エコキュートの導入を考える際、初期費用を抑えられるリース契約は魅力的に映ります。しかし、エコキュートのリースにはデメリットも存在し、それを知らずに契約すると後悔に繋がる可能性があります。
関西電力や東北電力、中国電力、四国電力などが提供するサービスの口コミや、エコキュートのリース料金、費用や期間について調べている方も多いでしょう。また、リースと購入・買い取りはどちらがお得なのか、エコキュートのリースで補助金は使えるのかといった金銭的な問題は特に重要です。
この記事では、リースのメリットに触れつつも、エコキュートのリース利用の審査基準や、万が一審査に落ちた場合の対処法と対策、エコキュートのリース期間は何年ですか?という疑問、そしてリース終了後はどうなりますか?といった将来的な問題まで、リースと購入の特徴を比較しながら、あなたの疑問を解消します。
目次
エコキュートのリースのデメリットと料金や購入・買い取りとどちらがお得か比較検証
- リースと購入の特徴・特徴
- リースのメリット
- エコキュートのリース料金と費用や期間について
- エコキュートのリースで補助金は使える?
- リースと購入・買い取りはどちらがお得か
- 口コミから見るリアルな声
リースと購入の特徴・特徴
エコキュートを導入するには、大きく分けて「リース」と「購入」の二つの方法があります。両者は所有権の有無をはじめ、費用のかかり方や自由度に大きな違いがあるため、それぞれの特徴を理解することが最初のステップです。
リース契約は、月々の定額料金を支払うことでエコキュートを長期間レンタルするサービスです。所有権はリース会社にあるため、自分のものにはなりませんが、初期費用を大幅に抑えられる点が最大の特徴です。
一方、購入する場合は、本体代金と工事費を最初に支払う必要があります。初期費用は高額になりますが、製品は完全に自分の所有物となり、補助金の活用や機種の自由な選択が可能です。どちらの方法が適しているかは、ご自身の経済状況や将来設計によって異なります。
比較項目 | リース | 購入 |
所有権 | リース会社 | 自分自身 |
初期費用 | 原則不要(工事費一部負担の場合あり) | 高額(40万円~80万円) |
月々の支払い | 定額料金(4,000円~5,000円) | なし(ローン利用時は返済あり) |
修理費用 | 契約期間内は原則無料 | メーカー保証終了後は自己負担 |
補助金 | 利用できないことが多い | 利用可能 |
機種の選択 | リース会社の指定機種のみ | 自由に選択可能 |
契約終了後 | 返却(撤去費用が発生) | そのまま使用し続けられる |
リースのメリット
エコキュートのリースが持つデメリットに焦点を当てる前に、まずはそのメリットを正しく理解しておくことが大切です。リースが選ばれる主な理由は、購入にはない利便性にあります。
最大のメリットは、導入時にかかる高額な初期費用がほとんど不要である点です。通常、購入すると40万円から80万円程度のまとまった資金が必要になりますが、リースであれば月々の支払いで済むため、手元に資金がない場合でもすぐにエコキュートを導入できます。
次に、月々の支払いが定額であるため、家計の管理がしやすいという利点もあります。さらに、契約期間中に自然故障が発生した場合、修理費用は原則としてリース会社の負担となります。エコキュートの修理は高額になることもあるため、予期せぬ出費を心配しなくて良い点は大きな安心材料と言えるでしょう。
エコキュートのリース料金と費用や期間について
エコキュートのリース料金は、契約するリース会社や選択するエコキュートの機種(タンク容量や機能)によって異なりますが、一般的な家庭用フルオートタイプの場合、月額でおおよそ4,000円から5,000円程度が相場となっています。
契約期間については、エコキュートの平均的な寿命が10年程度であることから、「10年契約」が最も主流です。リース会社によっては、5年や8年、12年といった異なる期間を設定している場合もあります。
この月額料金には、通常、本体のレンタル料、契約期間中の修理保証が含まれています。ただし、設置時の状況によっては追加の工事費が発生する場合や、契約内容によっては全ての修理が無料とならない可能性もあるため、契約前には必ず詳細な見積もりと保証内容を確認することが不可欠です。
エコキュートのリースで補助金は使える?
