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エネファームの10年後の寿命や発電停止についての基礎知識

2025年10月4日

エネファームを導入して10年が経過すると、多くの疑問や不安が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

そもそもエネファームとはどのようなものか、その寿命はどのくらいで、エネファームは何年くらいで買い替える必要があるのか、といった基本的な情報から、エネファームが10年後に発電停止するという話まで、気になる点は多いはずです。

この記事では、エネファームの10年後について、エネファームは10年後そのままにしておくとどうなるのか、そして10年後どうするべきかという選択肢を詳しく解説します。また、エネファームの費用、特にエネファームを10年後に交換するにはいくらかかりますか、交換しない場合の10年後撤去費用、さらにお得なエネファームの買い替えキャンペーン活用法も紹介します。

エネファームは寿命がきていなくてもメンテナンスが必要になる理由や、エネファームは寿命の前に交換するのがおすすめと言われる背景まで、あなたの疑問に全てお答えします。

ポイント

  • エネファームの寿命と10年後に発電停止する理由がわかる
  • 10年後の具体的な選択肢(交換・撤去・継続使用)を比較できる
  • 交換や撤去にかかる費用相場を把握できる
  • 後悔しないための最適な判断基準を学べる

エネファームの10年後の寿命や発電停止についての基礎知識

エネファームの10年後の寿命や発電停止についての基礎知識

  • そもそもエネファームとは?
  • エネファームの寿命と買い替えは必要?
  • エネファームは10年後に発電停止する?
  • 10年後そのままにするとどうなるのか
  • 寿命がきていなくてもメンテナンスは必要

そもそもエネファームとは?

エネファームとは、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の愛称です。都市ガスやLPガスから水素を取り出し、その水素と空気中の酸素を化学反応させることで、家庭で直接電気をつくり出します。

この発電の過程で発生する熱を捨てずに回収し、お湯を沸かす給湯にも利用するのが大きな特徴です。つまり、発電と給湯を同時に行うことで、エネルギーを無駄なく効率的に活用できるシステムといえます。

この仕組みにより、電力会社から購入する電気の量を減らせるため光熱費の削減につながり、エネルギー効率が高いことから環境にも優しい設備として注目されています。

エネファームの寿命と買い替えは必要?

エネファームの寿命は、製品の心臓部である「燃料電池ユニット」の使用可能期間によって決まります。一般的に、この燃料電池ユニットの寿命(耐久時間)は長くても20年程度とされています。

しかし、多くのメーカーでは10年間の無償保証期間を設けており、この期間が過ぎると修理やメンテナンスが有償となります。また、使用開始から12年前後で燃料電池ユニットの総点検が推奨され、これを怠ると安全のために発電機能が停止することがあります。

給湯機能自体は発電停止後も使える場合がありますが、給湯器としての一般的な寿命も10年~15年程度です。これらの点を考慮すると、設置から10年~12年が経過したタイミングで、修理を続けるか、新しい機器へ買い替えるかの判断が必要になると考えられます。

エネファームは10年後に発電停止する?

多くのエネファーム製品は、設置から10年が経過すると発電機能が停止する、あるいは性能が著しく低下するように設計されています。これは故障ではなく、安全性を確保するための計画的な措置です。

燃料電池ユニットは、ガスから水素を取り出す精密な装置であり、長期間の使用による経年劣化は避けられません。万が一、劣化した状態で稼働し続けると、ガス漏れなどの重大な事故につながるリスクが高まります。

そのため、メーカーは安全上の観点から、一定の稼働時間や年数が経過した時点で発電機能を停止させる仕組みを導入しているのです。機種によっては、有償のメンテナンスを行うことで発電期間を12年などに延長できる場合もありますが、永続的に発電できるわけではない点を理解しておくことが大切です。

10年後そのままにするとどうなるのか

エネファームの発電機能が10年後に停止した後、何もせずにそのまま使い続けることも選択肢の一つです。この場合、エネファームは発電機能を持たない、単なるガス給湯器として稼働し続けます。

しかし、この選択にはいくつかのリスクが伴います。まず、前述の通り、給湯器部分も経年劣化が進んでいるため、いつ故障してもおかしくない状態です。給湯器が突然故障すると、お湯が使えなくなり、特に冬場は生活に大きな支障をきたします。

近年では給湯器の品不足が問題になることもあり、故障してから交換を依頼しても、すぐに新しい機器が手に入らない可能性があります。発電という最大のメリットを失ったまま、故障のリスクを抱えながら使い続けるのは、あまり賢明な選択とは言えないでしょう。

寿命がきていなくてもメンテナンスは必要

エネファームは、寿命とされる20年を迎える前であっても、定期的なメンテナンスが不可欠な設備です。これは、安全な稼働を維持し、性能を保つために行われます。

一般的に、メーカー保証期間である最初の10年間は、定期点検や故障時の修理費用が無償で提供されることが多いです。しかし、この保証期間を過ぎると、メンテナンスは有償となります。

特に、設置から12年前後で必要となる燃料電池ユニットの総点検は、10万円以上の高額な費用がかかる場合があります。もし部品交換が必要になれば、さらに費用は膨らみます。これらのメンテナンスを怠ると、発電機能が強制的に停止してしまうこともあるため、計画的な費用の準備が求められます。

