冬になると一軒家の底冷えに悩んでいませんか?効果的な一軒家の寒さ対策を探しているものの、まず原因は何か、そして寒い家を暖かくする方法7選のような具体的な解決策が知りたいと感じている方は多いはずです。
窓断熱シートの100均での効果は本当にあるのか、あるいは窓にダンボールを貼る断熱や百均の断熱シートでも十分なのか、DIYでできる対策には興味が湧きますよね。例えば、勝手口ドアや掃き出し窓の断熱DIY、畳の下に敷く断熱シートの設置なども考えられます。さらに、シャッターの断熱効果は夏だけでなく冬にも有効なのかという疑問もあるでしょう。
一方で、根本的な解決を目指すなら、壁の断熱を後付けする工事や、古い家の断熱リフォーム費用が気になるところです。
特に、一軒家を暖かくする方法は断熱窓リフォームが最適だと言われますが、補助金でお得に窓リフォームを進める方法も知っておきたい情報です。
寒さを放置すると起こるリスクを避け、失敗や後悔のない対策を選ぶために、この記事ではDIYから本格的なリフォームまで、あらゆる角度から解説していきます。
- 一軒家が寒くなる根本的な原因と放置するリスク
- 100均グッズなどを活用した手軽なDIY寒さ対策
- 窓や壁の断熱リフォームの方法と費用の目安
- 寒さ対策に活用できる補助金制度の概要
目次
一軒家の寒さ対策や原因の特定と手軽なDIY方法
- なぜ寒い?一軒家の根本的な原因は?
- 寒さを放置すると起こるリスクとは?
- 寒い家を暖かくする方法7選
- 窓断熱シートの100均での効果を解説
- 掃き出し窓の断熱DIYに挑戦しよう
- 勝手口ドアの断熱DIYも忘れずに
- 畳の下に敷く断熱シートで床の冷え対策
なぜ寒い?一軒家の根本的な原因とは
一軒家でエアコンをつけてもなかなか暖まらない、足元がひんやりするといった悩みの根本的な原因は、住宅の「断熱性能」と「気密性能」の低さにあります。人間が寒い日に薄着でいるのと同じで、家自体が寒さに対して無防備な格好をしている状態なのです。
熱は暖かい場所から寒い場所へ移動する性質があります。そのため、家の断熱性能が低いと、冬は室内の暖房で生み出した熱がどんどん外へ逃げてしまいます。特に熱の出入りが最も大きいのが「窓」で、冬に家の中から逃げる熱の約58%を占めると言われています。日本の住宅で広く普及しているアルミサッシと単板ガラスの組み合わせは、熱を非常に伝えやすく、寒さの大きな原因と考えられます。
また、壁の中や床下、屋根裏(天井裏)に断熱材が入っていなかったり、入っていても性能が低かったり、隙間だらけで施工されていたりする場合も少なくありません。特に築年数が経過した住宅では、現在の省エネ基準を満たしていないケースがほとんどです。国土交通省の調査でも、日本の住宅ストックの約9割が現行の省エネ基準に達していないというデータがあり、多くの家が寒さを感じやすい構造になっていることが分かります。
さらに、家の気密性能が低いと、窓やドアの隙間から冷たい外気が「すきま風」として侵入してきます。いくら暖房を強くしても、冷たい空気が絶えず入り込んでは部屋が暖まりにくいのは当然です。これらの理由から、家の寒さを解消するには、熱が逃げる部分を塞ぎ、家全体の断熱性と気密性を高めることが鍵となります。
寒さを放置すると起こるリスクとは?
