エコキュート・給湯器

エコジョーズと普通の給湯器の違いを徹底比較!ガス代はいくらお得?

2025年10月7日

給湯器の交換を考えたとき、「エコジョーズと普通の給湯器の違いは何だろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

エコジョーズにするとガス代はどれくらい安くなるのか、またエコジョーズと普通の給湯器のどちらがお得ですかという問いは、多くの方が抱く関心事です。

この記事では、エコジョーズの仕組みから解説し、導入するメリットだけでなく、エコジョーズのデメリットや、エコジョーズは後悔する、やめとけといわれる理由にも迫ります。

さらに、エコジョーズはどのような家庭に向いているのか、修理・交換を検討すべきタイミングはいつか、そしてエコジョーズでいくらお得になるのかという具体的な費用対効果まで、網羅的に解説します。国や自治体の補助金の活用方法や、よくある質問にもお答えし、あなたの給湯器選びをサポートします。

ポイント

  • エコジョーズの基本的な仕組みと省エネ効果
  • 普通の給湯器とのガス代や本体価格の具体的な比較
  • 導入のメリット・デメリットと後悔しないためのポイント
  • 補助金の活用法や最適な交換タイミングの見極め方

料金と仕組みで見るエコジョーズと普通の給湯器の違い

料金と仕組みで見るエコジョーズと普通の給湯器の違い

  • そもそもエコジョーズの仕組みとは?
  • エコジョーズにするとガス代はどれくらい安くなる?
  • エコジョーズでいくらお得になるか要チェック
  • エコジョーズと普通の給湯器どちらがお得ですか?
  • 補助金を活用して導入費用を抑える方法

そもそもエコジョーズの仕組みとは?

エコジョーズとは、少ないガス量で効率的にお湯を沸かすことができる、省エネルギー性の高いガス給湯器のことです。その最大の特徴は、これまで捨てられていた排気熱を有効活用する点にあります。

従来の普通の給湯器は、ガスを燃焼させて水を温める際、約200℃の高温の排気ガスが発生していました。この熱は利用されることなく、そのまま煙突から外部へ排出されていました。つまり、エネルギーの一部が無駄になっていたわけです。

これに対してエコジョーズは、排気口の近くにもう一つ熱交換器を設置しています。この二次熱交換器が、捨てられるはずだった排気熱を回収し、これから温める水をあらかじめ予熱する役割を果たします。予熱された水は、メインの一次熱交換器でさらに加熱されるため、従来よりも少ないガス消費量で設定温度のお湯を作り出すことが可能です。

この仕組みにより、従来の給湯器の熱効率が約80%であったのに対し、エコジョーズは約95%という高い熱効率を実現しています。エネルギーを無駄なく使うため、環境に優しく、家計にも貢献する給湯器と言えるでしょう。

エコジョーズにするとガス代はどれくらい安くなる?

エコジョーズを導入すると、ガスの消費量が減るため、毎月のガス代を節約できます。一般的な家庭の場合、従来の給湯器と比較して、ガス使用量を約13%〜15%削減できるとされています。

これを年間のガス料金に換算すると、およそ1万円から2万円程度の節約につながるケースが多く見られます。例えば、年間で10万円のガス代を支払っていたご家庭であれば、8万5千円程度にまで抑えられる可能性があります。

もちろん、この節約額は家族の人数、お湯の使用量、契約しているガス会社や料金プラン、お住まいの地域(特に都市ガスかプロパンガスか)によって変動します。特に、ガス料金単価が高いプロパンガス(LPガス)を使用しているご家庭では、節約効果がより大きくなる傾向があります。

日々のシャワーや洗い物、お風呂のお湯はりなど、お湯を使えば使うほど、従来の給湯器との差が明確に現れてくるでしょう。

エコジョーズでいくらお得になるか要チェック

エコジョーズで年間いくらお得になるかを考える際は、ガス代の節約分と初期費用のバランスを見ることが大切です。

まず、前述の通り、ガス代は年間で1万円から2万円程度の節約が期待できます。給湯器の寿命が一般的に10年とされているため、10年間使い続けた場合、合計で10万円から20万円のガス代を節約できる計算になります。

