こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。
ある日突然、リビングや寝室でくつろいでいる時に、天井の照明から「焦げ臭いプラスチックのようなにおい」が漂ってきたら、誰でもパニックになりますよね。
特にドウシシャ製のシーリングライト(またはルミナスブランド)をお使いの方で、カバーが茶色く変色していたり、明かりがチカチカと点滅したりといった症状に気づいた場合、「このまま使っていて火事にならないか?」「もしかしてリコール対象の不良品ではないか?」と、強い不安を感じることでしょう。
照明器具は毎日使うものだからこそ、少しの異変が命取りになることもあります。また、いざ確認しようと思っても「カバーの外し方が分からなくて中が見られない」「中に虫が溜まっているだけなのか、本当に焦げているのか見分けがつかない」といった相談もよく頂きます。
この記事では、現場経験に基づき、ドウシシャ製照明の不具合の見分け方から、万が一の際のリコール確認方法、そして安全を守るための具体的な対処手順までを網羅して解説します。
目次
ドウシシャのシーリングライトが焦げる原因とリコール
- ルミナスブランドのリコールや不具合情報
- 焦げ臭いにおいや発煙は直ちに使用中止
- 点滅やチカチカする光は故障のサイン
- 電気がつかないのは基板寿命の可能性
- シーリングライトの寿命と交換すべき症状
- 蛍光灯タイプは不適合な部材で過熱も
ルミナスブランドのリコールや不具合情報
皆さんが現在お使いの「ドウシシャ」製のシーリングライトですが、量販店などでは「Luminous(ルミナス)」というブランド名で広く販売されています。
実は、このルミナスブランドのLEDシーリングライトにおいては、過去にいくつかの不具合やリコールに近い自主回収、無償交換のお知らせが出されています。この事実を正しく知っておくことが、安全確認の第一歩です。
特に問い合わせが多いのが、2018年から2019年頃に製造された一部のモデル(型番:WB50-Tシリーズなど)で発生した「カバーが茶色く変色する」という現象です。
ユーザーから見れば「内部が焦げているのではないか?」と恐怖を感じる症状ですが、メーカーの調査によると、これはLEDチップの熱によってカバーの材質が変色したものであり、基板そのものが焦げているわけではない(発火の危険性はない)との報告も出ています。
しかし、照度が落ちるなどの不具合があるため、交換対応の対象となっています。
一方で、それよりも古いモデルや、特定の製造ロットにおいては、内部の電源基板にあるハンダ付け部分に経年劣化による亀裂(クラック)が入り、そこからスパーク(火花)が発生して基板が炭化する、いわゆる本当の意味で「焦げる」事例もゼロではありません。
ハンダ割れによる接触不良は、通電するたびに高熱を発し、最悪の場合は発煙に至ります。ご自宅の照明が単なる変色なのか、危険な焦げなのかを判断するためには、必ずメーカーの公式サイトで型番を照合する必要があります。
ここがポイント
「茶色いシミ=即火事」とは限りませんが、素人判断は禁物です。型番を確認し、対象モデルであればメーカーが無償で交換してくれるケースが多いため、まずは確認作業を行いましょう。
焦げ臭いにおいや発煙は直ちに使用中止
もし今、お使いの照明器具から「鼻をつくような焦げ臭いにおい(電線やプラスチックが溶けたにおい)」がしたり、本体からうっすらと「白い煙」が立ち上っていたりする場合、それは一刻を争う緊急事態です。直ちに壁のスイッチを切り、使用を中止してください。
なぜ「様子を見る」のが危険なのか、技術的な視点でお話しします。照明器具内部で焦げが発生している場合、絶縁体(電気を通さない部分)が熱で炭化し、「炭化導電路」という電気の通り道ができてしまっている可能性があります。
炭(炭素)は電気を通す性質があるため、スイッチを入れるたびに本来流れるべきでない場所に電流が流れ、さらなる発熱を引き起こすのです。これを「トラッキング現象」に近い状態で、加速度的に熱暴走が進んでいきます。
「一度消して、冷やせばまた使えるかも」という考えは非常に危険です。冷えても炭化した部分は元に戻らないため、再度通電した瞬間に発火するリスクがあります。においや煙は、照明器具が「もう限界だ」と悲鳴を上げているサインだと認識してください。
緊急時の対応
煙が出ているレベルであれば、壁のスイッチを切るだけでは不十分な場合があります。配線自体が過熱している恐れもあるため、可能であれば分電盤の「照明回路」のブレーカーを落とすのが最も安全確実な処置です。
点滅やチカチカする光は故障のサイン
「完全に焦げるまではいかないけれど、最近明かりがチカチカする」「スイッチを入れても一瞬つかない時がある」といった症状はありませんか?これらは、照明器具が完全に故障して発煙・発火する前の「前兆サイン」である可能性が高いです。
LEDシーリングライトは、昔の蛍光灯のように「球切れ」でチカチカ点滅することは構造上ほとんどありません。LEDチップ自体は半永久的に光り続けます。