家の寒さを「冬だから仕方ない」と我慢して放置すると、快適でないだけでなく、健康面や経済面で様々なリスクを引き起こす可能性があります。
健康を脅かすヒートショック
最も警戒すべきリスクが「ヒートショック」です。これは、暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室、トイレへ移動した際などの急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす現象を指します。
消費者庁によると、入浴中の急死者数は年間で推定19,000人にも上るとされ、その多くがヒートショックに関連していると考えられています。特に高齢者や高血圧の方はリスクが高く、命に関わる問題のため、家の中の温度差をなくすことは非常に大切です。
結露によるカビやダニの発生
断熱性能が低い家では、室内の暖かい空気が冷たい窓や壁に触れることで「結露」が発生しやすくなります。この結露を放置すると、カビやダニが繁殖する原因となります。カビは見た目が不衛生なだけでなく、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患を引き起こすアレルゲンになることもあります。健康な暮らしを維持するためにも、結露対策は欠かせません。
光熱費の増大
断熱性が低い家は、暖房で温めた空気がすぐに外へ逃げてしまうため、暖房効率が非常に悪くなります。
部屋を快適な温度に保とうとすると、エアコンやストーブを長時間、高い出力で稼働させ続ける必要があり、結果として光熱費が大きな負担となって家計を圧迫します。適切な断熱対策を施すことは、快適なだけでなく、長期的に見て経済的なメリットにも繋がるのです。
寒い家を暖かくする方法7選
家の寒さを解消し、快適な冬を過ごすためには、様々なアプローチが考えられます。大掛かりなリフォームだけでなく、ご自身で手軽に試せる工夫も少なくありません。ここでは、家の状況や予算に合わせて実践できる具体的な寒さ対策を、「DIYでできること」から「本格的なリフォーム」まで、7つの方法に分けて詳しく解説していきます。
1. 窓の断熱性を高める(DIY編)
家の熱が最も逃げやすい「窓」の対策は、寒さ対策の基本であり、効果を体感しやすい部分です。まずはDIYで挑戦できる方法から始めましょう。 最も手軽なのは、市販の「断熱シート」を窓ガラスに貼り付けることです。気泡緩衝材(プチプチ)などでできたシートが空気の層を作り、熱の移動を緩やかにします。安価で簡単に試せる点が最大のメリットですが、断熱効果は限定的で、窓の景観が損なわれるというデメリットもあります。 より効果を高めたい場合は、厚手の「断熱カーテン」や、既存のカーテンに追加できる「断熱カーテンライナー」の活用がおすすめです。カーテンを床に届くくらいの長さにし、窓全体をしっかりと覆うことで、窓と室内の間に冷たい空気の壁を作り出し、暖房効率を高めます。
2. 床からの底冷えを断つ
「暖房をつけているのに足元だけが寒い」という現象は、床下からの冷気が原因です。床の対策は、体感温度を大きく左右します。 フローリングの場合は、厚手のラグやカーペット、または熱を伝えにくい「コルクマット」を敷くのが有効です。これらの素材が床からの冷気を直接体に伝えるのを防いでくれます。冬用の暖かいスリッパを履くだけでも、手軽ながら効果的な対策となります。 和室であれば、畳を一度持ち上げて床板との間にアルミ製の断熱シートなどを敷き込む方法があります。手間はかかりますが、床下からの放射熱を遮断するため、底冷えの改善に繋がります。ただし、床下の湿気が多いとカビの原因になる可能性もあるため、換気状態の確認が必要です。
3. 見えない敵「すきま風」を塞ぐ
いくら暖房をしても部屋が暖まらない場合、家の「気密性」が低いのかもしれません。窓のサッシやドアの周囲にできたわずかな隙間から侵入する「すきま風」は、室温を確実に低下させます。 この対策には、ホームセンターなどで手に入る「隙間テープ」が非常に有効です。ドア枠や窓枠、引き戸の合わせ部分など、風の侵入が感じられる箇所に貼り付けることで、気密性を高めることができます。テープにはスポンジタイプや毛の(モヘア)タイプなどがあり、隙間の幅に合わせて選ぶのがポイントです。地味な作業に見えますが、冷気の通り道を塞ぐことは、暖房効率の改善に直結します。
4. 暖房の効率を最大化する
