エコキュート・給湯器

パナソニックエコキュートのエラー解除方法|コード別対処法【完全ガイド】

パナソニック製エコキュートのリモコンに、突然見慣れないエラーコードが表示されてお困りではないでしょうか。

パナソニックエコキュートのエラー解除はご自身でできる場合もありますが、故障エラーコードの種類によっては専門家による修理が必要になります。例えば、パナソニックエコキュートのエラーコードf15や、エラーコードf19、エラーコードh78などが表示された場合、その原因を正しく理解し、適切なエラー別対処方法を知ることが大切です。

この記事では、エラーコード一覧を交えながら、f24やh54、h59、h88の解除方法、そしてパナソニックエコキュートのリセット方法や再起動の手順を解説します。また、パナソニックエコキュートのエラーコードf17のような緊急性の高い表示が出た際に、修理するか交換するか迷ったらどう判断すべきか、保証期間や交換目安・交換時期のチェックポイント3選、気になる修理費用・相場・価格についても詳しくご紹介します。

ポイント

  • エラー表示の原因と自分でできる対処法の範囲
  • リセットで解決しない場合の修理・交換の判断基準
  • 主要なエラーコードが示す具体的な不具合内容
  • 修理費用の相場とメーカー保証期間に関する知識

パナソニックのエコキュートでのエラー解除の前に知るべき原因

パナソニックのエコキュートでのエラー解除の前に知るべき原因

  • パナソニック エコキュート故障エラーコードの原因
  • 自分で対応できるエラーコード一覧
  • パナソニック エコキュートのリセット方法・再起動
  • f24・h54・h59・h88の解除方法
  • エラーコードf15とf17のエラー別対処方法
  • エラーコードf19とh78が出た場合の対処法

エコキュートの故障やエラーコードの原因

パナソニック製エコキュートにエラーコードが表示される主な原因は、一つではありません。長年の使用による部品の経年劣化が最も一般的な原因として考えられますが、それ以外にも様々な要因が考えられます。

例えば、エコキュート本体の老朽化です。設計上の耐用年数である10年を超えて使用している場合、内部の様々な部品が寿命を迎え、エラーが表示されやすくなります。また、意外に見落としがちなのが、設置時の施工ミスです。配管の接続不良などが原因で、後からエラーとして現れるケースもあります。

さらに、エコキュート本体ではなく、周辺環境が原因でエラーが発生することもあります。代表的な例としては、冬場の配管凍結や、地域一帯での断水が挙げられます。操作ミスや設定の変更、お住まいの地域の水道圧が低いことなども、エラー表示につながる可能性があります。浴槽の栓の閉め忘れといった、日常のささいなうっかりミスが原因となることもあるため、エラーが表示された際はまず落ち着いて、機器周りの状況を確認することが大切です。

自分で対応できるエラーコード一覧

パナソニックのエコキュートでエラーが表示された際、すべてのケースで専門業者による修理が必要なわけではありません。エラーコードの頭文字が「U」で始まるものは、利用者自身で対処できる可能性が高いエラーです。

これらのエラーは、一時的な不具合や、簡単な操作ミスに起因することがほとんどです。例えば、浴槽の栓の閉め忘れや断水、設定湯量の問題などが考えられます。リモコンに表示された指示に従って操作するか、これから紹介する簡単な対処法を試すことで、エラーが解消される場合があります。

以下に、代表的な「U」から始まるエラーコードと、その対処法をまとめました。

エラーコード 内容・原因 主な対処法
U22 断水検知 給水元栓が開いているか確認します。断水の場合は復旧を待ち、再度「ふろ自動」を押してください。配管が凍結している可能性もあります。
U51 浴そう栓忘れ検知 浴槽の栓を閉めてから、再度「ふろ自動」を押してください。
U53 浴そう満水検知 浴槽からお湯があふれている状態です。ふろの設定湯量を少なく調整してください。
U54 初回残水検知 試運転時などに浴槽に水が残っていると表示されます。浴槽を空にして栓をし、再度「ふろ自動」で基準水位を設定してください。

