引っ越し先の住居で給湯器の種類がわからず、「うちは電気温水器があるかわからない」とお困りではありませんか。特にオール電化の戸建てや賃貸マンションでは、給湯器がガスか電気かの見分け方が基本となりますが、その判別は意外と難しいものです。
電気温水器とは何か、その特徴や仕組みを理解しないままでは、賃貸物件でのデメリットや予期せぬ電気代に悩まされるかもしれません。この記事では、知恵袋でよく見られるような疑問、例えば電気温水器が室内にあるケースや、電気温水器は何年で壊れますか?といった寿命に関する問いにもお答えします。
電気温水器と他の給湯器の違いを明確にし、あなたの疑問を解消するための具体的な情報を提供します。
目次
電気温水器があるかわからない?基本の見分け方
- 電気温水器とは?その特徴や仕組み
- 給湯器がガスか電気かの見分け方基本
- 電気温水器と他の給湯器の違い
- オール電化なら電気温水器があるの?
- 電気温水器は何年で壊れますか?寿命は?
- 知恵袋で見る電気温水器の疑問
電気温水器とは?その特徴や仕組み
電気温水器とは、その名の通り電気を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクに貯めておく給湯設備のことです。火を使わないため安全性が高く、運転音が静かである点が大きな特徴として挙げられます。
仕組みは非常にシンプルで、タンク内に設置された電熱ヒーターが水を直接加熱し、設定された温度のお湯を作ります。そして、そのお湯を魔法瓶のように保温しながらタンク内に貯蔵し、必要な時に各所の蛇口へ供給する流れです。この「貯湯式」という仕組みから、一度に大量のお湯を使用するとタンク内のお湯がなくなり、「湯切れ」を起こす可能性がある点には注意が必要です。
また、多くの電気温水器は、電気料金が割安になる深夜電力を利用して夜間のうちにお湯を沸き上げる設定が基本となっています。これにより、日中の電気使用量を抑え、光熱費を節約する工夫がなされています。本体は円筒形や角型の大きなタンクが特徴的で、そのサイズから設置にはある程度のスペースが必要となります。
給湯器がガスか電気かの見分け方基本
ご自宅の給湯器がガス式か電気式かを見分けるには、いくつかの基本的なポイントを確認することで、専門知識がなくても判断が可能です。
まず最も分かりやすいのが、給湯器本体やその周辺の配管を確認する方法です。ガス給湯器の場合、本体には必ずガスを供給するための「ガス管」が接続されています。ガス管は比較的細い金属製の管で、多くの場合、元栓が付いています。一方で、電気温水器にはガス管はなく、代わりに本体と分電盤をつなぐ太い「電源コード」が接続されているのが特徴です。
次に、給湯器本体の外観に注目しましょう。ガス給湯器は燃焼したガスを排出するための「排気口」や煙突が付いています。これに対して、電気温水器は燃焼を伴わないため排気口がありません。
さらに、設置場所もヒントになります。ガス給湯器は屋外の壁やベランダに設置されるのが一般的ですが、電気温水器は大きな貯湯タンクを持つため、屋外だけでなく、マンションのパイプシャフト内や室内の収納スペースに設置されていることもあります。これらの点を総合的に確認することで、給湯器の種類を特定できるでしょう。
電気温水器と他の給湯器の違い
給湯器には電気温水器の他に、ガス給湯器やエコキュートといった種類があり、それぞれお湯を作る仕組みやコストに違いがあります。これらの特徴を理解することは、ご自身のライフスタイルに合った設備を見極める上で大切です。
種類 | 熱源 | 仕組み | メリット | デメリット |
電気温水器 | 電気 | 貯湯式:タンク内のヒーターで水を加熱し貯めておく | ・火を使わず安全 ・運転音が静か ・深夜電力でコスト削減 | ・湯切れのリスク ・設置スペースが必要 ・エコキュートより電気代が高い |
エコキュート | 電気+空気の熱 | 貯湯式:ヒートポンプ技術で空気の熱を集めてお湯を沸かす | ・電気温水器より大幅に省エネ ・深夜電力でコストを非常に安く抑えられる | ・初期費用が高い ・室外機の設置場所が必要 ・運転音がする場合がある |
ガス給湯器 | ガス | 瞬間式:使用する瞬間にガスで水を加熱する | ・お湯を連続で使える ・本体がコンパクト ・初期費用が比較的安い | ・ガス代がかかる ・プロパンガスは高額になりがち ・設置場所に制約がある |
電気温水器とエコキュートは同じ電気を使う貯湯式ですが、エコキュートは空気の熱を利用する「ヒートポンプ技術」を用いるため、電気温水器に比べて消費電力が約3分の1程度と非常に省エネです。
一方、ガス給湯器は使いたい時だけお湯を作る「瞬間式」なので、湯切れの心配がありません。ただし、プロパンガスを利用している場合は、都市ガスに比べてガス代が高額になる傾向があります。これらの違いを理解し、ご自宅の設備を確認する際の参考にしてください。
オール電化なら電気温水器があるの?