エコキュートの導入を検討する上で、補助金の活用は費用負担を軽減するための重要な要素です。しかし、これはリース契約における大きなデメリットの一つとなります。
結論から言うと、国が主導する「給湯省エネ事業」などの大規模な補助金制度は、多くの場合リース契約を対象外としています。これらの補助金は、エコキュートの所有者に対して交付されることが原則であるため、所有権がリース会社にあるリース契約では、補助金の申請資格を満たさないのです。
購入する場合、2024年度の制度では8万円から最大13万円もの補助金が受けられることを考えると、これが利用できない点は、総費用で比較した際に大きな差となって現れます。自治体が独自に行っている補助金についても、リースは対象外となるケースが多いため、費用を抑えたい場合は購入が有利になります。
リースと購入・買い取りはどちらがお得か
初期費用を抑えられるリースと、長期的に見て割安になる購入では、最終的にどちらがお得なのでしょうか。10年間のトータルコストをシミュレーションして比較してみましょう。
【10年間利用した場合の費用シミュレーション(目安)】
項目 | 購入した場合 | リース(10年契約) |
初期費用 | 500,000円 | 0円 |
月額料金(10年分) | 0円 | 600,000円 (5,000円×120ヶ月) |
修理費用(仮) | 30,000円(1回) | 0円 |
補助金 | -130,000円 | 0円 |
撤去費用 | 0円 | 20,000円 |
合計 | 400,000円 | 620,000円 |
上記のシミュレーションからも分かる通り、10年間というスパンで見ると、購入の方がリースよりも総額で20万円以上安くなる計算になります。
購入の場合は初期に大きな出費がありますが、補助金の活用と、10年後も自身の資産として残る点を考慮すると、経済的な合理性は購入に軍配が上がると言えるでしょう。リースはあくまで、初期費用をかけずにエコキュートを利用したい場合の選択肢と考えるのが適切です。
口コミから見るリアルな声
エコキュートのリースを実際に利用した方や検討した方の口コミを見ると、その評価はメリットとデメリットの両面から語られています。
肯定的な口コミでは、「まとまったお金がなくてもすぐに新しいエコキュートにできて助かった」「月々の支払額が決まっているので安心」「故障した時に無料で修理してもらえて良かった」といった、初期費用の負担軽減や費用の平準化を評価する声が見られます。
一方で、否定的な口コミや注意喚起としては、「10年間の総額を計算したら、買った方が断然安かった」「好きなメーカーの機種が選べなかった」「契約の途中で引っ越すことになったが、解約できず困った」といった、長期的なコストや契約の縛りに関する内容が目立ちます。
これらの口コミから、リースは短期的な利便性に優れるものの、長期的な視点や自由度を重視する場合には不向きな側面があることがうかがえます。
エコキュートのリース デメリット以外の注意点
- エコキュートのリース利用の審査基準
- 審査に落ちた場合の対処法と対策
- エコキュートのリース期間は何年ですか?
- 関西・中国・四国・東北電力のリース例
- エコキュートのリース終了後はどうなりますか?
エコキュートのリース利用の審査基準
エコキュートのリース契約は、誰でも無条件に利用できるわけではなく、リース会社による審査を通過する必要があります。審査基準は会社によって異なりますが、一般的に以下の点が重視されます。
支払い能力と信用情報
月々のリース料金を継続的に支払えるかどうかが最も重要なポイントです。安定した収入があるか、過去にクレジットカードやローンの支払いで延滞などの金融事故がないかといった信用情報が確認されます。年収が低い場合や、信用情報に問題があると判断された場合は、審査通過が難しくなります。
契約者の年齢
多くのリース契約では、申し込み可能な年齢に上限が設けられています。一般的に70歳以上など、高齢の場合は契約期間中の支払い能力が懸念されるため、審査が厳しくなる傾向にあります。
職業の安定性
正社員や公務員など、安定した雇用形態であるかどうかも評価の対象です。自営業や契約社員、アルバイトの場合は、収入が不安定と見なされ、審査に影響することがあります。
設置環境
敷地内にエコキュートを安全に設置できる十分なスペースがあるかどうかも、審査の前提条件となります。
審査に落ちた場合の対処法と対策
もしエコキュートのリースの審査に落ちてしまった場合、いくつかの対処法が考えられます。
まず、審査に落ちた理由を推測することが大切です。収入や信用情報が原因であると考えられる場合、すぐに状況を改善するのは難しいかもしれません。この場合、申し込み者を変えて再度申請するという方法があります。例えば、同居している家族の中で、より安定した収入がある方を契約者として申し込むことで、審査を通過できる可能性があります。
また、年齢が理由で審査に通らなかった場合も同様に、より若い世代の家族に契約者になってもらうことが有効な対策となります。
それでも審査が通らない場合、あるいは申し込み者を変えることが難しい場合は、リースという選択肢にこだわらず、購入を検討することも一つの方法です。購入であれば、自己資金で支払うか、リースとは審査基準が異なるショッピングローンなどを利用できる可能性があります。
エコキュートのリース期間は何年ですか?
