「断熱材のない家は、夏になると耐えられないほど暑くなる…」そんなお悩みを抱えていませんか。夏の厳しい暑さ対策はもちろんのこと、一方で冬の防寒対策も気になる方は多いでしょう。熱がこもりやすい家の対策は一体どこから手をつければ良いのでしょうか。
まずはご自宅に断熱材が入っているか確かめる方法を知りたいかもしれません。また、自分でできる部屋の暑さ対策として、例えば天井に断熱材を貼るだけ、といった手軽な方法を検討している方もいるでしょう。
しかし、断熱壁紙にはデメリットがないのか、断熱シートを床に使うとカビが発生するのではないか、といった新たな疑問も生まれます。
さらに本格的な対策を考えるなら、戸建てにおける断熱リフォームの費用や、床下断熱材を後入れする場合の費用が気になるところです。信頼できる業者を選ぶために、断熱材の施工器具による見分け方といった専門的な知識も知っておきたいポイントになります。
この記事では、断熱材のない家の暑さに関するあらゆる疑問に答え、ご自身に合った対策を見つけるための情報を網羅的に解説します。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- 断熱材のない家がなぜ暑くなるのか、その根本的な原因
- 自分で手軽に始められる暑さ対策の具体的な方法と注意点
- 本格的な断熱リフォームの種類ごとの特徴と費用の目安
- 夏だけでなく冬の寒さにも対応できる住まいの断熱知識
目次
断熱材のない家の暑さ対策|自分でできる暑さ対策5選
- 熱がこもりやすい家の対策は?
- 断熱材が入っているか確かめる方法
- 自分でできる部屋の暑さ対策 5選
- 断熱材貼るだけ天井の効果と注意点
- 断熱シートを床に敷くとカビるのか
- 知っておきたい断熱壁紙のデメリット
熱がこもりやすい家の対策は?
住宅に熱がこもりやすくなる原因は、主に「窓からの日射熱の侵入」「屋根や壁からの熱伝導」、そして「室内の換気不足」の3つが考えられます。これらの要因が複合的に絡み合うことで、室内の温度は外気温以上に上昇してしまうのです。
まず、家の中に入り込む熱の大部分は窓から侵入します。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会のデータによると、夏の冷房時に外部から室内へ流入する熱の約73%が開口部、つまり窓やドアからとされています。特に断熱性能の低いシングルガラスの窓は、太陽の熱を直接室内に取り込んでしまい、室温上昇の最大の原因となります。
次に、屋根や壁も熱の侵入経路です。断熱材が施工されていない、あるいは不十分な住宅では、日中に太陽光で熱せられた屋根や外壁の熱が、そのまま構造体を伝って室内へと侵入してきます。コンクリートや鉄骨の構造は特に熱を伝えやすいため、一度温まると夜になっても熱を放出し続け、寝苦しい夜の原因にもなってしまいます。
加えて、室内の換気がうまくできていないと、これらの侵入してきた熱や家電製品から発生する熱が屋外へ排出されません。空気には暖かいものは上昇し、冷たいものは下降する性質があるため、特に2階や最上階の部屋、窓が一つしかない部屋では熱が天井付近に滞留しやすくなります。
これらのことから、熱がこもりやすい家の対策としては、窓からの日射を遮ること、屋根や壁からの熱の侵入を防ぐこと、そして室内の熱を効率的に排出する換気計画を立てることが基本となります。
断熱材が入っているか確かめる方法
ご自宅に断熱材が適切に施工されているかを確認するには、いくつかの方法があります。最も確実なのは専門業者による住宅診断ですが、ご自身で確認できる手段も存在します。
築年数と設計図書で確認する
まず、建物の築年数からある程度推測することが可能です。現在の省エネ基準が義務化される以前、特に1999年の「次世代省エネルギー基準」が導入される前の住宅や、さらに古い1980年以前に建てられた住宅では、断熱材が全く入っていなかったり、入っていても現在の基準には遠く及ばないケースが多く見られます。もし、建築時の設計図書(仕様書や矩計図など)が手元にあれば、断熱材の種類や厚みに関する記載を確認できる場合があります。
点検口から目視で確認する
より直接的な方法として、天井裏や床下にある点検口から内部を覗いてみることが挙げられます。
