電気工事のお悩み

電球をLEDに変えても大丈夫?交換時の注意点と電気代をプロが解説

「家の電球をLEDに変えても大丈夫だろうか?」と悩んでいませんか。

電気代の節約や長寿命というメリットは知っていても、交換が本当に簡単なのか、失敗しないか不安に思う方も多いでしょう。

白熱電球からLED電球に交換して大丈夫ですか、という疑問は、まさにそうした不安の表れです。

特に、今使っているLED電球ソケットがそのまま使えるのか、白熱電球からLEDに交換する際の注意点を具体的に知りたいという声は多く聞かれます。

また、LEDと白熱電球は互換性がありますか?という基本的な疑問や、LEDと白熱電球の違い、特に見た目や電気代がどれくらい変わるのかは、交換を決断する上で非常に気になる点です。

白熱電球からLED電球に交換する際のワット数の選び方を間違えると、思ったより暗かったり眩しすぎたりしますし、交換したのに、なぜつかないのかというトラブルも避けたいものです。

さらに、LED電球が使えない器具や、確認必須の口金のサイズ、使用している器具のタイプによって対応が異なるという複雑さも、交換をためらう一因かもしれません。

この記事では、普通の蛍光灯をLEDに変えることはできますか?という発展的な疑問も含め、LED電球への交換に関するあらゆる疑問を解消し、安全で確実な交換方法を詳しく解説していきます。

この記事のポイント

  • 白熱電球とLED電球の基本的な違い
  • 交換前に確認すべき口金や器具の注意点
  • LED電球が点灯しない時の主な原因
  • 蛍光灯からLEDへの交換に必要な対応

白熱電球からLEDに変えても大丈夫?基本と詳細を解説

白熱電球からLEDに変えても大丈夫?基本と詳細を解説

  • 白熱電球からLED電球に交換して大丈夫ですか?
  • LEDと白熱電球は互換性がありますか?
  • LEDと白熱電球の違いや見た目と性能
  • 白熱電球とLEDの電気代を比較
  • 白熱電球からLED電球に交換するワット数の選び方
  • LED電球ソケットはそのまま使える?

白熱電球からLED電球に交換して大丈夫ですか?

結論から言えば、多くの場合、適切なLED電球を選べば問題なく交換が可能です。そして、その交換には大きなメリットが伴います。

白熱電球からLED電球への交換が推奨される最大の理由は、「圧倒的な長寿命」「優れた省エネ性能」にあります。

LED電球の主なメリット

  • 長寿命: LED電球の寿命は一般的に約40,000時間とされています。これは白熱電球(約1,000~2,000時間)の約20倍から40倍にも相当します。1日に8時間点灯したとしても、単純計算で約13年以上も交換が不要になります。天井の高い場所や階段、交換が面倒な場所の照明ほど、このメリットは大きくなります。
  • 省エネ: 同じ明るさを出すために必要な消費電力が、白熱電球に比べて格段に少なくなります。これは電気代の節約に直結します。
  • 低発熱: 白熱電球がエネルギーの多くを熱に変えてしまうのに対し、LEDは発熱が少ないのが特徴です。これにより、夏場の冷房効率への影響を抑えたり、照明器具の近くが熱くなるのを防いだりできます。また、熱による火傷のリスクも低減されます。
  • 虫が寄り付きにくい: LED電球は、虫が好む紫外線や熱の放出が少ないため、玄関灯やベランダの照明に使用すると、虫が寄り付きにくくなる効果も期待できます。

ただし、メリットばかりではありません。デメリットとしては、白熱電球に比べてLED電球は本体価格がやや高い傾向にあることが挙げられます。

とはいえ、技術の進歩により価格は年々下がってきています。後述する電気代の節約効果を考えれば、初期費用は数ヶ月から1年程度で回収できるケースがほとんどです。

最も注意すべきは、使用している照明器具の種類によっては、そのまま交換できないケースや、対応するLED電球を選ばないと故障の原因になる場合がある点です。この点については、後のセクションで詳しく解説します。

LEDと白熱電球は互換性がありますか?