では何が点滅しているのかというと、家庭用の100Vの電気をLED用に変換して流している「電源基板」の制御がうまくいっていないのです。
特に多いのが、基板上の「電解コンデンサ」という部品の寿命です。コンデンサは電気を安定させるダムのような役割をしていますが、長年使っていると内部の電解液が蒸発して容量が抜けてしまいます(ドライアップ)。
こうなると、LEDに送られる電流が波打つように不安定になり、人間の目には「チカチカ」や「フリッカー(ちらつき)」として映ります。
この状態を放置して使い続けると、コンデンサ以外の部品に過大な負荷がかかり、異常発熱して基板が焦げる原因になります。「チカチカしたら、もう寿命」と割り切って交換を検討してください。
電気がつかないのは基板寿命の可能性
「スイッチを入れても全く反応しない」「常夜灯(豆電球)だけはつくけれど、メインの全灯がつかない」というトラブルもよく耳にします。リモコンの電池を新品に変えても改善しない場合、ほぼ間違いなく本体内部の基板が寿命を迎えて壊れています。
LEDシーリングライトの構造は、精密機器に近いものです。パソコンやテレビの基板が壊れるのと同じように、照明器具の基板も熱や湿気、経年劣化で突然死します。
特に、常夜灯はつくのにメインがつかない場合は、メインのLED回路に大電流を流すための部品(FETやダイオードなど)がショートして破損しているケースが多いです。
この状態で「接触が悪いだけかな?」と何度もスイッチをカチカチ入れたり切ったりするのは避けてください。
ショートしている回路に無理やり電気を流そうとすることになり、破損した部品が過熱して、最悪の場合は発煙につながる恐れがあります。つかなくなったLED照明は、修理ではなく「廃棄・交換」の対象となります。
シーリングライトの寿命と交換すべき症状
照明器具は「一度買えば一生使えるもの」ではありません。
実は、安全に使用できる期間(寿命)が明確に定められていることをご存知でしょうか。一般社団法人日本照明工業会のガイドラインでは、外観に異常がなくても設置から10年を点検・交換の適正時期としています。
10年という数字には理由があります。照明器具内部の絶縁材(電気を漏らさないための材料)や樹脂部品は、点灯時の熱によって徐々に硬化し、もろくなっていきます。8年〜10年経過すると、この劣化スピードが加速し、絶縁不良による漏電や発煙のリスクが統計的に高まるのです。
| 使用年数 | 内部の状態 | 推奨されるアクション |
|---|---|---|
| 〜5年 | 初期不良または偶発的な故障 | メーカー保証やリコールの対象か確認 |
| 8年〜 | 内部部品の熱劣化が確実に進行 | 不具合がなくても買い替えの検討時期 |
| 10年〜 | 絶縁劣化による発煙リスク増大 | 外観がきれいでも即時の交換を強く推奨 |
もし、カバー(セード)を外して見た時に、白いプラスチック部分が黄色く変色していたり、茶色い焦げ跡のようなシミがあったりする場合、それは内部温度が異常に高くなっている証拠です。
たとえ10年経っていなくても、こうした目視できる劣化サインがあれば、即座に使用を中止して交換すべきタイミングと言えます。
(出典:一般社団法人 日本照明工業会『照明器具の耐用年数』)
蛍光灯タイプは不適合な部材で過熱も
現在販売されているものはほとんどがLED一体型ですが、もしこの記事を読んでいるあなたが、まだ古い「丸形蛍光灯」を使用するタイプのドウシシャ製シーリングライトを使っているなら、さらに注意が必要です。
蛍光灯タイプで焦げ臭い原因として多いのが、「適合しない点灯管(グロースタータ)や蛍光ランプの使用」です。
照明器具にはそれぞれ適合するワット数や点灯方式が決まっていますが、無理やり規格の合わないランプを取り付けると、「安定器」という重たい部品に過剰な電流が流れ、異常過熱を起こします。古い安定器は、内部の絶縁油が劣化していることもあり、過熱すると非常に強い異臭を放ち、発煙します。
また、蛍光灯器具に工事不要タイプの「LED蛍光灯(直管・丸形)」を取り付けている場合も要注意です。既存の安定器を経由して通電するタイプの場合、安定器が老朽化しているとそこから発火する事故が多発しています。
蛍光灯器具が焦げ臭い場合は、管を変えるのではなく、器具ごとLEDシーリングライトへ交換することを強くお勧めします。
ドウシシャのシーリングライトが焦げる時の対処法
- カバーの外し方と中身の確認方法
- 内部に溜まった虫やホコリの除去
- 天井の引掛シーリングに異常がないか確認
- 修理は高額!安全な新品への買い替え
カバーの外し方と中身の確認方法
型番を確認したり、内部の焦げ跡をチェックしたりするためには、まずカバー(セード)を外さなければなりません。「回しても外れない!」「固くて動かない」という相談は非常に多いのですが、ドウシシャ(ルミナス)製の多くは一般的な「回転式(ターン方式)」を採用しています。
正しい外し方の手順は以下の通りです。
冷却時間を置く
点灯直後は高温になっている可能性があるため、消灯して10分〜20分待ちます。
