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給湯器の電源入れっぱなしでガス代は上がる?節約術を解説

2025年10月1日

給湯器の電源をこまめに消すべきか、それとも入れっぱなしで良いのか、迷ったことはありませんか。給湯器のスイッチを入れっぱなしにするとガス代の料金に影響があるのか、つけっぱなしによるガス代への不安を感じる方は少なくありません。

特に、ノーリツをはじめとする各メーカーの給湯器で電源を入れっぱなしにしている場合、知恵袋などでも多くの議論が見られます。この記事では、給湯器の電源を入れっぱなしにした際のガス代への影響について、多角的に解説します。

つけっぱなしは危ないのか、あるいは壊れる原因になるのかといった安全性や、待機電力で電気代が増加するのかという疑問にもお答えします。また、冬場に重要な凍結防止との関係や、ガス代が高いと感じる場合の対策、対処法も紹介。給湯器の温度設定、特に設定温度60度でのガス代、16号・20号・24号といった号数の違いによるガス代への影響、そしてガス代の目安や計算方法に至るまで、ガス代節約のための知識を網羅的に提供します。

ポイント

  • 電源を入れっぱなしにした場合のガス代と電気代への影響
  • 電源をつけっぱなしにするメリットと安全性・故障のリスク
  • 号数や温度設定などガス代が変動する具体的な要因
  • 日常生活で実践できる効果的なガス代の節約方法

給湯器の電源入れっぱなしでガス代は上がる?高い?

給湯器の電源入れっぱなしでガス代は上がる?高い?

  • 給湯器のスイッチはつけっぱなしで良いのか
  • つけっぱなしのガス代料金と待機電力の目安
  • つけっぱなしは危ない?壊れる?凍結防止は?
  • ノーリツ給湯器も電源入れっぱなしで平気か
  • 知恵袋で見る電源入れっぱなしのガス代事情

給湯器のスイッチはつけっぱなしで良いのか

多くの方が疑問に思う点ですが、給湯器の電源スイッチは基本的に「つけっぱなし」で問題ありません。給湯器は、電源が入っている状態でも、実際にお湯を使用(蛇口をひねる、追い焚きボタンを押すなど)してガスが燃焼しない限り、ガス代は発生しない仕組みになっています。

むしろ、電源を頻繁に入れたり切ったりを繰り返すと、給湯器内部の電子基盤に負担がかかり、故障のリスクを高めてしまう可能性があります。そのため、長期で家を空けるなどの特別な場合を除き、日常的には電源を入れたままにしておくことがメーカーからも推奨されています。

つけっぱなしのガス代料金と待機電力の目安

前述の通り、給湯器の電源をつけっぱなしにしても、お湯を使わなければガス代はかかりません。しかし、ガス代とは別に「待機電力」として電気代がわずかに発生します。

待機電力とは、機器を使用していない状態でもコンセントに接続されているだけで消費される電力のことです。給湯器の場合、リモコンの表示や本体の制御基盤を維持するために電力を消費します。

その電気代は、機種や年式によって異なりますが、一般的には年間で数百円から1,000円程度が目安です。最近の省エネ性能が高いモデルでは、さらに待機電力が抑えられている傾向にあります。ガス代の節約を意識するあまり電源をこまめに切る手間と、それによる基盤への負担リスクを考えると、待機電力のコストは許容範囲内と考えるのが一般的です。

つけっぱなしは危ない?壊れる?凍結防止は?