LEDと白熱電球は互換性がありますか?

「互換性があるか」という問いに対しては、「条件付きで互換性がある」というのが正確な答えになります。

まず、物理的な互換性についてです。電球の根元にある金属部分、いわゆる「口金(くちがね)」のサイズが同じであれば、ソケットに装着すること自体は可能です。例えば、ご家庭で最も一般的な白熱電球の口金が「E26」というサイズであれば、同じ「E26」サイズのLED電球を購入すれば、物理的には取り付けられます。

しかし、物理的に取り付けられることと、電気的に正常に動作することはイコールではありません。ここに「条件付き」である理由があります。

互換性がない(=非対応品を使うと危険な)主なケース

  • 調光機能付きの器具:
    壁のスイッチがダイヤル式やスライド式で明るさを調節できる器具です。これらの器具には、必ず「調光器対応」と明記されたLED電球が必要です。LEDは白熱電球と点灯の仕組みが異なり、専用の電子回路が必要です。非対応の電球を使うと、ちらつき、不点灯、異音、さらには電球や調光器自体の故障・発火につながる恐れがあります。
  • 密閉型器具:
    浴室や玄関灯、洗面所、天井埋め込みライトなど、カバーで電球が完全に覆われてしまう器具です。LED電球の電子回路は熱に非常に弱く、放熱設計が寿命を左右します。密閉空間では熱がこもり、非対応の電球では放熱が追いつかず、極端な短寿命や故障の原因となります。必ず「密閉型器具対応」の表示がある製品を選んでください。

これらの器具に非対応のLED電球を使用することは、性能が発揮できないだけでなく、重大な事故につながる可能性があるため、完全な互換性があるとは言えないのです。

LEDと白熱電球の違いや見た目と性能

LED電球と白熱電球は、光る仕組みが根本的に異なります。この違いが、見た目や性能のあらゆる差に直結しています。

白熱電球は、エジソンが発明した当初から基本的な仕組みは変わらず、内部の「フィラメント」という細い金属線(タングステンなど)に電気を流して高温に加熱し、その熱放射によって光を生み出します。

構造は単純ですが、エネルギーの多く(約90%)が熱に変わってしまい、光になるのはごく一部です。見た目は透明なガラス球が多く、中のフィラメントが光る様子が見え、オレンジがかった温かみのある光が特徴です。

一方、LED電球は「Light Emitting Diode(発光ダイオード)」という半導体が光る仕組みを利用しています。電気を流すと半導体そのものが発光するため、電気を直接光に変える効率が非常に高く、発熱が少ないのが特徴です。

見た目は、光を効率よく拡散させるために樹脂製の乳白色カバーで覆われているものが主流です。ただし、最近では白熱電球のノスタルジックな見た目を再現した「LEDフィラメント電球」も登場し、デザイン性を重視する場所でも選びやすくなっています。

性能や見た目の主な違いを以下の表にまとめます。

項目LED電球白熱電球
発光の仕組み半導体(発光ダイオード)フィラメント(金属線)の加熱
寿命非常に長い(約40,000時間)短い(約1,000~2,000時間)
消費電力非常に少ない(60W相当で約7~10W)多い(60W形で約54W)
発熱量少ない(素手で触れる程度)非常に多い(素手で触れず危険)
光の色の種類豊富(電球色、温白色、昼白色、昼光色など)主に電球色(オレンジ系)
応答性スイッチONで即点灯スイッチONで即点灯
演色性(Ra)製品による(Ra80以上が一般的)非常に高い(Ra100)

表にある「演色性(Ra)」とは、その光がどれだけ自然光に近い色の見え方を再現できるかを示す数値です。

100に近いほど高品質とされます。白熱電球はRa100と完璧ですが、最近のLEDも技術が進歩し、Ra80以上が一般的です。

特に、キッチンで食材の色を鮮やかに見せたい場合や、洗面所でメイクの仕上がりを確認したい場合は、Ra90以上の「高演色性」モデルを選ぶと、色の差異がほとんど感じられず、より満足度が高くなりますよ。