- 天井裏: 浴室の天井やクローゼット、押し入れの天井部分に点検口が設置されていることが多いです。脚立などを使って安全を確保した上で蓋を開け、天井板の上に袋に入った綿状の断熱材(グラスウールなど)や、吹き付けられた断熱材が敷き詰められているかを確認します。
- 床下: キッチンの床などに床下収納庫を兼ねた点検口があります。ここから床下の地面との間に、根太(ねだ)と呼ばれる木材の間に断熱材がはめ込まれているかを確認します。
目視で確認する際は、断熱材が隙間なく施工されているか、また湿気で垂れ下がったりカビが発生したりしていないかも併せてチェックすることが大切です。
専門家による診断を依頼する
前述の通り、最も正確な方法は、住宅の断熱施工に詳しい専門業者に診断を依頼することです。専門家は赤外線サーモグラフィカメラを使用して、壁や天井の表面温度を測定します。これにより、断熱材が不足している「断熱欠損」の箇所や、隙間風の侵入経路を視覚的に特定できます。自治体によってはサーモグラフィカメラの無料貸し出しサービスを行っている場合もあるため、一度お住まいの市区町村に問い合わせてみるのも良いでしょう。
自分でできる部屋の暑さ対策 5選
本格的なリフォームの前に、まずは自分で手軽にできる暑さ対策から試してみることをお勧めします。少しの工夫で室内の快適性は大きく改善されることがあります。ここでは、特に効果が期待できる5つの対策を紹介します。
対策方法 | メリット | デメリット・注意点 | 費用の目安 |
1. 遮光・遮熱カーテンの活用 | ・手軽に設置できる ・日差しを物理的に遮断 |
・部屋が暗くなる ・カーテン自体の断熱性は限定的 |
5,000円~20,000円 |
2. グリーンカーテン・すだれの設置 | ・日差しを外側で遮るため効果が高い ・植物による気化熱で周辺温度を下げる |
・設置や手入れに手間がかかる ・虫が発生する場合がある |
1,000円~5,000円 |
3. サーキュレーターによる空気循環 | ・エアコンの冷房効率を高める ・部屋の温度ムラをなくす |
・直接風が当たると不快に感じることも ・電気代が別途かかる |
3,000円~15,000円 |
4. エアコンフィルターの清掃 | ・費用がかからない ・冷房効率が回復し、節電につながる |
・定期的な手入れ(2週間に1回が理想)が必要 | 0円 |
5. ベランダへの打ち水 | ・気化熱を利用して周辺温度を下げる ・手軽にできる |
・日中に行うと湿度を上げ逆効果になることも ・効果は一時的 |
ほぼ0円 |
対策のポイント
- 遮光・遮熱カーテンの活用: 窓からの日射熱を防ぐ基本の対策です。特に日差しが強い南向きや西向きの窓には、遮光等級の高いカーテンや、裏地に特殊なコーティングが施された遮熱カーテンを選びましょう。日中はカーテンを閉めておくことで、室温の上昇を大幅に抑制できます。
- グリーンカーテン・すだれの設置: カーテンが室内側で熱を遮るのに対し、グリーンカーテンやすだれは窓の外側で日差しを遮断します。このため、熱が室内に入る前に防ぐことができ、より高い遮熱効果が期待できます。ゴーヤやアサガオなどを育てれば、見た目にも涼やかです。
- サーキュレーターによる空気循環: 冷たい空気は下に溜まる性質があるため、エアコンをつけていても足元だけが冷えて顔のあたりは暑い、という温度ムラが起こりがちです。サーキュレーターをエアコンと対角線上に置き、天井に向けて風を送ることで室内の空気が循環し、部屋全体を効率良く冷やすことができます。
- エアコンフィルターの清掃: フィルターにホコリが詰まっていると、エアコンは空気を効率よく吸い込めず、冷房能力が著しく低下します。2週間に1回程度、フィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取るか、水洗いするだけで、消費電力を抑えつつ快適な室温を保てます。
- ベランダへの打ち水: 昔ながらの知恵ですが、打ち水は気化熱(水が蒸発する際に周囲の熱を奪う現象)を利用した効果的な暑さ対策です。ただし、気温が最も高くなる日中に行うと、蒸発した水分で湿度が高まり、かえって蒸し暑く感じてしまうこともあります。朝の涼しい時間帯や、日が落ちてきた夕方に行うのが効果的です。
断熱材貼るだけ天井の効果と注意点
