突然、日立製エコキュートのリモコンに見慣れないエラー表示が出て、お困りではないでしょうか。
日立エコキュートのエラー解除はご自身でできる場合もありますが、エラーの原因や理由・対処法が分からず慌ててしまいますよね。この記事では、日立エコキュートのエラーコード一覧を参考に、基本的な解除方法や、リセット・再起動の手順ややり方を解説します。
例えば、エラーc23、エラー15、エラー14といった表示から、エラー24やエラー12、そして専門的な対応が必要になる日立エコキュートのエラー31やエラー32まで、幅広くカバーします。
さらに、エコキュートが壊れる前兆は何か、修理か交換か迷ったらどう判断すべきかについても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
日立エコキュートのエラー解除前に知るべき原因と表示
- リモコンのエラー表示とコードの見方
- 日立エコキュートのエラーコード一覧
- エラーの原因や理由・対処法
- エラー表示の基本的な解除方法
- リセット・再起動の手順ややり方
リモコンのエラー表示とコードの見方
日立製エコキュートに何らかの不具合が発生すると、台所や浴室にあるリモコンの液晶画面にエラーコードが表示されます。エラーコードは、アルファベットと数字の組み合わせで構成されており、不具合の内容を知らせる重要なサインです。
アルファベットは、主に故障している箇所の区分を示しています。これを把握しておくだけでも、問題がどこで起きているのかを大まかに推測することが可能です。
エラーコードの頭文字 | 主な故障箇所の区分 |
Er |
貯湯ユニット関連の異常 |
HE |
ヒートポンプユニット関連の異常 |
C- |
その他の異常(配管関係など) |
このように、エラーコードの最初の文字を見ることで、お湯を貯めるタンク側に問題があるのか、お湯を沸かす室外機側に問題があるのかを判断する一つの目安になります。
日立エコキュートのエラーコード一覧
日立エコキュートのエラーコードは、非常に多くの種類が存在します。ご自宅のエコキュートの取扱説明書にも主要なエラーコードが記載されていますが、すべてが網羅されているわけではありません。
エラーコードが表示された場合、まずはそのコードが何を意味しているのかを確認することが対処の第一歩となります。専門業者に連絡する際にも、表示されているエラーコードを正確に伝えることで、その後の対応がスムーズに進みます。この記事では、数あるエラーコードの中から、特に発生頻度の高いものや、ご自身で対処できる可能性のあるものを中心に解説していきます。
エラーの原因や理由・対処法
エコキュートのエラーが表示される原因は、大きく分けて2つのパターンに分類されます。
一つ目は、機器の故障ではなく、一時的な状況や簡単な操作ミスが原因のケースです。例えば、「浴槽の排水栓の閉め忘れ」や「フィルターの目詰まり」、「断水」といった、利用者側で対処できるものがこれにあたります。このような場合は、原因を取り除くことでエラーが解消され、再び正常に使えるようになることがほとんどです。
二つ目は、エコキュート本体の部品の劣化や故障が原因のケースです。センサーの異常や基盤の不具合、ポンプの故障などが考えられます。この場合は、専門的な知識と技術を持った業者による点検や部品交換が必要不可欠です。無理にご自身で対処しようとすると、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあるため注意しましょう。
エラー表示の基本的な解除方法
ご自身で対処できるエラーの原因を取り除いた後や、一時的なエラー表示を消したい場合には、リモコン操作による解除を試みます。日立エコキュートの基本的なエラー解除方法は、非常に簡単です。
台所リモコンまたは浴室リモコンにある「メニュー」ボタンを3秒以上長押ししてください。
この操作を行うと、リモコン画面に表示されていたエラーコードが消去されます。ただし、これはあくまで表示を一時的に消すための操作であり、エラーの根本的な原因が解決されていない場合は、しばらくすると再び同じエラーが表示されることがあります。エラーが再発する場合は、機器本体に何らかの問題が発生している可能性が高いと考えられます。
リセット・再起動の手順とやり方
リモコン操作でエラーが解除されない場合や、エラーの原因が特定できない場合に試すことができるのが、エコキュート本体のリセット(再起動)です。一時的なシステムの誤作動であれば、この操作で復旧することがあります。
エコキュート本体のリセット手順
- エコキュートの貯湯タンクユニットの前面下部などにあるカバーを開け、内部の漏電しゃ断器(漏電ブレーカー)を見つけます。
- 漏電しゃ断器のスイッチを「OFF」にします。
- そのまま1分程度待ちます。この時間で、内部のシステムが完全にリセットされます。
- 1分経過したら、漏電しゃ断器のスイッチを「ON」に戻します。
この手順でエコキュートが再起動し、リモコンのエラー表示が消えていれば、正常に復帰した可能性があります。ただし、リセット操作は機器に負荷をかけるため、エラーが解消されないからといって何度も繰り返すのは避けてください。一度試して改善しない場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
日立エコキュートのエラーが解除ができない時の対処法|エラー31や壊れる前兆とは
- エラーc23・エラー15・エラー14の場合
- エラー24・エラー12の場合
- 日立エコキュートのエラー31・エラー32の場合
- エコキュートが壊れる前兆は?
