エコキュート・給湯器

パナソニックエコキュート配管洗浄のやり方とジャバの手順を解説

2025年9月28日

パナソニック製エコキュートをお使いで、配管洗浄のやり方について調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか。エコキュートに配管洗浄は必要なのか、またその適切な配管洗浄の頻度はどのくらいなのか、疑問に思う点は多いかもしれません。

この記事では、具体的なエコキュート配管洗浄のやり方や手順を分かりやすく解説します。自動配管洗浄の設定方法や、万が一エコキュートの自動配管洗浄がしない場合の対処法にも触れていきます。

さらに、洗浄運転とはどのような機能なのか、配管洗浄完了までの流れ、手動配管洗浄の進め方についても詳しくご説明します。

洗浄剤の選び方として、パナソニックエコキュートの配管洗浄でジャバは使えるのか、あるいは配管洗浄にオキシクリーンを使用しても問題ないのかといった点も明らかにします。

ご自身での洗浄が難しい場合に頼れる配管洗浄の業者や、配管洗浄と一緒にやっておきたいメンテナンスについても網羅しているため、この記事を読めば、パナソニックエコキュートの配管洗浄に関するあらゆる疑問が解消されるはずです。

ポイント

  • パナソニックエコキュートの配管洗浄の必要性と適切な頻度
  • 自動洗浄と手動洗浄の具体的な手順や設定方法
  • 推奨される洗浄剤の選び方と正しい使い方
  • 洗浄がうまくいかない時の対処法と関連メンテナンス

パナソニックエコキュートの配管洗浄のやり方と必要性

パナソニックエコキュートの配管洗浄のやり方と必要性

  • エコキュートに配管洗浄は必要?
  • 推奨される配管洗浄の頻度とは
  • 自動と手動の配管洗浄機能について
  • 自動配管洗浄の設定と作動しない場合
  • 洗浄運転とは?配管洗浄完了までの流れ

エコキュートに配管洗浄は必要?

はい、フルオートタイプのエコキュートには定期的な配管洗浄が不可欠です。

なぜなら、お風呂の追いだき機能は、浴槽内のお湯をエコキュートの配管(ふろ配管)に取り込み、温め直してから再び浴槽に戻す仕組みになっているからです。この過程で、浴槽のお湯に含まれる皮脂汚れ、水垢、入浴剤の成分などが配管の内部に少しずつ蓄積されてしまいます。

これらの汚れを栄養源として、配管内部でレジオネラ菌や大腸菌といった雑菌が繁殖するおそれがあります。掃除をせずに放置していると、追いだきをするたびに、配管内で増殖した雑菌が浴槽内に逆流してくる可能性も考えられます。

特に、免疫力が低い小さなお子様やご高齢の方がいらっしゃるご家庭では、健康への影響も懸念されます。したがって、家族全員が毎日安心して清潔なお風呂に入るために、エコキュートの配管洗浄は非常に大切なメンテナンスと言えます。

推奨される配管洗浄の頻度とは

エコキュートの配管洗浄は、使用状況や家族の人数によっても異なりますが、大きく分けて2つの頻度を意識することが推奨されています。

一つは、多くのパナソニック製エコキュートに搭載されている「自動配管洗浄」です。これは日常的な洗浄で、基本的には毎日、浴槽のお湯を排水するたびに自動で作動します。

もう一つは、洗浄剤を使用した本格的な洗浄です。こちらはパナソニックの取扱説明書によると、半年に1回程度の頻度で行うことが推奨されています。自動洗浄だけでは落としきれない頑固な汚れを、専用の洗浄剤を使って根本から除去することが目的です。

ただし、入浴剤を頻繁に使用するご家庭や、家族の人数が多い場合は、汚れが蓄積しやすくなる傾向があります。そのため、状況に応じて洗浄剤を使用する頻度を3ヶ月に1回にするなど、少し早めのサイクルでお手入れをすると、より清潔な状態を保つことができるでしょう。

自動と手動の配管洗浄機能について

パナソニックのエコキュートには、主に「自動配管洗浄」と「手動配管洗浄」の2種類の配管洗浄機能が備わっています。それぞれの特徴と役割を理解し、使い分けることが大切です。

