勝手口のドアだけ交換する費用は？業者選びと安く抑える5つのコツ

古い勝手口のすきま風や、がたつくドアの防犯性が気になっていませんか。「勝手口のドアだけ交換する場合の費用は、一体いくらかかるのだろう」と、具体的な金額が分からず、リフォームに踏み切れない方も多いかもしれません。

古い勝手口ドアの交換を検討し始めると、勝手口のドア交換はホームセンター、例えばコーナンやカインズに頼むべきか、それともリクシル製品などを扱う専門業者が良いのか、業者選びでまず悩みます。

カインズでの交換は手軽そうですが、専門性はどうなのでしょうか。

また、機能面では断熱性能を高めたいけれど、DIYで断熱シートを貼るだけで十分なのか、それともドアごと交換すべきか判断が難しいところです。

防犯性を高めるためには、防犯シャッターの設置や、そもそも防犯におすすめのドアを選ぶ必要があり、場合によっては勝手口を窓に変更する費用も気になります。

さらに、少しでも費用を抑えるために、勝手口のドア交換は補助金の対象ですか？という疑問も湧いてくるでしょう。

この記事では、そうした疑問を解消するため、勝手口ドア選びの3つのチェックポイントや、失敗しない勝手口ドア交換業者選びの5つのポイントを詳しく解説します。

あなたの家の勝手口リフォームを成功させるための情報を網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。

勝手口ドアだけ交換の費用と交換業者の選び方

古い勝手口ドアの交換が必要なサインとは

勝手口ドアには寿命があり、毎日使うものだからこそ、劣化のサインを見逃さないことが大切です。一般的にアルミ製ドアの寿命は20年から30年程度とされていますが、使用環境や頻度によって変わってきます。放置すると防犯性の低下や隙間風による光熱費の増大など、生活に直接的な影響を及ぼすため、以下のようなサインが見られたら交換を検討する時期と考えられます。

まず、ドアの開閉に関わる部分の不具合です。ドアの上部にあって開閉速度を調整する「ドアクローザー」から油が漏れていたり、ドアが勢いよくバタンと閉まるようになったりした場合、部品の寿命が考えられます。また、鍵が差し込みにくい、回りにくい、あるいは内側のつまみ（サムターン）の動きが悪いといった症状は、鍵のシリンダー錠が劣化している証拠です。

次に、気密性に関わる部分の劣化です。ドア枠の周囲にあるゴム製のパッキンが硬化してひび割れていたり、剥がれてきたりすると、そこから隙間風や雨水が侵入する原因となります。冬場に足元がスースーと寒く感じる場合、このパッキンの劣化が影響している可能性が高いです。

最後に、ドア本体の問題です。長年の使用でドア自体が歪んでしまい、枠と擦れるようになったり、鍵がかかりにくくなったりすることがあります。

見た目には分からなくても、20年以上経過しているドアは、内部の部品が劣化していることも少なくありません。これらの部品だけを交換することも可能ですが、ドア全体が古い場合は、他の部分もすぐに故障する可能性があり、結果的にドアごと交換する方が費用対効果が高いケースが多いです。

勝手口ドア交換業者選び5つのポイント

勝手口ドアの交換リフォームを成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが何よりも鍵となります。

業者によって費用、施工品質、提案力、そしてアフターサービスが大きく異なるため、以下の5つのポイントを基準に慎重に比較検討することをおすすめします。

第一に、「自社施工」であるかどうかを確認しましょう。リフォーム会社の中には、契約だけ行い、実際の工事は下請け業者に依頼するケースがあります。この場合、中間マージンが発生するため費用が割高になる傾向があるほか、打ち合わせ内容が現場の職人に正確に伝わらないといったトラブルも考えられます。自社で責任を持って施工する業者であれば、コストを抑えられ、質の高い工事が期待できます。

第二に、勝手口ドアや窓サッシ交換の「施工実績が豊富」かどうかです。公式サイトに具体的な施工事例が数多く掲載されている業者は、それだけ多くの経験とノウハウを蓄積している証拠です。様々な現場に対応してきた実績は、技術力の高さを物語っています。

第三に、「施工後の保証」の有無と内容です。ドア本体にはメーカー保証が付きますが、これは製品自体の初期不良に対するものです。雨漏りや建て付けの不具合など、工事が原因で発生したトラブルは施工業者の保証範囲となります。独自の施工保証を長期間設けている業者は、それだけ自社の工事に自信があると言えるでしょう。

