エコキュート・給湯器

エコキュートがずっと沸き上げ中・沸き上げしない時の原因と対処法4選|

2025年9月19日

エコキュートがずっと沸き上げ中で、朝になってもお湯が増えていないと不安になりますよね。

そもそもエコキュートの沸き上げ中とはどのような状態で、沸き上げってどんな仕組みなのか、基本的な知識から知りたい方もいるでしょう。また、エコキュートが沸き上げしない、あるいは沸き上げできない状況や、タンクが満タンにならないトラブルに直面しているかもしれません。

この記事では、エコキュートがずっと沸き上げ中になる主な沸き上げ中とは?原因や理由を解説し、パナソニック・三菱・日立・ダイキンといった主要メーカーごとの違いにも触れながら、エコキュートがずっと沸き上げ中になっている場合の対処方法を具体的に紹介します。

エコキュートが沸かす時間や、なぜ沸き上げに時間がかかるのか、適切な沸き上げ温度の目安、そして気になるエコキュートがずっと沸き上げ中の電気代についても詳しく説明します。

さらに、沸き上げ中のシャワー利用の可否や、エコキュートの追加沸き上げを防ぐ方法、その他エコキュートでよく起こる沸き上げに関するトラブルまで、幅広く網羅しています。

ポイント

  • 沸き上げが終わらない原因と基本的な仕組み
  • ご自身でできる対処法と故障が疑われる場合の対応
  • 沸き上げ中の電気代やシャワー利用時の注意点
  • トラブルを未然に防ぐ方法とメーカーごとの特徴

エコキュートがずっと沸き上げ中になる原因や理由|沸き上げしない・できない・満タンにならない対処法

エコキュートがずっと沸き上げ中になる原因や理由|沸き上げしない・できない・満タンにならない対処法

  • 沸き上げの仕組みと「沸き上げ中」とは
  • 沸き上げが終わらない主な原因や理由
  • エコキュートが沸かす時間と時間がかかる訳
  • 沸き上げしない・できない・満タンにならない
  • エコキュートの沸き上げ温度の目安は?

沸き上げの仕組みと「沸き上げ中」とは

エコキュートの「沸き上げ中」という表示は、その名の通り、貯湯タンク内のお湯を沸かしている状態を示しています。この仕組みを理解することが、トラブル解決の第一歩です。

エコキュートは、ガス給湯器のように瞬間的にお湯を作るのではなく、ヒートポンプユニットという室外機を使って空気中の熱を集め、その熱でお湯を沸かし、貯湯タンクに溜めておく「貯湯式」の給湯器です。このヒートポンプ技術により、使用する電気エネルギーの何倍もの熱エネルギーを生み出すことができ、非常に省エネ性能が高いのが特徴です。

通常、エコキュートは電気料金が割安になる深夜時間帯(例えば夜10時から朝8時まで)に、翌日1日分のお湯をまとめて沸き上げます。リモコンに「沸き上げ中」と表示されている間は、このヒートポンプユニットが稼働し、タンク内にお湯を準備しているサインなのです。この仕組み上、沸き上げにはある程度の時間が必要となります。

沸き上げが終わらない主な原因や理由

通常は朝方には完了しているはずの沸き上げが、日中になっても続いている場合、何らかの異常が発生している可能性があります。主な原因としては、以下の4つが考えられます。

水漏れ

貯湯タンクや接続されている配管から水漏れが発生していると、沸き上げたお湯が溜まらずに流れ出てしまうため、いつまで経っても沸き上げが完了しません。配管からの水漏れはエラーコードが表示されないこともあり、家の蛇口をすべて閉めた状態で水道メーターが動いていないか確認するのも一つの方法です。

ヒートポンプユニットの不具合

お湯を沸かす心臓部であるヒートポンプユニットに問題があると、正常に沸き上げを行えません。ファンにゴミが絡まっている、経年劣化で部品が故障しているといったケースが考えられます。この場合、多くはリモコンにエラーコードが表示されます。

配管の凍結

特に冬場に多い原因ですが、外気温が氷点下になると、貯湯タンクとヒートポンプユニットを繋ぐ配管が凍結してしまうことがあります。水が循環できなくなるため、沸き上げ運転が停止し、「沸き上げ中」のまま動かなくなります。

