「外からの視線が気になって、窓のカーテンを気軽に開けられない」「夜に電気をつけると、室内が丸見えになっていないか心配」と感じたことはありませんか。
外から見えない窓ガラスへの交換や対策を考えたとき、多くの方がリクシルの製品を候補に入れるのではないでしょうか。
しかし、実際に調べてみると、外から中を見られないガラスの名前は?という疑問から、室内から見るとクリアだけど外から見えにくいガラスはコレ、といった宣伝文句まで、情報が様々です。
特に、昼も夜も目隠ししたい方にオススメなガラスはコレ、と言われても、本当に電気をつけても外から見えないガラスなのか、特に外から見えない窓を夜も実現したい場合には、どの選択が正しいのか迷うものです。対策としては、外から見えない窓 フィルムを貼る手軽な方法から、二重窓にして外から見えないようにする方法まで多岐にわたります。
リクシルの内窓インプラスは人気の選択肢ですが、インプラスのメリットとデメリットを正しく理解し、インプラスの欠点は何ですか?という問いに答えられなければ、後悔につながるかもしれません。
例えば、内窓にすりガラスを選んだ場合のデメリットや、ミラーガラスのリクシルの価格はいくらなのか、といった具体的な情報が必要です。また、競合であるYKKの製品の外から見えない窓(ykk)との違いも気になるところでしょう。
この記事では、こうした数々の疑問に答え、あなたのライフスタイルに最適な「外から見えない窓」を見つけるための知識を網羅的に解説します。
目次
外から見えない窓|リクシルで選べるガラスの種類
このセクションでは、プライバシーを守るための窓ガラスについて、基本的な種類からそれぞれの特徴、価格、そして手軽なフィルムという選択肢までを解説します。
外から中を見られないガラスの名前は?
外からの視線を遮り、プライバシーを確保するガラスには、主に「ミラーガラス」と「型板ガラス」の2種類が存在します。これらは、光の反射や拡散といった異なる原理を利用して、室内を見えにくくする効果を発揮します。
まず、ミラーガラスは、日中の屋外が室内より明るい状況で、鏡のように光を反射することで室内を見えなくします。マジックミラーをイメージすると分かりやすいかもしれません。そのため、室内からは景色が見えるのに、外からは視線をしっかりカットできるのが大きな特徴です。
一方、型板ガラスは、ガラスの片面に凹凸のある模様をつけたものです。この凹凸が光を乱反射(拡散)させることで、ガラスの向こう側をぼやけさせ、シルエットは分かっても、中の様子をはっきりと見えなくします。すりガラスと混同されがちですが、すりガラスが表面を研磨して不透明にしているのに対し、型板ガラスは型で模様をつけている点が異なります。
どちらのガラスを選ぶかによって、日中や夜間の見え方、室内の開放感などが大きく変わるため、それぞれの特性を理解することが窓選びの第一歩となります。
室内から見るとクリアだけど外から見えにくいガラスはコレ
「プライバシーは守りたいけれど、室内からの開放感や眺望は失いたくない」という希望をかなえるのが、ミラーガラスです。これはプライバシーガラスや熱線反射ガラスとも呼ばれています。
ミラーガラスの最大のメリットは、日中の明るい時間帯において、外からは鏡のように見え、室内の様子をうかがい知ることができない点にあります。それでいて、室内からは外の景色がクリアに見えるため、カーテンを閉め切っているような圧迫感がありません。日中は視線を気にすることなく、明るい光を室内に取り入れながら過ごしたいリビングの窓などに適しています。
また、熱線反射ガラスという別名の通り、太陽の熱線(赤外線)を反射する効果も持ち合わせています。これにより、夏場の厳しい日差しを和らげ、室内の温度上昇を抑制する遮熱効果が期待できます。冷房効率が上がり、省エネにつながる点も嬉しいポイントです。
このように、日中のプライバシー保護と開放感、そして遮熱性を両立できるのがミラーガラスの大きな魅力と言えます。
外から見えない窓は?夜も見えないから安心
日中は優れたプライバシー保護性能を発揮するミラーガラスですが、夜間の使用には注意が必要です。ミラーガラスの効果は、室外と室内の明るさの差によって決まるため、夜に室内の照明をつけると、昼間とは効果が逆転してしまいます。
具体的には、夜間は室外より室内の方が明るくなるため、外からは室内の様子がはっきりと見えてしまい、逆に室内からは外が暗くて見えにくい状態になります。これではプライバシーを守ることができません。したがって、夜間に外から見えない窓を実現したい場合、ミラーガラスだけで完結させるのは難しいと考えられます。
この問題を解決するためには、夜間はカーテンやブラインドを併用することが不可欠です。日中はミラーガラスの効果で開放的に過ごし、夜になったらカーテンを閉めて視線を遮る、という使い分けが必要になります。
「夜もカーテンなしで過ごしたい」という要望をミラーガラス単体で満たすことは困難であるため、ご自身のライフスタイルと、カーテンなどを併用する手間を考慮した上で採用を検討することが大切です.
