エコキュート・給湯器

エコキュートの掃除の仕方|箇所別の頻度やコツと手順をプロが解説

2025年9月27日

毎日のお風呂を快適にしてくれるエコキュートですが、定期的な掃除はされていますか。エコキュートの掃除の仕方が分からず、ついつい後回しにしてしまう方もいるかもしれません。しかし、エコキュートを掃除しないとどうなるかご存知でしょうか。お湯が汚れたり、機器の寿命が縮まったりと、様々なトラブルの原因になり得ます。

この記事では、エコキュートは自分で掃除できますか?という疑問にお答えし、具体的な掃除箇所であるリモコンや浴槽のフィルター掃除、そしてエコキュートのタンク内の掃除はどのようにすればいいのかを詳しく解説します。

また、エコキュートのメンテナンスとして欠かせない水抜きやストレーナー掃除の方法、水位センサーの掃除の必要性にも触れていきます。

さらに、エコキュートの掃除の仕方と適切な頻度やタイミング、掃除を業者に頼んだ場合の費用相場、そして注意すべき掃除訪問や悪質な業者による詐欺の手口まで、網羅的にご紹介します。

ポイント

  • エコキュートの掃除が必要な4つの箇所と具体的な手順
  • 箇所ごとの適切な掃除の頻度とベストなタイミング
  • 掃除を怠った場合に発生する具体的なリスクや不具合
  • 専門業者に掃除を依頼する際の費用相場と注意点

エコキュートの掃除の仕方|自分で掃除やメンテナンスやり方

エコキュートの掃除の仕方|自分で掃除やメンテナンスやり方

  • エコキュートの掃除箇所は主に4つ
  • エコキュートは自分で掃除できますか?
  • 浴槽にあるフィルター掃除のポイント
  • タンク内の掃除はメンテナンス水抜きで
  • 給水ストレーナーの掃除も忘れずに
  • 水位センサーの掃除は必要?

エコキュートの掃除箇所は主に4つ

エコキュートの性能を維持し、清潔なお湯を使い続けるためには、定期的な掃除が不可欠です。掃除が必要な箇所は、大きく分けて「リモコン」「浴そうフィルター」「ふろ配管」「貯湯タンク」の4つになります。

この中で、リモコンと浴そうフィルターは日常的なお手入れが推奨される箇所です。一方で、ふろ配管や貯湯タンクは毎日掃除する必要はありませんが、定期的なメンテナンスを怠ると汚れが蓄積し、トラブルの原因となる可能性があります。

それぞれの箇所の役割と汚れの特性を理解し、適切な方法で掃除を行うことが、エコキュートを長く快適に使うための鍵となります。次の項目から、具体的な掃除方法を一つひとつ見ていきましょう。

エコキュートは自分で掃除できますか?

多くの方が疑問に思う「エコキュートの掃除は自分でできるのか」という点ですが、結論から言うと、日常的なメンテナンスのほとんどはご自身で行うことが可能です。

その理由は、メーカーが推奨している定期的なお手入れの多くが、専門的な工具や知識を必要としない平易な作業だからです。例えば、リモコンの拭き掃除や浴そうフィルターの水洗いなどは、誰でも簡単に行えます。また、半年に一度程度のふろ配管の洗浄や貯湯タンクの水抜きも、取扱説明書の手順に従えば決して難しい作業ではありません。

ただし、貯湯タンクの内部を分解して洗浄したり、電子部品に関わる修理や点検を行ったりすることは、専門知識がないと故障や事故につながる危険があるため、プロの業者に任せるべきです。自分でできる範囲と業者に依頼すべき範囲を正しく理解することが大切です。

浴槽にあるフィルター掃除のポイント

浴槽のフィルター、つまり循環口のカバーは、お湯に含まれる髪の毛や皮脂、湯垢などをキャッチする重要な部分です。ここが詰まると、お湯の循環がうまくいかず、追い焚き機能の効率が低下したり、設定した湯量までお湯が張れなくなったりする原因になります。

フィルターの掃除は、最低でも週に1回は行いましょう。

フィルターの掃除手順

  1. フィルターを外す: フィルター本体の側面を持ち、軽く左に回すと簡単に取り外せます。多くのフィルターには「はずす」「とめる」といった表示がありますので、それに従ってください。
  2. ブラシで洗浄: 取り外したフィルターの裏表に付着したゴミやぬめりを、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすりながら水洗いします。シャワーの水圧を利用すると、網目に詰まった細かい汚れも効率的に洗い流せます。
  3. 循環口の洗浄: フィルターを戻す前に、むき出しになった循環口の部分もシャワーで軽く洗い流しておきましょう。
  4. フィルターを取り付ける: 掃除が終わったら、外した時と逆の手順でフィルターをしっかりと取り付けます。