今ある暖房器具の使い方を少し工夫するだけでも、部屋の暖かさは変わってきます。 まず、エアコンやヒーターは、部屋の広さに合った能力のものを使用することが基本です。また、暖房器具を置く場所も大切で、窓際に設置すると、窓から発生する冷たい下降気流(コールドドラフト)を打ち消し、部屋全体の温度ムラを抑える効果が期待できます。 さらに、「サーキュレーター」を併用するのも非常に効果的です。暖かい空気は天井付近に溜まりやすいため、サーキュレーターを天井に向けて運転させることで室内の空気が循環し、足元まで暖かさが届くようになります。これにより、暖房の設定温度を必要以上に上げることなく、快適な室温を保つことができます。
5. 最も効果的!窓の本格リフォーム
前述の通り、DIYでの窓対策には限界があります。寒さを根本から断ち切りたいのであれば、最も費用対効果が高いのが窓の本格的なリフォームです。 代表的な工法は「内窓(二重窓)の設置」です。既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付けることで、断熱性能が劇的に向上します。外気の影響を受けにくくなるため、暖房効率が上がるだけでなく、不快な結露の発生も大幅に抑制できます。工事が短時間で完了する点も大きなメリットです。 もう一つの方法は、既存の窓そのものを「断熱性能の高い窓に交換」することです。ガラスが二重になった「複層ガラス」や、熱を伝えにくい「樹脂サッシ」に交換することで、窓自体の性能を高めます。費用は内窓設置より高くなる傾向にありますが、すっきりとした見た目を維持できる利点があります。
6. 家全体を魔法瓶に!躯体の断熱リフォーム
窓だけでなく、壁、床、天井からも熱は逃げていきます。家全体を暖かく保つためには、これらの「躯体(くたい)」部分の断熱リフォームが最終的な解決策となります。 床下には高性能なボード状の断熱材を隙間なく施工し、天井裏にはマット状または吹き込み式の断熱材を敷き詰めます。壁に関しては、室内側から施工する「内断熱」と、外壁側から施工する「外断熱」があります。家全体を断熱材で覆うことで、まさに魔法瓶のように熱を閉じ込め、わずかな暖房エネルギーで家中を快適な温度に保つことが可能になります。大掛かりな工事となりますが、冬の寒さだけでなく、夏の暑さ対策にも絶大な効果を発揮します。
7. 賢く活用!リフォーム補助金制度
本格的な断熱リフォームには相応の費用がかかりますが、その負担を軽減するための心強い味方が「補助金制度」です。 省エネルギー性能の高い住宅を増やす目的で、国や地方自治体は様々な補助金制度を用意しています。特に、内窓設置や高断熱窓への交換、壁や床の断熱工事は、手厚い補助の対象となる場合がほとんどです。「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」といった国の制度を活用すれば、工事費用の数十パーセントが補助されるケースも少なくありません。 これらの制度は予算に限りがあり、申請期間も決まっています。リフォームを検討する際は、専門家であるリフォーム会社に相談し、利用できる補助金がないか必ず確認することをおすすめします。費用負担を抑えることで、より性能の高いリフォームを選択することが可能になります。
窓断熱シートの100均での効果を解説
手軽に始められる寒さ対策として、100円ショップなどで手に入る「窓断熱シート」の活用を検討する方は多いです。結論から言うと、限定的ではありますが一定の効果は期待できます。
窓断熱シートは、主に気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)でできており、これを窓ガラスに貼り付けることで空気の層を作ります。この空気層が断熱材の役割を果たし、室内外の熱の移動を緩やかにしてくれる仕組みです。
メリットと期待できる効果
最大のメリットは、その手軽さと費用の安さです。数百円程度で対策を始められ、特別な工具も不要で誰でも簡単に貼り付けられます。実際に貼り付けると、窓際のひんやり感が和らいだり、暖房の効きが少し良くなったと感じられたりすることがあります。また、ガラスの表面温度の低下を抑えるため、結露の発生をある程度抑制する効果も期待できます。
デメリットと注意点
一方で、デメリットも理解しておく必要があります。まず、断熱リフォームのような根本的な解決策ではないため、効果は限定的です。あくまで「何もしないよりはまし」というレベルだと考えておくとよいでしょう。
また、シートを貼ることで窓からの景色が見えにくくなったり、見た目が損なわれたりする点も挙げられます。さらに注意したいのが、貼り方や製品によっては、窓とシートの間で結露が悪化し、カビの原因になってしまうケースがあることです。対策として始めたつもりが、逆効果にならないよう、定期的に窓の状態を確認することが求められます。
安価で試しやすい対策ですが、過度な期待はせず、あくまで応急処置的な対策と位置づけるのが適切です。