- 修理か交換か迷ったらどうする?
エラーc23・エラー15・エラー14の場合
ここでは、利用者側で原因を特定・解消できる可能性がある代表的なエラーコードについて解説します。
エラーc23:ふろ湯はり異常
このエラーは、浴槽へのお湯はりが正常にできない場合に表示されます。主な原因は、浴槽の排水栓の閉め忘れや、ふろ循環アダプターのフィルターの目詰まりです。まずは排水栓がきちんと閉まっているか、フィルターに髪の毛やゴミが詰まっていないかを確認し、清掃してください。対処後に「ふろ自動」ボタンを押してエラーが消えれば問題ありません。
エラー15:ふろ注水異常
このエラーは、貯湯タンクへの給水がされていない、もしくはお湯はり時に必要な流量が確保できない場合に表示されます。地域一帯での断水や、タンク専用の止水栓が閉まっていることが考えられます。断水の場合は復旧を待ち、止水栓が閉まっていれば全開にしてください。
エラー14:給湯温度の異常
給湯温度が設定通りにならない場合に表示されるエラーです。給水圧が極端に低い、または給水配管のフィルター(ストレーナー)が詰まっている可能性があります。ストレーナーの清掃で改善することもありますが、給水圧の問題は専門家への相談が必要です。
エラー24・エラー12の場合
これらのエラーコードは、センサーや通信系統の不具合を示していることが多く、専門業者による点検が必要になる可能性が高いものです。
エラー24:水位センサーの異常
貯湯タンク内の水位を検知するセンサーに異常が発生していることを示しています。センサー自体の故障や、接続されているコネクタの接触不良などが考えられます。このエラーが表示されると、正確な湯量が把握できず、沸き上げやお湯はりに影響が出ることがあります。本体のリセットで一時的に復旧することもありますが、頻発するようであれば点検を依頼しましょう。
エラー12:リモコンの通信異常
台所リモコンや浴室リモコンと、エコキュート本体との間で正常に通信ができていない状態です。リモコンケーブルの断線や接触不良、あるいはリモコン基板の故障が原因として考えられます。リモコンの操作が全く効かなくなることもあり、この場合は専門業者でなければ対処は困難です。
日立エコキュートのエラー31・エラー32の場合
ここで紹介するエラーコードは、エコキュートの主要な機能に関する異常を示しており、表示された場合は速やかに専門業者へ連絡することをおすすめします。
エラー31:ヒートポンプユニットの通信異常
お湯を沸かすヒートポンプユニット(室外機)と、お湯を貯める貯湯タンクユニットとの間で通信ができていないことを示すエラーです。原因としては、ユニット間をつなぐ配線の断線や接触不良、あるいは各ユニットの電子基板の故障が考えられます。このエラーが表示されると、お湯の沸き上げが一切できなくなります。
エラー32:三方弁の異常
三方弁とは、水の流れを切り替えるための重要な部品です。この部品が正常に作動しないと、お湯と水が混ざってしまったり、お湯はりや追いだきができなくなったりします。弁自体の故障や、弁を制御する基板に問題がある可能性が疑われます。
エコキュートが壊れる前兆は?