電源をつけっぱなしにすることの安全性や故障、そして凍結防止について解説します。

安全性と危険性について

現在のガス給湯器には、不完全燃焼防止装置や立ち消え安全装置、過熱防止装置など、さまざまな安全装置が搭載されています。そのため、正常な状態であれば電源を入れっぱなしにしていても危険性は極めて低いです。ただし、ガス臭い、異音がする、排気口周辺がすすで黒くなっているなどの異常が見られる場合は、直ちに電源を切り、ガス会社や専門業者に連絡してください。

故障のリスクについて

電源のON/OFFを繰り返す方が、電子部品への負担が大きくなる可能性があります。常時通電している状態の方が、機器にとっては安定した状態であるため、つけっぱなしが直接的な故障原因になることは考えにくいです。給湯器の寿命は一般的に約10年とされており、経年劣化による故障が主な原因となります。

凍結防止のメリット

電源をつけっぱなしにする最大のメリットの一つが「凍結防止機能」です。特に冬場、外気温が一定以下になると、給湯器は自動的に内部のヒーターを作動させたり、ポンプを動かして水を循環させたりして、配管の凍結を防ぎます。この機能は電源が入っていないと作動しません。凍結による配管の破損は高額な修理費用につながるため、冬の間は必ず電源を入れたままにしておきましょう。

ノーリツ給湯器も電源入れっぱなしで平気か

給湯器メーカーとして高いシェアを誇るノーリツの製品についても、基本的な考え方は同じです。ノーリツの取扱説明書などでも、長期にわたって不在にする場合を除き、電源は入れたままにしておくことが推奨されています。

これは、前述した凍結防止機能や、機器の状態を安定させるためです。リンナイやパロマなど、他の主要メーカーの給湯器も同様の仕様となっています。メーカーや機種を問わず、給湯器は「つけっぱなし」が基本であると理解してよいでしょう。

知恵袋で見る電源入れっぱなしのガス代事情

Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも、「給湯器の電源を入れっぱなしにするとガス代はかかりますか?」という質問は頻繁に見られます。多くの回答は、これまで解説してきた内容と一致しています。

要約すると、「電源ONだけではガスは消費されず、ガス代はかからない」「リモコン表示などのための待機電力として、ごくわずかな電気代がかかる」「冬は凍結防止のために電源をONにしておくべき」といった意見が多数を占めています。多くのユーザーの実感としても、電源のON/OFFがガス代に直接影響を与えることはない、という認識が一般的です。

給湯器の電源入れっぱなしではガス代はどうなる?節約のコツや計算方法

給湯器の電源入れっぱなしではガス代はどうなる?節約のコツや計算方法

  • 給湯器ガス代の目安と計算方法
  • 温度設定や60度設定はガス代に影響する?
  • 給湯器16号・20号・24号のガス代の違い
  • ガス代が高いときの対策や対処法3つ

給湯器ガス代の目安と計算方法

毎月のガス代が適正なのかを知るために、まずはガス代の目安と計算方法を把握しておきましょう。

ガス代の計算方法

ガス料金は、以下の式で計算されます。

ガス料金 = 基本料金 + 従量料金(ガス使用量 × 単位料金)

基本料金は使用量にかかわらず毎月固定でかかる費用で、従量料金が実際にお湯などを使った分になります。単位料金は、契約しているガス会社やガスの種類(都市ガス・プロパンガス)によって異なります。

世帯人数別のガス代の目安

以下は、総務省統計局の家計調査(2023年)を参考にした、世帯人数別の1ヶ月あたりの平均的なガス代です。お住まいの地域や季節、ライフスタイルによって変動しますが、一つの目安としてください。

世帯人数 平均ガス代
1人 3,331円
2人 4,930円
3人 5,860円
4人 5,913円

特にプロパンガス(LPガス)は都市ガスに比べて料金が高くなる傾向があるため、注意が必要です。

温度設定や60度設定はガス代に影響する?