一方で、エコジョーズは本体価格が従来の給湯器よりも高価です。差額は機種にもよりますが、おおよそ3万円から8万円程度高くなることが一般的です。

この初期費用の差額を、年間のガス代節約額で何年で回収できるかが一つの目安となります。例えば、初期費用の差が5万円で、年間のガス代節約が1万5千円だった場合、約3年半で元が取れる計算です。

したがって、給湯器を長く使い続けることを前提とすれば、初期費用が高くても、トータルコストではエコジョーズの方がお得になる可能性が高いと考えられます。

エコジョーズと普通の給湯器どちらがお得ですか?

「エコジョーズと普通の給湯器のどちらがお得か」という問いに対しては、長期的な視点で判断することが鍵となります。初期費用だけを見ると普通の給湯器の方が安価ですが、ランニングコストまで含めた総費用で比較すると、多くの場合エコジョーズに軍配が上がります。

以下の表で、両者の特徴を比較してみましょう。

項目 エコジョーズ 普通の給湯器
仕組み 排気熱を再利用して予熱 排気熱はそのまま排出
熱効率 約95% 約80%
本体価格の相場 15万円~35万円 10万円~25万円
ガス代 従来より約13%〜15%削減 従来通りの料金
寿命 約10年 約10年
補助金 対象となる場合が多い 対象外
その他工事 排水(ドレン)工事が必要 不要

表からも分かるように、エコジョーズは本体価格が高く、排水工事の費用も発生します。しかし、毎月のガス代が安くなるため、数年で初期費用の差額を回収できる可能性があります。

特にお湯の使用量が多いご家庭や、ガス料金の高いプロパンガスを利用しているご家庭では、その差はより顕著になります。10年という給湯器の寿命を考えれば、総支出を抑えたい方にとってはエコジョウザスが賢い選択となるでしょう。

補助金を活用して導入費用を抑える方法

エコジョーズの導入費用を抑えるために、国や地方自治体が実施している補助金制度を積極的に活用することが推奨されます。省エネルギー性能の高い住宅設備機器の普及を促進するため、様々な支援策が用意されています。

国の代表的な事業としては、「給湯省エネ2024事業」などが挙げられます。これは、高い省エネ性能を持つ給湯器の導入に対して補助金を交付するものです。(※2025年以降の制度については、最新の情報を政府の公式発表で確認する必要があります。)

また、国だけでなく、お住まいの市区町村が独自に補助金制度を設けている場合も少なくありません。例えば、「高効率給湯器導入促進補助金」といった名称で、数万円の補助が受けられることがあります。

これらの補助金を利用するには、申請期間内に、指定された条件を満たす製品を、対象となる施工業者によって設置してもらう必要があります。手続きが複雑な場合もあるため、給湯器の交換を依頼するリフォーム会社や工務店に、利用可能な補助金がないか、また申請のサポートをしてもらえるか事前に相談してみるとよいでしょう。補助金の活用は、エコジョーズの初期費用負担を軽減する有効な手段です。

エコジョーズと普通の給湯器の違いをメリットとデメリットで比較

エコジョーズと普通の給湯器の違いをメリットとデメリットで比較

  • エコジョーズを導入するメリットとは
  • 把握しておきたいエコジョーズのデメリット
  • エコジョーズ後悔やめとけと言われる理由
  • エコジョーズはどのような家庭に向いていますか?
  • 修理・交換を検討すべきタイミングはいつ?
  • 導入前に解消したいよくある質問

エコジョーズを導入するメリットとは

エコジョーズを導入することには、ガス代の節約以外にもいくつかのメリットが存在します。

第一に、環境への貢献が挙げられます。前述の通り、エコジョーズは熱効率が高いため、同じ量のお湯を沸かすのに必要なガスの消費量が少なくて済みます。これにより、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を、従来の給湯器に比べて約13%削減することが可能です。環境問題への意識が高い方にとっては、大きな魅力となるでしょう。

