「玄関ドア下の隙間はなぜできるのだろう?」と疑問に思っていませんか。
すきま風や虫の侵入に悩まされ、玄関ドアが閉まりきらない、といったトラブルは厄介なものです。新築の家でも玄関ドア下に隙間が見つかることもあり、その原因や理由、特に木製ドアとアルミ製ドアの違いが気になる方も多いでしょう。
この記事では、ドアの反りや歪み、ゴムパッキンの劣化、あるいは換気目的のアンダーカットなど、隙間が生じる様々な原因を徹底的に解説します。
その上で、ドアの隙間の直し方はDIYで自分で直せるのか、玄関ドア下で使える隙間テープや隙間調整といった具体的な隙間のふさぎ方・対処法・対策をご紹介。賃貸物件で玄関ドアの隙間を埋める際の注意点にも触れていきます。
さらに、根本的な解決策として玄関ドアの修理はどこに頼むべきか、リフォームで使える補助金はいくらもらえるのか、東京都や千葉県のリフォーム補助金情報まで網羅。あなたの悩みを解決するための最適な方法がきっと見つかります。
目次
玄関ドア下に隙間ができるのはなぜ?原因を解説!反りや歪みは直せるのか?
- 原因や理由は?木製ドア・アルミ製ドアの違い
- ドアの反りや隙間、閉まりきらない問題
- ゴムパッキンの劣化が隙間を生む
- 新築の玄関ドア下にある隙間とは?
- 玄関ドア下の隙間から虫が侵入する
原因や理由は?木製ドア・アルミ製ドアの違い
玄関ドアに隙間が生じる原因は、ドアの材質によっても特性が異なります。特に、木製ドアとアルミ製ドアでは、その違いを理解しておくことが大切です。
木製ドアの主な原因は、湿度の変化による「反り」や「伸縮」です。木は呼吸するように湿気を吸ったり吐いたりする性質を持っています。そのため、梅雨時期には湿気を吸って膨張し、冬の乾燥した時期には水分が抜けて収縮します。この動きが長年繰り返されることで、ドア自体に反りやねじれが生じ、枠との間に隙間ができてしまうのです。
一方、アルミ製ドアは湿度による変形はほとんどありません。しかし、原因の多くは長年の使用による部品の劣化や緩みです。例えば、ドアの重みを支える蝶番(ちょうつがい)やピポットヒンジといった金具が摩耗したり、ネジが緩んだりすることで、ドア全体が少しずつ傾き、結果として下に隙間が生じます。また、強い日差しに長期間さらされることで、表面の熱によるわずかな膨張と収縮が繰り返され、建て付けに影響が出ることも考えられます。
ドアの反りや隙間や閉まりきらない問題
玄関ドアが閉まりきらない、あるいは鍵がかかりにくいといった問題も、ドアの反りや歪みが原因で発生する隙間と深く関連しています。ドア本体や、ドアが取り付けられている枠が歪むことで、本来ぴったりと収まるべき場所にあるラッチ(ドアノブと連動して出入りする三角形の金具)やデッドボルト(鍵で操作する四角い金具)が、枠側の受け穴(ストライク)と正しくかみ合わなくなってしまうのです。
この状態を放置すると、無理にドアを閉めようとすることで蝶番やドアクローザーに更なる負担がかかり、歪みが悪化するという悪循環に陥る可能性があります。また、完全に閉まっていない状態は、防犯上も非常に危険です。
経年劣化はもちろん、家自体の重みや、地震の揺れなどが長年にわたって蓄積し、建物全体にわずかな歪みが生じていることも原因として考えられます。特に築年数が経過した木造住宅では、このような建物の歪みがドアの不具合として現れやすい傾向にあります。
ゴムパッキンの劣化が隙間を生む
玄関ドアの隙間の原因として、意外と見落とされがちですが非常に多いのが、ドア枠やドア本体に取り付けられているゴムパッキンの劣化です。エアタイトゴムとも呼ばれるこの部品は、ドアを閉めた際の気密性を高め、衝撃を和らげる緩衝材の役割を担っています。
ゴムという素材の特性上、紫外線や温度変化に弱く、経年によって弾力性を失い、硬化したり縮んだりしてしまいます。ひどい場合には、ひび割れてボロボロと崩れてくることもあります。こうなると、本来パッキンが埋めていたはずのわずかな隙間が露わになり、そこからすきま風や音、虫が侵入する原因となるのです。
ドア本体や枠といった金属部分に問題が見られなくても、消耗品であるゴムパッキンが劣化しているだけで、ドアの性能は大きく低下します。ドアを開けて、枠の周囲をぐるりと囲むゴム部分の状態を一度チェックしてみることをお勧めします。
新築の玄関ドア下にある隙間とは?