エネファームの10年後に迫る選択と費用

エネファームの10年後に迫る選択と費用

  • 10年後どうする?具体的な選択肢
  • 10年後の交換にかかるエネファーム費用
  • 交換しない場合の10年後撤去費用
  • 買い替えキャンペーンの活用方法
  • 寿命の前に交換するのがおすすめな理由
  • 後悔しないエネファームの10年後の選択

10年後どうする?具体的な選択肢

エネファームの設置から10年が経過し、発電停止やメンテナンスの時期が近づいてきたとき、主に3つの選択肢が考えられます。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご家庭の状況に合った判断をすることが大切です。

選択肢 初期費用 ランニングコスト メリット デメリット
1. 新しいエネファームに交換 高額 (100万円~) 削減効果あり ・最新機能でさらに省エネ ・停電時の安心感が継続 ・新たな10年保証が付く ・初期費用が最も高い
2. エコジョーズ等に交換 中程度 (数十万円) エネファームより増加 ・初期費用を抑えられる ・給湯器が新品になる安心感 ・発電機能がなくなる ・停電時に電気が使えない ・撤去費用が別途かかる場合がある
3. 給湯器として継続使用 0円 発電分だけ増加 ・追加費用がかからない ・いつ故障するかわからない ・給湯器不足のリスク ・発電メリットがなくなる

10年後の交換にかかるエネファーム費用

エネファームを10年後に新しいエネファームへ交換する場合の費用は、100万円から150万円程度が相場となります。この金額には、新しい機器本体の価格と設置工事費が含まれます。

10年前の導入時と比較すると、製品の性能向上や小型化が進んでいる一方で、価格自体は依然として高額です。ただし、既存の基礎や配管を一部再利用できる場合もあり、新規設置よりは工事費を抑えられる可能性があります。

また、後述する国や自治体の補助金、ガス会社のキャンペーンなどを活用することで、実際の負担額を軽減できるケースもあります。交換を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較検討することが不可欠です。

交換しない場合の10年後撤去費用とは

エネファームの使用をやめ、エコジョーズのような一般的なガス給湯器に交換する場合、既存のエネファームの撤去費用が発生します。この費用は、業者や設置状況によって異なりますが、数万円から10万円以上かかることもあります。

エネファームは燃料電池ユニットと貯湯ユニットの2つで構成されており、通常の給湯器よりも大きく重いため、撤去作業が複雑になりがちです。そのため、撤去費用が意外と高額になる可能性があることを念頭に置いておく必要があります。

新しい給湯器の設置費用とは別に請求されることが多いため、エコジョーズなどへの交換を検討する際は、必ずエネファームの撤去費用を含めた総額で見積もりを依頼しましょう。

買い替えキャンペーンの活用方法

エネファームの買い替えを検討する際には、ガス会社やメーカーが実施しているキャンペーンを積極的に活用するのがおすすめです。これにより、高額な交換費用を少しでも抑えることが可能になります。

キャンペーンの内容は時期によって様々ですが、特定の機種への買い替えで割引が適用されたり、商品券がプレゼントされたりすることがあります。また、国や地方自治体が省エネ設備導入を促進するために補助金制度を設けている場合もあります。

2025年現在も「給湯省エネ2025事業」などの補助金制度が存在し、エネファームの導入に対して補助金が交付される可能性があります。これらの情報はガス会社のウェブサイトや自治体の広報で確認できますので、交換を決める前に必ずチェックしましょう。

なぜ寿命の前に交換するのがおすすめか

エネファームは、完全に寿命を迎える前の10年~12年のタイミングで交換することが推奨されます。これにはいくつかの理由があります。

第一に、安全性の問題です。前述の通り、メーカー保証が切れた後の機器を使い続けることには、故障や事故のリスクが伴います。

第二に、経済的な観点です。保証が切れた後のメンテナンスや修理はすべて有償となり、高額な出費が突然発生する可能性があります。特に12年前後で必要となる総点検には多額の費用がかかるため、その費用を新しい機器の購入資金に充てた方が合理的と考えることができます。

最後に、給湯器が完全に故障してからでは、交換に時間がかかり、お湯が使えない不便な期間が発生するリスクがあります。計画的に交換することで、このような事態を避けることが可能です。

エネファームの10年後の寿命を想定し賢い選択をしよう:総括

  • エネファームはガスで発電と給湯を同時に行う効率的なシステム
  • 燃料電池ユニットの寿命は約20年だが安全のため10年で発電停止する場合がある
  • 発電停止後も給湯器としては使用可能だが故障リスクが高まる
  • 10年を過ぎるとメーカー保証が切れ修理やメンテナンスは有償になる
  • 12年前後で高額な費用がかかる総点検が必要になる
  • 10年後の選択肢は主に「エネファーム交換」「他給湯器へ交換」「継続使用」の3つ
  • 新しいエネファームへの交換費用は100万円以上が目安
  • エコジョーズなどへの交換は初期費用を抑えられるが発電機能は失う
  • 交換しない場合、エネファームの撤去費用が別途かかることがある
  • 給湯器として継続使用する場合、追加費用は無いが故障リスクを抱える
  • 突然の故障は給湯器不足により交換が遅れるリスクも伴う
  • 買い替え時にはガス会社や自治体のキャンペーン・補助金の活用が有効
  • 国が実施する「給湯省エネ2025事業」も補助金対象の可能性がある
  • 経済性、安全性、将来の生活スタイルの変化を考慮して判断することが大切
  • 寿命を迎える前の計画的な交換が最もリスクが少なくおすすめの選択肢といえる
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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