夏の夕方、帰宅して玄関のドアノブに触れた瞬間、「アツッ!」と驚いた経験はありませんか。玄関ドアや取っ手が熱くなる問題は、不快なだけでなく火傷の危険も伴います。特に西日の当たる玄関では、この問題は深刻です。この記事では、玄関ドアの取っ手が熱い対策について、その原因から具体的な解決策までを網羅的に解説します。
そもそも西日ってなに?という基本的な疑問から、西日で玄関ドアが熱い理由、そしてリクシルの玄関ドアは熱いのかといった特定の製品に関する点まで掘り下げます。また、ドアが熱くなるのを防ぐにはどうすればよいか、直射日光や西日の対策・対処法として、玄関ドアの遮熱シートや取っ手カバーといった便利なグッズを紹介します。
さらに、ドアの取っ手カバーを100均のアイテムで手作りする方法や、賃貸住宅でできる熱い対策など、状況に応じたアイデアも提供します。取っ手が熱いのを放置した時の注意点も理解し、カンタンな対策グッズは3選の中からご自身に合ったものを見つけて、安全で快適な夏を過ごしましょう。
目次
玄関ドアの取っ手が熱い時の対策と原因
- そもそも西日ってなに?
- 西日で玄関ドアが熱いのはなぜか
- リクシルの玄関ドアは熱いのか
- 取っ手が熱いのを放置した時の注意点
- ドアが熱くなるのを防ぐには?
そもそも西日ってなに?
西日とは、文字通り午後から日没にかけて西の空から差し込む太陽光のことを指します。多くの方が「西日は特に暑い」と感じますが、実は太陽光自体の温度が他の時間帯より高いわけではありません。
では、なぜ西日はこれほどまでに暑く感じられるのでしょうか。その理由は、日中に地面や建物が太陽の熱をたっぷりと蓄積し、夕方に向けてその熱を放出し始めるからです。つまり、西日が差し込む時間帯は、太陽光からの直接の熱に加えて、周囲が放つ輻射熱も最大になるため、体感温度が非常に高くなります。
特に玄関は住宅の間取り上、西側に配置されることが多く、この西日の影響を直接受けやすい場所なのです。
西日で玄関ドアが熱いのはなぜか
西日で玄関ドア、特に金属製のドアや取っ手が熱くなるのには明確な理由があります。それは、金属が熱を非常に伝えやすい(熱伝導率が高い)性質を持っているためです。
西日によって長時間熱せられた玄関ドアの表面温度は、夏場には60度以上に達することもあります。この熱がドア全体に伝わり、特に同じ金属でできている取っ手(ドアノブ)は、手で直接触れる部分であるため、より熱さを感じやすくなります。
また、近年の玄関ドアは気密性が高いため、一度ドア自体が温まってしまうと、その熱が玄関スペース内にこもりやすくなります。防犯上の理由から玄関を閉め切っていることが多いため、熱の逃げ場がなく、玄関全体が蒸し暑くなる原因にも繋がってしまうのです。
リクシルの玄関ドアは熱いのか?
「高価なメーカーのドアなら熱くならないのでは?」と考える方もいるかもしれません。例えば、国内大手のLIXIL(リクシル)製の玄関ドアであっても、基本的な物理法則には逆らえません。
もしドアの材質が金属(アルミなど)で、色が濃く、そして直射日光が当たる環境に設置されていれば、リクシル製品であっても表面温度は高温になります。
ただし、近年の高機能な玄関ドアは、断熱性を高める工夫が施されています。ドアの内部に断熱材を充填することで、ドアの表面が熱くなっても、その熱が室内側に伝わりにくくなっています。これにより、玄関スペースの温度上昇はある程度抑制することが可能です。
したがって、「ドアの表面や取っ手は熱くなる可能性があるが、室内への影響は断熱仕様のドアの方が少ない」と理解するのが良いでしょう。
取っ手が熱いのを放置した時の注意点やリスク
玄関の取っ手が熱くなるのを「夏だから仕方ない」と放置してしまうと、思わぬトラブルに繋がる可能性があります。
最も大きな注意点は、火傷のリスクです。特に小さなお子様やご高齢の方は、皮膚が薄かったり、反応が遅れたりすることがあるため、高温になった取っ手に触れて火傷を負ってしまう危険性が高まります。
また、金属は高温になるとわずかに膨張します。極端な熱膨張と収縮が長年繰り返されると、ドアハンドルの内部機構や、鍵(シリンダー)の精密な部品に少しずつ負荷がかかり、動きが鈍くなったり、故障の原因になったりすることも考えられます。
さらに、強い紫外線や熱は、取っ手の塗装やメッキの劣化を早める一因にもなります。見た目の美しさを長く保つためにも、過度な高温状態は避けるのが賢明です。
ドアが熱くなるのを防ぐには?
