窓・ドアのお悩み

ペアガラスの結露がひどい原因と交換・修理費用を解説

2025年10月23日

結露しないはずのペアガラスなのに結露がひどい…とお悩みではありませんか?

高い断熱性を期待して採用したにもかかわらず、窓が水滴でびしょ濡れになるのは大きな問題です。ペアガラスが結露するのには、実は明確な原因や理由があります。

特にガラスの結露が内側に発生している場合、それは「内部結露」と呼ばれる製品の寿命、あるいは故障のサインかもしれません。

ペアガラスの中に水滴がたまる原因は、多くの場合、長年の使用による経年劣化や、紫外線による密閉性の低下です。このペアガラスの内部結露を放置するリスクと危険性は非常に高く、単に視界が悪いというだけでなく、断熱性能の大幅な低下による光熱費の増大や、内部でのカビ・ダニの繁殖による健康被害につながる恐れもあります。

この記事では、ペアガラスの結露がひどい状況について、それが「表面」なのか「内部」なのかを見極める方法から、具体的なペアガラス 結露対策、DIYで人気のペアガラス結露防止シートの本当の効果と注意点、さらにはプロが推奨する結露防止策5選を詳しく紹介します。

また、内部結露が発生した場合に修理は可能なのか、それとも交換が必須なのか、気になるペアガラス交換費用についても、最新の相場や補助金情報を含めて解説。

あわせて、ペアガラスの結露は火災保険で補償されますか?といった切実な疑問にもお答えし、快適でクリアな窓辺を取り戻すための最適な情報を網羅します。

この記事のポイント

  • ペアガラスが結露する根本的な原因(表面結露と内部結露の違い)
  • 内部結露を放置する具体的なリスク(断熱性能低下と健康被害)
  • ケース別の結露対策の方法と修理・交換費用の最新目安
  • 火災保険やリフォーム補助金が適用されるケースと条件

ペアガラスの結露がひどい主な原因

ペアガラスの結露がひどい主な原因

  • ペアガラスの結露がひどい原因や理由
  • ペアガラスが結露する・しない の違い
  • 内側の結露は内部結露のサインか
  • ペアガラスの中に水滴がたまる原因は?
  • ペアガラス内部結露を放置するリスク

ペアガラスの結露がひどい原因や理由

ペアガラス(複層ガラス)の結露がひどい場合、その原因は一つとは限りません。まずは結露がどこに発生しているかを確認することで、原因を特定できます。主に3つのパターンが考えられます。

第一に、「室内の環境」です。ペアガラスは一枚ガラスに比べて高い断熱性を持ちますが、その性能には限界があります。

例えば、室内で加湿器を過度に使用したり、洗濯物を大量に室内干ししたり、石油ストーブ(燃焼時に水分を発生させる)を使用したりして室内の湿度(相対湿度)が極端に高い状態が続くと、ペアガラスの断熱性能をもってしても結露を防ぎきれず、ガラスの「室内側」に水滴がつきます。これは「表面結露」と呼ばれ、ガラス自体の異常ではありません。

第二に、「サッシ(窓枠)の問題」です。これは非常に多いケースで、ガラス部分は高断熱なペアガラスであっても、窓枠自体が熱を非常に伝えやすい「アルミサッシ」の場合、外の冷気がアルミを通じて室内側に伝わり、まずサッシ部分が強力に冷やされます。

結果として、ガラス面よりも先にサッシやその周辺で結露が発生し、その水分がガラスの下部にまで広がっていることが多いのです。この場合も結露は「表面結露」に分類されます。

そして第三に、最も注意が必要な「内部結露」です。これは、ペアガラスの2枚のガラスの「間」に水滴や曇りが生じる現象です。これは明らかにペアガラスの密閉性が失われている故障状態を示しており、製品の性能が失われているサインとなります。

結露がひどい3大原因の切り分け

  1. 室内の高すぎる湿度(表面結露):換気や除湿で改善する可能性がある。
  2. アルミサッシなど窓枠の断熱不足(表面結露):サッシ枠から結露が始まっている。
  3. ペアガラス自体の経年劣化(内部結露):ガラスの間が曇り、拭いても取れない。