白熱電球とLEDの電気代を比較

白熱電球とLEDの電気代を比較

LED電球に交換する最大の動機の一つが、日々の電気代の削減です。白熱電球は光効率が悪く、消費電力が非常に大きいのが最大の欠点でした。

例えば、一般家庭でよく使われる「60W形」の白熱電球(実際の消費電力は約54W)を、それと同等の明るさを持つ「60W形相当」のLED電球(実際の消費電力は約7W~10W程度)に交換した場合を考えてみましょう。

仮に消費電力が8WのLED電球に交換したとします。白熱電球の消費電力54Wと比較すると、消費電力を約85%も削減できる計算になります。この差は、電気代に明確に表れます。

電気代の比較シミュレーション(電球1個あたり)

(条件:1日8時間、365日使用、電力料金目安単価31円/kWh(税込)で計算)

  • 白熱電球 (54W) の場合:
    0.054kW × 8時間 × 365日 × 31円/kWh = 年間約4,922円
  • LED電球 (8W) の場合:
    0.008kW × 8時間 × 365日 × 31円/kWh = 年間約724円

電球1個を交換するだけで、年間約4,198円もの節約が期待できることになります。

もし、家の中にある同じ電球を10個交換したと仮定すると、年間で約41,980円もの大幅な節約につながる可能性があるのです。

LED電球の本体価格は白熱電球(1個100~200円程度)より高く、1個1,000円~2,000円程度するかもしれません。

しかし、仮に価格差が1,000円あったとしても、上記のシミュレーション(年間節約額約4,198円)であれば、わずか3~4ヶ月程度で初期費用を回収できる計算になります。その後は、電球の寿命が尽きるまでの10年以上、ずっと電気代が節約され続けるのです。

白熱電球からLED電球に交換する際のワット数の選び方

白熱電球からLED電球に交換する際、最も陥りやすい間違いが「ワット数(W)」で明るさを選んでしまうことです。

白熱電球の時代は「60Wより100Wが明るい」というように、消費電力である「ワット(W)」が明るさの目安として機能していました。

しかし、前述の通りLED電球は非常に少ない消費電力(W)で明るく光るため、ワット数(W)は明るさの基準になりません。

LED電球の明るさの基準は「ルーメン(lm)」という国際的な単位で表されます。このルーメンの数値が大きいほど、明るい電球であることを示します。

交換で失敗しないためには、まず現在使用している白熱電球のワット数(例:60W)を確認してください。そして、LED電球のパッケージに書かれている「〇〇W形相当」という表記を目安に選ぶのが一番簡単です。

これは、従来の「〇〇W形の白熱電球」とほぼ同じ明るさですよ、という意味です。

より確実に明るさを選びたい場合は、以下のルーメンの目安を参考にしてください。

白熱電球のW数とLEDの明るさ(ルーメン)の目安

  • 40W形 相当485 lm 以上
  • 60W形 相当810 lm 以上
  • 100W形 相当1520 lm 以上

(出典:一般社団法人 日本照明工業会 ガイドライン)

例えば「60W形の白熱電球」から交換する場合は、「60W形相当」または「810lm以上」と記載されたLED電球を選べば、同等以上の明るさが得られます。

また、明るさ(lm)と同時に、光の色(色温度)も選ぶ必要があります。

リラックスしたい寝室には白熱電球に近い「電球色」、作業や勉強をする部屋には集中しやすい「昼光色」、リビングなど万能に使いたい場合は自然な「昼白色」など、部屋の用途に合わせて選ぶと、より快適な空間になります。

LED電球ソケットはそのまま使える?

LED電球ソケットはそのまま使える?

