エコキュート・給湯器

エコキュートの水抜きは業者に頼むべき?費用や注意点を徹底解説

2025年9月30日

エコキュートの水抜きについて、エコキュートを水抜きしたことないけれど本当に必要か、と疑問に思っていませんか。

エコキュートの水抜きとは何か、また水抜きをしないとどうなるのか、その基本的な部分から解説します。この記事では、オール電化だから水抜きは不要といった誤解を解き、エコキュートの水抜きのメリットや適切な水抜きの頻度の目安を明らかにします。

さらに、パナソニック製品を含むエコキュートの水抜きのやり方や、自分でできるメンテナンス手順とやり方を紹介するとともに、突然のエコキュートの水抜き訪問をうたう業者への対処法、依頼した場合のエコキュートの水抜き費用についても詳しく説明します。信頼できるエコキュートの水抜き業者を見つけるための知識を身につけましょう。

この記事のポイント

  • エコキュートの水抜きが必要な理由
  • 自分でできる正しい水抜きの方法
  • 業者に依頼する場合の費用相場
  • 悪質な訪問業者を見分けるポイント

エコキュート水抜きは業者に頼むべき?基本知識編

エコキュート水抜きは業者に頼むべき?基本知識編

  • エコキュートの水抜きとは?本当に必要か解説
  • 水抜きをしないとどうなるのか具体的に解説
  • 見過ごせないエコキュートの水抜きのメリット
  • 推奨されるエコキュート水抜きの頻度の目安
  • オール電化なら水抜き不要という噂は本当?
  • エコキュートの水抜きしたことない場合の注意点

エコキュートの水抜きとは?本当に必要か解説

エコキュートの水抜きとは、貯湯タンクの底に溜まった沈殿物や不純物を排出するための大切なメンテナンス作業を指します。毎日使う水道水には、カルシウムやミネラル分などがごく微量に含まれています。これらが時間とともにタンクの底に少しずつ溜まっていくため、定期的に排出する必要があるのです。

この作業は、エコキュートを長期間にわたって清潔かつ効率的に使用するために、メーカーが推奨しているメンテナンスの一つです。お風呂のお湯に白い浮遊物が混じったり、お湯の出が悪くなったりするトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。

したがって、エコキュートの水抜きは、快適なお湯を使い続けるために不可欠な作業と考えられます。年に1〜2回程度の簡単な作業で機器の寿命を延ばすことにも繋がるため、定期的に実施することが望ましいです。

水抜きをしないとどうなるのか具体的に解説

エコキュートの水抜きを長期間行わないと、いくつかの問題が発生する可能性があります。主なリスクは、貯湯タンク内に溜まった不純物が原因で引き起こされるものです。

まず、タンクの底に溜まった沈殿物が、お風呂の湯はり時にお湯と一緒に出てくることがあります。これにより、浴槽に湯垢のような汚れが浮いたり、お湯が濁って見えたりと、衛生面での問題が生じます。また、配管の接続部分に使われているゴムパッキンが経年劣化で剥がれ、黒いゴミとしてお湯に混じることもあるでしょう。

さらに、これらの不純物やゴミが浴槽の循環アダプターのフィルターを詰まらせる原因にもなります。フィルターが詰まるとお湯の循環がうまくいかなくなり、エコキュート本体に余計な負荷がかかります。この状態が続くと、沸き上げ効率が低下して電気代が余計にかかったり、最悪の場合は故障に繋がって機器の寿命を縮めたりする恐れがあるのです。

見過ごせないエコキュートの水抜きのメリット

エコキュートの水抜きを定期的に行うことには、いくつかの大きなメリットがあります。手間をかける価値のある効果が得られるため、ぜひ実践を検討してください。

第一に、いつでも清潔なお湯が使えるようになる点が挙げられます。タンク内の不純物を排出することで、湯垢やゴミがお湯に混じるのを防ぎ、毎日のバスタイムをより快適なものにします。衛生的なお湯は、特に小さなお子様や肌が敏感な方がいるご家庭にとって安心材料となるでしょう。

第二に、エコキュートの寿命を延ばす効果が期待できます。前述の通り、フィルター詰まりなどが原因で機器に過度な負荷がかかるのを防ぐため、結果として故障リスクを低減させます。定期的なメンテナンスは、高価な設備であるエコキュートを長く大切に使うための鍵となります。

そして第三に、災害時など非常時の備えになるという側面もあります。エコキュートのタンク内に貯められているお湯や水は、断水時に生活用水として活用できます。タンク内を清潔に保っておけば、いざという時にも安心して水を使えるのです。ただし、飲用する場合は一度沸騰させる必要があります。

