「エコキュートを導入したのに、なぜか電気代がやばい…」と感じていませんか。特に電気代が上がったと感じやすい電気代1ヶ月冬の請求書を見て、4人家族の電気代が1000kWhを超えてしまい、頭を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
エコキュートはデメリットだらけなのか、インターネットのブログで情報を探したり、パナソニックの公式サイトでエコキュートの電気代シュミレーションを試したりと、多くの方が対策を模索しています。
この記事では、エコキュートの電気代が高い原因7選を深掘りし、エコキュートの沸き増しや沸き上げの電気代、給湯温度60度の設定やエコキュートの温度設定が電気代にどう影響するのかを具体的に解説します。
さらに、1ヶ月の電気代シュミレーションの方法から、電気代を節約・節電する対処法5選、そして多くの方が気になるエコキュートは何年で元が取れますか?という疑問まで、専門的な視点から網羅的にお答えします。
目次
エコキュートの電気代がやばいと言われる原因7選と沸き増し・沸き上げ電気代の詳細
- 電気代が高い原因7選と上がった理由
- デメリットだらけ?ブログで見るリアルな声
- 冬のエコキュート電気代は1ヶ月いくら?
- 4人家族の電気代と1000kWh超え
- エコキュートの沸き増し・沸き上げ電気代
電気代が高い原因7選と上がった理由
エコキュートを導入したにもかかわらず電気代が「やばい」と感じるのには、いくつかの明確な理由が存在します。多くの場合、機器の性能ではなく、使い方や設定、外部環境の変化が原因です。
- 電気代が高い時間帯の沸き増し: エコキュートの節約効果は、電気料金が安い深夜電力でお湯を沸かすことが大前提です。日中にお湯を使いすぎて湯切れを起こし、電気料金が高い昼間に沸き増しを繰り返していると、深夜電力のメリットを活かせず、かえって電気代が高騰します。
- タンク容量が家庭に合っていない: 家族の人数やお湯の使用量に対してタンクの容量が小さすぎると、頻繁に湯切れが発生し、昼間の沸き増しが増える原因となります。逆に大きすぎても、使わないお湯まで沸かすことになり無駄が生じます。
- 節約機能を使っていない: 最近のエコキュートには、電気料金が高い時間帯の沸き上げを自動で停止する「ピークカット機能」や、沸き上げ時間をシフトする機能などが搭載されています。これらの便利な節約機能が初期設定のままオフになっていると、無駄な電力消費につながります。
- 電気料金プランがライフスタイルに不適合: 深夜電力が安いプランは、その分、昼間の電気料金が割高に設定されています。日中の在宅時間が長く、エコキュート以外の家電も多く使う家庭の場合、トータルの電気代が上がってしまうことがあります。
- 季節的な要因(特に冬場): 冬は外気温が低いため、水を設定温度まで温めるのにより多くのエネルギーが必要になります。また、水道水の温度自体も夏場に比べて低いため、同じ量のお湯を沸かすにも消費電力が大きくなる傾向があります。
- 設定温度が高すぎる: 給湯温度を必要以上に高く設定していると、その分だけ沸き上げに必要なエネルギーが増加します。特に夏場などは、設定温度を少し下げるだけで節電につながります。
- 電力料金自体の値上がり: 近年、燃料費の高騰などを理由に、電力会社各社が電気料金を値上げしています。エコキュートの使い方に問題がなくても、電気料金の単価自体が上がったことで、全体の請求額が増加している可能性も考えられます。
デメリットだらけ?ブログで見るリアルな声
エコキュートについて調べると、「デメリットだらけ」といった厳しい意見を目にすることがあります。これは、いくつかの特性が利用者のライフスタイルや期待と合わなかった場合に生じる不満と考えられます。ブログなどで語られる主なデメリットには以下のようなものがあります。
- 初期費用が高額: ガス給湯器と比較して、エコキュートは本体価格も工事費も高額になる傾向があります。この初期投資をランニングコストで回収できるかが、満足度を分ける大きなポイントです。
- お湯切れのリスク: 貯湯式のため、来客などで急にお湯の使用量が増えるとタンクのお湯がなくなり、お湯が使えなくなる可能性があります。この不便さが大きなデメリットと感じる方もいます。
- 水圧が弱いと感じることがある: 水道直圧式のガス給湯器から交換した場合、一度タンクに貯めたお湯を使うエコキュートはシャワーなどの水圧が弱くなったと感じることがあります。高圧給湯タイプを選ばないと、この点に不満を持つケースが見られます。
- 運転音が気になる: エコキュートはヒートポンプユニットが深夜に稼働するため、低周波音が発生します。設置場所を隣家の寝室近くなどにすると、騒音トラブルに発展するリスクがあり、設置場所選びがシビアである点もデメリットとして挙げられます。
- 設置スペースが必要: ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つを設置する必要があるため、ガス給湯器に比べて広いスペースが求められます。都市部の住宅などでは設置場所の確保が難しい場合があります。
これらのデメリットは、機種選定や事前の計画によってある程度回避できるものも含まれます。しかし、こうした特性を理解せずに導入すると、「デメリットだらけ」と感じてしまう可能性があるのです。
冬のエコキュート電気代は1ヶ月いくら?