これらの対処を行ってもエラーが解消されない場合は、他の原因が考えられるため、専門業者への相談を検討しましょう。

エコキュートのリセット方法・再起動

エラーコードが表示された際、原因が一時的な通信異常や軽微なシステムエラーである場合、エコキュート本体をリセット(再起動)することで症状が改善されることがあります。業者に連絡する前に、一度試してみる価値のある方法です。

パナソニック製エコキュートのリセット方法は、以下の手順で行います。

  1. まず、エコキュートの貯湯タンクユニットの側面や下部にあるカバーを開け、漏電遮断器を見つけます。
  2. 漏電遮断器のスイッチを「切」または「OFF」にします。
  3. そのままの状態で、1分から3分程度待ちます。この時間で、内部のシステムが完全にリセットされます。
  4. 時間が経過したら、漏電遮断器のスイッチを「入」または「ON」に戻します。

この操作でエコキュートが再起動し、エラー表示が消えていれば問題ありません。

ただし、このリセット操作は、エラーが出ている機器に一時的に負荷をかける行為でもあります。一度試してエラーが解消されない場合に、何度も繰り返し行うことは避けてください。頻繁なリセットは、基盤などの重要な部品にダメージを与え、かえって故障を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

f24・h54・h59・h88の解除方法

エラーコードの頭文字が「F」や「H」で始まる場合、部品の故障やシステム上の深刻な不具合を示していることが多く、専門的な知識を持つ業者による点検や修理が必要となります。ここでは、代表的な「F」および「H」から始まるエラーコードについて解説します。

F24:ヒートポンプの不具合

このエラーは、お湯を沸かす心臓部であるヒートポンプユニットに関連する異常を示しています。冷媒漏れや沸き上げポンプの故障、基盤の不具合など、複数の原因が考えられます。このエラーが表示されるとお湯の沸き上げができなくなるため、早急な対処が必要です。

H54:三方弁の異常

貯湯タンク内のお湯や水を適切に切り替える「三方弁」という部品の不具合を示しています。この弁が故障すると、お湯と水が混ざってぬるくなったり、設定通りの湯はりができなくなったりします。

H59:給湯混合弁の異常

お湯と水を混ぜて設定した温度で出湯するための「給湯混合弁」に問題があることを示しています。このエラーが出ると、お湯の温度が不安定になり、熱すぎたりぬるすぎたりする症状が現れます。

H88:追いだき系の異常

お風呂のお湯を温め直す「追いだき」機能に関する異常です。追いだき用のポンプや熱交換器の不具合が考えられます。

これらのエラーが表示された場合、前述のリセット操作で一時的に表示が消えることもありますが、根本的な原因が解決されたわけではありません。不具合を放置すると他の部品にも影響を及ぼす可能性があるため、速やかに専門業者に連絡し、点検を依頼しましょう。

エラーコードf15とf17のエラー別対処方法

「F15」と「F17」は、放置するとエコキュートの重大な故障につながる可能性があるエラーコードです。これらの表示が出た場合は、迅速な対応が求められます。

F15:ファンロック異常

「F15」は、ヒートポンプユニットのファンモーターに異常があることを示しています。ファンは、空気中の熱を取り込むために不可欠な部品です。このファンが、ゴミや枯れ葉などの異物が挟まる、あるいはモーター自体の故障によって回転できない状態になると、このエラーが表示されます。

ファンがロックされるとお湯を効率的に沸かすことができなくなります。ご自身でファン周辺の異物を取り除くことで解消する場合もありますが、モーターの故障や内部の基盤に問題がある場合は、専門家による修理が必要です。

F17:漏水検知

「F17」は、エコキュート本体の内部で水漏れを検知した際に表示される、緊急性の高いエラーです。配管や接続部品の劣化・損傷が原因で水漏れが発生している可能性が考えられます。

このエラーが表示された場合は、まずエコキュートの給水元栓を閉じて、水の供給を止める応急処置を行ってください。水漏れを放置すると、内部の電子基板がショートしてしまい、修理費用が高額になったり、最悪の場合はエコキュート本体の交換が必要になったりする恐れがあります。漏水センサー自体の故障という可能性もゼロではありませんが、いずれにしても速やかに専門業者に連絡し、点検を依頼することが不可欠です。