天井に断熱材を貼るDIYは、特に2階の部屋の暑さ対策として注目されています。屋根から伝わる熱を直接遮ることができるため、体感的な効果を得やすい方法の一つです。
効果としては、天井からの輻射熱(じりじりとした熱)が大幅に軽減されることが挙げられます。夏場、屋根裏は60℃以上の高温になることもあり、断熱材がないと天井板一枚を隔ててその熱が室内に伝わってきます。天井に断熱材を施工することで、この熱の侵入をブロックし、エアコンの効きを良くする効果が期待できます。
しかし、この方法にはいくつかの注意点があります。市販されているスタイロフォームのような板状の断熱材や、粘着シート付きの断熱材を天井に直接貼り付ける方法は、施工が比較的簡単な反面、断熱材と天井の間に隙間が生じやすいというデメリットがあります。この隙間に室内の湿った空気が入り込み、温度差によって結露が発生すると、カビの原因となる可能性があります。
また、天井に直接貼り付けるタイプの製品は、本格的な断熱リフォームで使われる断熱材(厚みのあるグラスウールやセルロースファイバーなど)と比較すると、断熱性能自体は限定的です。あくまで応急処置的な対策と捉え、根本的な解決には天井裏への断熱材の敷き込みや吹き込みが必要になることを理解しておくことが大切です。
断熱シートを床に敷くとカビるのか
床からの底冷え対策として冬に活躍する断熱シートですが、夏の暑さ対策として床に敷きっぱなしにすることには注意が必要です。結論から言うと、使い方を誤るとカビの発生原因となる可能性があります。
カビが発生する主なメカニズムは結露です。夏場、エアコンで冷やされた室内の床と、地面からの湿気を含んだ床下との間には温度差が生まれます。断熱シートを床に敷くと、床材の通気性が妨げられ、シートと床材の間に湿気が閉じ込められてしまいます。この湿気が温度差によって結露となり、カビの栄養源となって繁殖を促してしまうのです。
特に、カーペットやラグの下に断熱シートを敷きっぱなしにするのは危険です。湿気が逃げる場所がなくなり、カビだけでなくダニの温床にもなりかねません。
これを防ぐためには、いくつかの対策が考えられます。
第一に、断熱シートと合わせて防湿シートを床下に施工することです。これにより、地面からの湿気が床下に上がってくるのを防ぎます。
第二に、定期的に断熱シートを剥がして床を乾燥させ、換気を行うことです。手間はかかりますが、湿気を溜め込まないための最も直接的な対策といえます。
したがって、手軽に見える床の断熱シートも、夏場の使用には湿気対策という別の視点が必要になることを覚えておくべきです。
知っておきたい断熱壁紙のデメリット
壁に貼るだけで断熱効果が期待できる「断熱壁紙」は、手軽なDIYアイテムとして人気があります。しかし、導入を検討する際には、そのメリットだけでなくデメリットも十分に理解しておくことが不可欠です。
断熱壁紙の最大のメリットは、何と言っても施工の手軽さです。既存の壁紙の上から貼れる製品も多く、大掛かりな工事をせずに部屋の印象を変えながら断熱性能を少しだけ向上させることができます。
一方で、デメリットもいくつか存在します。
第一に、断熱効果が限定的である点です。断熱壁紙は発泡ポリエチレンなどの素材でできており、数ミリ程度の厚みしかありません。そのため、壁の内部に厚く施工する本格的な断熱材と比較すると、その効果はごくわずかです。外気温の影響を多少和らげる程度の効果と考えるのが妥当でしょう。
第二に、結露やカビのリスクです。前述の天井や床のケースと同様に、壁紙と壁の間に隙間ができると、そこに湿気が溜まり結露を発生させる可能性があります。特に、もともと結露しやすい北側の部屋の壁などに使用すると、問題を悪化させてしまうこともあり得ます。
第三に、耐久性やデザインの制約です。一般的なビニールクロスに比べて衝撃に弱く、傷がつきやすい製品もあります。また、デザインのバリエーションも限られているため、インテリアにこだわりたい方にとっては選択肢が少なく感じられるかもしれません。
これらのことから、断熱壁紙はあくまで補助的な対策と位置づけ、過度な期待はしない方が賢明です。根本的な壁の断熱性能を向上させたい場合は、壁の内部に断熱材を充填するリフォームを検討する必要があります。
断熱材のない家の暑さ対策をリフォームで対策
- 戸建ての断熱リフォーム費用はどのくらい?