その他の要因

故障ではなく、外的な要因も考えられます。例えば、冬場で外気温が極端に低い日は、お湯を沸かすのにより多くの時間が必要となり、日中まで沸き上げが続くことがあります。また、夜間に停電があった場合、その分沸き上げが中断され、朝になっても終わらないというケースも考えられます。

エコキュートが沸かす時間と時間がかかる訳

エコキュートがお湯を満タンにするまでにかかる時間は、季節や設定温度、タンクの容量によって大きく変動します。

一般的に、1時間あたりに沸かせるお湯の量(約42℃)の目安は約100Lとされています。これを基に計算すると、370Lのタンクを空の状態から満タンにするには約3.7時間、460Lのタンクでは約4.6時間かかる計算です。

しかし、これはあくまで目安です。特に、空気の熱を利用する仕組み上、外気温が低い冬場は熱交換の効率が下がるため、沸き上げに時間がかかる傾向があります。夏場であれば3〜4時間で終わる沸き上げが、冬場には7〜8時間以上かかることも珍しくありません。

このように、エコキュートは瞬間的にお湯を作るのではなく、時間をかけてじっくりとお湯を準備するシステムです。そのため、「沸き上げに時間がかかる」と感じるのは、ある程度は製品の特性と言えます。ただし、例年と比べて明らかに時間が長くなっている場合は、性能低下や何らかの不具合を疑う必要があります。

沸き上げしない・できない・満タンにならない

「ずっと沸き上げ中」とは逆に、「沸き上げしない」「沸き上げできない」、あるいは「沸き上げはするけれど満タンにならない」といったトラブルも発生します。

「沸き上げしない・できない」場合、まず確認したいのはエコキュート専用のブレーカーが落ちていないか、断水していないか、という点です。これらに問題がない場合、ヒートポンプユニットの故障や、基盤の異常などが考えられ、専門家による点検が必要となります。

「満タンにならない」という現象は、必ずしも故障が原因とは限りません。エコキュートには学習機能が搭載されており、過去のお湯の使用量を記憶して、毎日の沸き上げ量を自動で調整しています。お湯をあまり使わない日が続くと、エコキュートが「この家庭はあまりお湯を使わない」と判断し、省エネのために沸き上げ量を少なくすることがあります。これにより、湯量メーターが満タン表示にならないのです。もしお湯が足りなくなる場合は、設定を「多め」に変更することで解決できます。

エコキュートの沸き上げ温度の目安は?

エコキュートの沸き上げ温度は、リモコンで設定を変更することができます。この温度設定は、お湯の量や電気代にも影響を与えるため、適切に設定することが大切です。

多くのメーカーでは、沸き上げ温度を「おまかせ」「多め」「少なめ」といった大まかなモードで設定できるようになっています。より細かく温度設定ができる機種もありますが、一般的には65℃〜90℃の範囲で沸き上げを行います。

推奨される設定

特に設定を変更する必要がなければ、「おまかせ」設定のまま使用するのが最も効率的です。学習機能により、各家庭の使用状況に合わせて最適な湯量を沸き上げてくれます。

温度を高くするメリット・デメリット

沸き上げ温度を高く設定すると、タンク内に貯蔵される熱量が多くなります。これにより、熱いお湯をたくさんの水で薄めて使うことができるため、結果的にお湯切れしにくくなるというメリットがあります。来客などで普段より多くお湯を使う予定がある日には、「多め」や最高温度に設定すると安心です。ただし、その分、沸き上げにかかる電気代は高くなる傾向があります。

季節やライフスタイルの変化に合わせて、これらの設定を見直すことで、より快適かつ経済的にエコキュートを使用することが可能です。

エコキュートがずっと沸き上げ中の対処法と電気代

エコキュートがずっと沸き上げ中の対処法と電気代

  • ずっと沸き上げ中の場合の対処方法とは
  • 沸き上げ中のシャワーと気になる電気代
  • エコキュートの追加沸き上げを防ぐ方法
  • その他よく起こる沸き上げに関するトラブル
  • パナソニック・三菱などメーカー別の特徴

