓にプチプチを貼る場合も同様に、室内側の「内窓」に貼るのが基本です。プチプチの空気層が、室内の熱をさらに逃げにくくする補助的な役割を果たします。ただし、前述の通り、どのようなシートでも熱割れのリスクは存在するため、特に日差しの強い窓への貼り付けは慎重に検討する必要があります。
断熱シートの2枚重ねや下だけの貼り方
断熱シートの効果をさらに高めようとして、「2枚重ね」や「下だけ」に貼るといった工夫を考える方もいるかもしれません。これらの方法に効果はあるのでしょうか。
まず、断熱シートの2枚重ねについては、理論上は断熱層が厚くなるため、多少の効果向上が期待できる可能性はあります。しかし、得られる効果の向上幅は限定的であると考えられます。むしろ、シートが厚くなることで窓からの光が入りにくくなったり、シート自体の重みで剥がれやすくなったりするデメリットの方が大きくなる可能性があります。また、熱がよりこもりやすくなるため、熱割れのリスクを高めてしまう懸念も否定できません。基本的にはメーカーが推奨する使用方法に従い、1枚で正しく貼ることが大切です。
次に、窓の断熱シートを下だけに貼る方法ですが、これは主に結露対策として用いられることがあります。窓ガラスの下部は最も温度が低くなりやすく、結露が発生しやすい場所です。ここに吸水性のあるテープやシートを貼ることで、発生した結露を吸収し、水滴が垂れるのを防ぐ効果があります。ただし、これはあくまで発生した結露水を処理するための対症療法であり、窓全体の断熱性を高める効果はほとんど期待できません。
コスト・価格・値段を比較して選ぶ
「二重窓」と「断熱シート」、どちらを選ぶか決める上で最も大きな判断材料となるのが、コスト・価格・値段です。両者の特徴を以下の表にまとめました。
項目 | 二重窓(内窓) | 断熱シート |
初期費用 | 高い(1箇所あたり数万円〜十数万円) | 安い(1枚あたり数百円〜数千円) |
施工方法 | 専門業者による工事が必要 | DIYで可能 |
断熱効果 | 非常に高い | 限定的 |
防音効果 | 高い | ほぼない |
結露防止効果 | 非常に高い | ガラス面のみ一定の効果あり |
耐久性 | 長い(10年以上) | 短い(約半年〜1年で交換推奨) |
熱割れリスク | なし | あり(特に複層ガラス・網入りガラス) |
総合評価 | 根本的な解決策。費用はかかるが高い効果と持続性がある。 | 手軽な応急処置。低コストだが効果は限定的でリスクも伴う。 |
断熱シートは、賃貸住宅で工事ができない場合や、一時的な対策として低予算で試したい場合に適しています。一方、持ち家で結露や寒さに長年悩んでいる場合や、光熱費の削減まで見据えた根本的な解決を望むのであれば、初期投資はかかりますが二重窓の設置が長期的に見て有効な選択となります。近年では国や自治体の補助金制度も充実しているため、活用することで二重窓の設置費用を抑えることも可能です。
断熱シート以外の窓の断熱対策の方法
断熱シートの貼り付けや二重窓の設置が難しい場合でも、窓の断熱性を高める方法はいくつか存在します。
断熱性の高いカーテンやブラインドに変える
最も手軽な方法の一つが、カーテンを見直すことです。厚手の生地でできた「遮光・断熱カーテン」や、裏地付きのカーテンは、窓と部屋の間に空気の層を作り、熱の出入りを効果的に防いでくれます。床まで届く長い丈のカーテンを選ぶと、下からの冷気の侵入も防ぎやすくなります。また、断面がハニカム(蜂の巣)構造になっている「ハニカムスクリーン」は、内部の空気層が優れた断熱効果を発揮するため、特におすすめです。
窓用の断熱ボードやすきまテープを利用する
窓際に立てかけるだけで冷気を遮断する「断熱ボード(冷気ストップパネル)」も有効です。特に、腰高窓の下など、冷気が溜まりやすい場所に設置すると効果を体感しやすいでしょう。さらに、窓のサッシやレールの隙間から侵入する冷気は、意外と室温を下げる原因になります。ホームセンターなどで購入できる「すきまテープ」を貼ることで、気密性を高め、断熱効果を補助することができます。
これらの方法は、断熱シートと組み合わせることで、さらに効果を高めることも可能です。
結局どっちがいい?二重窓と断熱シート
結局のところ、二重窓と結露防止シートはどっちがいいのでしょうか。そして、二重窓と結露防止・断熱シートはどっちがおすすめなのでしょうか。
この問いへの答えは、「あなたの状況と目的によります」というのが最も的確です。
もしあなたが賃貸住宅にお住まいで、大規模な工事ができず、来シーズンまでのつなぎとして手軽に寒さを和らげたいのであれば、「断熱シート」が適しています。費用を抑えつつ、一定の断熱効果と結露抑制効果を手軽に得られるでしょう。
一方で、あなたが持ち家にお住まいで、毎年の冬の厳しい寒さや、びっしょりと濡れる窓の結露、カビの問題に根本から対処したいと考えているなら、「二重窓」の設置を強くおすすめします。初期費用はかかりますが、その高い断熱性、防音性、結露防止効果は、日々の暮らしの快適さを大きく向上させ、長期的に見れば光熱費の削減にも繋がります。その効果は断熱シートとは比較になりません。
どちらか一方を選ぶだけでなく、例えば「特に寒さが厳しい寝室だけ二重窓にして、他の部屋は断熱シートで様子を見る」といったように、場所や予算に応じて両者を使い分けるのも賢い方法です。
まとめ:二重窓か断熱シートどっちを選ぶべきか
この記事では、二重窓と断熱シートのどちらを選ぶべきか、効果やリスク、コストなど様々な角度から比較解説しました。最後に、本記事の要点をまとめます。
- 二重窓は断熱・防音・結露防止効果が非常に高い根本対策
- 断熱シートは低コストで手軽だが効果は限定的な応急処置
- 断熱シートは「熱割れ」のリスクがあり特に複層・網入りガラスは要注意
- 熱割れ対策には「外貼り」タイプのフィルムが有効
- 窓の断熱シートは効果なしと感じる原因は期待値とのギャップや施工不良
- 二重窓にシートを貼るなら室内側の「内窓」が基本
- 断熱シートの2枚重ねは効果向上よりデメリットが上回る可能性
- 窓の下だけに貼るシートは結露水の吸収が主な目的
- 結露の放置はカビを発生させ健康や住宅に悪影響を及ぼす
- コストを比較すると二重窓は高価だが長期的メリットが大きい
- 断熱カーテンやすきまテープなどシート以外の対策も有効
- 賃貸や一時的な対策なら断熱シート
- 持ち家で根本解決を目指すなら二重窓がおすすめ
- どちらが良いかは予算や目的、住まいの状況によって異なる
- 補助金制度を利用すれば二重窓の費用負担を軽減できる