エコキュートの電気代が最も高くなるのが冬のシーズンです。前述の通り、外気温と水温の低下により、お湯を沸かすためのエネルギー消費が格段に増えるためです。
地域や契約している電力会社、家族構成によって大きく変動しますが、一般的な家庭における冬場(1月~2月頃)の1ヶ月の電気代の目安は以下の通りです。
電力エリア | 1ヶ月あたりの電気代の目安 |
北海道電力エリア | 約4,800円 |
東北電力エリア | 約4,000円 |
東京電力エリア | 約3,100円 |
中部電力エリア | 約2,100円 |
関西電力エリア | 約1,700円 |
九州電力エリア | 約1,700円 |
出典: パナソニック「低ランニングコスト」の年間電気代目安を基に月平均を算出
この表はあくまで平均的な目安であり、お湯の使用量が多ければこれ以上に、節約を意識すればこれ以下になる可能性もあります。特に寒冷地では、通常のエコキュートではなく「寒冷地仕様」のモデルを選ばないと、効率が落ちてさらに電気代が高くなることがあるため注意が必要です。
もしご家庭の冬の電気代がこの目安を大幅に上回っている場合は、使い方や設定に改善の余地があるかもしれません。
4人家族の電気代と1000kWh超え
4人家族は、エコキュートの電気代を考える上で最も標準的なモデルケースとなります。一般的に、4人家族の場合、370Lまたは460Lのタンク容量のエコキュートが推奨されます。
この条件下でのエコキュートを含む家庭全体の電気代は、ライフスタイルによって大きく異なりますが、冬場にお湯の使用量が増え、暖房器具を多用すると、総使用電力量が1000kWhを超えてしまうことも珍しくありません。
多くの電力会社の従量電灯プランでは、電気使用量が一定の段階(例えば300kWhなど)を超えると、1kWhあたりの電力量料金単価が高くなるように設定されています。このため、1000kWhを超えるような月は、電気代が急激に跳ね上がる可能性があります。
例えば、深夜電力が安いプランでも、日中の電気使用量が多ければ、割高な単価が適用される時間が長くなります。4人家族で日中も誰かが在宅している、あるいは在宅勤務などで電気を多く使うといった家庭では、エコキュートのメリットを最大限に活かすために、太陽光発電の導入を検討するなど、トータルでのエネルギーマネジメントが求められます。
エコキュートの沸き増し・沸き上げ電気代
エコキュートの電気代が「やばい」と感じる最大の原因が、日中の「沸き増し」や「沸き上げ」にかかるコストです。
エコキュート向けの電気料金プランは、一般的に以下のような料金体系になっています。
- 夜間時間帯(例:23時~翌7時): 料金単価が非常に安い(例:20円台/kWh)
- 昼間時間帯(例:7時~23時): 料金単価が割高(例:30円台後半/kWh)
この価格差は大きく、仮に同じ量のお湯を沸かすとしても、夜間と昼間では1.5倍から2倍近く電気代が変わってきます。
例えば、急な来客などでお湯を大量に使い、夕方頃にタンクが空になってしまったとします。そこからお風呂に入るためにお湯を沸き増しすると、その電力には最も割高な昼間の料金単価が適用されます。これが一度だけでなく、月に何度も繰り返されると、月々の電気代は数千円単位で簡単に膨れ上がってしまうのです。
したがって、エコキュートの電気代を安く抑える基本は、「いかに昼間の沸き増しを避けるか」という点に集約されます。毎日の湯量を正確に予測し、深夜電力の時間帯だけで1日に必要な量をしっかり沸き上げておくことが、節約の絶対的な鍵となります。
エコキュートの電気代がやばい!高すぎる電気代を節約・節電する対処法5選
- パナソニックの電気代シュミレーション
- 1ヶ月の電気代シュミレーション方法
- 給湯温度60度など温度設定と電気代
- 電気代を節約・節電する対処法5選
- エコキュートは何年で元が取れますか?