ずっと沸き上げ中の場合の対処方法4選

エコキュートの沸き上げが終わらない状態に気づいたら、まずは落ち着いて原因を特定し、適切な対処を行うことが大切です。

エラーコードを確認する

最初に確認すべきは、リモコンにエラーコードが表示されていないかという点です。エコキュートに何らかの不具合が発生している場合、多くはアルファベットと数字を組み合わせたエラーコードで原因を知らせてくれます。表示されているコードを取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認し、指示に従ってください。

水漏れの有無を確認する

前述の通り、水漏れは沸き上げが終わらない原因の一つです。貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの周り、配管の接続部分などが濡れていないかを目視で確認しましょう。水漏れを発見した場合は、速やかにエコキュートの給水元栓を閉め、専門業者に連絡してください。

配管の凍結を解消する

冬場で外気温が低い場合は、配管の凍結が疑われます。凍結している配管部分にタオルを巻き、その上から30〜40℃程度のぬるま湯をゆっくりとかけて解凍します。この際、熱湯をかけると配管が破損する恐れがあるため、絶対に行わないでください。気温が上昇すれば自然に解凍されることも多いので、急いでいなければ待つのも一つの手です。

機器のリセットを試す

一時的なシステムの誤作動であれば、エコキュート本体をリセットすることで復旧する場合があります。貯湯タンクユニットにある漏電遮断器を一度OFFにし、1分ほど待ってからONに戻してみてください。ただし、これで改善しない場合に何度も繰り返すのは機器に負担をかけるため避けましょう。

これらの対処法を試しても状況が改善しない場合は、内部の部品が故障している可能性が高いです。無理に自分で解決しようとせず、設置した販売店や専門の修理業者に点検を依頼してください。

沸き上げ中のシャワーと気になる電気代

「沸き上げ中にお湯は使えるの?」という疑問や、長引く沸き上げによる電気代の心配も出てきます。

沸き上げ中のシャワー利用

貯湯タンク内にお湯が残っていれば、沸き上げ中でもシャワーなどでお湯を使用することは可能です。ただし、沸き上げと給湯を同時に行うと、タンク内のお湯の温度が下がりやすくなったり、設定した温度のお湯が出にくくなったりすることがあります。また、タンク内の残量が少ない状態で大量にお湯を使うと、お湯切れのリスクが高まるため注意が必要です。

ずっと沸き上げ中の電気代

エコキュートは、主に電気料金の安い深夜電力を使ってお湯を沸かすことで電気代を節約しています。しかし、沸き上げが終わらずに日中の電気料金が高い時間帯まで稼働が続いてしまうと、その分電気代は割高になります。

例えば、深夜電力の単価が1kWhあたり約16円、日中の単価が約38円だとすると、同じ時間沸き上げても電気代は倍以上変わってきます。この状態が毎日続くようであれば、電気代が大幅に増加する可能性があるため、早急に原因を特定し、解決することが経済的にも大切です。

エコキュートの追加沸き上げを防ぐ方法

日中の割高な時間帯に自動で追加の沸き上げ(沸き増し)が行われると、電気代が高くなる原因になります。これを防ぐためには、いくつかの設定を見直すと効果的です。

まず、エコキュートの沸き上げモードを確認しましょう。多くの機種には、日中の自動沸き上げを停止する設定があります。取扱説明書を確認し、「沸き上げ休止」や「昼間沸き上げ停止」といった設定を行うことで、意図しない沸き増しを防ぐことができます。

また、日頃からお湯の使用量が多いご家庭では、夜間に沸かすお湯の量を意図的に増やしておくのも有効な手段です。リモコンの設定で沸き上げモードを「多め」に変更したり、タンクのお湯を常に満タンに保つ「満タン」設定を利用したりすることで、日中にお湯が不足しにくくなり、結果として追加の沸き上げを減らすことが可能です。

さらに、給湯温度を少し高めに設定することも一つの方法です。給湯温度が高いと、使用する際に多くの水と混ぜることになるため、タンクのお湯の消費ペースを緩やかにできます。これにより、お湯切れを防ぎ、日中の沸き増しを抑制する効果が期待できます。

