エコキュート・給湯器

ガス給湯器はどこのメーカーが良い?主要3社の価格と特徴を徹底比較

2025年10月4日

ガス給湯器の交換を考えたとき、「ガス給湯器はどこのメーカーが良いのだろう?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

ガス給湯器の寿命や耐用年数が近づくと、価格が工事費込みでいくらになるのか、どの業者に頼むべきかなど、気になることがたくさん出てきます。また、給湯器のシェア1位はどこか、ガス給湯器のメーカーランキング、あるいは壊れやすいメーカーはあるのかといった情報も知りたいところです。

給湯器メーカーの特徴を比較し、給湯器の3大メーカーとはどこなのかを理解することは、最適な一台を選ぶ上で欠かせません。

さらに、交換の選択肢としてガス給湯器からエコキュートへの変更を検討したり、現在使用中のガス給湯器から異様なにおいがして不安になったりすることもあるでしょう。

ガス給湯器の設置基準に関する消防法や、家族構成によってはガス給湯器16号がおすすめのケースもあり、考えるべき点は多岐にわたります。この記事では、これらの疑問にすべてお答えし、あなたに最適なガス給湯器選びをサポートします。

ポイント

  • 国内主要ガス給湯器メーカー(リンナイ・ノーリツ・パロマ)の具体的な特徴と違い
  • ご自身のライフスタイルや家族構成に最適な給湯器の号数や機能の選び方
  • 給湯器交換にかかる費用の相場と、費用を抑えるためのポイント
  • 交換時に確認すべき法律上の設置基準や、安全に利用するための注意点

ガス給湯器はどこのメーカーが良い?主要3社を比較

ガス給湯器はどこのメーカーが良い?主要3社を比較

  • 給湯器の3大メーカーとはどこか解説
  • メーカーランキングとシェア1位はどこですか?
  • 主要な給湯器メーカーの特徴を比較
  • 壊れやすい給湯器メーカーはあるのか?
  • ガス給湯器の寿命や耐用年数の目安

給湯器の3大メーカーとはどこか解説

日本のガス給湯器市場において、「3大メーカー」として知られているのは、リンナイ、ノーリツ、そしてパロマの3社です。これらのメーカーは、国内の家庭用ガス給湯器市場で非常に高いシェアを占めており、長年にわたる実績と信頼性から多くのユーザーに選ばれています。

給湯器は一度設置すると10年以上使用する住宅設備であるため、メーカーの信頼性やサポート体制は非常に大切な選択基準となります。この3社は全国的にサービス網を構築しており、万が一の故障やトラブルが発生した際にも迅速な対応が期待できるため、安心して使用を続けられる点が大きな強みです。

それぞれのメーカーが独自の技術や特色を持っており、省エネ性能や快適機能、デザイン性などで競い合っています。そのため、どのメーカーが良いか一概に決めることはできませんが、まずはこの3社の特徴を理解することが、最適な給湯器選びの第一歩となります。

メーカーランキングとシェア1位はどこですか?

ガス給湯器の国内シェアは、リンナイとノーリツの2社が市場を牽引している状況です。長年のデータを見ると、この2社で国内シェアの約80%を占めており、まさに2強時代と言えます。

僅差ではありますが、現在のメーカーランキングでシェア1位とされているのはリンナイです。リンナイは約42%、ノーリツが約40%と、両社がほぼ同等のシェアを分け合っています。これにパロマが続く形で、上位3社で市場の大部分をカバーしているのが現状です。

この高いシェア率は、製品の品質、性能、そしてアフターサービスの充実度に対する消費者からの信頼の証と考えることができます。シェアが高いメーカーは、それだけ多くの住宅に設置されている実績があるため、交換用の部品の入手しやすさや、対応できる工事業者の多さといった面でもメリットがあります。ただし、シェアの順位だけで製品の優劣が決まるわけではないため、各メーカーの特色をしっかりと比較検討することが求められます。

主要な給湯器メーカーの特徴を比較

前述の通り、リンナイ、ノーリツ、パロマの3大メーカーは、いずれも高品質で信頼性の高い製品を提供していますが、それぞれに得意とする分野や独自の機能があります。ここでは、各メーカーの主な特徴を比較し、どのようなニーズに合っているかを解説します。