掃き出し窓の断熱DIYに挑戦しよう
リビングなどにある大きな掃き出し窓は、熱の出入りが特に激しい場所です。この部分の断熱性をDIYで高めることは、部屋全体の快適性向上に大きく貢献します。
効果的な方法の一つが、簡易的な「内窓(二重窓)」を自作することです。本格的なリフォームには及びませんが、DIYでも十分に効果を感じられます。材料はホームセンターで揃えることが可能です。
ポリカーボネートを使った内窓DIY
ガラスの代わりに、軽くて断熱性の高い「ポリカーボネート(中空構造のもの)」を使います。
- 採寸: 既存の窓枠の内側のサイズを正確に測ります。
- 材料の準備: 採寸したサイズに合わせて、ポリカーボネート板、窓枠となる木材やプラスチック製のフレーム、そして内窓をはめ込むための上下のレールを用意します。
- 組み立て: 枠を組み立て、ポリカーボネート板をはめ込みます。その後、既存の窓枠にレールを取り付け、作成した内窓を設置すれば完成です。
このDIYのメリットは、比較的安価に断熱性能を大きく向上させられる点にあります。空気層が二重になることで、外の冷気が直接伝わるのを防ぎ、暖房の熱も逃げにくくなります。ただし、きれいに隙間なく作るのは少し難しく、気密性を確保するためには丁寧な作業が求められます。
断熱カーテンの活用
より手軽な方法としては、厚手の「断熱カーテン」や「遮光カーテン」を利用することが挙げられます。カーテンを床に少し垂れるくらいの長さにし、窓をしっかりと覆うことで、窓とカーテンの間に空気層が生まれ、冷気の侵入を防ぎます。既存のカーテンの内側に後付けできる「断熱カーテンライナー」も市販されており、これなら今のカーテンをそのまま使いながら断熱性能を高められます。
勝手口ドアの断熱DIYも忘れずに
キッチンなどにある勝手口のドアは、見落としがちな寒さの原因の一つです。多くの場合、アルミなど熱を伝えやすい金属製で作られており、ガラス部分も単板ガラスであることが多いため、冷気の侵入経路になりやすいのです。
ドア本体の断熱
ドア本体からの冷えには、断熱シートを貼るのが手軽で効果的です。窓用の断熱シート(プチプチ)や、よりデザイン性の高いリメイクシートタイプの断熱クッションシートなどをドアの面積に合わせてカットし、貼り付けます。これにより、ドア表面の冷たさが室内に伝わるのを和らげることができます。
隙間対策
ドアの寒さ対策で重要なのが「隙間」を塞ぐことです。ドアと枠の間には、経年劣化で隙間ができていることが少なくありません。この隙間から侵入する冷たい「すきま風」は、体感温度を大きく下げます。
対策としては、ホームセンターなどで購入できる「隙間テープ」が有効です。ドアの枠やドア本体の縁に沿って貼り付けることで気密性が高まり、すきま風を大幅にカットできます。テープにはスポンジタイプや毛(モヘア)タイプなど様々な種類があるので、隙間の大きさに合わせて適切なものを選びましょう。
これらの対策を組み合わせることで、キッチンの足元の冷えをかなり改善することが可能です。
畳の下に敷く断熱シートで床の冷え対策
フローリングだけでなく、和室の畳から伝わる底冷えも冬の悩みの種です。床下からの冷気が畳を通して室内に伝わってくるためで、特に築年数の古い一軒家では床下の断熱が不十分なケースが多く見られます。
この対策として、畳の下に断熱シートを敷く方法があります。これは畳を一度持ち上げて、畳と床板の間に断熱材を敷き詰めるというものです。
使用するシートの種類
一般的に使われるのは、銀色のアルミ蒸着フィルムがついたシートです。このアルミ面が床下からの冷たい放射熱を反射し、室内の熱が下に逃げるのを防ぐ効果があります。厚みのあるポリエチレン製のものや、より断熱性の高い発泡スチロール製のボード(スタイロフォームなど)をカットして敷き詰める方法もあります。
施工方法と注意点
施工するには、まず畳を全て持ち上げる必要があります。畳は非常に重いため、一人での作業は大変かもしれません。畳を上げた後、床板をきれいに掃除してから断熱シートを隙間なく敷き詰めます。シートの継ぎ目は気密テープでしっかりと貼り合わせるのがポイントです。
この方法のメリットは、床の断熱リフォームに比べて費用を抑えられ、DIYでも挑戦できる点です。床からの底冷えが直接体に伝わりにくくなるため、効果を体感しやすいでしょう。
ただし、注意点として、床下の湿気が多い場合、シートによって湿気の逃げ場がなくなり、結露やカビ、ダニの発生に繋がる可能性があります。施工前には床下の換気状態を確認することが大切です。
一軒家の寒さ対策は断熱リフォームで解決
- 壁の断熱を後付けするリフォームとは
- 一軒家を暖かくする方法は断熱窓リフォーム
- 古い家の断熱リフォーム費用はどのくらい?