第二に、コンパクトで設置場所に困りにくい点です。エコジョーズはガスを使って瞬間的にお湯を沸かす仕組みのため、お湯を貯めておく貯湯タンクが必要ありません。エコキュートのように大きな貯湯ユニットの設置スペースを確保する必要がなく、戸建てはもちろん、ベランダなどのスペースが限られるマンションにも設置しやすいのが特徴です。

第三に、お湯切れの心配がないことです。貯湯式の給湯器では、タンク内のお湯を使い切ってしまうと、次にお湯が沸くまで待たなければなりません。しかし、エコジョーズは水道水を直接加熱する瞬間式なので、蛇口をひねればいつでもお湯を使うことができ、来客時などにお湯の使用量が急に増えても安心です。

把握しておきたいエコジョーズのデメリット

多くのメリットがある一方で、エコジョーズにはいくつかのデメリットも存在するため、導入前に理解しておくことが大切です。

最も大きな点は、初期費用が普通の給湯器よりも高くなることです。本体価格の差額に加え、エコジョーズ特有の工事が必要になる場合があります。

その一つが「ドレン排水工事」です。エコジョーズは、排気熱を再利用する過程で、本体内部に結露水(ドレン水)が発生します。このドレン水は酸性のため、中和器を通して中和された後、適切に排出する必要があります。1日に500mlから1,500mlほど発生するため、これを流すための排水管を新たに設置する工事が不可欠です。近くに排水溝がない場合は、配管を延長するなどの追加工事が必要となり、費用が加算される要因になります。

また、エコジョーズの内部には、このドレン水を中和するための「中和器」という部品が内蔵されています。中和器には炭酸カルシウムが充填されており、使用に伴って消耗します。一般的に約10年の寿命で交換が必要となり、その際に1万5千円から3万円程度の交換費用が発生することも、長期的なコストとして考慮しておくべきでしょう。

エコジョーズ後悔やめとけと言われる理由

「エコジョーズにして後悔した」「やめとけ」といった声が聞かれることがありますが、これにはいくつかの理由が考えられます。

一つは、期待したほどのガス代節約効果を感じられなかったケースです。これは、もともとお湯の使用量が少ない一人暮らしの世帯などで起こり得ます。エコジョーズのメリットは、お湯を使えば使うほど大きくなるため、使用量が少ないと、高い初期費用を回収するのに長い年月がかかってしまうことがあります。

二つ目に、運転音に関する問題です。エコジョーズは排気熱を回収する際にファンが作動するため、従来の給湯器にはない特有の運転音が発生します。音の大きさはエアコンの室外機と同程度とされ、特に静かな住宅街や、隣家との距離が近い場合には、騒音トラブルの原因にならないとも限りません。設置場所を寝室の近くや隣家の窓際にしないなどの配慮が求められます。

三つ目は、ドレン排水の処理に関するトラブルです。排水工事が不適切だったり、排水管の凍結対策が不十分だったりすると、水漏れや冬場の給湯器エラーの原因となることがあります。このような事態を避けるためには、エコジョーズの施工経験が豊富な、信頼できる業者に工事を依頼することが不可欠です。

エコジョーズはどのような家庭に向いていますか?

これまでのメリット・デメリットを踏まえると、エコジョーズの導入が特に向いているのは、以下のような特徴を持つご家庭です。

まず、家族の人数が多く、お湯の使用量が多いご家庭です。毎日お風呂にお湯をはり、朝晩シャワーを使い、食器洗いもお湯で行うなど、お湯の使用頻度が高いほどガス代の節約効果は大きくなります。4人以上の家族世帯では、導入メリットを十分に感じられるでしょう。

次に、プロパンガス(LPガス)を利用しているご家庭です。プロパンガスは都市ガスに比べて料金単価が高いため、同じ使用量でもガス代が高額になりがちです。ガスの消費量を約13%削減できるエコジョーズの恩恵は、プロパンガス利用者のほうがより大きく感じられます。

また、浴室暖房乾燥機やガス温水式床暖房など、お湯を利用する他のガス機器を使用しているご家庭にも適しています。これらの機器とエコジョーズを組み合わせることで、ガス会社によっては「エコジョーズ料金プラン」のような割引プランが適用され、光熱費全体をさらに抑えることが可能になる場合があります。

長期的な視点でコストを考え、環境への配慮もしたいという方にとって、エコジョーズは非常に魅力的な選択肢となります。

修理・交換を検討すべきタイミングはいつ?