ペアガラスが結露する・しない の違い

ペアガラスが「結露しない」「結露しにくい」と言われるのは、その断熱性の高い構造に明確な理由があります。ペアガラスは、2枚のガラスの間に「中空層(ちゅうくうそう)」と呼ばれる空間を設け、その内部に乾燥した空気、あるいはアルゴンガスなどの熱を伝えにくいガスが封入されています。

この中空層が強力な断熱材の役割を果たし、冬場に外の冷たい空気が室内のガラス面に直接伝わるのを大幅に遅らせます。

その結果、一枚ガラスに比べて室内側のガラス表面温度が下がりにくくなります。空気中の水蒸気が水滴に変わる(結露する)のは、物の表面温度が「露点(ろてん)温度」以下になった時であるため、表面温度が下がりにくいペアガラスは、一枚ガラスよりもはるかに結露が発生しにくいのです。

一方、「結露する」ペアガラスは、上記の条件が崩れていることを示します。
室内の湿度が高すぎたり、外気温が低すぎたりして、ペアガラスの断熱性能の限界(キャパシティ)を超えてしまうと「表面結露」が発生します。
そして、もし「内部結露」が発生している場合は、ガラスの密閉性が失われ、断熱材であるはずの中空層に湿気が入り込んでいるため、もはやペアガラス本来の断熱性能を全く発揮できていない状態です。

このように、ペアガラスが結露するかしないかは、室内の環境がガラスの性能限界を超えていないか、そしてガラス本来の性能(密閉性)が維持されているかどうかの違いによります。

内側の結露は内部結露のサインか

「結露が内側に」という表現は、しばしば混乱を招きます。

この表現には2通りの意味があり、どちらを指すかで状況は全く異なりますので、正確に見極める必要があります。

ひとつは、「部屋の内側(室内側)」のガラス表面に結露が発生しているケースです。これはリビングや寝室側からガラスに触れると、指が濡れたり水滴がつく状態です。これは前述の「表面結露」です。原因は室内外の温度差と室内の湿度であり、こまめに拭き取ったり、換気や除湿を行ったりすることで対処が可能です。

もうひとつは、「ペアガラスの2枚のガラスの間(内側)」に結露が発生しているケースです。

ガラスの内部が白く曇ったり、水垢のような輪染みができたり、ひどい場合は水滴がたまって見える状態を指します。室内側からも屋外側からも、ガラスを拭いてもその曇りや水滴は絶対に取れません。これこそが「内部結露」であり、ガラスの密閉性が失われた決定的な故障のサインです。

拭いても拭いても取れないガラスの曇りや水滴は、「内部結露」を強く疑ってください。これはDIYでの掃除や乾燥では絶対に直りませんし、放置しても改善することはありません。

結露の見分け方(重要)

結露の種類の特定と緊急度
結露の種類発生場所対処法緊急度
表面結露部屋の内側のガラス表面(触れる場所)拭き取れる。換気や除湿で対策可能。低(ただしカビの原因にはなるため対策は必要)
内部結露2枚のガラスの間(触れない場所)拭き取れない。ガラス交換が必要。高(性能劣化・要交換)

ペアガラスの中に水滴がたまる原因は?

ペアガラスの中に水滴がたまる「内部結露」の直接的な原因は、ガラスの密閉性を保つ「封着剤(シール材)」の劣化・破損です。

ペアガラスは、2枚のガラスと、その間隔を一定に保つスペーサー(内部に乾燥剤が詰められています)で構成されています。そして、その周囲(フチの部分)を「封着剤(シール材)」と呼ばれる強力なゴム状の接着剤で二重に密閉し、内部の中空層に乾燥状態の空気やガスを封じ込めています。

しかし、この封着剤も永久的なものではありません。特に窓は日々、日光(紫外線)や風雨、夏冬の激しい温度変化にさらされます。これにより封着剤が徐々に硬化したり、縮んだり、ヒビが入ったりして劣化が進行します。その結果、目に見えないほどのわずかな隙間ができてしまうのです。

ペアガラスの一般的な耐用年数は10年~20年とされており、多くのガラスメーカーでは、内部結露に対して10年間の製品保証を設けています。(出典:AGC株式会社「複層ガラスの保証」)設置から10年以上経過している場合、いつ内部結露が発生してもおかしくない状態と言えます。