第四に、取り扱う「ドアのメーカーや製品を限定しない」ことです。特定のメーカーの製品しか提案しない業者の場合、あなたの家に最適な選択肢が見つからない可能性があります。複数のメーカーの製品を公平に比較し、それぞれの長所・短所を説明した上で、最適なプランを提案してくれる業者が望ましいです。

最後に、省エネリフォームに関する「補助金制度に詳しい」かどうかです。補助金の申請は手続きが複雑な場合も多く、制度を熟知した業者であれば、利用できる補助金の提案から申請サポートまで任せることができます。

勝手口ドア交換はホームセンター・カインズ・リクシルで比較

勝手口ドアの交換を依頼できる業者は、主に「ホームセンター」「総合リフォーム会社」「サッシ専門業者」の3つに大別されます。

どこが良い・悪いということではなく、ご自身の希望や予算、重視する点によって最適な選択肢は異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、比較検討することが大切です。

ホームセンターは、買い物のついでに相談できる手軽さが魅力です。効率的にリフォームを進めたい方や、製品に強いこだわりがない方に向いています。

総合リフォーム会社は、勝手口の交換を機にキッチン全体のリフォームなども考えている場合に頼りになります。

一方、サッシ専門業者は、勝手口ドアや窓のプロフェッショナルです。費用を抑えつつ、専門的なアドバイスを受けながら高品質なリフォームを実現したい方に最も適した選択肢と言えるでしょう。

カインズでの勝手口ドア交換の流れと特徴

カインズのような大手ホームセンターで勝手口ドアを交換する場合、その手軽さと分かりやすさが大きな魅力です。リフォームを考え始めたばかりの方でも、気軽に相談できる点が支持されています。

一般的な流れとしては、まず店舗のリフォームコーナーで相談し、希望するドアの種類や予算を伝えます。その後、後日、業者が自宅を訪問して現地調査と採寸を行い、正式な見積もりが提示されます。内容に納得すれば契約となり、施工日を決定して工事が行われる、という手順です。

カインズで交換するメリットは、全国展開しているブランド力による安心感や、クレジットカードやリフォームローンなど支払い方法の選択肢が豊富な点にあります。また、特定の商品がセール価格で提供されることもあり、タイミングが合えばお得に交換できる可能性もあります。

ただ、注意点も理解しておく必要があります。まず、実際の工事はカインズの従業員ではなく、提携している外部の施工業者が行うのが一般的です。

そのため、店舗の担当者との打ち合わせ内容が、現場の職人に100%正確に伝わらないリスクもゼロではありません。また、取り扱っているドアのメーカーや種類が限定されていることが多く、デザインや性能にこだわりたい方にとっては、選択肢が物足りなく感じる可能性もあります。

良くも悪くも「標準的な工事」を効率的に行うことに特化しているため、特殊な納まりや現場での急な仕様変更など、柔軟な対応は難しい場合があることを念頭に置いておくと良いでしょう。

勝手口のドア交換は補助金の対象ですか？

はい、勝手口ドアの交換は、一定の要件を満たすことで国や自治体の補助金の対象となる可能性があります。特に、近年の補助金制度は住宅の断熱性能向上を目的としたものが主流であり、古いアルミのドアから高断熱仕様のドアへ交換するリフォームは、補助を受けやすい傾向にあります。

2025年現在、注目すべき国の補助金制度としては「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などの後継事業が考えられます。これらの制度は、高い断熱性能を持つ窓やドアへの交換に対して補助金を交付するものです。

補助金の対象となる条件

補助金の対象となるには、主に「製品の性能」と「工事の内容」に関する要件を満たす必要があります。製品については、事務局に登録された断熱性能の高いモデル（例えば、Low-E複層ガラスやトリプルガラスを採用したドアなど）であることが求められます。工事については、既存のドアの枠ごと交換する「はつり工法」ではなく、既存の枠の上に新しい枠をかぶせる「カバー工法」も補助対象となる場合が多いです。