給湯器の温度設定は、ガス代に直接的な影響を与える最も大きな要因の一つです。

水を設定した温度まで温めるためにガスを燃焼させるため、設定温度が高ければ高いほど、多くのガスを消費し、ガス代も高くなります。例えば、水温15℃の水を40℃にするのと60℃にするのとでは、温めるために必要なエネルギーが大きく異なります。

特に、食器洗い乾燥機への接続などの理由がなく、給湯温度を60℃のような高温に設定している場合、無駄なガスを消費している可能性が高いです。お風呂やシャワー、洗い物などで使用するお湯は、40℃前後に設定するのがおすすめです。高温のお湯を出して水で薄めて使う方法は、多くのガスを消費するため、節約の観点からは避けるべき使い方です。

給湯器16号・20号・24号のガス代の違い

給湯器の「号数」は、その給湯能力を示します。「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるか」という基準で、16号なら16リットル、24号なら24リットルのお湯を供給できます。

では、号数が大きいほどガス代は高くなるのでしょうか。結論から言うと、同じ量のお湯を沸かす場合、号数の違いによるガス代の差はほとんどありません。号数が大きい給湯器は瞬間的なガス消費量は多いですが、その分パワフルで、短時間で設定温度のお湯を沸かせます。一方、号数が小さいと、お湯を沸かすのに時間がかかるため、結果的にトータルのガス消費量に大きな違いは出にくいのです。

ただし、家族の人数に対して号数が小さすぎると、シャワーの勢いが弱かったり、キッチンと浴室で同時にお湯を使うと湯量が不足したりします。これにより、お湯を出す時間が長くなり、結果的にガス代が高くつく可能性があります。ガス代の節約で最も大切なのは、世帯人数やライフスタイルに合った適切な号数の給湯器を選ぶことです。

ガス代が高いときの対策や対処法3つ

毎月のガス代が高いと感じる場合、日々の生活の中で実践できる効果的な対策が3つあります。

お風呂の入り方を見直す

お湯の使用量が最も多いのはお風呂です。追い焚きの回数が多いと、その都度ガスを消費します。家族がいる場合は、なるべく間隔をあけずに入浴して追い焚きの回数を減らす工夫が有効です。また、浴槽にお湯をためる際は、設定した湯量で自動的にお湯が止まる「自動お湯はり」機能を活用し、お湯の出しっぱなしを防ぎましょう。シャワーを使う時間を1分短縮するだけでも、年間で考えると大きな節約につながります。

給湯温度を適切に設定する

前述の通り、給湯温度の設定はガス代に直結します。必要以上に高い温度に設定するのは避け、季節に合わせてこまめに温度を調整することが大切です。例えば、夏場は少し低めの38℃程度に設定するだけでも、ガス消費量を抑えることができます。

 節水シャワーヘッドに交換する

節水シャワーヘッドは、少ない水量でも水圧を維持してくれる便利なアイテムです。使用するお湯の量を減らすことができるため、ガス代の節約に直接つながります。初期費用はかかりますが、長期的に見れば水道代とガス代の両方を削減できるため、費用対効果の高い対策です。

給湯器の電源を入れっぱなしだとガス代はどうなるのか:総括

この記事で解説した「給湯器の電源入れっぱなしとガス代」に関する要点を以下にまとめます。

  • 給湯器の電源は基本的に「入れっぱなし」で問題ない
  • 電源がONの状態でもお湯を使わなければガス代はかからない
  • 待機電力として年間数百円から千円程度の電気代が発生する
  • 頻繁なON/OFFは給湯器の基盤に負担をかける可能性がある
  • 冬場は配管の凍結防止機能を作動させるため電源ONが必須
  • 現在の給湯器は安全装置が充実しており危険性は低い
  • 異音や異臭など異常があれば直ちに電源を切り業者に連絡する
  • 給湯器の寿命は約10年が目安
  • ガス代は「基本料金+使用量に応じた従量料金」で決まる
  • 給湯温度の設定が高いほどガス代は大幅に上がる
  • お湯は40度前後の適切な温度に設定することが節約の基本
  • 世帯人数に合った適切な号数の給湯器を選ぶことが大切
  • 追い焚きの回数を減らし、シャワーの時間を短くする工夫が有効
  • 節水シャワーヘッドの利用はガス代と水道代の節約につながる
  • 長期不在時以外は、電源を入れたままにしておくのが最も効率的
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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