封着剤に隙間ができると、室内や室外の湿った空気が呼吸するように中空層に侵入と排出を繰り返します。

やがて内部の乾燥剤が水分を吸いきる限界を超えると、中空層の湿度が高まり、温度差によって水滴となって現れるのです。また、地震の揺れや、物がぶつかった衝撃による微細なクラック(ひび割れ)が原因で密閉性が失われることもあります。

一度内部結露が発生すると、中空層の乾燥剤も機能不全に陥っているため、症状は悪化する一方です。自然に直ることは決してありません。

ペアガラス内部結露を放置するリスク

内部結露は「見た目が悪いだけ」「視界が遮られるだけ」と放置すると、経済面でも健康面でも深刻なリスクを引き起こします。

最大のリスクは、「断熱性能の大幅な低下」です。本来、熱を伝えにくい乾燥空気やガスで満たされているはずの中空層が、熱を非常に伝えやすい「湿気(水分)」で満たされてしまいます。これにより断熱材としての機能が完全に失われ、一説には、断熱性能が正常時の約30%~40%も低下するとされています。

性能が低下した窓は、もはや一枚ガラスと大差ありません。「夏は外の暑さが入り込みやすく、冬は室内の暖気が逃げやすい」窓になり、冷暖房効率が著しく悪化します。結果として光熱費が年間で1万円以上も増加するケースが報告されており、経済的な損失に直結します。

さらに深刻なのが、「カビ・ダニによる健康リスク」です。湿気と適度な温度が揃ったペアガラス内部は、カビやダニにとって絶好の繁殖場所となります。内部で発生した黒カビは掃除で除去することができず、胞子を放出し続ける可能性があります。厚生労働省も、カビ(真菌)がアレルギー疾患や喘息、過敏性肺炎などの原因の一つとなり得るとして注意を促しています。

もちろん、常に窓が曇っている状態は日常生活での心理的ストレスとなり、住宅の美観を大きく損ねます。将来的に住宅を売却する際にも、明らかな瑕疵(かし)として扱われ、資産価値の低下要因となることは避けられません。

ペアガラスの結露がひどい時の対策

ペアガラスの結露がひどい時の対策

  • 結露対策と結露防止策5選
  • ペアガラスの結露防止シートの効果
  • ペアガラス結露は修理可能?
  • ペアガラスが結露した場合の交換費用の相場
  • ペアガラスの結露は火災保険で補償?

結露対策と結露防止策5選

ペアガラスの結露対策は、その結露が「表面結露(室内側)」なのか「内部結露(ガラスの間)」なのかによって、取るべき行動が全く異なります。

【最重要】
まず、ご自宅の結露がガラスの「表面(室内側)」か「内部(ガラスの間)」かを必ず確認してください。
もし内部結露であった場合、これから紹介する防止策(DIY対策)では絶対に解決できません。その場合は、速やかに専門業者による「ガラス交換」を検討する必要があります。

ここでは、ご自身で対処可能な「表面結露」を軽減するための、具体的で効果的な対策(結露防止策5選)をご紹介します。

表面結露の対策(結露防止策5選)

  1. こまめな換気(最も重要)
    最も基本的かつ効果的な対策です。室内の湿度が高まると結露しやすくなるため、1日に数回(最低でも朝晩2回)、窓を開けて空気の入れ替えを行い、湿気を屋外に排出してください。対角線上にある2か所の窓を開けると、空気の通り道ができて効率的です。冬場は寒くても、5分~10分程度の換気を心がけることが重要です。
  2. サッシの水抜き穴の掃除
    サッシのレール(下枠)には、雨水や結露水を屋外に排出するための小さな「水抜き穴」が必ず開いています。ここがホコリやゴミで詰まると、結露水が排出されずにたまり続け、カビやサッシの劣化、さらには壁内部への漏水の原因となります。使い古しの歯ブラシや爪楊枝などで、定期的に掃除しましょう。
  3. サーキュレーターや扇風機の使用
    窓辺の空気は滞留しやすく、そこだけ温度が下がり結露しやすくなります。特に暖房中は、暖かい空気が天井付近にたまりがちです。サーキュレーターや扇風機を使い、窓に向けて風を送ったり、天井に向けて空気を循環させたりすることで、室内の温度ムラをなくすことも結露防止に有効です。
  4. 結露吸水テープの活用
    発生してしまった結露が垂れて、窓枠のパッキンや床、壁紙を傷めるのを防ぐための対症療法アイテムです。窓ガラスの下部に貼ることで、水滴を吸い取ってくれます。ただし、吸水テープ自体が水分を含み続けると、それがカビの温床になるため、こまめに乾燥させたり、シーズンごとに新しいものに交換したりする必要があります。
  5. 中性洗剤での拭き掃除(撥水効果)
    食器用洗剤などの中性洗剤を水で10~20倍に薄めた液を布に含ませ、固く絞ってからガラスの室内側を拭き上げます。洗剤に含まれる界面活性剤がガラス表面に薄い膜を作り、水の表面張力を弱めるため、水滴がつきにくく(または膜状になりやすく)なり、結露の発生を一時的に抑制できます。