- 補助金でお得に窓リフォームができる?
壁の断熱を後付けするリフォームとは
家の寒さを根本的に解決するためには、壁の断熱性能を高めるリフォームが非常に有効です。特に古い住宅では壁の中に断熱材が入っていない「無断熱」の状態や、断熱材が経年で劣化・脱落しているケースがあります。壁の断熱リフォームには、主に「内断熱」と「外断熱」の2つの工法があります。
内断熱リフォーム
内断熱は、室内側の壁を一度剥がし、柱と柱の間に断熱材を充填(じゅうてん)する工法です。
- メリット: 外壁に影響を与えないため、外観を変えずに施工できます。また、外断熱に比べて費用が比較的安い傾向にあります。部屋ごとに工事を進められるため、住みながらのリフォームも可能です。
- デメリット: 工事中は室内の壁を剥がすため、家具の移動が必要になり、一時的に部屋が使えなくなります。また、断熱材の厚みの分だけ、部屋が少し狭くなることがあります。施工が不十分だと、壁の中で結露(内部結露)を起こすリスクも考えられます。
外断熱リフォーム
外断熱は、既存の外壁の上から断熱材を貼り付け、その上から新しい外壁材で仕上げる工法です。
- メリット: 家全体を断熱材で魔法瓶のようにすっぽりと覆うため、非常に高い断熱効果が得られます。柱などの構造体も断熱材の内側になるため、内部結露のリスクが低く、建物の耐久性向上にも繋がります。工事は家の外側で行うため、住みながらでも普段通りの生活ができます。
- デメリット: 内断熱に比べて工事が大掛かりになり、費用が高額になります。また、外壁の厚みが増すため、敷地の状況によっては施工できない場合があります。
どちらの工法を選ぶかは、予算や建物の状況、求める断熱性能によって異なります。専門家とよく相談し、最適な方法を選択することが大切です。
一軒家を暖かくする方法は断熱窓リフォームが最適!
前述の通り、家の中で最も熱が逃げやすい場所は「窓」です。
したがって、一軒家を効率よく暖かくする上で、窓の断熱リフォームは最も費用対効果が高い対策と言えます。主な方法として「内窓の設置」と「既存窓の交換」の2つがあります。
内窓(二重窓)の設置
これは、今ある窓の内側にもう一つ新しい窓を取り付けて二重窓にするリフォームです。YKK APの「プラマードU」やLIXILの「インプラス」といった製品が有名です。
既存の窓と新しい内窓との間に空気層が生まれることで、断熱性能が飛躍的に向上します。外の冷気が伝わりにくくなるだけでなく、室内の暖かい空気も逃げにくくなるため、暖房効率が大きく改善されます。
また、断熱効果に加えて、遮音性が高まり外の騒音が気にならなくなったり、防犯性が向上したりといった副次的なメリットもあります。工事は1つの窓あたり30分~2時間程度と非常に短時間で完了し、大掛かりな工事が不要な点も魅力です。
既存窓の交換(複層ガラス・トリプルガラス)
もう一つの方法は、既存の窓枠ごと、あるいはガラスのみを断熱性能の高いものに交換することです。
ガラスを2枚重ねた「複層ガラス(ペアガラス)」や3枚重ねた「トリプルガラス」に交換することで、ガラス面の断熱性を高めます。ガラスとガラスの間には乾燥空気が封入されているか、より断熱性の高いアルゴンガスやクリプトンガスが注入されているものもあります。
さらに、窓枠(サッシ)の素材を、熱を伝えやすいアルミ製から、熱を伝えにくい樹脂製や木製に交換することで、窓全体の断熱性能を最大限に高めることが可能です。
どのリフォームを選ぶべきかは、現在の窓の状態や予算によって変わりますが、何から手をつければよいか分からない場合は、まず内窓の設置を検討するのがおすすめです。
古い家の断熱リフォーム費用はどのくらい?