推奨されるエコキュート水抜きの頻度の目安

エコキュートの水抜きの頻度は、多くのメーカーが半年に1回から1年に1回程度を推奨しています。貯湯タンクや配管の内部は直接見ることができないため、汚れの蓄積具合を確認するのは困難です。そのため、汚れが目に見えるトラブルとして現れる前に、定期的なメンテナンスとして習慣づけることが大切です。

水道水に含まれるミネラル分の量は地域によって異なるため、お住まいの地域の水質によっては、よりこまめなメンテナンスが望ましい場合もあります。しかし、少なくとも年に1回は水抜きを行うことで、タンク内の衛生状態を保ち、機器への負担を軽減できるでしょう。

年末の大掃除の時期や、気候の良い春や秋など、作業がしやすい時期に「年に2回のイベント」としてスケジュールに組み込んでしまうのがおすすめです。カレンダーやスマートフォンのリマインダー機能などを活用し、忘れずに実施する習慣をつけるのが良い方法です。

オール電化なら水抜き不要という噂は本当?

「オール電化の住宅はエコキュートの水抜きが不要」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは誤った情報です。正しくは、「給湯方式がエコキュートであるならば、オール電化かどうかに関わらず水抜きは必要」となります。

オール電化とは、調理、給湯、空調など家庭内で使うエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことを指します。その給湯を担う設備として、多くのオール電化住宅でエコキュートが採用されています。

エコキュートは、お湯を貯湯タンクに貯めておく「貯湯式」の給湯器です。そのため、水道水に含まれる不純物がタンクの底に溜まるという構造上の特性があります。この問題を解消するために水抜きが必要なのであり、住宅がオール電化であるかどうかは関係ありません。

したがって、ご自宅がオール電化で、かつ給湯器にエコキュートを使用している場合は、メーカーの推奨する頻度で定期的な水抜きを行うことが大切です。

エコキュートの水抜きしたことない場合の注意点

エコキュートを設置してから一度も水抜きをしたことがない、という方も少なくないかもしれません。長年メンテナンスを行っていない場合、いくつかの点に注意が必要です。

まず、タンクの底には長年蓄積された不純物が固まって、一度の水抜きでは排出しきれない可能性があります。このような状態でご自身で作業しても、十分な効果が得られないばかりか、排水時に大量の汚れが出てきて驚いてしまうことも考えられます。

特に設置から5年以上経過しているにも関わらず一度も水抜きをしていない場合は、無理にご自身で対処しようとせず、一度プロの業者に相談することをおすすめします。専門業者であれば、点検を兼ねてタンク内の状態を確認し、適切な方法で洗浄を行ってくれます。

業者に依頼することで、自分では気づけないような部品の劣化や不具合を発見してもらえる可能性もあります。これを機に一度リセットする意味で、専門家によるメンテナンスを受けるのが賢明な判断と言えるでしょう。

エコキュート水抜き業者の選び方や信頼できる業者の見極め方

エコキュート水抜き業者の選び方や信頼できる業者の見極め方

  • 自分でできるエコキュート水抜きのやり方と手順
  • パナソニック製エコキュートの水抜き方法
  • エコキュートの水抜きにかかる費用の相場
  • エコキュートの水抜きを騙る訪問業者に注意

自分でできるエコキュート水抜きのやり方と手順

エコキュートの水抜き作業は、取扱説明書を確認すればご自身で行うことも可能です。作業は比較的簡単ですが、手順を間違えないように注意深く進めましょう。以下に一般的な手順とやり方を解説します。

準備するもの

作業を始める前に、マイナスドライバーやプラスドライバー、そして排水を受けるためのバケツやホースを準備しておくとスムーズです。

水抜きの基本的な手順

  1. 漏電遮断器を「切」にする: 貯湯タンクユニットのカバー内にある漏電遮断器のスイッチを切ります。安全のために必ず最初に行ってください。
  2. 給水止水栓を閉める: エコキュートへの給水管の途中にある止水栓を閉めて、水の供給を止めます。
  3. 逃し弁レバーを上げる: 貯湯タンクの上部にあるカバーを開け、中にある逃し弁のレバーを手前に起こします。これによりタンク内に空気が入ります。
  4. 排水栓を開けて排水する: タンク下部にある排水栓を開けます。すると、タンクの底に溜まっていた水と沈殿物が排出されます。汚れを洗い流すため、1〜2分程度排水を続けてください。
  5. 排水栓を閉める: 排水が終わったら、排水栓をしっかりと閉めます。
  6. 給水止水栓を開ける: 閉めていた給水止水栓を開きます。
  7. 逃し弁レバーを戻す: 上げていた逃し弁のレバーを元の位置に戻します。
  8. 漏電遮断器を「入」にする: 最後に漏電遮断器のスイッチを入れれば作業は完了です。