メーカー 主な特徴 こんな方におすすめ
リンナイ (Rinnai) 「品質こそ我らが命」を掲げ、部品から本体まで国内生産にこだわる。高い品質と耐久性に定評がある。ウルトラファインバブルでお湯を白濁させ、洗浄効果や保温効果を高める独自技術が人気。ラインナップが豊富で、あらゆる設置状況に対応しやすい。 とにかく品質と耐久性を重視する方 最新の快適機能(マイクロバブルなど)を試したい方
ノーリツ (Noritz) 「おふろは、ノーリツ。」のキャッチコピーで知られ、特にお風呂時間の快適性を追求。残り湯をUV(紫外線)で除菌する機能や、入浴者の状況を見守る機能など、衛生面や安全面に関する先進的な技術でリード。省エネ性能にも力を入れている。 衛生面を特に重視する方(残り湯の洗濯利用など) 高齢者や小さなお子様がいるご家庭
パロマ (Paloma) 国内で最も歴史のあるガス機器メーカーの一つ。堅牢な作りと安全機能に強みを持つ。特に塩害に強い塗装などを施したモデルもあり、沿岸部の住宅で評価が高い。同等性能の他社製品と比較して、価格がやや抑えめな傾向があり、コストパフォーマンスに優れる。 設置場所が海に近いなど、耐塩害性能を求める方 初期費用を少しでも抑えたい方

このように、基本的な給湯性能に大きな差はありませんが、付加価値となる機能面で違いが見られます。ご自身のライフスタイルや何を最も重視するかを基準にメーカーを選ぶのが良いでしょう。

壊れやすい給湯器メーカーはあるのか?

「特定のメーカーの給湯器は壊れやすい」という明確なデータは存在しません。前述したリンナイ、ノーリツ、パロマといった主要メーカーは、長年の実績と厳しい品質管理基準を持って製品を製造しており、どのメーカーも耐久性において高いレベルを維持しています。

ただし、給湯器の寿命や故障のしやすさは、メーカーというよりも、製品の設置環境や使用頻度、メンテナンスの状況に大きく左右されるのが実情です。例えば、以下のようなケースでは、どのメーカーの製品であっても故障のリスクが高まる可能性があります。

  • 潮風にさらされる沿岸地域に設置されている
  • 井戸水を使用している(水質による部品の腐食)
  • 極端な寒冷地で、凍結防止対策が不十分
  • 給湯器の排気口の周りに障害物があり、排気がスムーズに行えない

したがって、「壊れやすいメーカー」を探すよりも、ご自身の住環境に合った製品を選び、適切な使い方と定期的なメンテナンスを心がけることが、給湯器を長持ちさせる上で最も大切なことになります。万が一の際に迅速に対応してくれる、サポート体制が充実したメーカーを選ぶことも安心につながります。

ガス給湯器の寿命や耐用年数の目安

 

一般的に、家庭用ガス給湯器の寿命(耐用年数)は、設置から約10年が目安とされています。これは設計上の標準使用期間としてメーカーが定めている期間であり、この年数を超えて使用すると、経年劣化による部品の摩耗や故障のリスクが著しく高まります。

使用開始から7〜8年を過ぎたあたりから、下記のような症状が現れ始めたら、交換を検討するサインと考えられます。

  • お湯の温度が安定しない(急に熱くなったり、ぬるくなったりする)
  • お湯が出るまでに以前より時間がかかる
  • 運転中の音が大きくなった、または異音がする
  • 給湯器本体から水漏れしている
  • リモコンにエラーコードが頻繁に表示される

もちろん、10年を超えても問題なく使用できるケースもありますが、内部の部品は確実に劣化しています。ある日突然お湯が出なくなるという事態を避けるためにも、10年を目安に点検や交換の計画を立てておくことが推奨されます。特に、修理用の部品は製造終了から約10年でメーカーの保有期間が終了するため、10年以上経過した給湯器が故障した場合、部品がなくて修理できない可能性も出てきます。

 

ガス給湯器はどこのメーカーが良いか選ぶポイント

ガス給湯器はどこのメーカーが良いか選ぶポイント

  • ガス給湯器16号がおすすめのケース
  • 価格は工事費込みでいくら?
  • ガス給湯器からエコキュートへの交換
  • においの原因と対処法
  • 設置基準と消防法
  • ガス給湯器を取り替えるおすすめの業者は?