エラーコードf19とh78が出た場合の対処法

「F19」と「H78」も、専門家による点検が必要なエラーコードです。それぞれの内容と対処法を理解しておきましょう。

F19:出湯温度の異常

「F19」は、エコキュートから出てくるお湯の温度に異常があることを示しています。これは、お湯の温度を感知する「出湯サーミスタ」というセンサーの故障や、ヒートポンプ内の配管の詰まり、混合弁の不具合など、複数の原因によって引き起こされます。

特に冬場には、配管が凍結することによってこのエラーが表示されることもあります。設定温度よりも明らかに熱いお湯が出たり、逆にぬるいお湯しか出なかったりする危険な状態のため、使用を中止してください。一時的なエラーであればリセットで解消することもありますが、症状が改善しない場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。

H78:ふろポンプの異常

「H78」は、浴槽へお湯を張ったり、追いだきをしたりする際に使用する「ふろポンプ」の異常を知らせるエラーです。ポンプの故障や、ポンプを制御する電気系統の不具合、あるいは配管内に空気が混入していることなどが原因として考えられます。

このエラーが表示されると、お湯はりができない、または追いだきが機能しないといった症状が現れます。リセット操作で復旧することもありますが、ポンプから異音がする場合や、エラーが頻発するようであれば、ポンプ本体の交換が必要になる可能性が高いです。無理に使い続けず、専門業者に相談することをおすすめします。

パナソニックのエコキュートでのエラーが解除できない時の対処法

パナソニックのエコキュートでのエラーが解除できない時の対処法

  • 修理するか交換するか迷ったら
  • 交換目安・交換時期のチェックポイント3選
  • 修理依頼の前に確認したい保証期間
  • 気になる修理費用・相場・価格の目安

修理するか交換するか迷ったら

エラーが頻繁に表示されたり、専門業者による修理が必要になったりした場合、「修理して使い続ける」か「新しい製品に交換する」かの判断は非常に悩ましい問題です。どちらを選ぶべきか判断に迷った際は、いくつかの要素を総合的に考慮することが大切です。

まず最も重要な判断基準となるのが、使用年数です。エコキュートの設計上の耐用年数は、一般的に10年~15年とされています。もしお使いの製品が10年近く経過しているのであれば、たとえ一箇所を修理しても、次々と他の部品が寿命を迎え、修理を繰り返すことになる可能性があります。この場合は、長期的な視点で見ると交換の方が経済的であるケースが多いでしょう。

次に、修理にかかる費用も大きな判断材料です。簡単な部品交換であれば数万円で済むこともありますが、ヒートポンプユニットや電子基板といった中心的な部品の修理には10万円以上の高額な費用がかかることもあります。見積もり金額が高額になるようであれば、最新の省エネ性能が高い機種に交換した方が、将来的な光熱費の削減にもつながり、メリットが大きいと考えられます。

交換目安・交換時期のチェックポイント3選

エコキュートが寿命に近づくと、エラーコードの表示以外にも様々なサインが現れます。完全に故障してお湯が使えなくなる前に、交換を検討すべき兆候を見逃さないようにしましょう。ここでは、代表的な3つのチェックポイントをご紹介します。

エラーが頻繁に発生するようになった

以前は見られなかったエラーが、短期間のうちに何度も表示されるようになった場合は注意が必要です。リセットで一時的に解消されたとしても、内部の部品が劣化しているサインである可能性が高いです。特定の部品の寿命が近づいていることを示唆しています。

お湯の温度が不安定、またはお湯の出が悪い

「設定温度よりも熱いお湯やぬるいお湯が出てくる」「シャワーの水圧が以前より弱くなった」といった症状も、交換を検討する目安の一つです。これは、温度を調節する混合弁や、内部の配管に問題が生じている可能性があります。

本体から異音や水漏れが見られる

運転中に以前は聞こえなかった「ブーン」という低い音や、「キーン」という甲高い音が聞こえるようになった場合、ヒートポンプのコンプレッサーやファンモーターが劣化しているサインかもしれません。また、貯湯タンクユニットの周辺が常に濡れている、配管の接続部から水が漏れているといった症状は、内部のパッキンの劣化やタンク自体の腐食が考えられるため、早急な対応が必要です。