自動配管洗浄

自動配管洗浄は、フルオートタイプのエコキュートに標準搭載されている機能です。浴槽のお湯を排水すると、エコキュートがそれを検知し、自動的に約10Lの新しいお湯をふろ配管に流して、内部に残った汚れや湯垢を洗い流してくれます。

この機能のおかげで、日常的に配管内を清潔に保つことができ、利用者が特別な操作をする必要がないため非常に便利です。基本的には設定を「入」にしておけば、日々のメンテナンスはエコキュートが自動で行ってくれます。

手動配管洗浄

手動配管洗浄は、利用者がリモコンを操作して任意のタイミングで行う洗浄です。こちらも自動洗浄と同様に、約10Lのお湯を配管に流して内部をすすぎます。

主な使用場面としては、しばらくお風呂を使わなかった後や、前日のお湯を抜いた後で、浴槽にお湯をはる前などが挙げられます。配管内に残っている可能性のある古い湯水を洗い流し、清潔な状態でお湯はりを開始するために役立ちます。

洗浄剤を使わない簡単なすすぎ洗浄ですが、気になる時にいつでも実施できるため、衛生面をより意識したい場合に活用できる機能です。

自動配管洗浄の設定と作動しない場合

便利な自動配管洗浄機能ですが、正しく設定されていない、あるいは特定の条件下で作動しないことがあります。

自動配管洗浄の設定方法

自動配管洗浄機能は、通常は初期設定で「入」になっていますが、何らかの理由で「切」になっている可能性も考えられます。設定の確認や変更は、台所または浴室のリモコンから行えます。

一般的な操作手順は、リモコンの「メニュー」ボタンから「ふろ設定」や「詳細設定」などの項目に進み、「自動配管洗浄」を選択して「入/切」を切り替えるという流れです。詳しい操作方法は機種によって異なるため、ご自宅のエコキュートの取扱説明書で確認することをおすすめします。

自動配管洗浄が作動しないケース

設定が「入」になっているにもかかわらず自動配管洗浄が作動しない場合、いくつかの原因が考えられます。

  • 「ふろ自動」運転中に排水した: 「ふろ自動」でお湯はりや保温を行っている最中に栓を抜くと、機能が正常に働かないことがあります。
  • 残り湯を洗濯などに使用中: 浴槽の残り湯の水位が循環口(お湯が出てくる穴)のあたりまで下がると、排水前でも洗浄機能が作動してしまう場合があります。
  • 停電からの復旧直後: 停電から復旧した直後は、設定がリセットされたり、システムが安定していなかったりして作動しないことがあります。
  • 混合水栓からお湯はりをした: エコキュートの「ふろ自動」機能を使わずに、蛇口から直接お湯をためた場合は、排水を検知できず洗浄は行われません。

これらのケースに当てはまらないのに洗浄が行われない場合は、エコキュート本体のセンサーなどに不具合が生じている可能性も否定できません。その際は、専門の業者に点検を依頼することを検討しましょう。

洗浄運転とは?配管洗浄完了までの流れ

「洗浄運転」とは、洗浄剤を使用してふろ配管の内部を本格的に掃除するための特別な運転モードです。日常的な自動配管洗浄だけでは除去しきれない、配管内にこびりついた皮脂汚れや湯垢を徹底的に洗浄する際に使用します。

この機能は、半年に1回程度の定期的なメンテナンスとして行うことが推奨されています。

洗浄運転の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 準備: 浴槽の循環口から10cm以上上までお湯または水をためます。(残り湯でも可)
  2. 洗浄剤の投入: 規定量の洗浄剤を浴槽に入れ、よく溶かします。
  3. 洗浄運転の開始: 浴室リモコンのメニューから「諸設定」などを選び、「洗浄運転」を選択して決定ボタンを押します。
  4. 自動洗浄: 運転が始まると、エコキュートが自動的にお湯を循環させたり、新しいお湯を流したりして、約20分かけて配管内部を洗浄します。利用者は待つだけで問題ありません。
  5. 排水: 運転が終了したら、浴槽の洗浄剤が入ったお湯を全て排水します。
  6. すすぎ: 再び浴槽に水をため、もう一度「洗浄運転」の操作を行って配管内部をすすぎます。
  7. 完了: すすぎ運転が終わったら、水を排水し、浴槽やフィルターを軽く掃除して配管洗浄完了となります。