エラーコードが表示される以外にも、エコキュートが寿命に近づいていることを示すサインがいくつかあります。完全に故障してお湯が使えなくなる前に、これらの前兆に気づくことが大切です。
- お湯の温度が不安定になる:「設定温度よりも熱いお湯やぬるいお湯が突然出てくる」といった症状は、内部の温度調整部品の劣化が考えられます。
- 運転音が以前より大きくなる:ヒートポンプユニットから「ブーン」という低い音や、「キーン」という甲高い異音が聞こえるようになった場合、コンプレッサーやファンモーターが寿命を迎えつつあるサインかもしれません。
- 水漏れが発生している:貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの周辺が常に濡れている、配管の接続部から水がポタポタと漏れているといった症状は、内部パッキンの劣化や配管の腐食が考えられます。水漏れは他の電子部品の故障を引き起こす原因にもなるため、早急な対応が必要です。
これらの症状が見られた場合は、たとえエラーコードが表示されていなくても、一度専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
修理か交換か迷ったらどうする?
エコキュートに専門的な修理が必要になった場合、「高額な費用をかけて修理するか」「思い切って新しい製品に交換するか」は非常に悩ましい判断です。迷った際は、以下の点を総合的に考慮して決めるとよいでしょう。
1. 使用年数
エコキュートの設計上の耐用年数は、一般的に10年~15年とされています。もしお使いの製品が10年近く経過しているのであれば、一つの部品を修理しても、すぐに別の部品が寿命を迎える可能性があります。修理を繰り返すよりも、最新の省エネ性能が高い機種に交換した方が、長期的に見て経済的であるケースが多いと考えられます。
2. 修理費用の見積額
故障箇所にもよりますが、エコキュートの修理費用は高額になることがあります。
| 症状・エラーコードの例 | 想定される作業内容 | 修理費用の目安(税込) |
| :--- | :--- | :--- |
| Er01(タンク温度センサ異常) | タンク温度センサの交換 | 37,000円~39,000円 |
| Er31(HPユニット通信異常) | タンクユニット基板の交換 | 56,000円~62,000円 |
| HE01(冷媒漏れ異常) | コンプレッサや水熱交換器の交換 | 104,000円~124,000円 |
もし見積額が10万円を超えるようであれば、新品への交換も有力な選択肢となります。
3. 保証期間
修理を依頼する前に、メーカーの無償保証期間内であるかを確認しましょう。日立のエコキュートの保証期間は、機種によって異なりますが、基本的には以下の通りです。
対象 | 保証期間(ナイアガラタフネスを除く) |
本体 | 1年 |
冷媒回路 | 3年 |
貯湯タンク | 5年 |
保証期間内であれば無償で修理を受けられる可能性があるため、まずは購入した販売店やメーカーのサポート窓口に連絡することが大切です。
日立エコキュートのエラー解除方法や対処法:まとめ
この記事で解説した、日立製エコキュートのエラー解除に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- エラーコードはアルファベットと数字で故障箇所を示す
- Erは貯湯ユニット、HEはヒートポンプユニットの異常が多い
- 原因は簡単な操作ミスから部品の本格的な故障まで様々
- リモコンのメニューボタン3秒長押しでエラー表示を解除できる
- 本体の漏電しゃ断器のOFF/ONでリセットが可能
- リセット操作を何度も繰り返すのは避ける
- C23は浴槽の栓やフィルターを確認
- Er15は断水や止水栓が閉まっていないかを確認
- Er14やEr24、Er12は専門家による点検が必要なことが多い
- Er31やEr32が表示されたら速やかに業者に連絡する
- お湯の温度が不安定、異音、水漏れは故障の前兆サイン
- 使用年数が10年を超えている場合は交換を検討
- 修理費用が高額な場合も交換が経済的なことがある
- 修理前には必ずメーカーの保証期間を確認する
- 自分で判断できない場合は無理せず専門業者に相談する