前述の通り、口金のサイズ(規格)が合っていれば、物理的にソケットはそのまま使用できます

日本の一般家庭で主に使用されている照明器具の口金サイズは、主に以下の2種類です。これらはJIS(日本産業規格)で定められています。

  • E26(イー26):
    直径が26mmの口金です。リビングの天井照明(シーリングライト)やダイニングのペンダントライト、フロアスタンドなど、家庭で最も一般的に使われているサイズです。
  • E17(イー17):
    直径が17mmの口金です。ダウンライト(天井埋め込み照明)やシャンデリア、小型のスタンドライト、玄関の照明などによく使われる、一回り小さいサイズです。

交換作業の前に、まずは必ず照明のスイッチを切り、安全を確認してから今ついている電球を取り外してください。

そして、電球の金属部分(口金)の直径を定規で測るか、電球本体に「E26」や「E17」といった型番が記載されていないか確認しましょう。同じサイズのLED電球を購入すれば、ソケットにねじ込んで取り付けること自体は可能です。

他にもE11(ハロゲン電球の代替)やE12(常夜灯や装飾電球)といったサイズもありますが、まずはご自宅の電球がE26かE17かを確認することが第一歩です。

ただし、これはあくまで「物理的に装着できる」という話に過ぎません。口金が合ったからといって、安心してはいけません。

ソケットが使えても、その照明器具が持つ機能(調光機能など)や設置環境(密閉されているなど)によっては、LED電球が正常に動作しないか、危険を伴う場合があります。

次の章で解説する「使えない器具」の確認こそが、LED交換で最も重要なステップとなります。

電球をLEDに変えても大丈夫?判断するための注意点

  • 白熱電球LED交換の注意点と口金のサイズ
  • 使用している器具のタイプとLED電球が使えない器具
  • 白熱電球からLED電球に交換したのになぜつかない?
  • 普通の蛍光灯をLEDに変えることはできますか?
  • 電球をLEDに変えても大丈夫か最終確認:まとめ

白熱電球LED交換の注意点と口金のサイズ

LED電球への交換を成功させるため、まず確認すべきは「口金のサイズ」です。

E26やE17が主流であることは述べましたが、この確認を怠ると、せっかく購入した電球が無駄になってしまいます。

口金サイズの確認方法は、いくつかあります。

  1. 電球本体の刻印を見る: 電球のガラス部分や口金付近に「E26」などの規格が小さく印字されている場合があります。
  2. 古い電球のパッケージを見る: もし交換前の電球の箱が残っていれば、そこに必ず記載されています。
  3. 定規で測る: 口金の直径を直接測るのが確実です。直径が約26mmならE26、約17mmならE17です。

一番確実で安心な方法は、(スイッチを切って安全に取り外した)古い電球をそのまま家電量販店やホームセンターに持って行き、店員さんに「これと同じ口金で、同じ明るさのLEDが欲しい」と伝えることです。これなら間違いがありません。

口金サイズと並んで重要なもう一つの注意点が、電球自体の物理的な大きさ(サイズ)と重量です。

LED電球は、内部に電子回路や放熱のためのヒートシンク(放熱板)を搭載しているため、同じ明るさの白熱電球よりもサイズが大きかったり、重かったりする場合があります。

特に以下のような器具では注意が必要です。

    • カバー付きの器具: 購入したLED電球がカバーにぶつかって収まらない。
    • ダウンライト: 器具の筒が細く、LED電球の根元の太い部分(放熱部)が干渉して奥まで入らない。

* シャンデリアや多灯器具: 一つ一つの重量増が全体として大きな負荷となり、古い器具が重さに耐えられない可能性。

購入前には、今使っている電球の全長や最大直径(一番太い部分)も測っておき、新しいLED電球が器具に物理的に収まるかを確認しておくと安心です。

使用している器具のタイプとLED電球が使えない器具

使用している器具のタイプとLED電球が使えない器具

ここがLED電球交換における最大の注意点であり、最もトラブルが多いポイントです。

LED電球は内部に精密な電子回路を搭載した「小さな家電」のようなものです。そのため、特定の機能を持つ照明器具や、熱がこもりやすい特殊な環境では、それ専用に設計された「対応」LED電球を選ばないと、正常に動作しないばかりか、火災などの重大な事故につながる危険性があります。