ペアガラスの結露防止シートの効果

ペアガラスの結露防止シートの効果

ホームセンターやインターネット通販で市販されている「ペアガラス結露防止シート」は、正しく使えば「表面結露」に対しては一定の効果が期待できます。

これらのシートは、いわゆる「プチプチ」(気泡緩衝材)のような構造で空気層を持つものが多く、シート自体に断熱効果があります。これを窓の室内側に貼ることで、室内空気とガラス面の間に新たな断熱層を作り出し、ガラス表面の温度が急激に下がるのを防ぎます。これにより、表面結露の発生を抑える仕組みです。

ただし、その使用には大きなデメリットや注意点が存在します。

結露防止シートの注意点とリスク

  • 前述の通り、内部結露(ガラスの間)には全く効果がありません。
  • シートとガラスの間にわずかな隙間でも空気が入ってしまうと、その隙間で結露が発生し、逆にカビの温床になることがあります。貼り付けには高い技術が必要です。
  • 【特に注意】Low-Eガラス(特殊な金属膜がコーティングされた高断熱ガラス)にシートを貼ることは、メーカーが禁止している場合があります。金属膜が太陽熱を吸収し、シートで熱が密閉されることで異常な高温になり、ガラスが割れる「熱割れ」を引き起こす危険性が高まるためです。
  • シートを剥がす際に、糊(のり)がガラス面に強固に残り、それを除去するのが非常に大変になるケースも多く報告されています。

結露防止シートはあくまで手軽な対症療法の一つであり、根本的な解決策ではないこと、そして使用にはリスクも伴うことを理解しておく必要があります。

ペアガラス結露は修理可能?

結論から申し上げますと、一度発生してしまった「内部結露」をDIYや訪問業者で「修理」することは、現実的ではありません。

インターネット上では「ドライヤーで乾かす」「ガラスに小さな穴を開けて湿気を抜く」といったDIY情報が見られますが、これらは絶対に試さないでください。ペアガラスは精密な構造をしており、一部だけをドライヤーで急激に加熱すると、温度差でガラスが割れる「熱割れ」を引き起こす危険性が非常に高いです。また、安易に穴を開ければ、そこからさらに湿気が入り込み、状況は確実に悪化します。

稀に、高額な費用で内部結露の「修理」をうたう訪問業者も存在します。彼らは穴を開けて内部に乾燥空気を送り込み、再度穴を塞ぐといった作業を行うことがありますが、一度劣化して隙間ができた封着剤(シール材)を、現地作業で完全に修復することは不可能です。

ペアガラスは、湿度やチリを厳密に管理された製造工場で、専用の機械によって密閉・製造されています。現地作業ではその品質を再現できず、一時的に水分が減ったように見えても、根本的な密閉性が回復していないため、ほぼ確実に短期間で再発します。

ペアガラスの内部結露に対する唯一かつ最も確実な根本的解決策は、「新しいペアガラスへの交換」です。

ペアガラスが結露した場合の交換費用の相場

内部結露が発生したペアガラスを交換する場合、費用は「ガラスのサイズ」と「ガラスの種類(機能)」によって大きく変動します。

現在は、標準的なペアガラスよりもさらに断熱性が高い「Low-E複層ガラス」が主流です。これは、ガラスの室内側(中空層側)に特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしたもので、室内の暖房熱が外に逃げるのを防ぎ、夏の太陽熱が室内に入るのを遮る効果もあります。結露対策としても、標準的なペアガラスよりさらに高い効果が期待できます。

以下は、既存のサッシはそのまま利用し、ガラス単体を交換する場合の一般的な費用相場(製品代・施工費・諸経費込み)です。

ガラス単体交換の費用相場(1枚あたり)