パナソニックの電気代シュミレーション
エコキュートの導入を検討している、あるいは現在の電気代が適正か知りたい場合に非常に役立つのが、メーカーが提供しているシミュレーションサイトです。特にパナソニックの「エネピタ(光熱費シミュレーション)」は、手軽に目安を知ることができる便利なツールです。
この種のシミュレーションでは、通常、以下のような情報を入力します。
- お住まいの地域(電力会社)
- 家族の人数
- 現在使用している給湯器の種類(都市ガス、プロパンガスなど)
- 現在の月々の光熱費
これらの情報を入力するだけで、エコキュートに交換した場合の年間の光熱費の目安と、現在との差額(節約効果)を自動で計算してくれます。
もちろん、シミュレーションの結果はあくまで一般的な使用状況に基づいた目安値であり、個々のライフスタイルによって実際の金額は変動します。しかし、自分の家庭がどの程度の節約ポテンシャルを持っているのかを客観的な数値で把握できるため、導入や使い方を見直す際の有力な判断材料となるでしょう。
1ヶ月の電気代シュミレーション方法
メーカーの自動シミュレーションだけでなく、ご自身でより具体的に1ヶ月の電気代を計算することも可能です。そのためには、いくつかの情報が必要になります。
- 契約している電気料金プランの確認: 電力会社の検針票やウェブサイトで、ご自身が契約しているプラン名と、時間帯ごとの電力量料金単価(円/kWh)を調べます。特に、夜間時間帯と昼間時間帯の単価を正確に把握することが大切です。
- エコキュートの消費電力の確認: お使いのエコキュートのカタログや取扱説明書で、年間給湯保温効率(JIS)や、期間消費電力量などのスペックを確認します。
- 計算式:簡易的な計算方法として、エコキュートの1日の消費電力量に、主に沸き上げを行う夜間電力の単価を掛け合わせることで、1日あたりの電気代の目安を算出できます。計算例:1日の消費電力量が5kWhで、夜間電力単価が28円/kWhの場合5kWh×28円/kWh=140円(1日あたり)
140円×30日=4,200円(1ヶ月あたり)
この計算に、日中の沸き増し分などを考慮することで、より実際の電気代に近い数値を予測できます。少し手間はかかりますが、ご自身の電気の使い方と料金体系を深く理解する良い機会になります。
給湯温度60度など温度設定と電気代
エコキュートのリモコンで設定する「給湯温度」は、電気代に直接影響を与える重要な要素です。この設定温度が高いほど、お湯を沸かすためにより多くのエネルギーが必要となり、結果として電気代が上がります。
多くのご家庭では、洗い物やシャワーで使いやすい40℃~42℃程度のお湯を使用しますが、エコキュートはタンク内でそれよりも高い温度(例:60℃~80℃)のお湯を作り、それに水を混ぜて設定温度に調整して供給しています。
例えば、給湯温度を60度に設定している場合、タンク内ではそれ以上の温度でお湯を沸かし、保温しています。これを55度などに下げることで、沸き上げに必要な消費電力を抑えることが可能です。
季節に応じて設定温度を見直すのが効果的です。
- 夏場: 水温が高いため、給湯設定温度を少し低めにしても快適に使えることが多いです。
- 冬場: 湯冷めしやすいため設定温度を上げたくなりますが、必要以上に高くせず、お風呂の蓋をこまめに閉めるなどの工夫で保温を心がけましょう。
無駄なエネルギー消費を避けるためにも、ご家庭のライフスタイルに合わせて、必要最低限の適切な温度設定を見つけることが節約につながります。
電気代を節約・節電する対処法5選
「エコキュートの電気代がやばい」と感じたときに、今日から実践できる効果的な対処法を5つご紹介します。
- 電気料金プランの見直し: まずは、現在の電気料金プランがご家庭のライフスタイルに最適かを確認しましょう。夜間の在宅時間が長い、あるいは日中はほとんど電気を使わない家庭であれば、より深夜電力の割引率が高いプランに変更することで節約効果が期待できます。電力会社の窓口に相談してみるのも良い方法です。