作業中に水が勢いよく飛び出すことがありますが、これは汚れを排出するために必要な勢いです。慌てずに作業を進めてください。ただし、冬場に気温が氷点下になるような日は、配管が凍結する恐れがあるため作業を避けるのが賢明です。

パナソニック製エコキュートの水抜き方法

パナソニック製エコキュートの水抜き方法も、基本的な流れは前述の手順とほとんど同じです。ただし、機種や年式によって漏電遮断器や各バルブの位置が異なる場合があるため、作業前には必ずご自宅の機種の取扱説明書を確認することが大切です。

パナソニックの公式サイトでは、動画でメンテナンス方法を解説している場合もあります。文章だけでは分かりにくいと感じる方は、そうした視覚的な情報を参考にすると、より安全かつ確実に作業を進めることができるでしょう。

もし取扱説明書を紛失してしまった場合は、パナソニックのホームページからお使いの機種の型番で検索し、電子版の取扱説明書をダウンロードすることも可能です。自己判断で作業を進めるのではなく、必ず正しい情報を確認してから取り掛かるようにしてください。

エコキュートの水抜きにかかる費用の相場

エコキュートの水抜きを専門の業者に依頼する場合、費用相場は点検作業を含めておおよそ1万円から3万円程度が一般的です。作業内容としては、貯湯タンクの水抜きだけでなく、各部の動作確認や簡易的な清掃などが含まれることが多いです。

ただし、これはあくまで基本的なメンテナンスの費用です。点検の結果、ゴムパッキンのような消耗品の交換が必要になったり、何らかの修理が必要になったりした場合は、別途部品代や技術料が発生します。

特に長年メンテナンスを行っていないエコキュートの場合、予期せぬ不具合が見つかる可能性も考慮しておくとよいでしょう。業者に依頼する際は、事前に作業内容と費用の内訳を明確に確認し、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。そうすることで、適正価格で信頼できる業者を選ぶ一助となります。

エコキュートの水抜きを騙る訪問業者に注意

エコキュートのメンテナンスに関して、注意が必要なのが悪質な訪問業者です。「無料でエコキュートの点検をします」などと言って突然訪問してくる業者には、特に警戒が必要です。

これらの業者の手口としてよく見られるのが、点検をするふりをして「タンクの中がひどく汚れている」「このままではすぐに壊れる」などと根拠なく不安を煽り、高額な浄水器の契約や不要な修理サービスを強引に勧めてくるケースです。有料の水抜きサービスをしつこく勧めてくる場合もあります。

正規のメーカーや信頼できる業者が、事前の連絡(アポイント)なしに突然訪問して点検を行うことはまずありません。アポなしで訪問してきた業者に対しては、身元がはっきりしない限り、安易に点検させたり、家に上げたりしないことが肝心です。

もし不審に感じたら、「付き合いのある業者に頼んでいるので結構です」とはっきりと断りましょう。しつこい場合は、インターホンを切ってしまうのも一つの手です。その場で契約を迫られても絶対に即決せず、慎重に対応してください。

エコキュート水抜き業者の選び方:総まとめ

  • エコキュートの水抜きはタンク内の沈殿物を排出する重要なメンテナンス
  • 推奨される頻度は半年に一度から一年に一度が目安
  • 水抜きをしないとお湯の汚れやフィルター詰まり、故障の原因になる
  • メリットは衛生的、機器の長寿命化、非常用水の確保
  • 自分で作業も可能だが必ず取扱説明書で手順を確認する
  • 作業時は漏電遮断器を切り火傷や感電に注意
  • 冬場の氷点下になる日の作業は凍結リスクがあるため避ける
  • 設置後一度も水抜きしていない場合はプロの業者への依頼がおすすめ
  • 業者依頼の費用相場は点検込みで1万円から3万円程度
  • 修理や部品交換が必要な場合は追加費用が発生する
  • 突然「無料点検」をうたって訪問してくる業者には要注意
  • 不安を煽り高額な契約を迫る悪質な手口がある
  • アポなしの訪問業者は安易に家に入れずきっぱりと断る
  • 業者を選ぶ際は複数の業者から見積もりを取って比較検討する
  • メーカーやエコキュートを設置した販売店に相談するのも確実な方法
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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