カバーを支える
両手でカバーの下部をしっかり支え、軽く天井方向へ押し上げます。
反時計回りに回す
押し上げた状態のまま、左回り(反時計回り)にゆっくりと回します。
ロック解除
「カチッ」という感触や音がしてロックが外れたら、そのまま真下に下ろして外します。
どうしても外れない場合
長期間設置していると、カバーと本体の間のスポンジパッキンが熱と圧力で天井や本体に固着(貼り付き)していることがあります。
その場合は、無理やり回そうとせず、カバーの縁を小刻みに揺すってパッキンを剥がすように動かしてから回してみてください。
内部に溜まった虫やホコリの除去
意を決してカバーを外してみたら、「本体が焦げているのではなく、茶色い粉のようなものが溜まっていただけだった」というケースもあります。
これは、照明の光に集まった小さな虫の死骸や、静電気で吸い寄せられたホコリが、LEDや蛍光灯の熱で焼けた残骸である可能性が高いです。
特にキッチンに近いダイニングや、換気をあまりしない部屋では、空気中の油分を含んだホコリが器具の内部に入り込みます。これが光源(LEDチップ周辺)に付着して熱を持つと、焦げ臭いにおいを発生させることがあります。いわゆる「トラッキング現象」の予備軍です。
この場合、本体のプラスチックや基板自体に変形・変色がなければ、丁寧に掃除をすることで使い続けられる可能性があります。
掃除機で大きなゴミを吸い取り、固く絞った雑巾で汚れを拭き取ってください。ただし、基板の電子部品に直接触れたり、水気を残したりするのは厳禁です。掃除してもにおいが取れない場合や、基板そのものが黒ずんでいる場合は、寿命と判断して使用を中止してください。
天井の引掛シーリングに異常がないか確認
これはプロとして最も注意喚起したいポイントです。照明器具本体だけでなく、それを固定している天井側の部品、「引掛シーリング(またはローゼット)」の状態を必ず確認してください。
危険なサイン
引掛シーリングの白いプラスチック部分が茶色く焦げていたり、ひび割れていたりしませんか?電線の差し込み口付近が黒ずんでいませんか?
もし天井側の器具が焦げている場合、それは照明器具の重みや振動、取り付け不備によって「接触不良」が起き、アーク放電が発生していた証拠です。
ここが焦げている状態で、新しいシーリングライトを買ってきて取り付けても、根本的な原因(天井側の接触不良)が解決していないため、またすぐに焦げてしまいます。最悪の場合、天井裏の配線から火災になるリスクがあります。
天井側の配線器具(引掛シーリング)の交換は、「電気工事士」の資格を持つプロでなければ行えません。
DIYでの交換は法律で禁止されており、火災保険も下りなくなる可能性があります。焦げを見つけたら、絶対にご自身で触らず、すぐにお近くの電気工事店やリフォーム会社へ修理を依頼してください。
修理は高額!安全な新品への買い替え
リコール対象であればメーカーが無償で対応してくれますが、それ以外の「経年劣化」や「保証切れの故障」の場合、修理に出すべきか迷う方もいるでしょう。しかし、私の経験上、「修理よりも買い替え」が圧倒的に正解です。
その理由は「コスト」と「性能」の2点にあります。
コスト面
照明器具の出張修理や基板交換を依頼すると、技術料や部品代で1万円〜2万円近くかかることが一般的です。一方、現在のLEDシーリングライトは、6畳〜8畳用なら5,000円〜1万円程度で新品が購入できます。修理する方が高くつくケースがほとんどです。
性能面
照明技術の進化は目覚ましく、10年前の機種と最新機種では「省エネ性能(発光効率)」や「演色性(色の見え方)」が段違いです。
最新のモデルは電気代が安くなるだけでなく、文字が読みやすい光や、リラックスできる暖色系の光に切り替えられるなど、生活の質を上げる機能が充実しています。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、安全と快適さを買うと考えて、最新のLEDシーリングライトへの買い替えを強くおすすめします。
まとめ:ドウシシャのシーリングライトが焦げる際の対応
ドウシシャ(ルミナス)のシーリングライトから焦げ臭いにおいがしたり、変色が見られたりする場合は、火災という最悪の事態を防ぐために、冷静かつ迅速に対応することが求められます。
- まずは壁のスイッチを切り、煙が出ている場合はブレーカーを落として完全に通電を断つ。
- カバーを外して型番を確認し、メーカー公式サイトでリコール対象かどうかを検索する。
- リコール対象外で焦げている場合、または設置から10年以上経過している場合は、寿命と割り切り新品へ買い替える。
- 本体だけでなく天井側の「引掛シーリング」も確認し、焦げがある場合は電気工事士へ修理を依頼する。
「もしかして焦げてる?」という違和感は、決して気のせいではありません。
その直感が、あなたと大切な家族の安全を守ります。不安な場合は無理に使用を続けず、新しい安全な照明への交換を検討しましょう。それが、最も確実で安心できる解決策です。