「新築の家なのに、玄関ドアの下に隙間がある」という場合、それは不具合ではなく、意図的に設けられたものである可能性が高いです。この隙間は「アンダーカット」と呼ばれ、主に24時間換気システムを正常に機能させるための通気口の役割を果たしています。
2003年に改正された建築基準法により、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられました。このシステムは、室内の汚れた空気を排出し、新鮮な外気を取り入れることで、シックハウス症候群などを防ぐものです。家全体の空気の流れを計画通りに行うために、各部屋のドア下にアンダーカットを設け、空気の通り道を確保しているのです。
そのため、新築物件の玄関ドア下に見られる隙間は、換気という重要な目的のために設計された仕様であることがほとんどです。ただし、この隙間から冷気や虫が入ってくるのが気になる場合は、後述する隙間ガードなどで対策することも可能です。
玄関ドア下の隙間から虫が侵入する
玄関ドアの下にできたわずかな隙間は、ゴキブリやムカデ、アリといった害虫にとって格好の侵入経路となります。特に夜間は、室内の明かりに誘われて虫が集まりやすく、数ミリの隙間があれば簡単に入り込んできてしまいます。
虫の侵入は、不快であるだけでなく、衛生面でも問題です。また、虫を寄せ付けないために殺虫剤を頻繁に玄関周りで使用することは、小さなお子様やペットがいるご家庭では避けたいものでしょう。
最も確実で安全な対策は、物理的に隙間を塞ぎ、侵入経路そのものを断つことです。経年劣化であれ、設計上のアンダーカットであれ、虫の侵入に悩まされている場合は、隙間を放置せず、何らかの対策を講じることが快適な生活空間を維持するために大切です。
玄関ドア下の隙間はなぜ?対策と直し方を解説!修理はどこに頼む?
- ドアの隙間の直し方は?DIYや調整方法
- 賃貸で玄関ドアの隙間を埋めるには
- 歪みの直し方と修理はどこに頼む?
- 東京都・千葉県の玄関ドアリフォーム補助金
- lixil対象リフォーム補助金はいくら?
ドアの隙間の直し方は?DIYや調整方法
玄関ドアの隙間は、その原因や程度によって、DIYで対処できる場合と専門業者への依頼が必要な場合があります。まずは自分でできる簡単な直し方から試してみましょう。
玄関ドア下 隙間テープの活用
最も手軽なDIY対策が、市販の「隙間テープ」を貼ることです。スポンジやゴム製のテープをドア枠やドアの下部に貼り付けるだけで、すきま風やホコリ、虫の侵入を大幅に軽減できます。防水タイプや毛足の長いモヘアタイプなど種類も豊富で、ホームセンターや100円ショップでも購入可能です。ただし、見た目が損なわれることや、定期的な貼り替えが必要になるというデメリットもあります。
玄関ドア 隙間 調整
ドアの傾きが原因で隙間ができている場合、蝶番(ちょうつがい)の調整で改善することがあります。蝶番には上下左右に位置を微調整するためのネジが付いていることが多く、プラスドライバー一本で作業が可能です。ドアを少し持ち上げながらネジを締めたり緩めたりして、ドアが枠に均等に当たるように調整します。ただし、調整は非常にデリケートな作業であり、かえって悪化させてしまう可能性もあるため、自信がない場合は無理をしない方が賢明です。
賃貸で玄関ドアの隙間を埋めるには
賃貸住宅で玄関ドアの隙間を埋める場合、最も重要なのは「原状回復」ができる範囲で対策を行うことです。壁やドアに穴を開けたり、強力な接着剤で跡が残ったりする方法は避けなければなりません。
このような状況で最も適しているのが、前述した「隙間テープ」の活用です。剥がすことを前提とした製品を選べば、退去時に綺麗に取り除くことができます。
また、ドアの下部に差し込むタイプの「ドア下隙間ガード」も有効な選択肢です。ブラシ状やゴム状のガードが床との隙間を塞いでくれます。こちらも工具不要で設置でき、いつでも取り外しが可能です。
もしドアの歪みや部品の故障が原因である場合は、自分で対処しようとせず、まずは大家さんや管理会社に相談しましょう。建物の設備に関する修繕は、貸主の負担で行われるのが一般的です。
歪みの直し方と修理はどこに頼む?