- 床下断熱材の後入れ費用も要チェック
- 良い断熱材施工器具での見分け方
- 断熱材のない家の防寒対策も忘れずに
戸建ての断熱リフォーム費用はどのくらい?
戸建て住宅で本格的な断熱リフォームを行う場合、その費用は施工する範囲や使用する断熱材の種類によって大きく変動します。ここでは、代表的な断熱材の種類と、一般的な木造住宅における費用相場を紹介します。
断熱材の種類 | 特徴 | 費用相場(m²単価) |
グラスウール | ・ガラス繊維でできた綿状の断熱材 ・安価で広く普及している ・施工者の技術力で性能に差が出やすい |
4,000円~8,000円 |
セルロースファイバー | ・新聞古紙をリサイクルした断熱材 ・隙間なく施工でき、調湿性・防音性も高い ・専門の吹込み機械が必要 |
8,000円~15,000円 |
発泡ウレタンフォーム | ・液体を現場で吹き付けて発泡させる断熱材 ・自己接着力が高く、複雑な形状にも対応 ・火に弱いタイプもあるため注意が必要 |
7,000円~14,000円 |
部分的なリフォーム費用の目安
住宅全体ではなく、特に熱の影響が大きい部分だけをリフォームすることも可能です。
- 天井・屋根裏の断熱リフォーム: 80㎡程度の住宅で、既存の断熱材を撤去し、新たにセルロースファイバーを吹き込む場合、費用は40万円~80万円程度が目安です。2階の暑さ対策として非常に効果が高いリフォームです。
- 壁の断熱リフォーム: 外壁を剥がして断熱材を充填する方法と、内壁を剥がして施工する方法があります。外壁リフォームは足場が必要になるため、100万円~250万円以上と高額になりがちです。内壁リフォームは部屋ごとに行え、1部屋あたり20万円~50万円程度が目安です。
- 窓の断熱リフォーム: 最も費用対効果が高いとされるのが窓のリフォームです。既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓(二重窓)」は、1箇所あたり5万円~15万円程度で施工可能です。
これらの費用はあくまで目安であり、住宅の状況によって変わります。また、国や自治体が実施している断熱リフォームに関する補助金制度(例:先進的窓リノベ事業、子育てエコホーム支援事業など)を活用することで、費用負担を大幅に軽減できる場合があります。リフォームを検討する際は、これらの補助金情報も併せて確認することが大切です。
床下断熱材の後入れ費用も要チェック
夏の暑さ対策というと天井や壁に目が行きがちですが、床下の断熱も室内の快適性を保つ上で無視できません。床下からの湿気や熱気が室内に影響を与えるのを防ぐだけでなく、冬場の底冷え対策にも直結するため、一年を通して効果を発揮するリフォームです。
床下への断熱材の後入れ工事は、床下点検口から作業員が潜って行うのが一般的です。そのため、床を剥がすなどの大掛かりな工事が不要で、比較的安価かつ短期間で施工できるのがメリットです。
費用は、施工面積や使用する断熱材によって異なりますが、一般的な木造住宅(1階床面積が60㎡程度)の場合、20万円~40万円程度が相場となります。使用される断熱材は、根太の間にぴったりはめ込める板状の断熱材(ポリスチレンフォームなど)や、湿気に強いグラスウールなどが主流です。
ただし、床下の状態によっては追加費用が発生するケースもあります。例えば、床下の高さが極端に低く作業スペースが確保できない場合や、シロアリ被害や木材の腐食が見つかり、その補修が別途必要になった場合などです。
床下断熱を検討する際は、事前に業者に床下の状態をしっかりと点検してもらい、断熱材の選定から必要な付帯工事まで含めた詳細な見積もりを取ることが、後悔しないための鍵となります。
良い断熱材施工器具での見分け方