「オール電化」の物件にお住まいの場合、給湯設備は電気を利用しているため、ガス給湯器が設置されていることはありません。したがって、給湯器は「電気温水器」または「エコキュート」のどちらかである可能性が非常に高いです。
オール電化住宅とは、調理、給湯、冷暖房など、家庭内で使用するエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことを指します。そのため、キッチンにはIHクッキングヒーターが備え付けられ、ガスの基本料金がかからないというメリットがあります。
ご自宅がオール電化かどうかを判断するには、まずガスメーターの有無を確認するのが最も簡単です。建物の外部や共用廊下のメーターボックス内にガスメーターがなければ、オール電化と判断できます。また、室内にガスコンロを接続するためのガス栓がないことも特徴の一つです。
給湯器が電気温水器か、より省エネ性能の高いエコキュートかを見分けるには、室外機の有無を確認します。ベランダや建物の周辺にエアコンの室外機とは別に、ヒートポンプユニットと呼ばれる室外機のようなものが設置されていればエコキュート、なければ電気温水器であると考えられます。
電気温水器は何年で壊れますか?寿命は?
電気温水器の寿命は、一般的に10年から15年程度が目安とされています。ただし、使用頻度や設置環境、定期的なメンテナンスの有無によって、実際の寿命は変動します。
寿命が近づくと、いくつかの兆候が現れることがあります。例えば、「お湯の温度が安定しない」「お湯の出が悪くなる」「タンク本体から水漏れがする」「ブレーカーが頻繁に落ちる」といった症状が見られた場合は、交換を検討するサインかもしれません。特に、エラー表示が頻繁に出るようになったり、異音がしたりする場合は注意が必要です。
電気温水器は、内部のヒーターや電子部品が経年劣化することで故障に至るケースが多く見られます。故障してから交換しようとすると、お湯が使えない不便な期間が発生してしまうため、10年以上使用している場合は、大きなトラブルが起きる前に専門業者に点検を依頼し、計画的に交換を検討することをおすすめします。定期的なメンテナンスとしては、タンクの水を抜いて内部を清掃する「水抜き」を年に数回行うことで、寿命を延ばす効果が期待できます。
知恵袋で見る電気温水器の疑問
インターネット上のQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」などでは、「電気温水器があるかわからない」という悩みに関する質問が数多く見受けられます。これらの質問は、多くの人が同じような疑問を抱えていることを示しており、その解決策を探る上で参考になります。
よくある質問としては、「賃貸マンションに引っ越したが、給湯器が見当たらない。これは電気温水器でしょうか?」といった設置場所に関するものです。回答としては、玄関横のパイプシャフトや室内の収納、クローゼットの中などを確認するようアドバイスが寄せられています。
また、「リモコンに『深夜電力』や『沸き増し』と表示があるのですが、これは電気温水器ですか?」という質問も多くあります。これは電気温水器の典型的な機能であり、夜間の安い電力でお湯を沸かす仕組みを示唆しています。
さらに、「お湯を使うとタンクの残量メモリが減っていく。これは電気温水器のサイン?」といった使用感に関する疑問も見られます。貯湯式である電気温水器ならではの特徴であり、ガス給湯器にはない表示です。
これらの事例からわかるように、多くの場合、設置場所、リモコンの表示、使用感から電気温水器であるかどうかを推測することが可能です。それでもわからない場合は、管理会社や大家さんに確認するのが最も確実な方法として推奨されています。
賃貸で電気温水器があるかわからない時の確認法と確認手順
- 賃貸で電気温水器があるかわからないケース
- 戸建てで電気温水器があるかわからない場合