このように、「洗浄運転」はリモコン操作一つで、洗浄からすすぎまでの一連の工程を半自動で行える便利な機能です。

パナソニックエコキュートの配管洗浄のやり方や手順

パナソニックエコキュートの配管洗浄のやり方や手順

  • エコキュート配管洗浄のやり方や手順
  • 推奨洗浄剤はジャバ?オキシクリーンは?
  • 難しい場合は配管洗浄業者に依頼
  • 配管洗浄と一緒に行うべきメンテナンス

エコキュート配管洗浄のやり方や手順

ここでは、洗浄剤を使った半年に1度の本格的な配管洗浄のやり方について、具体的な手順を解説します。

準備するもの

  • エコキュートの取扱説明書
  • 推奨されている配管洗浄剤(例:ジャバ1つ穴用)
  • 歯ブラシ(浴槽フィルターの掃除用)

洗浄の手順

  1. お湯をためる: まず、浴槽の循環口(お湯が出てくる金具)の中心から、10cm以上お湯がたまった状態にします。前日の残り湯がこの条件を満たしていれば、そのまま利用できます。
  2. 洗浄剤を投入する: 浴槽のお湯の中に、指定された量の洗浄剤を入れ、かき混ぜてよく溶かしてください。
  3. 「洗浄運転」を開始する: 浴室リモコンの「メニュー」ボタンを押し、「諸設定」の中から「洗浄運転」を選んで「決定」を押します。これで洗浄運転がスタートします。
  4. 待機する: 洗浄運転は約20分で自動的に完了します。この間、エコキュートが配管内のお湯を循環させて汚れを浮き上がらせます。
  5. 排水する: 運転完了の表示が出たら、浴槽の栓を抜き、洗浄剤が混ざったお湯を全て排水します。
  6. すすぎのためにお湯をためる: 排水が完了したら、再び浴槽の循環口から10cm以上上まで、今度はきれいな水またはお湯をためます。これは配管内に残った洗浄剤や汚れを洗い流すための「すすぎ」工程です。
  7. 再度「洗浄運転」を行う: もう一度、手順3と同じ操作で「洗浄運転」を開始します。これにより、きれいな水が配管内を循環し、内部がすすがれます。
  8. 最終的な排水と清掃: すすぎ運転が完了したら、浴槽の水を全て抜きます。最後に、浴槽アダプターのフィルターを取り外して歯ブラシなどで洗い、浴槽内もきれいに掃除すれば、全ての工程が完了です。

汚れがひどい場合は、この一連の工程を繰り返すことで、より洗浄効果が高まります。

推奨洗浄剤はジャバ?オキシクリーンは?

配管洗浄を行う上で、どの洗浄剤を使えば良いのかは非常に気になる点です。ここでは、代表的な洗浄剤について解説します。

メーカー推奨の洗浄剤

パナソニックは、純正のふろ循環回路洗浄剤「AD-3755A-2AH」の使用を推奨しています。また、市販品では、ジョンソン株式会社の「ジャバ(1つ穴用)」も使用可能であると取扱説明書に記載されています。

「ジャバ」は、多くエコキュートメーカーが推奨しており、給湯器の配管を傷めにくい成分で作られているため、安心して使用できる選択肢の一つです。特別な理由がない限りは、これらのメーカーが推奨する洗浄剤を選ぶのが最も確実と言えます。

オキシクリーンの使用について

酸素系漂白剤であるオキシクリーンは、その高い洗浄力から様々な掃除に活用されていますが、エコキュートの配管洗浄への使用は推奨されていません。

オキシクリーンは発泡する力が強く、配管やエコキュート本体のセンサー類に予期せぬ負荷をかけたり、故障の原因になったりする可能性があります。また、成分が配管の素材(主に銅や樹脂)を傷めるおそれも否定できません。

万が一、メーカーが推奨していない洗浄剤を使用して故障した場合、保証期間内であっても保証の対象外と判断されることがあります。リスクを避けるためにも、配管洗浄には必ず指定された洗浄剤を使用するようにしましょう。

難しい場合は配管洗浄業者に依頼

ご自身で配管洗浄を行っても汚れが取りきれない、あるいは長年メンテナンスをしていなかったため不安がある、といった場合には、専門の業者に依頼することも有効な選択肢です。

DIYと専門業者の違い

自分で行う洗浄は、市販の洗浄剤を使って配管内の汚れを浮かせて洗い流す方法です。手軽でコストを抑えられる点がメリットですが、長年蓄積した頑固な汚れを完全に除去するのは難しい場合があります。