前述の通り、エコキュートのリース契約で最も一般的に設定されている期間は「10年間」です。
この10年という期間は、エコキュート本体の設計上の標準使用期間(寿命の目安)と一致しています。リース会社としては、製品の寿命までを一つの契約サイクルとすることで、安定したサービス提供と採算性を確保しています。
会社によっては、より短い5年や8年、あるいは少し長い12年といった契約期間を選択できる場合もあります。短い期間の契約は、転勤の可能性があるなど、長期的な見通しが立てにくい家庭にとっては便利な選択肢となり得ます。ただし、契約期間が短いほど月々のリース料金は割高に設定される傾向があるため、注意が必要です。
関西・中国・四国・東北電力のリース例
エコキュートのリースサービスは、各地域の電力会社やその関連会社が提供しているケースが多く見られます。ここでは、主要な電力会社のリースサービス例を挙げます。
関西電力エリア
関西電力のグループ会社などが「はぴeリース」といった名称でサービスを提供しています。最新のエコキュートを取り揃え、月々の料金に修理保証が含まれているのが特徴です。
中国電力エリア
中国電力の関連会社が「エネルギアのリース」としてエコキュートのリースサービスを展開しています。10年間の長期契約を基本とし、期間中の修理費は原則無料です。
四国電力エリア
四国電力のグループ会社も同様にリース制度を設けており、四国エリアの家庭を対象にサービスを提供しています。
東北電力エリア
東北電力グループでは「eライフ・パートナー」などの名称でリースサービスがあり、寒冷地仕様のエコキュートもラインナップに含まれていることが特徴です。
これらのサービスは、いずれも電力会社グループという安心感が魅力ですが、提供エリアが限定されている点、そして前述したリース契約共通のデメリット(総額の割高感や補助金対象外など)は同様に存在します。
エコキュートのリース終了後はどうなりますか?
10年などの契約期間を満了した場合、その後のエコキュートの扱いはどうなるのでしょうか。これは契約内容によって異なりますが、主に以下の二つの選択肢があります。
一つ目は、リース会社にエコキュートを返却するケースです。この場合、リース会社が機器を撤去しますが、その際の撤去費用(2万円程度が相場)は利用者の負担となるのが一般的です。
二つ目は、新しいエコキュートで再度リース契約を結び直す、いわゆる「再リース」です。最新の省エネ性能を備えた機種に入れ替えることができます。
まれに、契約終了後に無償で譲渡される、あるいは安価で買い取れるオプションが付いた契約もありますが、これは少数派です。基本的には「リース期間が終われば返却する」と考えておくのが良いでしょう。自分の所有物にはならないという点は、リース契約の根本的な特徴です。
総括:エコキュートのリース契約のデメリット
この記事で解説してきた、エコキュートのリース契約に関するデメリットと注意点の要点をまとめます。
- 10年間の総支払額は購入するより高額になる
- 国や自治体の高額な補助金が利用できない
- 所有権はリース会社にあり自分の資産にはならない
- リース会社が指定する機種しか選べない
- 契約期間中の途中解約は違約金が発生する
- 契約終了時には返却が必要で撤去費用がかかる
- 契約には安定した収入などを問う審査がある
- 審査基準は支払い能力、年齢、職業などが問われる
- 審査に落ちた場合は申込者を変えるなどの対策がある
- リース期間は10年が主流
- 関西電力など各電力会社がリースを提供している
- メリットは初期費用が不要な点
- 故障時の修理費が原則無料である点も利点
- 長期的なコストや自由度を重視するなら購入が有利
- 短期的な利便性や費用の平準化を求めるならリースも選択肢