ガラスサイズ別・種類別の交換費用目安
ガラスサイズ標準ペアガラス高断熱Low-Eペアガラス
小窓(約60×60cm)約30,000円~50,000円約40,000円~60,000円
腰窓(約90×90cm)約40,000円~60,000円約55,000円~80,000円
掃出し窓(約180×90cm)約60,000円~80,000円約70,000円~100,000円

なお、結露の原因がアルミサッシにもある場合、ガラス交換だけでは結露が完全には収まらないことがあります。

その場合、サッシごと断熱性の高い「樹脂サッシ」や「アルミ樹脂複合サッシ」に交換するリフォーム(カバー工法など)も選択肢となり、1か所あたり10万円~20万円程度が目安となります。

交換費用は高額になりがちですが、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。

特に、断熱性能の高い窓への交換は省エネ対策として推奨されており、「先進的窓リノベ事業」のような大型補助金の対象となることが多いです。(出典:先進的窓リノベ2025事業 公式サイト

リフォーム業者に見積もりを依頼する際は、こうした補助金の活用が可能かどうかも併せて相談することをおすすめします。

ペアガラスの結露は火災保険で補償?

ペアガラスの交換に火災保険が使えるかどうかは、「結露の発生原因(=密閉性が失われた原因)」によります。

残念ながら、「経年劣化」や「自然発生」による内部結露は、火災保険の補償対象外となるのが一般的です。火災保険は、あくまで「突発的・偶発的な事故」による損害を補償するものであり、時間経過とともに必ず発生する「老朽化」や「劣化」は事故とはみなされないためです。

一方で、ご加入の火災保険契約に「破損・汚損」の補償が付いている場合、以下のようなケースでは補償対象となる可能性があります。

火災保険が適用される可能性のあるケース

  • 台風や強風で飛んできた瓦や石などが当たり、ガラスにヒビが入って内部結露した。
  • 子どもが室内で遊んでいてオモチャを投げ、ガラスが破損した結果、内部結露が発生した。
  • 家具の移動中に誤ってぶつけてしまい、サッシが変形し密閉性が失われた。

このように、原因が「不測かつ突発的な事故」であり、その事故によってガラスが損傷し、結果として内部結露が発生したと明確に証明できる場合は、保険が適用されることがあります。

ただし、事故発生から時間が経ちすぎていると、事故と内部結露の因果関係を証明するのが難しくなります。

内部結露の原因が「もしかしたら事故かも?」と思い当たる節がある場合は、すぐに保険証券を確認し、ご自身が加入している保険会社や代理店に事故の状況を正確に伝えて相談してみましょう。

ペアガラスの結露がひどい問題:総括

ペアガラスの結露がひどい問題について、その原因の見極め方から、具体的な対策、修理・交換の費用まで詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • ペアガラスの結露には「表面結露(室内側)」と「内部結露(ガラスの間)」の2種類がある
  • ひどい結露の原因は主に室内の高湿度、サッシ(窓枠)の断熱不足、またはガラスの経年劣化
  • ガラスの間(内側)が曇り、拭いても取れないのが「内部結露」
  • 内部結露はペアガラスの密閉性が失われた「故障」のサイン
  • 内部結露の直接的な原因は、紫外線や温度変化による封着剤の経年劣化
  • ペアガラスの耐用年数は約10年~20年が目安で、多くは内部結露10年保証
  • 内部結露を放置すると断熱性が3~4割低下し、光熱費が増大するリスクがある
  • ガラス内部でのカビ・ダニ繁殖は、アレルギーなど健康被害の危険性も
  • 「表面結露」の対策は、換気、サッシの水抜き穴掃除、空気循環が基本
  • 結露防止シートは表面結露には一定の効果が期待できるが、内部結露には全く無意味
  • Low-Eガラスにシートを貼ると「熱割れ」のリスクがあり注意が必要
  • 内部結露のDIY修理(ドライヤー、穴開け)は危険であり、効果もない
  • 内部結露の根本的な解決策は「新しいペアガラスへの交換」のみ
  • ガラス交換の費用はサイズと機能(Low-Eなど)で決まり、補助金を使える場合がある
  • 経年劣化による内部結露は火災保険の対象外
  • 台風や飛来物、室内での突発的な事故が原因の場合は保険適用の可能性あり
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

-窓・ドアのお悩み