このフィルター掃除は、日常のお風呂掃除のついでに行う習慣をつけると、忘れずに清潔な状態を保てます。

タンク内の掃除はメンテナンス水抜きで

エコキュートの心臓部とも言える貯湯タンクは、常にお湯を溜めているため、水道水に含まれるミネラル分などが少しずつ底に沈殿していきます。この沈殿物を放置すると、お湯に混じって出てきたり、配管詰まりの原因になったりする可能性があります。

このタンク内の汚れを排出するために行うのが「タンクの水抜き」です。タンクの水をすべて抜くのではなく、底にある排水栓から1〜2分間水を流すことで、底に溜まった沈殿物を水圧で押し流すことができます。この作業は、年に2〜3回、半年に1回程度の頻度で行うのが一般的です。定期的な水抜きは、タンク内を清潔に保ち、エコキュートの寿命を延ばす上でも効果が期待できます。

給水ストレーナーの掃除も忘れずに

貯湯タンクの水抜きを行う際には、ぜひ「給水ストレーナー」の掃除も一緒に行うことをお勧めします。

給水ストレーナーとは、水道管から貯湯タンクへ給水される配管の接続部分に設置された、網戸のようなフィルターのことです。水道水に含まれる砂やゴミなどがタンク内へ侵入するのを防ぐ役割を担っています。

このストレーナーにゴミが詰まってしまうと、タンクへ給水される水の勢いが弱くなり、お湯の出が悪くなったり、お湯はりにかかる時間が長くなったりする不具合が発生します。

掃除方法は簡単で、まず給水配管の止水栓を閉じてから、ストレーナーをレンチなどで左に回して取り外します。取り外したストレーナーは歯ブラシなどを使って水洗いし、ゴミを取り除いてから元に戻してください。このひと手間で、お湯の勢いが改善されることも少なくありません。

水位センサーの掃除は必要?

エコキュートには、浴槽内の水位を検知するための水位センサー(フロートスイッチとも呼ばれます)が備わっています。このセンサーが汚れてしまうと、水位を正しく検知できなくなることがあります。

症状としては、「設定した量よりお湯が多く張られてしまう」「逆にお湯が少なくなる」「お湯はりが途中で止まらない」といった不具合が挙げられます。

水位センサー自体の掃除は、部品が循環アダプターの内部にあることが多く、ユーザーが直接分解して掃除するのは難しい構造になっています。しかし、センサーの誤作動の多くは、循環アダプターやフィルター周辺の湯垢や汚れが原因で起こります。

したがって、前述した「浴槽にあるフィルター掃除」を定期的に行い、循環口周りを清潔に保つことが、結果的に水位センサーの正常な動作を維持することにつながります。もしフィルターを掃除しても水位の異常が改善されない場合は、センサー自体の故障も考えられるため、専門の業者に点検を依頼するのが賢明です。

エコキュートの掃除の仕方と業者依頼の注意点

エコキュートの掃除の仕方と業者依頼の注意点

  • エコキュートを掃除しないとどうなる?
  • 掃除を業者に頼んだ場合の費用相場
  • 訪問掃除の注意点と業者の詐欺
  • 掃除の仕方と適切な頻度やタイミング

エコキュートを掃除しないとどうなる?

エコキュートの掃除を怠ると、衛生的、経済的、そして機能的な側面から様々なリスクが生じます。

お湯に汚れが混ざり不衛生になる

最も分かりやすい影響は、お湯の汚れです。ふろ配管内に蓄積された皮脂汚れや入浴剤の成分、雑菌などが、お湯はりや追い焚きの際に浴槽へ流れ込みます。白や茶色の湯垢が浮いてきたり、お湯がなんとなく臭ったりするのは、配管内の汚れが原因である可能性が高いです。このような汚れたお湯は雑菌が繁殖しやすく、肌トラブルなど健康への影響も懸念されます。

機器の稼働効率が下がり電気代が上がる

フィルターやストレーナーが目詰まりを起こすと、お湯の循環や給水がスムーズに行えなくなります。その結果、お湯を温めるのに余計な時間がかかったり、お湯張りに時間がかかったりして、エコキュートが本来の性能を発揮できなくなります。稼働率が下がるということは、同じ量のお湯を作るのに余計な電力を消費することになり、電気代の上昇につながってしまうのです。

故障の原因となり寿命が短くなる

汚れの蓄積は、エコキュート本体の負担を増大させます。例えば、配管の詰まりはポンプに過度な負荷をかけ、部品の摩耗を早める原因となります。このような小さな負担が積み重なることで、最終的には機器の故障につながり、エコキュートの寿命そのものを縮めてしまうことにもなりかねません。定期的なメンテナンスは、長期的に見て修理費用や交換費用を抑えることにもつながります。

掃除を業者に頼んだ場合の費用相場

自分での掃除が難しいと感じる場合や、長年掃除をしておらず汚れがひどい場合には、プロの業者に依頼するのも有効な選択肢です。専門業者にエコキュートの清掃を依頼した場合の費用は、作業内容によって異なりますが、一般的な相場は1万円から3万円程度です。