玄関ドアや取っ手が熱くなる問題への最も根本的な対策は、「直射日光を当てない」ことです。つまり、日陰を作ることが最も効果的と言えます。
庇(ひさし)やオーニングを設置する
玄関ドアの上に小さな屋根である庇を設置すると、日中の高い位置からの日差しを効果的に遮ることができます。デザイン性も高く、住宅の外観アクセントにもなります。同様に、布製の日除けであるオーニングも有効です。
サンシェードやすだれを活用する
工事不要で手軽に始められる対策として、サンシェードやすだれを玄関の前に立てかける方法があります。これにより、ドアに直接日光が当たるのを防ぎ、表面温度の上昇を大幅に抑えることが可能です。
植物で日陰を作る(グリーンカーテン)
玄関の近くに植木鉢を置いたり、つる性の植物でグリーンカーテンを作ったりするのも良い方法です。植物が日差しを遮るだけでなく、葉の蒸散作用によって周囲の温度を下げる効果も期待できます。
これらの対策は、ドアが熱を蓄積する前に日差しを遮断するため、非常に効果の高い予防策となります。
玄関ドアの取っ手が熱い時の対策とおすすめの対策グッズ3選
- 直射日光や西日の対策・対処法
- カンタンな対策グッズは3選
- 玄関ドアの遮熱シートと取っ手カバー
- 100均で熱い取っ手カバーを手作り
- 賃貸でできる取っ手が熱い対策
直射日光や西日の対策・対処法
前述の通り、玄関ドアの熱対策は日差しを遮ることが基本です。ここでは、より具体的な対策や対処法について解説します。
まず考えられるのは、玄関ドア自体の仕様を見直すことです。もし将来的に玄関ドアのリフォームを検討する機会があれば、断熱性能の高いドアや、熱を反射しやすい淡い色のドアを選ぶことが有効です。最近では、表面に遮熱効果のある塗装を施した製品も登場しています。
また、玄関に窓がある場合は、その窓からの日差しも熱の原因となります。窓ガラスに遮熱・断熱フィルムを貼ることで、室内に入る熱線をカットし、玄関全体の温度上昇を抑えることができます。これは比較的簡単にDIYで施工できるため、おすすめの対策の一つです。
すでにあるドアに対して今すぐできる対処法としては、やはり物理的に日差しを遮る方法が中心となります。サンシェードや庇の設置が難しい場合でも、一時的に日傘を立てかけておくだけで、ドアの温度上昇はかなり変わってきます。
カンタンな対策グッズは3選
今すぐ手軽に始めたいという方のために、簡単に導入できるおすすめの対策グッズを3つ紹介します。
- 玄関ドア用マグネット式サンシェード工事不要で、磁石で玄関ドアに直接貼り付けられるタイプのサンシェードです。使わない時期は簡単に取り外すことができ、収納にも困りません。ドア全体を覆うことで、表面温度の上昇を効果的に防ぎます。
- 取っ手専用カバー熱くなった取っ手に直接触れずに済むようにする、最も直接的な解決策です。布製やシリコン製など様々な素材のものがあり、被せるだけで火傷のリスクをなくせます。デザイン性のある製品を選べば、玄関のアクセントにもなります。
- 打ち水グッズではありませんが、昔ながらの知恵である「打ち水」も有効です。夕方、玄関の前の地面や壁に水をまくことで、気化熱が周囲の温度を奪い、玄関周りの涼しさを生み出します。西日が差し始める少し前に行うのが効果的です。
玄関ドアの遮熱シートと取っ手カバーがおすすめ
対策グッズの中でも特に人気なのが「遮熱シート」と「取っ手カバー」です。
