日立のエコキュートについて、「故障が多いのでは?」という評判や口コミを目にして、不安に感じていませんか。
毎日使うお湯が突然出ない、リモコンが故障した、あるいは日立エコキュートでエラー31といった表示が出ると、どう対処すれば良いか分からなくなります。特に、エコキュートが壊れたもののお金がない状況では、修理費用の相場目安がいくらなのか、補助金は使えるのかといった点が大きな悩みとなるでしょう。
この記事では、日立エコキュートの特徴や他メーカーとの違い、そして欠点やデメリットも踏まえつつ、故障が多いという評判や口コミの真相に迫ります。エコキュートが壊れる・故障の原因や見逃せない前兆、具体的な故障事例を5つ挙げながら、故障の問い合わせ先から修理の流れまでを丁寧に解説します。
エコキュートの故障リスクが高くなる条件や、よくある質問(FAQ)にもお答えします。
目次
日立エコキュートは故障が多い?原因と前兆
- 日立エコキュートの評判・口コミを検証
- エコキュートが壊れる・故障の主な原因
- 見逃せない故障の前兆とは?
- 日立のエコキュートの欠点やデメリット
- 故障リスクが高くなる条件
日立エコキュートの評判・口コミを検証
インターネット上では「日立のエコキュートは故障が多い」という声が見受けられることがあります。しかし、これは必ずしも製品の品質が低いことを直接示すわけではありません。
多くの場合、このような評判はメーカーの市場シェアの高さに比例して現れる傾向があります。パナソニックや三菱電機と並び、日立もエコキュート市場で高いシェアを誇るメーカーの一つです。そのため、利用者数が多い分、必然的に故障に関する報告や口コミの件数も多くなります。したがって、口コミの数だけで「壊れやすいメーカー」と短絡的に判断するのではなく、その内容や背景を理解することが大切です。
エコキュートが壊れる・故障の主な原因
エコキュートが故障する原因は多岐にわたりますが、主に以下の要因が考えられます。
- 経年劣化: エコキュートの寿命は一般的に10年から15年とされています。ヒートポンプユニットや貯湯タンク、内部の電子基板や配管部品は、長年の使用によって自然に劣化し、故障の原因となります。
- 設置環境: 沿岸部での塩害による金属部品の腐食や、水質が硬い地域でのスケール(水垢)の蓄積は、部品の劣化を早める要因です。また、冬場の凍結も配管の破損につながります。
- メンテナンス不足: 浴槽フィルターの清掃や貯湯タンクの水抜きなど、定期的なメンテナンスを怠ると、機器内部に汚れが溜まり、性能低下や故障を引き起こしやすくなります。
見逃せない故障の前兆とは?
エコキュートが完全に故障する前に、いくつかの前兆が現れることがあります。これらのサインに早めに気づくことで、深刻なトラブルを未然に防げる可能性があります。
- 異音の発生: 普段は聞こえない「ブーン」という低い音や、「カンカン」といった金属音がする場合、ファンモーターやコンプレッサーに異常があるかもしれません。
- お湯の温度が不安定: 設定した温度のお湯が出なかったり、急に水になったりする場合は、温度センサーや混合弁の不具合が考えられます。
- 水漏れ: 貯湯タンクやヒートポンプユニット、配管の接続部から水が漏れている場合、パッキンの劣化や配管の亀裂が疑われます。放置すると大きな被害につながるため、早急な点検が必要です。
- エラーコードの頻発: リモコンに頻繁にエラーコードが表示されるのは、システムが何らかの異常を検知しているサインです。
日立のエコキュートの欠点やデメリット
日立のエコキュートは「水道直圧給湯」方式が大きな特徴ですが、いくつかの欠点やデメリットも存在します。
一つのデメリットとして、水道直圧給湯モデルは他の減圧式モデルに比べて、価格がやや高くなる傾向があります。また、この方式は水道水の圧力を直接利用するため、井戸水や地下水など、水質が不安定な環境では使用が推奨されていません。水に含まれる不純物が配管を詰まらせるリスクがあるためです。このような特定の条件下では、日立独自のメリットが逆にデメリットとして作用する可能性を考慮する必要があります。
故障リスクが高くなる条件
エコキュートの故障リスクは、特定の条件下で高まることが知られています。ご自宅の環境が当てはまるか確認してみてください。
- 寒冷地に住んでいる: 冬季に外気温が氷点下になる地域では、配管の凍結による破損リスクが高まります。寒冷地仕様のモデルを選ぶ、配管に凍結防止ヒーターを巻くなどの対策が有効です。
- 沿岸部に住んでいる: 潮風に含まれる塩分は、室外に設置されるヒートポンプユニットの金属部品を腐食させ、故障の原因となります。耐塩害仕様のモデルを選ぶことが推奨されます。
- 井戸水や地下水を使用している: 水道水以外の水は、ミネラル分や不純物を多く含んでいる場合があります。これらが配管内部に付着・蓄積し、詰まりやセンサーの誤作動を引き起こす可能性があります。井戸水対応モデル以外の使用は避けるべきでしょう。
日立エコキュートの故障が多いと感じた時の対処法
- お湯が出ない等の故障事例5つ
- 日立エコキュートのエラー31の対処法
- 修理費用の相場はいくらですか?