申請方法と注意点

補助金の申請は、多くの場合、個人が直接行うのではなく、事務局に登録された「補助事業者（リフォーム業者など）」を通じて行います。

そのため、補助金の利用を考えている場合は、契約前に業者が補助金申請に対応できるか、また登録事業者であるかを必ず確認することが大切です。

注意点として、これらの補助金制度には予算の上限が定められており、予算に達し次第、申請受付が終了してしまいます。

また、申請期間も限られています。リフォームを検討する際は、早めに情報収集を開始し、補助金に詳しい専門業者に相談することをおすすめします。

勝手口をドアだけ交換する場合の費用や選ぶポイント

後悔しない勝手口ドア選び3つのチェックポイント

勝手口ドアを交換する際は、単に新しくするだけでなく、日々の暮らしをより快適で安全にするための機能に注目することが後悔しないための鍵となります。

デザインや色も大切ですが、ここでは特に重視すべき3つの機能的なチェックポイントを解説します。

防犯性能

勝手口は玄関に比べて人目につきにくい場所にあることが多く、空き巣などの侵入経路として狙われやすい場所です。そのため、防犯性能は最も重視すべきポイントと言えます。

チェックすべきは、まず「鍵が2つ以上ある（2ロック）」こと、そしてピッキングに強い「ディンプルキー」が採用されているかです。さらに、ガラス部分があるデザインの場合は、ガラスを破られても侵入を防ぐ「安全合わせガラス」や、格子が付いているものがおすすめです。国が定めた防犯性能試験をクリアした製品に付けられる「CPマーク」は、高い防犯性の客観的な証となります。

断熱性能

キッチンの冬場の足元の冷えや、夏場の熱気は、勝手口ドアの断熱性能の低さが原因であることが少なくありません。ドアを断熱仕様のものに交換することで、室内の快適性が向上し、冷暖房の効率もアップするため光熱費の節約につながります。

ドアの仕様には、一枚ガラスの「アルミ仕様」と、断熱材が充填され、ガラスが二重（複層ガラス）や三重になった「断熱仕様」があります。特に、ガラスの内側に特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」は、夏の熱線と冬の暖房熱の流出を防ぐ効果が高く、おすすめです。

採光・通風機能

勝手口周りは暗くなりがちですが、ガラス部分の大きいドアを選べば、自然光を取り入れて明るい空間にすることができます。防犯性が気になるかもしれませんが、前述の安全合わせガラスなどを選べば安心です。

また、最近人気なのが、ドアを閉めたまま中央の窓部分だけを上下にスライドさせて換気できる「通風（採風）機能」付きのドアです。鍵をかけたまま新鮮な外気を取り込めるため、キッチンの匂いや湿気を効率的に排出でき、非常に便利です。

おすすめの勝手口ドアの防犯対策

勝手口は、空き巣に狙われやすい住宅の弱点の一つです。警察庁のデータによると、侵入窃盗犯は侵入に5分以上かかると約7割が犯行を諦めると言われています。したがって、複数の防犯対策を組み合わせて「侵入に時間がかかる家」だと思わせることが最も効果的です。

まず基本となるのが、ドア自体の防犯性能を高めることです。これは前の項目で解説した通り、2ロックやピッキングに強いディンプルキー、破壊されにくい安全合わせガラスなどを備えたCPマーク付きのドアに交換することが大前提となります。それに加えて、内側のつまみ（サムターン）が工具で回される「サムターン回し」を防ぐため、サムターン自体を取り外せるタイプや、ボタンを押さないと回らないタイプを選ぶと、さらに安全性が高まります。

次に、ドア周りの環境を見直す対策です。侵入犯は人目を嫌うため、勝手口周りを明るく見通しよく保つことが大切です。

一つは、「センサーライト」の設置です。人が近づくと自動で点灯するライトは、侵入犯を驚かせ、犯行を躊躇させる心理的効果が非常に高いです。

もう一つは、「防犯砂利」を敷くことです。踏むと大きな音が鳴る砂利を勝手口の足元に敷き詰めておけば、音を立てずに近づくことが困難になり、侵入を未然に防ぐ効果が期待できます。

これらの対策は、それぞれ単体でも効果がありますが、ドア本体の強化と周辺環境の整備を組み合わせることで、勝手口の防犯性は飛躍的に向上します。

勝手口ドアの防犯シャッターという選択肢

勝手口ドアの防犯対策をさらに強化したい場合、防犯シャッターを後付けで設置するという選択肢も非常に有効です。特に、夜間や長期の旅行で家を空ける際の安心感は格段に高まります。