ガス給湯器16号がおすすめのケース

ガス給湯器の「号数」は、お湯を作り出す能力を示す重要な指標です。これは「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるか」を表しており、号数が大きいほど一度にたくさんのお湯を供給できます。

その中で「16号」は最もコンパクトなタイプであり、主に単身世帯や二人暮らしの家庭におすすめです。具体的には、以下のようなライフスタイルに適しています。

  • 一度に複数箇所(例:キッチンとシャワー)で同時にお湯を使うことがほとんどない
  • 浴槽にお湯をためることが少なく、シャワーで済ませることが多い
  • なるべく給湯器本体の価格を抑えたい

16号のメリットは、本体価格が20号や24号に比べて安い点です。お湯の使用量が少ないのに大きな号数の給湯器を設置しても、宝の持ち腐れになってしまいます。一方で、家族の人数が多い場合や、冬場に洗い物をしながらシャワーを浴びるなど、同時にお湯を使いたい場面が多いご家庭では、16号では湯量が不足し、ストレスを感じる可能性があります。ご自身の生活でお湯をどのように使うかを考え、適切な号数を選ぶことが快適な暮らしにつながります。

ガス給湯器の価格は工事費込みでいくら?

ガス給湯器を交換する際の総費用は、「給湯器本体の価格」と「設置工事費」の合計で決まります。価格は給湯器の種類や機能、号数、そして依頼する業者によって大きく変動しますが、一般的な相場を把握しておくことは大切です。

以下に、機能別の価格相場(工事費込み)の目安を示します。

給湯器のタイプ 機能 工事費込みの価格相場
給湯専用 お湯の供給のみ 5.5万円 ~ 10万円
ふろ給湯器 給湯+追いだき機能 10万円 ~ 20万円
暖房付ふろ給湯器 給湯+追いだき+床暖房など 18万円 ~ 30万円

また、同じタイプの給湯器でも、省エネ性能の高い「エコジョーズ」を選ぶと、本体価格が2〜4万円ほど高くなる傾向があります。

注意点として、これはあくまで標準的な工事の場合の相場です。現在設置されている場所や配管の状況によっては、追加の工事が必要となり、別途費用が発生することもあります。正確な費用を知るためには、必ず複数の業者から見積もりを取り、内訳をしっかりと確認することが求められます。

ガス給湯器からエコキュートへの交換

給湯器の交換を機に、ガス給湯器から電気でお湯を沸かす「エコキュート」への切り替えを検討する方も増えています。エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ技術を用いており、非常にエネルギー効率が高いのが特徴です。

ガス給湯器からエコキュートに交換するメリット

  • ランニングコストの削減: 一般的に、エコキュートは割安な深夜電力を利用してお湯を沸かすため、月々の光熱費をガス給湯器よりも安く抑えられる可能性があります。
  • オール電化への移行: エコキュートの導入と合わせてIHクッキングヒーターを設置すれば、家庭のエネルギーを電気に一本化でき、ガス基本料金が不要になります。
  • 災害時の備え: 貯湯タンクにお湯(水)が貯まっているため、断水時に非常用の生活用水として利用できます。

デメリットと注意点

  • 高い初期費用: エコキュートは本体価格や設置工事費がガス給湯器に比べて高額(40万円〜70万円程度)です。
  • 設置スペース: ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つを設置する必要があるため、ガス給湯器よりも広いスペースが求められます。
  • 湯切れのリスク: タンクに貯めたお湯を使い切ってしまうと、すぐにお湯が使えなくなる「湯切れ」のリスクがあります。

ガス給湯器とエコキュート、どちらが良いかは、初期費用とランニングコストのバランス、設置スペース、そしてご家庭のライフスタイルによって異なります。長期的な視点でどちらがご家庭にとってメリットが大きいかを慎重に検討することが大切です。

ガス給湯器のにおいの原因と対処法

ガス給湯器の使用中に、ガスのにおいや焦げたようなにおいがした場合、注意が必要です。においの種類によっては、重大な事故につながる危険性も考えられます。

ガスのにおいがする場合

生ガスのようなにおいがする場合は、ガス漏れの可能性があります。これは非常に危険な状態ですので、直ちに以下の対応を取ってください。

  1. 火気厳禁: ライターや換気扇のスイッチなど、火花が出る可能性のあるものは絶対に操作しないでください。
  2. 窓を開けて換気: 窓を大きく開けて、室内のガスを屋外に逃がします。
  3. ガス栓を閉める: 給湯器のガス栓と、ガスメーターの元栓を閉めます。
  4. ガス会社に連絡: すぐに契約しているガス会社に連絡し、点検を依頼してください。

焦げたようなにおいがする場合

焦げ臭いにおいがする場合は、給湯器内部でホコリやゴミが燃えているか、部品が劣化して不完全燃焼を起こしている可能性があります。不完全燃焼は、有毒な一酸化炭素(CO)を発生させる大変危険な状態です。