DIYでの調整が難しいドア本体の歪みや、建物の傾きが原因の隙間は、専門業者に修理を依頼する必要があります。では、どこに頼むのが適切なのでしょうか。
依頼先としては、主に以下のような選択肢が考えられます。
- 玄関ドア専門の修理・リフォーム会社:玄関ドアに関する知識と経験が豊富で、原因の特定から修理、交換まで一貫して任せられます。カバー工法など最新のリフォームにも対応している場合が多いです。
- サッシ・建具店:窓やドアを専門に扱っており、部品の交換や建て付けの調整を得意としています。
- 工務店・リフォーム会社:家全体のことを相談できるのが強みです。建物の歪みが原因である場合など、より広範な調査や修繕が必要な際に頼りになります。
まずはインターネットなどで近隣の業者を複数探し、見積もりを依頼して比較検討することをお勧めします。その際、実績や保証内容、担当者の対応などをしっかりと確認し、信頼できる業者を選ぶことが、満足のいく修理に繋がります。
東京都・千葉県の玄関ドアリフォーム補助金
玄関ドアの修理や交換には費用がかかりますが、国や地方自治体が実施する補助金制度を活用することで、負担を軽減できる場合があります。特に、断熱性能の高い玄関ドアへのリフォームは、省エネに繋がるため多くの補助金の対象となっています。
東京都や千葉県では、国が主導する大規模な補助金制度(例:「子育てグリーン住宅支援事業」や「先進的窓リノベ2025事業」など)が利用可能です。これらは、玄関ドア単体ではなく、窓の断熱改修など他の省エネ工事と組み合わせることで対象となる場合が多いです。
さらに、市区町村が独自に設けているリフォーム補助金も存在します。例えば、千葉県の市川市では「住宅断熱改修促進事業補助金」、船橋市では「住宅バリアフリー・断熱改修支援事業」といった制度が過去に実施されています。
これらの補助金は、申請期間や予算が限られているため、常に最新の情報を確認することが大切です。お住まいの自治体のウェブサイトで「住宅 リフォーム 補助金」といったキーワードで検索するか、リフォームを依頼する業者に相談してみましょう。
LIXIL(リクシル)対象リフォーム補助金はいくら?
LIXIL(リクシル)やYKK AP、三協アルミといった大手メーカー製の断熱性能が高い玄関ドアは、国の補助金制度の対象製品となっている場合がほとんどです。では、具体的にリフォーム補助金はいくら受け取れるのでしょうか。
補助金額は、利用する制度や交換するドアの性能、サイズによって大きく異なりますが、国の「先進的窓リノベ2025事業」を例に挙げると、玄関ドア1カ所あたりAグレード(性能中)の大きいサイズで117,000円、Sグレード(性能高)なら149,000円といった補助額が設定されています(※窓リフォームとの同時契約が条件)。
また、「子育てグリーン住宅支援事業」では、開口部の断熱改修として1カ所あたり最大49,000円の補助が受けられます(※他の省エネ工事との組み合わせが必要)。
これらの補助金は併用できない場合や、申請には登録事業者による施工が必要など、細かな条件があります。正確な補助金額を知るためには、リフォーム業者に補助金を利用したい旨を伝え、対象製品で見積もりを作成してもらうのが最も確実な方法です。
まとめ:玄関ドア下に隙間ができるのはなぜか?
この記事では、玄関ドア下に隙間ができる原因と、その対策について多角的に解説しました。最後に、本記事の要点をまとめます。
- 玄関ドアの隙間は経年劣化、建物の歪み、部品の劣化など様々な原因で発生する
- 木製ドアは湿気による反り、アルミ製ドアは部品の緩みが主な原因
- 新築の隙間は換気目的の「アンダーカット」である可能性が高い
- 隙間を放置すると虫の侵入、冷暖房効率の低下、防犯性の問題に繋がる
- DIYでの応急処置としては隙間テープや隙間ガードが手軽で有効
- 賃貸住宅では原状回復可能なDIY対策が基本
- ドアの傾きは蝶番の調整で直る場合がある
- 根本的な歪みや部品の故障は専門業者への修理依頼が確実
- 修理の依頼先は玄関ドア専門店や工務店などがある
- 断熱性能の高いドアへの交換はリフォーム補助金の対象になる
- 東京都や千葉県でも国や自治体の補助金が利用できる
- 補助金額は制度や製品により異なり、数万円から十数万円が目安
- 2025年もLIXILなどの対象製品で補助金活用が期待できる
- DIYでの対処が難しい場合は無理せずプロに相談することが大切