- 賃貸の給湯器がガスか電気の見分け方
- 電気温水器が室内にあるマンションの確認法
- 賃貸の電気温水器のデメリットと電気代
賃貸で電気温水器があるかわからないケース
賃貸物件、特にマンションやアパートで「電気温水器があるかわからない」という状況は珍しくありません。その主な理由として、給湯器が普段目につかない場所に設置されていることが挙げられます。
最も一般的な設置場所は、玄関ドアの横にある「パイプシャフト(PS)」と呼ばれる収納スペースの中です。ここには水道メーターやガスメーターと一緒に、給湯器が収められていることが多く、扉を閉めていると存在に気づきにくいのです。
また、比較的新しい物件やリノベーションされた物件では、室内のクローゼットや脱衣所の収納スペース内に、スリムタイプの電気温水器が設置されていることもあります。これもまた、扉を開けない限りは確認が困難です。
さらに、ワンルームマンションなどでは、ユニットバスの天井裏や壁の内側に埋め込まれている特殊なケースも存在します。この場合、外観から判断するのはほとんど不可能です。
このように、賃貸物件では居住スペースを広く見せるため、設備が巧みに隠されていることがあります。まずは玄関周りの収納扉や、室内の不自然なスペースを入念に確認してみましょう。
戸建てで電気温水器があるかわからない場合
戸建て住宅の場合、給湯器は屋外に設置されているのが一般的ですが、それでも電気温水器の存在が分かりにくいケースがあります。
まず確認すべき場所は、建物の裏手や側面です。通常、ガス給湯器は壁掛けタイプが多いですが、電気温水器は大型の貯湯タンクがあるため、地面に直接設置されていることがほとんどです。白やグレーの大きな角型または丸型のタンクが置かれていれば、それが電気温水器である可能性が高いでしょう。
しかし、エコキュートと見間違えることもあります。エコキュートは貯湯タンクの隣に、エアコンの室外機に似た「ヒートポンプユニット」がセットで設置されています。このヒートポンプユニットがなく、タンクのみが単体で置かれている場合は電気温水器と判断できます。
また、古い戸建て住宅や設計によっては、屋内のボイラー室や物置のようなスペースに電気温水器が設置されていることもあります。屋外に見当たらない場合は、屋内の設備スペースも確認してみてください。
最終的な判断材料として、分電盤(ブレーカー)をチェックする方法も有効です。「電気温水器」や「電温」と記載された専用のブレーカーがあれば、電気温水器が設置されていることの確かな証拠となります。
賃貸の給湯器がガスか電気の見分け方
前述の通り、賃貸物件の給湯器がガスか電気かを見分けるには、いくつかのポイントを確認することが有効です。改めて、賃貸物件に特化した見分け方を整理します。
室内と室外の設備を確認する
- ガスメーターの有無:玄関横のメーターボックスや屋外にガスメーターがあればガス給湯器の可能性が高いです。なければ電気式の可能性が高まります。
- ガス栓の有無:キッチンにガスコンロ用のガス栓があるか確認します。IHクッキングヒーターが設置されている場合は、オール電化(電気式給湯器)のことが多いです。
- 給湯器本体の確認:屋外の壁、ベランダ、またはパイプシャフト内を確認します。本体から煙突や排気口が出ていればガス式、なければ電気式です。
室内のリモコンを確認する
浴室やキッチンに設置されている給湯リモコンの表示も大きなヒントになります。
- 「追いだき」「自動」といった表示はどちらにもありますが、「湯量」や「残湯量」、「深夜電力」「沸き上げ」といった表示があれば、お湯を貯める貯湯式の電気温水器である可能性が濃厚です。
- メーカー名も参考になります。「リンナイ」や「ノーリツ」、「パロマ」といったメーカーは主にガス機器を製造しており、「三菱電機」「パナソニック」「日立」などは電気温水器やエコキュートを製造しています。
契約書類を確認する