一方、専門業者は特殊な洗浄剤や、マイクロバブルを発生させる専用の機材を使用して、配管内部に付着したバイオフィルム(菌の膜)ごと徹底的に剥がし取ります。見えない部分の汚れまで根本から洗浄できるため、洗浄効果が非常に高いのが特徴です。

比較項目 自分で行う洗浄(DIY) 専門業者による洗浄
費用 安価(洗浄剤代のみ数百円~) 比較的高価(20,000円~30,000円程度)
効果 日常的な汚れの除去 頑固な汚れ、バイオフィルムまで徹底除去
手間 自分で作業する必要がある 依頼するだけで全て任せられる
頻度 半年に1回程度が目安 1年~数年に1回程度で効果が持続

業者を選ぶ際のポイント

配管洗浄を業者に依頼する際は、以下の点を確認すると良いでしょう。

  • エコキュートの洗浄実績: エコキュートの構造を熟知している、実績豊富な業者を選びましょう。
  • 料金体系の明確さ: 事前見積もりを依頼し、作業内容と料金が明確に提示されるか確認します。
  • 損害賠償保険の加入: 万が一の機材破損などに備え、保険に加入している業者だとより安心です。

追いだきをするとお湯から嫌な臭いがする、黒いカスのような汚れが出てくるといった症状がある場合は、専門業者による徹底洗浄を検討するタイミングかもしれません。

配管洗浄と一緒に行うべきメンテナンス

エコキュートを長く快適に使い続けるためには、配管洗浄だけでなく、他の部分の定期的なメンテナンスも大切です。配管洗浄を行うタイミングで、以下のメンテナンスも一緒に行うことをおすすめします。

  • 貯湯タンクの排水(水抜き): 年に2~3回、タンクの底に溜まった不純物や沈殿物を排出します。これにより、タンク内を清潔に保ち、お湯の質を維持します。
  • 浴槽フィルターの清掃: 循環口についているフィルターは、髪の毛やゴミが詰まりやすい部分です。追いだきの効率を維持するためにも、こまめに歯ブラシなどで掃除しましょう。
  • 漏電遮断器の作動点検: 年に2~3回、漏電遮断器のテストボタンを押し、正常に電源が「切」になるかを確認します。これにより、万が一の漏電事故を防ぎます。
  • 逃し弁の点検: タンク内の圧力を調整する重要な部品です。年に2~3回、逃し弁のレバーを操作して、お湯が正常に排水され、レバーを戻すとしっかり止まるかを確認します。
  • 給水口ストレーナーの清掃: 水道水に含まれるゴミを取り除くフィルターです。年に2~3回、取り外して水洗いし、目詰まりを防ぎます。

これらのメンテナンスは、多くが取扱説明書に記載されており、ご自身で行うことが可能です。定期的に行うことで、エコキュートの性能を維持し、故障のリスクを低減させることにつながります。

まとめ:パナソニックエコキュートで配管洗浄のやり方

  • フルオートタイプのエコキュートには定期的な配管洗浄が必要
  • 配管洗浄は雑菌の繁殖を防ぎ、清潔なお湯を保つために行う
  • 洗浄剤を使った本格的な洗浄は半年に1回が推奨頻度
  • 日常的な清掃は自動配管洗浄機能が自動で行う
  • 自動配管洗浄は浴槽のお湯を排水する際に作動する
  • 手動配管洗浄はリモコン操作でいつでも配管をすすげる機能
  • 洗浄剤を使った本格的な清掃には「洗浄運転」モードを使用する
  • 洗浄運転は準備、洗浄剤投入、運転開始、排水、すすぎの手順
  • パナソニック推奨の洗浄剤は純正品または市販のジャバ(1つ穴用)
  • オキシクリーンなどメーカー非推奨の洗浄剤の使用は故障の原因になる
  • 自動洗浄が作動しない場合はリモコンの設定や使用状況を確認する
  • 長年の汚れが気になる場合は専門業者への依頼も有効な選択肢
  • 業者依頼は費用がかかるが洗浄効果は非常に高い
  • 配管洗浄と同時に貯湯タンクの水抜きやフィルター清掃も行うと良い
  • 定期的なメンテナンスがエコキュートの寿命を延ばす鍵となる
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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