防犯シャッターは、ドアの外側にもう一つの物理的な壁を作ることで、ガラス破りやドアのこじ開けといった侵入行為を困難にします。侵入犯に「この家は手間がかかる」と視覚的に認識させ、ターゲットから外させる効果も期待できます。

シャッターには、手で開け閉めする「手動タイプ」と、リモコンやスイッチで操作する「電動タイプ」があります。手動タイプは比較的費用を抑えられますが、毎日の開閉が少し手間になるかもしれません。一方、電動タイプは価格が高くなりますが、天候が悪い日でも室内から簡単に操作できるなど、利便性に優れています。

設置にかかる費用は、シャッターのサイズやタイプ、工事内容によって異なりますが、一般的には10万円前後からが目安となります。工事は1日で完了することがほとんどです。

ただし、設置を検討する際にはいくつか注意点があります。シャッターを収納するボックスを設置するスペースが壁の上部に必要であり、建物の構造や周辺の状況によっては設置が難しい場合もあります。また、外観の印象も変わるため、家のデザインとの調和も考慮に入れると良いでしょう。まずは専門の業者に現地調査を依頼し、設置が可能かどうか、費用はいくらかかるかを確認することから始めるのがおすすめです。

勝手口を窓に変更する場合の費用

勝手口の使用頻度が低い、あるいは防犯面や断熱面からドアをなくしたいと考える場合、既存の勝手口を塞いで窓にリフォームするという方法もあります。これにより、キッチンの壁面が増えて収納を設置しやすくなったり、断熱性や採光性が向上したりといったメリットが生まれます。

ただし、この工事は単にドアを窓に付け替えるだけではありません。既存のドアとドア枠を壁ごと撤去し、窓のサイズに合わせて壁を新しく作り直す必要があるため、ドア交換の「カバー工法」に比べて大規模な工事となります。

具体的な工事内容としては、まず既存のドア枠ごと壁を解体します。その後、窓を取り付けるための下地を大工工事で作り、窓サッシを設置。そして、外壁側は元の壁材と馴染むように補修・塗装やサイディングの張り替えを行い、内壁側も断熱材を充填した上で、壁紙（クロス）を張り替えるなどの内装工事を行います。

このように、複数の工程と専門職人の作業が必要になるため、費用はドア交換よりも高額になります。あくまで目安ですが、最もシンプルな工事でも30万円程度からとなり、使用する窓のグレードや壁の補修範囲によっては、さらに費用がかさむこともあります。工期も数日から1週間程度を見込む必要があります。費用や工期はかかりますが、キッチンの使い勝手や快適性を根本から見直したい場合には、価値のあるリフォームと言えるでしょう。

DIYの断熱シートで対策できること

冬場のキッチンの寒さ対策として、DIYで勝手口ドアに断熱シートを貼る方法は、低コストですぐに実行できる手軽な対策です。ホームセンターなどで手に入る、いわゆる「プチプチ」のような気泡緩衝材タイプのシートや、窓ガラス用の断熱フィルムなどがこれにあたります。

この対策のメリットは、何と言ってもその手軽さと費用の安さです。数千円程度の出費で、ガラス面からの冷気の伝わりをある程度和らげることができます。ガラス面に水を吹き付けて貼るだけの簡単な作業なので、誰でも試すことが可能です。

一方で、その効果は限定的であることを理解しておく必要があります。断熱シートはあくまでガラス面の熱の出入りを多少抑制するだけであり、ドア本体や枠と壁の隙間から侵入する冷気には全く効果がありません。また、シートを貼ることで結露がひどくなるケースや、見た目が損なわれるというデメリットもあります。

したがって、DIYでの断熱シート対策は、本格的なリフォームを行うまでの「応急処置」や、断熱ドアに交換した上での「補助的な対策」と位置づけるのが適切です。根本的な寒さの解決や、年間を通した断熱性能の向上を望むのであれば、やはり断熱仕様の勝手口ドアへの交換を検討することが最善の策と考えられます。

勝手口をドアだけ交換する場合の費用に関する総まとめ

この記事では、勝手口ドアの交換にかかる費用から、業者選び、ドア選びのポイントまで詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。