その他よく起こる沸き上げに関するトラブル

「ずっと沸き上げ中」以外にも、エコキュートの沸き上げに関連するトラブルはいくつか存在します。

使っていないのにお湯が減る

お湯を使っていないのにリモコンの残湯量メーターが減ることがあります。これは、お風呂の「保温」や「追い焚き」機能を使用した場合に起こりやすい現象です。これらの機能はタンクのお湯を直接使うわけではありませんが、浴槽のお湯を温め直すためにタンク内の熱を利用します。その結果、タンク内のお湯の温度が下がり、使用可能なお湯の量(一定温度以上のお湯)が減ったと判断され、メーターが減少することがあります。

沸き上げたお湯がぬるい

設定した温度よりもお湯がぬるく感じる場合、特に冬場であれば、給水される水の温度が低いために起こることがあります。また、給湯器と蛇口の間にあるサーモスタット混合水栓が原因で、お湯と水がうまく混合されていない可能性も考えられます。まずは給湯温度の設定を少し上げて様子を見て、改善しない場合は機器の不具合も疑われます。

これらのトラブルは、エコキュートの特性や設定に起因することが多いですが、症状が頻繁に起こる、または設定を変更しても改善しない場合は、点検を検討した方が良いでしょう。

パナソニック・三菱・ダイキン・日立・コロナなどメーカー別の特徴

エコキュートは多くのメーカーから販売されており、それぞれ機能や特徴、エラーコードの体系が異なります。トラブルが発生した際は、お使いのメーカーの情報を確認することが大切です。

メーカー名 特徴 サポート連絡先(フリーダイヤル)
パナソニック 省エネ性能を高める「エコナビ」や、美容効果が期待できる「酸素入浴機能」などが人気。 0120-878-695
三菱電機 微細な泡で快適な入浴を実現する「マイクロバブル」機能や、深紫外線で配管を清潔に保つ「キラリユキープ」が特徴。 0120-139-365
ダイキン 高圧給湯でシャワーの水圧がパワフルな点が魅力。水質に応じた運転で機器の寿命を延ばす機能も搭載。 0120-881-081
日立 水道水をそのまま給湯することで、きれいなお湯が使える「水道直圧給湯」が最大の特徴。飲用も可能です。 0120-649-020
コロナ 世界で初めてエコキュートを開発したメーカー。豊富なラインナップと長年の実績による信頼性が強み。 0120-919-302
東芝 銀イオンの力で菌の繁殖を抑える「銀イオンの湯」機能や、業界トップクラスの5年保証が特徴。 0120-1048-19

沸き上げが終わらないといったトラブルが発生し、エラーコードが表示された場合は、まずはお使いのメーカーの取扱説明書や公式サイトでコードの意味を確認してください。自力での解決が難しい場合は、上記のサポートセンターに連絡し、エラーコードを伝えることでスムーズな対応が期待できます。

エコキュートがずっと沸き上げ中の重要ポイント:まとめ

この記事で解説した、エコキュートがずっと沸き上げ中になる問題に関する要点を以下にまとめます。

  • 「沸き上げ中」はヒートポンプでお湯を沸かしている状態
  • 主な原因は水漏れ・ヒートポンプの不具合・配管凍結
  • 冬場は外気温が低いため通常より沸き上げに時間がかかる
  • 対処の第一歩はリモコンのエラーコードを確認すること
  • 水漏れを発見したらまず給水元栓を閉める
  • 配管の凍結はぬるま湯でゆっくり解凍する
  • 一時的な不具合は本体の漏電遮断器リセットで直ることも
  • 沸き上げ中のシャワー利用は可能だが湯切れに注意
  • 日中の沸き上げは電気代が割高になるため要注意
  • 日中の自動沸き増しはリモコン設定で停止できる
  • お湯の使用量が少ないと満タンまで沸かさないことがある
  • 追い焚きや保温を使うとタンクのお湯の熱が使われ湯量が減る表示になる
  • 自分で対処できない場合は無理せず専門業者に相談する
  • トラブル時はメーカーのサポートセンターも活用する
  • 10年以上使用している場合は本体の寿命も考えられる
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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