以下の器具に該当する場合は、必ずLED電球のパッケージに「対応」と記載された製品を選んでください。

調光機能付き器具

壁のスイッチがダイヤル式やスライド式になっていて、明るさを自由に調節できる器具です。これらの器具には、必ず「調光器対応」と明記されたLED電球が必要です。

非対応の電球を使用すると、ちらつき、異音、不点灯が発生するだけでなく、電球内部の回路や調光器本体の故障・破損の原因となり大変危険です。

また、注意点として、古い白熱電球用の調光スイッチの場合、「調光器対応」のLED電球を使っても、ちらつきが起きたり、明るさを最小にしても完全には暗くならなかったりする「相性問題」が発生することがあります。

この場合、快適に使用するにはスイッチ本体を「LED用調光器」に交換する電気工事が必要になることもあります。

密閉型器具

浴室や玄関灯、洗面台の照明、一部の天井照明(カバーで完全に覆われるタイプ)など、器具が密閉構造になっているものです。LED電球の電子部品は熱に非常に弱いです。

密閉された空間では熱がこもり、非対応の電球では設計通りの放熱ができず、LEDチップや電子回路が急速に劣化し、メーカーが保証する40,000時間といった寿命を待たずに、わずか数ヶ月で切れてしまう原因となります。

これらの器具には、必ず「密閉型器具対応」と書かれた、熱に強い設計の製品を選びましょう。

断熱材施工器具(Sマーク)

天井に埋め込まれたダウンライトの中には、省エネ対策として天井裏に敷き詰められた断熱材が、照明器具を覆うように施工されているタイプがあります。

これも密閉型器具と同様、あるいはそれ以上に熱がこもりやすい過酷な環境です。

これらの器具には、照明器具のフチや反射板に「SB」「SGI」「SG」いずれかの「Sマーク」が表示されています。このマークがある場合は、必ず「断熱材施工器具対応」(Sマーク対応)のLED電球を選ぶ必要があります。これは、一般社団法人 日本照明工業会(JLMA)によって定められた安全基準です。

非対応品の使用は絶対にNG!

これらの「調光」「密閉」「断熱材施工」器具に適合しないLED電球を使用することは、性能を十分に発揮できないだけでなく、過熱によるLEDの短寿命、器具の故障、最悪の場合は熱による変形や火災につながるリスクがあります。

安全のために、パッケージの表示を必ず、必ず確認してください。

白熱電球からLED電球に交換したのになぜつかない?

白熱電球からLED電球に交換したのになぜつかない?

正しく選んだはずのLED電球に交換したのに、「点灯しない」「チカチカとちらつく」といったトラブルが起こることがあります。

慌てずに、以下の原因を一つずつ確認してみてください。

LEDがつかない・ちらつく時の対策

  1. 接触不良(最も多い原因)
    【原因】: 電球がソケットの奥までしっかりとねじ込まれていない「接触不良」です。白熱電球より重さがあるため、緩みやすい場合もあります。
    【対策】: 必ず部屋の電源(スイッチ)を切り、電球が冷めていることを確認してから、もう一度電球をゆっくりと締め直してみてください。ただし、締めすぎはソケットや電球の破損の原因になるため、軽く抵抗を感じる程度で止めてください。
  2. 器具の不適合(次に多い原因)
    【原因】: 前述した「調光機能付き器具」に「非対応」のLED電球を取り付けた場合、点灯しないか、激しくちらつきます。
    【対策】: もう一度、その場所の照明器具が調光機能付きでないか、密閉型でないかを確認し、購入したLED電球のパッケージ表示と照らし合わせてください。
  3. 照明器具自体の経年劣化
    【原因】: 特に10年以上使用している古い照明器具の場合、電球が触れるソケット内部の金属部分が錆びたり、配線が劣化したりして接触不良を起こしている可能性があります。
    【対策】: この場合、電球を新しくしても問題は解決しません。安全のため、照明器具自体の修理や交換(電気工事業者による)を検討してください。
  4. LED電球の初期不良
    【原因】: まれに、LED電球自体の初期不良という可能性もあります。
    【対策】: もし他の場所(適合する器具)で正常に点灯する照明器具があれば、そこで点灯するか試してみてください。そこでも点灯しないようであれば、初期不良の可能性が高いため、購入した販売店やメーカーサポートに相談しましょう。

普通の蛍光灯をLEDに変えることはできますか?

