こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。
普段は窓断熱の専門家として、数多くの現場で省エネ・断熱リフォームの提案や施工を行っています。現場のプロだから分かる、損しないためのポイントをお伝えします。
2026年も内窓リフォームに使える補助金はあるのか、あるとすれば内容はどのように変わるのか、気になっている方は非常に多いはずです。
特に今回は補助額の上限に関する大きな変更も発表されており、不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、最新の閣議決定情報に基づき、2026年の制度内容をどこめよりも分かりやすく解説します。
目次
内窓のリフォーム補助金2026年の制度の全貌
- 先進的窓リノベ2026事業はいつから開始か
- 補助上限が半減しても一般家庭は安心な理由
- 2025年11月28日以降の着工で遡及適用
- 獲得できる金額の目安とシミュレーション
- みらいエコ住宅2026などとの併用プラン
先進的窓リノベ2026事業はいつから開始か
2025年11月28日に閣議決定された補正予算案により、2026年も「先進的窓リノベ2026事業」として、大型の補助金制度が継続されることが確定しました。
環境省、国土交通省、経済産業省の3省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一環として実施され、窓の断熱リフォームに対して非常に手厚い補助が行われます。具体的なスケジュールとしては、事業者の登録が2026年1月中旬以降に始まり、私たち施工業者による交付申請の受付は2026年3月下旬頃からスタートする見込みです。
「3月まで待たないと工事できないの？」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。後述するように、対象期間のカウントはすでにはじまっています。
（出典元：先進的窓リノベ2026事業PDF）
補助上限が半減しても一般家庭は安心な理由
今回の発表で最も衝撃的だったのが、1戸あたりの補助上限額の変更です。2025年事業では最大200万円だった上限が、2026年事業では「最大100万円」へと引き下げられました。
「半減してしまった！損をするのでは？」と焦る声も聞こえてきますが、現場を知る私からすれば、一般的な戸建てやマンションにお住まいの方にとっては、ほとんど影響がありません。
なぜ影響が少ないのか？
一般的な30坪〜40坪程度の戸建て住宅で、主要な窓（リビング、寝室、子供部屋など）4〜5箇所に内窓を設置した場合、補助金の合計額は概ね30万円〜60万円程度に収まるケースが大半だからです。
つまり、上限が100万円になったとしても、通常の規模のリフォームであれば満額受け取れる可能性が極めて高いのです。豪邸ですべての窓を交換するような大規模工事でない限り、過度な心配は不要です。
2025年11月28日以降の着工で遡及適用
制度の利用を検討している方にとって、最も重要なのが「いつの工事から対象になるか」という点です。今回の制度では、2025年11月28日以降に工事に着手（着工）したものが対象となります。
契約日ではなく「着工日」が基準です
あくまで「工事に着手した日」が基準となります。契約自体が11月27日以前であっても、実際の工事が11月28日以降であれば対象となります。
この「遡及適用（そきゅうてきよう）」のおかげで、制度の詳細発表や3月の申請開始を待たずに、今すぐ工事を始めても補助金を受け取ることが可能です。冬の寒い時期を我慢して待つ必要はありません。
獲得できる金額の目安とシミュレーション
では、実際にどれくらいの補助金がもらえるのでしょうか。正式な単価表は今後発表されますが、基本的には2025年版の補助率（工事費用の約1/2相当）が維持される見込みです。
以下に、一般的な内窓（Sグレード以上を想定）を設置した場合のシミュレーションをまとめました。
| 窓のサイズ区分 | 想定される補助額目安 | 適用される窓の例 |
|---|---|---|
| 大サイズ（L） 2.8㎡以上 | 約68,000円〜 | リビングの掃き出し窓 （ベランダに出る大きな窓） |
| 中サイズ（M） 1.6㎡以上 2.8㎡未満 | 約46,000円〜 | 腰高窓 （一般的な部屋の窓） |
| 小サイズ（S） 0.2㎡以上 1.6㎡未満 | 約29,000円〜 | トイレ、浴室、キッチンなどの小窓 |
※上記は2025年モデルケースを参考にした目安です。正式な金額は2026年の要綱発表をお待ちください。
例えば、リビングの大きな窓1箇所と寝室の腰高窓2箇所をリフォームした場合、合計で約16万円前後の補助金が還元される計算になります。これは非常にお得です。
みらいエコ住宅2026などとの併用プラン
