こんにちは、e-MADOリフォーム代表の鈴木 優樹です。
2025年も終わりに近づき、多くの方が気になっているのが2026年の断熱リフォーム補助金に関する最新情報ではないでしょうか。
特に先進的窓リノベ2026事業やみらいエコ住宅2026事業といった新しい制度名称や、いつから対象になるのか、そして噂されている上限額の減額は本当なのかといった点は、リフォーム計画に直結する重要な問題です。
結論から申し上げますと、2026年も強力な補助金制度は継続されますが、一部の条件には大きな変更が加えられています。この変更を知らずに進めると、期待していた補助額が受け取れない可能性もありますので、正しい情報を把握しておくことが大切です。
目次
断熱リフォーム補助金2026年の最新情報まとめ
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- 住宅省エネキャンペーン2026年の全体像
- 先進的窓リノベ2026は上限額が半減
- みらいエコ住宅2026等の新制度名称
- 対象工事はいつから?遡及適用の詳細
- マンションや戸建ても対象になる条件
- 給湯省エネ事業も継続して実施される
住宅省エネキャンペーン2026の全体像
2026年も、環境省、国土交通省、経済産業省の3省が連携して行う巨大プロジェクト、「住宅省エネ2026キャンペーン」が実施されます。
これは、家庭のエネルギー消費を抑えるために、断熱改修や高効率給湯器の導入を強力にバックアップする仕組みです。
基本的な枠組みは2025年版を踏襲していますが、各事業の名称や予算規模、補助上限などが一部見直されています。キャンペーンは主に以下の3つの事業で構成されています。
| 事業名 | 管轄省庁 | 主な対象工事 |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 | 環境省 | 窓の断熱改修(内窓、外窓、ガラス交換)、ドア交換 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 国土交通省 | 床・壁・天井の断熱、子育て・バリアフリー改修 |
| 給湯省エネ2026事業 | 経済産業省 | エコキュート、エネファーム等の設置 |
ポイント
これら3つの事業は、工事箇所が重複しない限り「併用が可能」です。例えば、「窓は環境省の補助金」「お風呂の断熱は国交省の補助金」といった形で組み合わせることで、家全体の改修費用を大幅に抑えることができます。
先進的窓リノベ2026は上限額が半減
断熱リフォームを検討されている方にとって、最も衝撃的なニュースと言えるのがこの変更点です。これまで最大200万円という破格の補助額で人気を博していた「先進的窓リノベ事業」ですが、2026年版では1戸あたりの補助上限額が「最大100万円」に変更されました。
「半減してしまったのか」と残念に思うかもしれませんが、冷静に考える必要があります。
これまでの200万円という枠を使い切るには、一般的な戸建て住宅であれば家中の窓すべてを最高グレードで交換するほどの大規模工事が必要でした。
多くのユーザーにとって、現実的な工事規模(リビングや寝室などの主要な窓5〜6箇所)であれば、補助額が100万円を超えるケースはそれほど多くありません。
注意点
上限額は下がりましたが、工事ごとの「定額補助単価」自体が極端に下がったわけではありません(詳細は今後発表される実施要領で確定します)。
依然として、工事費の約50%相当が還元される非常に高還元率な制度であることに変わりはありません。
みらいエコ住宅2026等の新制度名称
国土交通省が管轄する制度も名称が一新されました。2025年の「子育てエコホーム支援事業」は、2026年から「みらいエコ住宅2026事業」へと生まれ変わります。
名称は変わりましたが、基本的な役割は「先進的窓リノベ」でカバーできない部分の補完です。具体的には以下のような工事が対象となります。
- 床、天井、外壁の断熱改修
- 節湯水栓や高断熱浴槽の設置(ユニットバス交換など)
- バリアフリー改修(手すりの設置、段差解消)
特に、窓の断熱とセットで行うことが多い「お風呂のリフォーム」や「床下の断熱工事」では、このみらいエコ住宅2026事業が活躍します。
補助額は通常世帯で上限20万円、子育て・若者夫婦世帯であれば上限が引き上げられる仕組みも継続される見込みです。
対象工事はいつから?遡及適用の詳細
「これから工事を契約したいけれど、来年の制度開始まで待つべき?」というご相談をよくいただきますが、答えは「待つ必要はありません」です。
今回の閣議決定により、2025年11月28日以降に契約し、着工した工事であれば、2026年の制度の対象となること(遡及適用)が決まりました。
制度の正式な申請受付開始は2026年3月下旬頃と予想されますが、それよりも前に工事を完了させておき、受付開始と同時に「予約申請」を行うことが可能です。むしろ、春先は窓メーカーの納期が遅延する傾向にあるため、早めに動いておくのが得策です。
マンションや戸建ても対象になる条件
補助金の対象となる住宅タイプについては、これまでと同様に幅広く設定されています。