- 故障の問い合わせ先と修理の流れ
- 壊れた時お金がない場合に使える補助金
お湯が出ない・リモコン故障など故障事例5つ
日立エコキュートで報告されることが多い、代表的な5つの故障事例と基本的な確認点を見ていきましょう。
- お湯が全く出ない: 最初に確認すべきは、断水していないか、そして貯湯タンク専用の止水栓が閉じていないかです。冬場であれば配管が凍結している可能性もあります。これらに当てはまらない場合、内部の混合弁やセンサーの故障が考えられます。
- リモコンの表示が消える・操作できない: 漏電遮断器やブレーカーが落ちていないか確認します。問題なければ、リモコン本体の電池切れや内部基板の故障が疑われます。
- 貯湯タンクやヒートポンプから水漏れしている: 沸き上げ中に膨張水が排水されるのは正常な動作です。しかし、それ以外の時間に水が漏れ続けている場合は、配管の接続部の緩みやパッキンの劣化、タンク本体の亀裂などが原因として考えられます。
- シャワーの水圧が弱い: 日立の水道直圧給湯モデル以外では、エコキュートは一度タンクに貯めたお湯を給湯するため、元々の水道圧よりは水圧が低くなります。しかし、以前より明らかに弱くなった場合は、給水ストレーナーの詰まりや配管内部の汚れが原因かもしれません。
- 追い焚きができない: 浴槽のお湯が循環アダプターのフィルターより少ない場合や、貯湯タンク内のお湯の温度が低い場合は、追い焚きができません。タンクにお湯が十分あるのに温まらない場合は、追い焚き回路のポンプや熱交換器の不具合が考えられます。
日立エコキュートのエラー31の対処法
リモコンに「エラー31」が表示された場合、これは「追いだき熱源の循環ポンプの異常」を示しています。つまり、お風呂のお湯を温め直すための部品に問題が発生している状態です。
このエラーが表示された際は、まずエコキュートの漏電遮断器を一度切り、数分待ってから再度入れることでリセットを試みてください。しかし、エラーが解消されない、または再発する場合は、循環ポンプ本体の故障や関連する電子基板の不具合が考えられるため、専門家による点検が必要です。無理に使い続けると、他の部品にも影響を及ぼす可能性があるため、早めに修理を依頼しましょう。
修理費用の相場はいくらですか?
日立エコキュートの修理費用は、故障の箇所や内容によって大きく変動します。あくまで目安ですが、一般的な費用の相場は以下の通りです。
修理内容 | 費用目安(税込) |
混合弁・三方弁などの部品交換 | 30,000円 ~ 80,000円 |
電子基板・制御基板の交換 | 70,000円 ~ 85,000円 |
ヒートポンプユニットの修理・交換 | 80,000円 ~ 250,000円 |
貯湯タンクの修理・交換 | 300,000円以上(本体交換を推奨) |
これらの費用には、一般的に「技術料」「部品代」「出張料」が含まれます。メーカーに依頼した場合、修理をキャンセルしても診断料と出張料で数千円が発生することがあります。専門業者であれば、見積もり無料の場合も多いため、複数の業者から相見積もりを取ることをお勧めします。
故障の問い合わせ先と修理の流れ
エコキュートに不具合が発生した場合、まずは購入した販売店や設置工事を行った業者に連絡するのが第一選択肢です。販売店独自の延長保証に加入している場合は、保証の窓口が販売店になるためです。
連絡先が不明な場合やメーカー保証期間内であれば、日立の修理コールセンターに直接問い合わせます。
日立家電エコーセンター
- 電話番号: 0120-3121-68
- 受付時間: 9:00~18:00(月~土)、9:00~17:00(日・祝)
修理の基本的な流れは以下のようになります。
- 修理申し込み: 電話やWebで、製品の型番、故障状況、訪問希望日時を伝えます。
- 訪問・点検: 担当者が訪問し、故障箇所を診断して修理内容と見積もりを提示します。
- 修理作業: 見積もりに同意後、修理作業が開始されます。部品の在庫がない場合は、後日再訪問となります。
- 料金の支払い: 作業完了後、内容を確認して料金を支払います。
壊れた時お金がない場合に使える補助金
エコキュートの修理費用が高額になり、交換を選択せざるを得ない場合でも、国の補助金制度を利用して負担を軽減できる可能性があります。
現在、経済産業省が主導する「給湯省エネ2025事業」では、省エネ性能の高いエコキュートへの買い替えに対して、8万円から最大13万円の補助金が支給されます。この制度は、予算の上限に達し次第終了となりますが、例年同様の支援事業が後継として実施される可能性が高いです。
エコキュートが故障して急な出費に困った際は、こうした補助金制度の対象となる高効率な機種への交換を検討するのも一つの賢い選択肢と考えられます。補助金の申請手続きは、多くの場合、設置業者が代行してくれるため、まずは相談してみることをお勧めします。
日立エコキュートの故障が多いと感じた時の総まとめ
この記事で解説した、日立エコキュートの故障に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 日立の故障報告が多いのは高い市場シェアが影響している
- エコキュートの平均寿命は10年から15年が目安
- 経年劣化、設置環境、メンテナンス不足が主な故障原因
- 異音、水漏れ、温度の不安定さは故障のサイン
- 日立の特徴である水道直圧給湯は井戸水に非対応
- 寒冷地や沿岸部、硬水地域では故障リスクが上がる
- お湯が出ない、リモコン異常、水漏れが代表的な故障事例
- エラー31は追い焚き循環ポンプの異常
- エラーが出たらまずは電源リセットを試す
- 修理費用は部品交換で3万円から、ヒートポンプ修理は高額になる傾向
- 修理の際はまず購入した販売店に連絡するのが基本
- メーカーの修理受付窓口も利用可能
- 高額な修理になる場合は交換も視野に入れる
- 交換時には国の省エネ補助金制度を活用できる可能性がある
- 複数の専門業者から見積もりを取ることが費用抑制の鍵となる