この場合も、直ちに使用を中止し、換気を行った上で、給湯器の専門業者やガス会社に連絡して点検を依頼する必要があります。においは給湯器からの重要な警告サインです。少しでも異常を感じたら、自己判断で使い続けずに専門家に相談しましょう。

ガス給湯器の設置基準と消防法

ガス給湯器は、ガスと火を扱う設備であるため、安全を確保するために消防法や建築基準法などによって厳格な設置基準が定められています。これらの基準は、火災や一酸化炭素中毒といった事故を防ぐために不可欠なものです。

特に重要なのが「離隔距離」の確保です。これは、給湯器本体や排気口から、可燃物(壁、窓、建材など)まで一定の距離を保たなければならないという規定です。

  • 本体の離隔距離: 給湯器の側面や裏面は、可燃性の壁から1cm以上離す必要があります。
  • 排気口の離隔距離: 排気口の周囲は、可燃物から上方・前方・側方にそれぞれ定められた距離(例:前方60cm以上など)を確保しなければなりません。

これらの基準は、給湯器の種類や設置場所(屋内か屋外か)によって細かく定められています。DIYでの設置はこれらの基準を満たさない危険性が非常に高いため、絶対に避けるべきです。

給湯器の交換工事は、必ず専門の知識と資格を持った業者に依頼してください。信頼できる業者は、これらの法令を遵守し、安全を最優先に考えた設置を行ってくれます。

ガス給湯器を取り替えるおすすめの業者は?

ガス給湯器の交換を依頼できる業者は、主に以下のような選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。

依頼先 メリット デメリット
ガス会社 契約中の会社なので安心感が高い。保安面での信頼性が高い。 給湯器本体の割引率が低い傾向があり、総額が高くなりやすい。選べる機種が限られることがある。
給湯器専門業者 メーカーからの直接仕入れなどで本体価格が安いことが多い。専門性が高く、対応が迅速。 業者数が多く、信頼できる業者を見極める必要がある。
リフォーム会社 お風呂やキッチンなど、他のリフォームと合わせて依頼できる。 給湯器交換が専門ではないため、下請け業者に依頼することが多く、中間マージンで割高になる場合がある。
家電量販店 ポイントが貯まる・使える。店舗で実物(リモコンなど)を確認できることがある。 工事は提携業者が行うため、業者を選べない。価格は専門業者に比べて高めなことが多い。

費用を抑えつつ、専門的な知識を持った業者に依頼したい場合は、「給湯器専門業者」が有力な選択肢となります。ただし、優良な業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく、担当者の対応、保証内容、過去の実績などを総合的に比較検討することが鍵となります。インターネットの口コミサイトなども参考にし、慎重に業者を選びましょう。

ガス給湯器はどこのメーカーが良いか?3大メーカーがおすすめ:総括

この記事では、ガス給湯器のメーカー選びから交換に関する様々な情報までを解説してきました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • ガス給湯器の3大メーカーはリンナイ、ノーリツ、パロマ
  • 国内シェアはリンナイとノーリツが2強状態で市場の約8割を占める
  • メーカーごとの基本的な給湯性能に大きな差はない
  • リンナイは品質と耐久性、ノーリツは衛生・安全機能、パロマはコスパとデザイン性が強み
  • 特定のメーカーが壊れやすいという事実はなく、寿命は設置環境や使い方に左右される
  • 給湯器の寿命は約10年が交換の目安
  • 16号は単身世帯などお湯の使用量が少ない家庭におすすめ
  • 工事費込みの価格は機能により異なり、10万円から20万円がボリュームゾーン
  • エコキュートへの交換はランニングコストが魅力だが初期費用が高い
  • ガスのにおいはガス漏れの危険性があり、直ちに使用を中止しガス会社へ連絡
  • 焦げ臭いにおいは不完全燃焼のサインで、一酸化炭素中毒の危険がある
  • 設置には消防法で定められた離隔距離の確保が必須
  • 業者選びは複数の見積もりを取り、価格とサービス内容を比較することが大切
  • 費用を抑えたいなら給湯器専門業者がおすすめ
  • メーカー選びは現在使用しているメーカーの後継機種を選ぶのが最もスムーズ
  • この記事を書いた人

鈴木 優樹

13年間で累計1万台以上のエアコン設置に携わってきた空調工事の専門家です。数多くの現場を経験する中で、快適な住まいにはエアコンだけでなく「窓の断熱性」が欠かせないと実感しました。地元・千葉で培った知識と経験を活かし、快適な暮らしに役立つ断熱の本質をわかりやすく発信しています。

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