断熱リフォームの費用は、工事を行う部位や範囲、使用する断熱材の種類、建物の状況によって大きく変動します。
ここでは、部位ごとの一般的な費用相場をご紹介します。
工事部位 | 主な工法 | 費用相場(一例) | 工期の目安 |
窓 | 内窓(二重窓)設置 | 1箇所あたり 8万円~15万円 | 0.5日~1日 |
複層ガラスへの交換 | 1箇所あたり 5万円~15万円 | 1日~2日 | |
床下 | 床を剥がさず断熱材を充填 | 1坪あたり 3万円~5万円 | 1日~3日 |
壁 | 内断熱(室内側から施工) | 1㎡あたり 5,000円~1.5万円 | 部屋ごとで数日~ |
外断熱(外壁側から施工) | 1㎡あたり 1万円~3万円 | 2週間~1ヶ月 | |
天井・屋根裏 | 断熱材を敷き込む・吹き込む | 1坪あたり 1.5万円~3万円 | 1日~4日 |
例えば、家全体の寒さを改善するために、窓(5箇所)、床下(LDK 10坪)、天井裏(10坪)の断熱リフォームをまとめて行う場合、合計で100万円~200万円程度が一つの目安となるでしょう。
もちろん、これはあくまで一般的な相場であり、正確な費用を知るためには、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、比較検討することが不可欠です。
見積もりを取る際は、工事内容の内訳が詳細に記載されているかを確認し、不明な点は納得がいくまで質問するようにしましょう。
補助金でお得に窓リフォームができる?
断熱リフォーム、特に断熱性能の高い窓へのリフォームは、国の省エネルギー政策の観点から手厚い補助金制度の対象となることが多く、これらを活用することでお得に工事を進めることが可能です。
2025年現在、国が主導する代表的な補助金制度として「住宅省エネ2025キャンペーン(仮称)」のような、複数の省庁が連携した大規模な支援事業が展開されている可能性があります。これらは、主に以下のような事業で構成されていることが多いです。
- 先進的窓リノベ事業: 内窓設置や外窓交換など、非常に高い断熱性能を持つ窓へのリフォームに対して、工事費用の1/2相当など、高額な補助が受けられる事業です。補助額が大きいため、最も人気のある制度の一つです。
- 子育てエコホーム支援事業: 子育て世帯や若者夫婦世帯を対象としていますが、それ以外の世帯も利用可能です。開口部(窓・ドア)の断熱改修や、外壁、屋根・天井、床の断熱改修などが幅広く対象となります。
- 給湯省エネ事業: 高効率給湯器の導入が対象ですが、断熱リフォームと併せて利用できる場合があります。
これらの補助金制度は、予算の上限に達し次第、受付が終了してしまいます。また、制度の要件や補助額は毎年変更される可能性があるため、リフォームを検討し始めたら、できるだけ早く最新の情報を確認することが大切です。
多くのリフォーム会社は補助金申請のサポートも行っています。どの制度が利用できるか、申請手続きはどうすればよいかなど、専門家であるリフォーム会社に相談しながら進めるのが最も確実で安心な方法と言えます。
一軒家の寒さ対策で快適な冬を過ごそう:まとめ
この記事では、一軒家の寒さの原因から、ご自身でできるDIY対策、そして根本的な解決策である断熱リフォームまでを幅広く解説しました。
最後に、快適な住まいを実現するための重要なポイントをまとめます。
- 家の寒さの主な原因は断熱性と気密性の低さ
- 熱の約6割は窓から逃げていることを理解する
- 寒い家はヒートショックなど健康リスクに繋がる
- 結露やカビの発生は家の劣化を早める
- DIY対策は費用が安いが効果は限定的と心得る
- 100均の窓断熱シートは手軽な応急処置として有効
- ポリカーボネートを使った内窓DIYは効果が高い
- 断熱カーテンやライナーも手軽でおすすめ
- すきま風対策には隙間テープが効果的
- 根本解決には断熱リフォームが不可欠
- 最も費用対効果が高いのは窓の断熱リフォーム
- 内窓設置は断熱・遮音・防犯性能が向上する
- 壁や床、天井の断熱リフォームも組み合わせるとより効果的
- リフォーム費用は工事範囲や内容によって大きく変動する
- 国や自治体の補助金制度を積極的に活用する