窓のリフォームをするなら、他の場所も一緒に直したいと考える方も多いでしょう。住宅省エネ2026キャンペーンでは、他の補助金との併用も可能です。
みらいエコ住宅2026事業（旧：子育てエコホーム）
先進的窓リノベの基準に満たない窓や、節湯水栓、高断熱浴槽などの設置に利用できます。
給湯省エネ2026事業
エコキュートなどの高効率給湯器への交換が対象です。
これらを組み合わせることで、家全体の省エネ化を進めながら、補助金の総取りを狙うことができます。私たちのような登録事業者は、こうした「セット提案」によるコストダウンも得意としています。
内窓リフォームの補助金を2026年に申請する手順
- 登録事業者への依頼が必須となる理由
- 対象要件のUw値を満たすガラスの選び方
- 玄関ドア交換も補助金の対象になるか
- 交付申請の期限と予算終了のタイミング
- 申請の流れと必要書類の準備について
登録事業者への依頼が必須となる理由
この補助金制度の最大の特徴は、「一般ユーザーが自分で申請できない」という点です。申請手続きを行えるのは、事務局に登録された「住宅省エネ支援事業者」に限られます。
つまり、DIYでホームセンターから内窓を買ってきても、補助金の対象にはなりません。必ず、「キャンペーンの登録事業者であるリフォーム会社」に工事を発注する必要があります。
対象要件のUw値を満たすガラスの選び方
すべての内窓が対象になるわけではありません。補助金をもらうためには、窓の断熱性能を示す「熱貫流率（Uw値）」が一定の基準（1.9以下など）を満たす必要があります。
少し専門的な話になりますが、簡単に言うと「Low-E複層ガラス（ガス入り）」以上のグレードを選んでおけば、ほとんどのケースで基準をクリアできます。
プロからのアドバイス
単板ガラス（1枚ガラス）や一般的な複層ガラスでは、補助金の対象外になる可能性が高いです。見積もりの際は必ず「補助金対象のガラス仕様でお願いします」と伝えてください。
玄関ドア交換も補助金の対象になるか
「窓と一緒に玄関も寒さをなんとかしたい」という要望は非常に多いです。2024年、2025年事業と同様に、窓の改修と同一契約であれば、玄関ドアの断熱改修も補助対象になる見込みです。
ただし、ドア単体での申請が可能かどうか、あるいは窓とセットが必須条件になるか等の細かい要件は、2月頃に発表される詳細要綱で確定します。玄関リフォームも検討中の方は、まずは窓とセットで計画を立てておくのが無難です。
交付申請の期限と予算終了のタイミング
補助金は「早い者勝ち」です。予算の上限（約1,125億円）に達した時点で、申請受付は終了してしまいます。
例年の傾向を見ると、秋口から年末にかけて駆け込み需要が増え、予算消化のペースが上がります。最終的な期限は遅くとも2026年12月31日までとされていますが、予算がなくなればその時点で打ち切りとなります。
「まだ先だから大丈夫」と思わず、余裕を持って夏前までには工事を完了させるくらいのスケジュール感が、最も安全で確実です。
申請の流れと必要書類の準備について
最後に、具体的な申請の流れを見ておきましょう。面倒な手続きのほとんどは私たち事業者が代行しますが、お客様にご協力いただく部分もあります。
- 現地調査・見積もり：登録事業者に依頼し、補助金対象仕様で見積もりを作成してもらう。
- 契約・着工：契約を結び、工事を開始する（2025年11月28日以降の着工が対象）。
- 工事完了・引渡し：内窓の設置工事を完了させる。
- 交付申請（事業者）：事業者が事務局へ申請データを送信する。この際、お客様の本人確認書類（免許証のコピーなど）が必要です。
- 補助金交付：審査完了後、事業者の口座に補助金が振り込まれ、最終的にお客様へ還元されます。
補助金は直接お客様の口座に振り込まれるわけではありません。工事代金から差し引くか、後日振込で返金するかは、業者との契約内容によりますので事前に確認しましょう。
内窓リフォーム補助金は2026年も活用すべき：まとめ
2026年の「先進的窓リノベ2026事業」は、補助上限額こそ100万円になりましたが、一般的なご家庭のリフォームにおいては、依然として過去最大級にお得な制度であることに変わりありません。
重要なポイントをおさらいします。
- 2025年11月28日以降の着工なら対象になる
- 一般住宅なら上限100万円でも十分カバーできる
- 必ず「登録事業者」に依頼し、対象ガラスを選ぶ
- 予算がなくなる前に、早めに動くのが正解
窓の断熱は、冬の寒さ対策だけでなく、夏の冷房効率アップや結露防止、防音効果など、生活の質を劇的に向上させてくれます。「いつかやりたい」と考えていたなら、間違いなく今がそのタイミングです。
私たちe-MADOリフォームでも、補助金を活用した最適なプランをご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