エコジョーズを含め、ガス給湯器の寿命は一般的に10年が目安とされています。設置から10年近く経過している場合は、大きな故障が発生する前に交換を検討し始めるのが賢明です。

以下のようなサインが現れたら、修理または交換のタイミングと考えられます。

  • お湯の温度が安定しない(急に熱くなったり、ぬるくなったりする)
  • お湯が出るまでに以前より時間がかかるようになった
  • 給湯器から異音(ポコン、ボンッという着火音や、キーンという金属音)がする
  • 給湯器本体や配管から水漏れしている
  • エラーコードが頻繁にリモコンに表示される

特に、設置から7〜8年を超えてからの故障は、修理しても別の部品がすぐに故障する可能性があり、修理費用がかさむことがあります。修理部品の保有期間(製造終了後約10年)が過ぎていると、修理自体が不可能な場合もあります。

給湯器は冬場に故障すると生活への影響が非常に大きいため、本格的な冬が来る前の秋口などに、一度専門業者に点検を依頼し、交換の見積もりを取っておくと安心です。

導入前に解消したいよくある質問

エコジョーズの導入を検討する際に、多くの方が抱く疑問についてお答えします。

Q1. マンションでもエコジョーズは設置できますか?

A1. はい、設置可能です。ただし、マンションの規約で設置できる給湯器の種類が定められている場合があります。また、ドレン排水の処理方法が課題となることがありますが、専用の部材を使ってベランダの雨どいにつなげたり、浴槽の排水に合流させたりする方法があります。まずは管理組合や管理会社に確認し、施工業者に現地調査を依頼するのが確実です。

Q2. エコジョーズの排気は近所迷惑になりませんか?

A2. エコジョーズの排気は、従来の給湯器より温度が低い(約50℃)ですが、水蒸気を含んでいるため、冬場には白い湯気が見えることがあります。この湯気が隣家の窓にかかるような場所に設置すると、不快感を与える可能性があります。排気の方向を変えるための排気カバーを取り付けるなど、設置場所には配慮が必要です。

Q3. エコジョーズとエコキュート、エコワンとの違いは何ですか?

A3. エコジョーズがガスを熱源とするのに対し、エコキュートは電気(主に深夜電力)を、エコワンはガスと電気の両方(ハイブリッド)を熱源とします。エコキュートやエコワンは貯湯タンクが必要で、光熱費の削減効果は高いですが、初期費用も高額になります。設置スペースやライフスタイル、オール電化かどうかなどを考慮して選ぶ必要があります。

エコジョーズと普通の給湯器の違い:総括

この記事で解説した、エコジョーズと普通の給湯器の違いに関する重要なポイントを以下にまとめます。

  • エコジョーズはこれまで捨てていた排気熱を再利用する給湯器
  • 熱効率が約80%の普通給湯器に対しエコジョーズは約95%
  • ガスの消費量が減り毎月のガス代を約13%〜15%節約できる
  • 本体価格は普通の給湯器より3万円から8万円ほど高い
  • 初期費用は高いが10年間の総費用ではお得になることが多い
  • ドレン排水のための追加工事が必要になる
  • 国や自治体の補助金制度を利用できる場合がある
  • CO2排出量が少なく環境に優しい
  • お湯切れの心配がない瞬間式
  • 貯湯タンクが不要で設置スペースがコンパクト
  • お湯の使用量が多い家庭ほどメリットが大きい
  • 特にプロパンガス利用家庭では節約効果を実感しやすい
  • 運転音や排気の湯気には設置場所の配慮が求められる
  • 寿命は約10年で普通の給湯器と変わらない
  • 10年を目安に中和器の交換が必要になることがある
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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