入居時に受け取った「賃貸借契約書」や「重要事項説明書」の設備欄には、給湯設備の種類が記載されています。これが最も確実な情報源です。
電気温水器が室内にあるマンションの確認法
マンションでは、スペースの都合上、電気温水器が室内に設置されているケースがよくあります。普段は目に付かないため、その存在に気づかないことも少なくありません。
室内設置の場合、最も可能性が高い場所は洗面脱衣所です。洗濯機置き場の横や収納棚の中に、縦長の白い筐体が収まっていることがあります。また、廊下にあるクローゼットや収納スペースも確認すべき場所の一つです。一見するとただの収納に見えても、扉を開けると電気温水器が設置されていることがあります。
外観は、高さが1.5メートルから2メートル近くあるスリムな直方体のものが主流です。本体にはメーカー名(例:三菱電機、パナソニックなど)や「電気温水器」という文字、また「高温注意」といったステッカーが貼られていることが多いので、これらを目印に探してみてください。
もし本体が見つからなくても、分電盤(ブレーカー)を確認することで設置の有無を判断できます。「電気温水器」や「電温」と書かれた専用のブレーカーがあれば、室内のどこかに電気温水器が設置されている証拠です。ブレーカーの場所が特定できれば、その周辺の壁裏に設置されている可能性も考えられます。
賃貸の電気温水器のデメリットと電気代
賃貸物件で電気温水器を利用する際には、いくつかのデメリットと電気代に関する注意点を理解しておくことが大切です。
デメリット
- 湯切れのリスク:電気温水器はタンクに貯めたお湯を使うため、一度に大量のお湯を使用すると湯切れを起こします。お湯を使い切ると、再び沸き上がるまで数時間待つ必要があり、特に冬場は不便を感じることがあります。
- 電気代が割高になる可能性:エコキュートに比べ、ヒーターで直接加熱する電気温水器は消費電力が大きくなります。特に、日中に湯切れを起こして沸き増しをすると、割高な電気料金プランの時間帯に電力を消費するため、電気代が高騰する原因になります。
- 設置スペースによる圧迫感:前述の通り、室内に設置されている場合、収納スペースが狭くなったり、圧迫感を感じたりすることがあります。
電気代
電気温水器の電気代は、タンクの容量や家族の人数、ライフスタイルによって大きく変動しますが、一人暮らしの場合で月々4,000円~6,000円程度、ファミリー世帯ではそれ以上かかることも珍しくありません。
節約のポイントは、深夜電力プランを最大限に活用することです。沸き上げを夜間の安い時間帯に限定し、日中の沸き増しを極力避けることが最も効果的です。また、季節に応じてお湯の設定温度を少し下げる(夏場は低めにするなど)だけでも、保温にかかる電力を節約できます。
電気温水器があるかわからない時の解決策:総まとめ
ご自宅の給湯設備が電気温水器かどうかわからない場合の確認方法と注意点について解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 電気温水器は電気ヒーターでお湯を沸かす貯湯式の給湯器
- 火を使わず安全で静かだが湯切れのリスクがある
- 見分け方の基本はガス管と排気口の有無を確認すること
- ガス給湯器にはガス管と排気口があり、電気温水器にはない
- 電気温水器は大きな貯湯タンクが特徴
- 賃貸ではパイプシャフトや室内の収納に設置されていることが多い
- 給湯リモコンの「湯量」や「深夜電力」表示は電気式のサイン
- オール電化物件の給湯器は電気温水器かエコキュート
- エコキュートは室外機のようなヒートポンプユニットがある
- 電気温水器の寿命は一般的に10年~15年が目安
- 賃貸の電気温水器は日中の沸き増しで電気代が高くなる傾向
- 深夜電力をうまく活用することが節約の鍵
- 戸建ての場合は屋外や分電盤の確認も有効
- どうしても不明な場合は契約書類を確認するのが最も確実
- 管理会社や大家さんに問い合わせるのが最終的で確実な方法