- 「高温足し湯」を積極的に使う: 浴槽のお湯がぬるくなった時、「追いだき」機能を使うと、タンク内のお湯の熱を使って浴槽のお湯を温め直すため、タンク全体の湯温が下がってしまいます。一方、「高温足し湯」はタンク内の熱いお湯をそのまま浴槽に加えるため、より効率的で省エネです。お湯を温め直す際は、追いだきよりも高温足し湯を優先しましょう。
- ピークカット設定を活用する: エコキュートの多くには、電気料金が最も高くなる時間帯の沸き上げを自動で停止する「ピークカット設定(または沸き上げ停止設定)」が搭載されています。この機能をオンにすることで、意図しない昼間の高コストな沸き上げを防ぐことができます。
- 不在時は「休止モード」に設定する: 旅行や帰省などで長期間家を空ける際は、必ず「休止モード」や「沸き上げ停止設定」を行いましょう。設定した期間、自動での沸き上げを停止するため、無駄な電気代を大幅に削減できます。
- お湯の使い方を工夫する: 節水シャワーヘッドに交換したり、食器を洗う際は溜め洗いをしたりと、日々の生活でお湯の使用量そのものを減らす意識が大切です。使うお湯の量が減れば、沸かすお湯の量も減り、直接的な電気代の節約につながります。
エコキュートは何年で元が取れますか?
エコキュートの導入を考える上で最も気になるのが、「初期費用は一体何年で回収できるのか?」という点です。これは、交換前の給湯器の種類によって大きく異なります。
一般的に、エコキュートの導入費用は工事費込みで40万円~60万円程度が相場です。一方、ガス給湯器は15万円~30万円程度であり、その差額を月々のランニングコストの差で埋めていくことになります。
ケース別・初期費用回収期間のシミュレーション
交換前の給湯器 | 年間光熱費の差額(目安) | 初期費用差額(目安) | 回収期間(目安) |
プロパンガス給湯器 | 約83,000円~123,000円 | 約25万円~45万円 | 約3年~5年 |
都市ガス給湯器 | 約40,000円~58,000円 | 約25万円~45万円 | 約6年~9年 |
上記の数値は家族構成や地域、機器の価格により変動します。
表からも分かるように、特に光熱費が高いプロパンガスをご利用の家庭では、エコキュートに交換することで大きな節約効果が生まれ、比較的短期間で初期費用を回収できる可能性が高いです。
都市ガスの場合は、プロパンガスほど劇的な差は生まれませんが、エコキュートの寿命が一般的に10年~15年とされていることを考えると、長期的には十分元が取れる計算になります。
ただし、これはあくまでシミュレーションです。国の補助金制度などを活用すれば、初期費用を抑えてさらに早く元を取ることも可能です。
まとめ:エコキュートの電気代がやばい!を解決し節約
この記事で解説した、エコキュートの電気代に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 電気代が高くなる主な原因は日中の沸き増し
- 冬場は外気温と水温の低下で電気代が上昇しやすい
- 家庭の湯量に合わないタンク容量は非効率
- ピークカットなど本体の節約機能を活用する
- 電気料金プランがライフスタイルに合っているか見直す
- お風呂の保温は「追いだき」より「高温足し湯」が省エネ
- 給湯温度の設定は季節ごとに見直すと効果的
- 4人家族で冬場は総電力1000kWhを超える可能性もある
- メーカーの公式サイトで電気代をシミュレーションできる
- プロパンガスからの交換なら約3年~5年で元が取れる
- 都市ガスからでも長期的には初期費用を回収可能
- 節水など日々の暮らしの中でお湯の使用量を減らす意識も大切
- 長期不在時は必ず「休止モード」に設定する
- 国の補助金制度を利用すれば初期費用を抑えられる
- 正しい知識と工夫でエコキュートの電気代は大幅に節約できる