ただし、これはあくまで基本的な清掃・メンテナンスの費用です。作業内容ごとの料金目安を以下の表にまとめました。

作業内容 費用相場の目安 主な作業
貯湯タンクの水抜き・点検 ¥8,000 ~ ¥15,000 タンクの水抜き、ストレーナー清掃、漏電遮断器や逃し弁の動作確認
ふろ配管の特殊洗浄 ¥15,000 ~ ¥25,000 専用の機材と洗剤を使い、配管内部の雑菌や汚れを徹底的に除去
総合メンテナンス ¥20,000 ~ ¥35,000 上記の作業に加え、配管の水漏れチェックなど全体的な点検を含む

料金は業者によって大きく異なるため、必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容と料金を比較検討することが大切です。見積もりを依頼する際は、料金の内訳(出張費や部品代が含まれているかなど)を明確に確認しましょう。

訪問掃除の注意点と業者の詐欺

エコキュートの掃除を業者に依頼する際には、残念ながら悪質な業者に注意する必要があります。特に「無料点検」を謳って訪問し、消費者の不安を煽って高額な契約を結ばせようとする手口が報告されています。

よくある悪質業者の手口

  • 無料点検商法:「無料でエコキュートを点検します」と訪問し、「このままではすぐに壊れる」「今すぐ交換しないと危険だ」などと嘘を言って、高額な洗浄契約や本体の交換を迫ります。
  • 不必要な部品交換: 本来は不要な部品の交換を勧め、高額な費用を請求します。
  • 相場からかけ離れた高額請求: 簡単な清掃作業にもかかわらず、数万円から十数万円といった法外な料金を請求します。

 悪質業者を避けるための対策

被害に遭わないためには、冷静な判断が求められます。突然の訪問営業は特に注意が必要です。その場で契約を即決せず、「家族と相談します」「他の業者にも見積もりを頼んでから考えます」とはっきりと断る勇気を持ちましょう。

また、依頼を検討する際は、その業者のウェブサイトで施工実績や利用者の口コミを確認したり、複数の業者から相見積もりを取ったりすることが有効な対策となります。信頼できる業者を選ぶことが、安心してエコキュートを任せるための第一歩です。

掃除の仕方と適切な頻度やタイミング

これまで解説してきたエコキュートの掃除について、箇所ごとの作業内容と推奨される頻度を表にまとめました。日々の生活の中で、ぜひこの表を目安にメンテナンスを実践してみてください。

掃除箇所 掃除内容 推奨される頻度
リモコン 乾いた布でのから拭き。汚れがひどい場合は中性洗剤で拭く 1週間に1回程度
浴そうフィルター フィルターを取り外し、歯ブラシなどで水洗い 1週間に1回程度
ふろ配管 自動洗浄機能を利用、または市販の洗浄剤で洗浄 自動洗浄は毎日、洗浄剤は半年に1回程度
貯湯タンク 排水栓から1~2分間、底の水を排水する(水抜き) 半年に1回程度
給水ストレーナー ストレーナーを取り外し、歯ブラシなどで水洗い 半年に1回程度(タンクの水抜きと同時)

掃除のタイミングに決まったルールはありませんが、「毎週末にお風呂掃除と一緒にフィルターを洗う」「季節の変わり目にタンクの水抜きをする」など、ご自身の生活サイクルに合わせて計画を立てると継続しやすくなります。定期的なお手入れで、エコキュートを常にベストな状態に保ちましょう。

エコキュートの掃除の仕方や方法:総括

この記事では、エコキュートの掃除方法から頻度、注意点までを網羅的に解説しました。最後に、清潔で快適なバスタイムを維持するための重要なポイントをまとめます。

  • エコキュートの主な掃除箇所はリモコン、フィルター、ふろ配管、タンクの4つ
  • 日常的な掃除の多くは専門知識がなくても自分でできる
  • 浴そうのフィルター掃除は週に1回を目安に行う
  • フィルターと同時に循環口周りも清掃すると効果的
  • タンクの掃除は半年に1回の水抜きで沈殿物を排出する
  • 水抜きの際は給水ストレーナーのゴミ詰まりも確認する
  • ふろ配管の洗浄は専用の洗浄剤を使い半年に1回行う
  • 掃除をしないとお湯の汚れや臭いの原因になる
  • 機器の効率が落ちて電気代が余計にかかる可能性がある
  • 汚れの放置はエコキュートの故障や寿命を縮めるリスクを高める
  • 業者依頼の費用相場は作業内容により1万円から3万円程度
  • 複数の業者から見積もりを取って比較検討することが重要
  • 「無料点検」を口実にした訪問営業には特に注意が必要
  • その場での契約はせず、冷静に判断する姿勢が大切
  • 箇所ごとの適切な頻度を守ることがエコキュートを長持ちさせる秘訣
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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