玄関ドア用の遮熱シートは、太陽光を反射する素材で作られており、ドアに貼ることで熱の吸収を抑えるアイテムです。特にマグネットで取り付けられるタイプは、賃貸住宅でも使いやすく便利です。シートによってドアのデザイン性が見えなくなるという点はありますが、断熱効果は高く、冬は逆に室内の熱が逃げるのを防ぐ効果も期待できます。
一方、取っ手カバーは、ドア全体の温度上昇を防ぐものではなく、あくまで「熱い取っ手に安全に触れる」ことを目的としたアイテムです。布製、革製、シリコン製などがあり、取り付けもマジックテープ式や被せるだけのものがほとんどで非常に手軽です。取っ手の形状に合わせて選ぶ必要がありますが、火傷防止という点では最も確実な効果を発揮します。
100均でカバーを手作り
市販の取っ手カバーで自宅のドアハンドルに合うサイズやデザインが見つからない場合、100円ショップのアイテムを活用して手作りするのも一つの方法です。
例えば、厚手のフェルト生地やキルティング生地を購入し、取っ手のサイズに合わせてカットして巻き付け、マジックテープやリボンで固定するだけで簡易的なカバーが完成します。また、自転車のハンドルグリップや、テニスラケットのグリップテープなども、素材によっては応用が可能です。
耐熱性の高いシリコン製のキッチンミトンや鍋敷きなどを加工して、ユニークなカバーを作るアイデアもあります。コストをかけずに、ご自身の玄関ドアにぴったりのオリジナルカバーを作成するのも楽しい対策と言えるでしょう。
賃貸でもできる対策
賃貸住宅にお住まいの場合、壁に穴を開ける庇の設置や、強力なテープでドアを傷つける可能性のある対策は避ける必要があります。「原状回復」が基本となるため、取り外しが簡単な対策を選ぶことが大切です。
賃貸住宅におすすめの対策は以下の通りです。
- マグネット式のサンシェードや遮熱シート
- 被せるだけ、またはマジックテープ式の取っ手カバー
- 立てかけるだけのサンシェードやすだれ
- 打ち水
これらの方法は、建物自体に一切加工を加えることなく実践できます。特に取っ手カバーは、費用も安く効果も確実なため、賃貸住宅にお住まいの方にとっては最も現実的で有効な対策と考えられます。
まとめ:玄関ドアの取っ手が熱い時の対策
この記事では、玄関ドアの取っ手が熱くなる原因と、その対策について多角的に解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- 取っ手が熱くなる主な原因は西日によるドアの温度上昇
- 西日は地面や建物の輻射熱と相まって体感温度が高くなる
- 金属製のドアや取っ手は熱伝導率が高く特に熱くなりやすい
- リクシルなど高機能ドアも直射日光下では表面温度は上昇する
- 熱い取っ手を放置すると火傷のリスクや部品劣化の可能性がある
- 最も根本的な対策は庇やサンシェードで日陰を作ること
- 今すぐできる対策としてマグネット式サンシェードや取っ手カバーが有効
- 取っ手カバーは火傷防止に最も直接的で確実な効果がある
- 100均のアイテムでオリジナルの取っ手カバーを手作りすることも可能
- 賃貸住宅では原状回復できるマグネット式や被せるだけの対策を選ぶ
- 玄関ドアの遮熱シートはドア全体の温度上昇を抑えるのに効果的
- 玄関前の打ち水も気化熱で周囲を冷やす効果が期待できる
- リフォームを検討するなら断熱性が高く淡い色のドアが有利
- 玄関に窓がある場合は遮熱フィルムを貼るのも効果的
- 複数の対策を組み合わせることでより快適な環境が作れる