これらの症状が一つでも見られる場合は、専門業者に点検を依頼し、交換も視野に入れた相談をすることをおすすめします。

修理依頼の前に確認したい保証期間

エコキュートの修理を依頼する前に、必ず確認しておきたいのがメーカーの保証期間です。保証期間内であれば、無償で修理を受けられる可能性があります。

パナソニックが提供しているエコキュートの無償保証期間は、購入日から起算して以下の通りです。

対象部品 保証期間
本体 1年間
冷媒回路(ヒートポンプユニット) 3年間
貯湯タンク(缶体) 5年間

お使いのエコキュートが上記の保証期間内である場合は、まずは購入した販売店や、パナソニックの修理相談窓口に連絡しましょう。保証期間を過ぎている場合は有償での修理となりますが、販売店によっては独自の延長保証サービスを提供していることもありますので、購入時の書類などを確認してみてください。

保証期間が過ぎており、有償での修理となる場合は、メーカーのサービスに依頼するだけでなく、地元の信頼できる給湯器専門業者に相談するのも一つの選択肢です。専門業者は、メーカーに比べて迅速に対応してくれたり、費用を抑えられたりする場合があるため、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

気になる修理費用・相場・価格の目安

エコキュートの修理費用は、故障した箇所や交換する部品によって大きく異なります。保証期間が過ぎてしまった場合に備えて、おおよその費用相場を把握しておくと、いざという時に落ち着いて対応できます。

一般的に、パッキンや弁といった消耗品の交換であれば、2万円~6万円程度が相場です。しかし、エコキュートの心臓部であるヒートポンプユニットの基盤やコンプレッサー、あるいは貯湯タンクの基盤といった精密部品の交換が必要になると、費用は高額になる傾向があります。

以下に、パナソニックが公表している修理費用の目安を一部ご紹介します。

症状・エラーコード 想定される作業内容 修理目安金額(税込)
H59(給湯混合弁異常) 混合弁、温度センサー等の交換 20,000円~40,000円
H76(リモコン通信異常) リモコン、ケーブル、基盤等の点検・交換 36,000円程度
H90(ユニット間通信異常) 貯湯ユニットまたはヒートポンプユニットの基盤交換 36,000円程度
F14(圧縮機ロック) 基盤、ヒートポンプユニット、冷媒回路等の交換 36,000円~109,000円
F19(出湯温度異常) ヒートポンプ配管点検、サーミスタ・冷媒回路交換 91,000円程度

上記はあくまで一例であり、実際の費用は出張費や技術料などによって変動します。修理を依頼する際は、必ず事前に詳細な見積もりを取り、作業内容と金額に納得してから契約するようにしましょう。見積もり金額が10万円を超えるような場合は、前述の通り、新品への交換も視野に入れて検討するのが賢明です。

総まとめ:パナソニック エコキュートでのエラー解除の方法

この記事で解説した、パナソニック製エコキュートのエラー解除に関する重要なポイントを以下にまとめます。

  • エラーの原因は経年劣化や設置ミス、外部要因など多岐にわたる
  • Uから始まるエラーコードは自分で対処できる可能性がある
  • FやHから始まるエラーコードは専門家による点検・修理が必要
  • エラーが出たらまずは落ち着いてリセット(再起動)を試す
  • リセットを何度も繰り返すのは機器に負荷をかけるため避ける
  • F15(ファンロック)は異物除去で直ることもあるが基本は要点検
  • F17(漏水検知)は緊急性が高く、まず給水元栓を閉める
  • F19(出湯温度異常)は火傷の危険があるため使用を中止する
  • H78(ふろポンプ異常)はお湯はりや追いだきができなくなる
  • 使用年数が10年近い場合は修理より交換が経済的なことがある
  • エラー頻発や異音、水漏れは交換を検討するサイン
  • 修理前には必ずメーカーの保証期間を確認する
  • パナソニックの保証は本体1年、冷媒回路3年、タンク5年が基本
  • 修理費用が高額になる場合は最新機種への交換も視野に入れる
  • 修理を依頼する際は必ず事前に詳細な見積もりを取る
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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