普通の蛍光灯をLEDに変えることはできますか?

オフィスや学校、古い住宅のキッチンやリビングで使われている「直管形」の蛍光灯も、LEDに交換することが可能です。ただし、白熱電球の交換のように、単純にランプを入れ替えるだけでは済まないケースがほとんどで、重大な注意が必要です。

蛍光灯照明器具には、「安定器」という装置が必ず内蔵されています。これは蛍光灯を点灯させるために必要な高電圧を発生させたり、電流を安定させたりする重要な部品です。

蛍光灯をLED(直管形LEDランプ)に交換するには、この安定器の扱いに注意しなければなりません。

交換方法には、大きく分けて「工事不要タイプ」と「要工事タイプ」があります。

  • 工事不要タイプ: 既存の器具の点灯方式(グロー、ラピッド、インバータ)に合わせて設計されたLEDランプです。例えばグロー式なら、グロー球(点灯管)を外すだけで使えるものがあります。しかし、この方法では器具内の古い安定器は残ったままになります。安定器も電気を消費するため、LEDランプ自体の消費電力が低くても、期待したほどの節電効果が得られない場合があります。さらに、安定器自体が10年~15年で寿命を迎えると、たとえLEDランプが新しくても点灯しなくなり、最悪の場合は安定器の劣化による発熱や漏電のリスクも残ります。
  • 要工事タイプ(バイパス工事): 既存の安定器を取り外し、LEDランプに直接100Vの電源を接続する配線変更工事(バイパス工事)を行う方法です。安定器を経由しないため、LED本来の省エネ性能を最大限に発揮できます。しかし、この工事は非常に危険を伴います。

バイパス工事には「電気工事士」の資格が必須です

安定器を取り外したり、配線を変更したりする「バイパス工事」は、配線を間違えるとショートや感電、火災につながるため、法律(電気工事士法)で「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行ってはならないと厳しく定められています。無資格の人が作業を行うことは絶対にやめてください。

(参照:経済産業省「電気工事士等資格が必要な作業」

また、蛍光灯器具自体が古い場合、安全と将来的なコストを考慮すると、ランプだけを交換するのではなく、照明器具本体ごと最新のLED照明器具に交換することを強く推奨します。

その方が安全性も高く、トータルでの節電効果も高まります。

電球をLEDに変えても大丈夫か最終確認:まとめ

白熱電球からLED電球への交換は、正しい知識を持って行えば、電気代の節約と快適性の向上という大きなメリットをもたらします。

最後に、交換を成功させるための最終チェックリストとして、この記事の要点をまとめます。

  • LED電球は白熱電球より圧倒的に長寿命で省エネ
  • 電気代が大幅に節約でき長期的に見て経済的
  • 交換前に必ず元の電球の口金サイズ(E26やE17)を確認する
  • 口金が合えば物理的な交換は可能
  • 明るさの単位はワット(W)ではなくルーメン(lm)で比較する
  • パッケージの「〇〇W形相当」表記が明るさ選びの目安になる
  • 電球色や昼白色など部屋の用途に合わせて光の色を選ぶ
  • LED電球は熱に弱い電子機器であると認識する
  • 調光機能付き器具には必ず「調光器対応」のLED電球を使う
  • カバーで覆われた密閉型器具には「密閉型器具対応」を選ぶ
  • 天井のSマークがある断熱材施工器具には対応品が必須
  • 非対応品の使用はちらつき・短寿命・故障・火災の原因になる
  • 電球のサイズが大きく器具に収まらないことがあるため寸法確認も大切
  • 点灯しない原因は接触不良や器具の劣化も考えられる
  • 古い器具や蛍光灯の交換は専門業者に相談するのが安全
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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