断熱材の性能を最大限に引き出すには、適切な材料を選ぶことと同じくらい、正しい施工が不可欠です。そして、その施工品質を見極める一つのヒントが、業者が使用する「施工器具」にあります。専門的な内容になりますが、良い業者を選ぶための知識として知っておくと役立ちます。
例えば、近年人気の高い「セルロースファイバー」という断熱材は、専用の吹込み機械(ブロワー)を使って壁や天井裏の隅々まで高密度で充填します。このとき、適切な圧力と量で吹き込む技術が求められ、機械の性能やそれを扱う職人の技量で仕上がりに差が出ます。信頼できる業者は、均一な密度で施工できる高性能な機械を導入し、定期的なメンテナンスを欠かしません。業者選定の際に、どのような機械を使い、どのように施工管理を行っているか具体的に質問してみると良いでしょう。
また、「現場発泡ウレタンフォーム」の場合も同様です。これは2種類の液体を現場で混合し、スプレーガンで対象箇所に吹き付けて発泡させる断熱材です。このとき、液体の混合比や吐出圧、スプレーを動かすスピードが均一でないと、発泡が不十分になったり、厚みにムラができたりしてしまいます。これもまた、高性能な専用スプレーシステムと、それを使いこなす熟練の技術が求められる部分です。
グラスウールのようなマット状の断熱材を手で施工する場合でも、カッターや定規といった単純な道具の扱い方に品質が現れます。柱や配管周りを隙間なく、かつ断熱材を押し潰さないように正確にカットしてはめ込むのがプロの仕事です。
このように、業者がどのような器具を使い、それをどう管理・運用しているかを知ることは、目に見えない施工の品質を推し量る上での一つの判断材料となります。
断熱材のない家の防寒対策も忘れずに
断熱材のない家は、夏の暑さだけでなく、冬の厳しい寒さにも直接さらされることになります。熱が外に逃げやすいということは、いくら暖房を使っても室温が上がりにくく、光熱費がかさむ原因にもなります。
これまで解説してきた暑さ対策は、その多くが冬の防寒対策としてもそのまま有効です。
「断熱」とは、文字通り「熱を断つ」ことであり、夏は外からの熱の侵入を防ぎ、冬は室内の暖かい熱が外へ逃げるのを防ぐ働きをします。
例えば、窓に内窓を設置するリフォームは、夏の遮熱効果だけでなく、冬には外の冷気が室内に伝わるのを防ぎ、結露の発生を抑制する効果も非常に高いです。また、天井や壁、床に断熱材を充填するリフォームも、一度施工すれば一年中、外気温の影響を受けにくい快適な室内環境を維持してくれます。
自分でできる対策の中でも、窓に厚手のカーテンをかけたり、床に断熱シートを敷いたりすることは、夏の暑さ対策以上に冬の寒さ対策として効果を発揮します。
このように、家の断熱性能を高めることは、夏と冬、両方の季節の悩みを同時に解決することにつながります。暑さ対策を検討する際には、ぜひ冬の快適性も視野に入れて、総合的な視点から最適な方法を選ぶことをお勧めします。
断熱材のない家の暑さ対策を見つけよう:総括
ここまで、断熱材のない家の暑さ対策について、原因の特定からご自身でできる手軽な方法、そして本格的なリフォームまで幅広く解説してきました。
最適な対策は、ご自宅の状況や予算、そしてどこまでの快適性を求めるかによって異なります。
この記事で紹介した様々な選択肢を参考に、ご自身の暮らしに合った最良の解決策を見つけるためのステップをまとめます。
- 家の現状を正確に把握する
- 自分でできる対策から試してみる
- リフォームを検討する場合は優先順位をつける
- 信頼できる業者を選び、相見積もりを取る
- 夏だけでなく冬の快適性も考慮する
- 窓からの日射遮蔽を徹底する
- 屋根や壁からの熱伝導を防ぐ
- 効率的な換気で熱を排出する
- DIY対策にはメリットとデメリットがある
- 断熱リフォームは費用対効果で選ぶ
- 天井断熱は2階の暑さに特に有効
- 床下断熱は冬の寒さ対策にもなる
- 断熱材は種類と施工品質が重要
- 施工品質は専門器具でも見極められる
- 補助金制度を賢く活用する