- 戸建て住宅: 持家であれば問題なく対象です。
- マンション: 区分所有している分譲マンションであれば対象です(管理組合の許可が必要な場合があります)。
- 賃貸住宅: オーナー様が実施する場合も対象となります。
特にマンションの場合、窓ガラスやサッシは「共用部」扱いとなることが多いですが、管理規約に基づいて適切な申請を行えば、内窓(二重窓)の設置はもちろん、最近ではカバー工法による外窓交換も認められるケースが増えています。
内窓設置であれば、管理組合への届け出だけでスムーズに進められることがほとんどです。
給湯省エネ事業も継続して実施される
経済産業省の「給湯省エネ2026事業」も継続が決定しています。これは、電気代やガス代の削減に直結する「高効率給湯器」への交換を支援するものです。
- エコキュート(ヒートポンプ給湯機): 年間を通して高い省エネ効果を発揮します。
- ハイブリッド給湯機: 電気とガスを効率よく使い分けます。
- エネファーム: 自宅で電気をつくる家庭用燃料電池です。
窓の断熱リフォームと同時に給湯器を交換することで、家の熱の出入りとエネルギー消費の両方を改善でき、光熱費削減効果が最大化します。もし給湯器が設置から10年以上経過しているなら、このタイミングでの交換検討を強くおすすめします。
断熱リフォーム補助金2026年最新情報の活用術
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- 内窓や二重窓リフォームで補助金を確保
- 玄関ドア交換も対象工事に含まれる
- 床断熱や外壁など窓以外の必須工事
- 補助金の減額をカバーする見積もり戦略
- 断熱リフォーム補助金2026最新情報の総括
内窓や二重窓リフォームで補助金を確保
補助金を活用する上で、最もコストパフォーマンスが良いのが「内窓(二重窓)」の設置です。既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付けるこの工法は、工事が1窓あたり約1時間で完了し、解体費用などもほとんどかかりません。
先進的窓リノベ事業では、窓のサイズ(大・中・小)と断熱性能(グレード)に応じて定額の補助金が出ます。
内窓は材料費に対する補助率が非常に高く、実質負担を大幅に減らしながら、劇的な断熱効果を得ることができます。「まずはリビングと寝室だけ」といった部分的な施工でも十分に恩恵を受けられるのが魅力です。
玄関ドア交換も対象工事に含まれる
意外と知られていないのが、玄関ドアの交換も「先進的窓リノベ事業」の対象になるという点です。ただし、これには一つ重要な条件があります。
重要条件
玄関ドア単体の工事も申請可能ですが、「窓の改修」とセットで行うことで、よりスムーズに、かつ高い補助額を狙いやすくなります。
玄関は「家の顔」であると同時に、実は熱の出入りが非常に多い場所です。最新の断熱ドアに交換することで、廊下の寒さが和らぐだけでなく、防犯性能も向上します。
補助金を活用すれば、定価の半額近い負担で憧れのドアにリフォームできるチャンスです。
床断熱や外壁など窓以外の必須工事
窓だけを断熱しても、床下から冷気が上がってきては快適性は半減します。そこで活用したいのが、前述した「みらいエコ住宅2026事業」との併用です。
例えば、リビングの掃き出し窓には「先進的窓リノベ」を使って内窓を設置し、同時に冷え込む洗面所や浴室の改修には「みらいエコ住宅」を使って、高断熱浴槽への交換や浴室の断熱工事を行うといったプランが考えられます。
このように、「性能の高い窓は環境省」「それ以外の部位は国交省」と使い分けることで、家全体をバランスよく暖かくすることが可能です。
補助金の減額をカバーする見積もり戦略
補助上限が100万円になったとはいえ、100万円の補助金を受け取るには、通常200万円前後の工事が必要です。つまり、一般的な家庭のリフォーム規模であれば、上限到達を心配するよりも「いかに要件を満たし、加算を狙うか」が重要になります。
例えば、2025年版では「既存の窓を撤去して新しい窓に交換する(はつり工法・カバー工法)」の方が、内窓設置よりも補助単価が高く設定されていました。2026年版でも同様の傾向が続くと予想されます。開閉の手間が増える内窓を避けて、すっきりとした外窓交換を選ぶのも一つの戦略です。
プロのアドバイス
複数の業者に見積もりを依頼する際は、「補助金を活用した場合の実質負担額」で比較しましょう。業者によっては補助金申請の手数料が異なる場合があるため、総額での確認が不可欠です。
断熱リフォーム補助金年2026最新情報の総括
2026年の断熱リフォーム補助金は、「先進的窓リノベ2026事業」を中心に、11月28日以降の工事から既にスタートしています。
上限額は100万円となりましたが、依然として過去最大級の支援制度であることに変わりはありません。
重要なのは、予算が尽きる前に動くことです。例年、秋口には予算上限に達して受付が終了してしまう傾向があります。
「寒くなってから考えよう」ではなく、今のうちに見積もりを取り、春の工事に向けて準備を進めることが、最もお得にリフォームを成功させる鍵です。