昼も夜も目隠ししたい方にオススメなガラスはコレ
昼夜を問わず、常に安定した目隠し効果を求める方には、型板ガラスが最適な選択肢となります。このガラスは、表面の凹凸が光を拡散させることで、時間帯や室内外の明るさに関係なく、常に視線を遮る効果を保ちます。
型板ガラスの最大の利点は、その安定したプライバシー保護性能です。夜間に室内の電気をつけても、外から中の様子が丸見えになることはありません。人影や物のシルエットはぼんやりと映りますが、具体的な様子までは分からないため、浴室やトイレ、脱衣所といった、特にプライバシーを確保したい空間の窓に古くから多用されています。
また、ミラーガラスに比べて一般的に価格が安価であることもメリットの一つです。リクシル製品では、「霞(かすみ)」や「梨地(なしじ)」といった代表的な柄のほか、レトロな雰囲気を持つデザイン性の高い型板ガラスも選べます。
ただし、デメリットとして、常にガラスの向こう側がぼやけて見えるため、室内から外の景色をクリアに眺めることはできません。プライバシー保護を最優先する代わりとして、開放感が損なわれる点は理解しておく必要があります。
ミラーガラスと型板ガラスの比較
項目 | ミラーガラス | 型板ガラス |
日中の見え方(外→内) | 見えにくい(鏡のように反射) | 見えにくい(ぼやけて見える) |
日中の見え方(内→外) | クリアに見える | 見えにくい(ぼやけて見える) |
夜間の見え方(外→内) | 見えやすい(照明をつけると逆転) | 見えにくい(ぼやけて見える) |
プライバシー効果 | 昼間は高いが、夜間は低い | 昼夜問わず安定して高い |
開放感 | 高い | 低い |
遮熱効果 | あり | なし |
主な使用場所 | リビング、オフィスビル | 浴室、トイレ、脱衣所 |
ミラーガラス(リクシル)の価格や相場
ミラーガラスをリクシル製品で導入する場合、その価格は窓の大きさやガラスの仕様によって大きく変動します。正確な価格は施工業者による見積もりが必要ですが、ここでは一般的な目安を理解するための情報を提供します。
価格を決定する主な要因は以下の通りです。
- 窓のサイズ: 当然ながら、窓が大きくなるほどガラスの面積も増え、価格は高くなります。
- ガラスの種類: 同じミラーガラスでも、一枚のガラスでできた「単板ガラス」か、二枚のガラスを組み合わせた「複層ガラス(ペアガラス)」かによって価格は変わります。複層ガラスの方が断熱性などに優れる分、高価になります。
- 特殊機能の有無: 複層ガラスの中に、より高い断熱・遮熱性能を持つ「Low-E膜」をコーティングした「Low-E複層ガラス」を選ぶと、さらに価格は上がります。
価格の目安(工事費別途)
窓のサイズ | ガラス仕様 | 価格帯の目安 |
腰高窓 (幅1,600mm × 高さ1,100mm) | ミラー単板ガラス | 約30,000円 ~ 60,000円 |
ミラー複層ガラス | 約50,000円 ~ 90,000円 | |
掃き出し窓 (幅1,600mm × 高さ2,000mm) | ミラー単板ガラス | 約50,000円 ~ 90,000円 |
ミラー複層ガラス | 約80,000円 ~ 150,000円 |
これらの価格はあくまでガラス本体の参考価格であり、実際には既存の窓の撤去費用や新しい窓の設置工事費、運搬費などが別途必要です。最終的な総額を知るためには、必ず複数のリフォーム会社や工務店に見積もりを依頼し、比較検討することをお勧めします。
窓フィルムという選択肢
ガラス本体を交換するのではなく、既存の窓ガラスに特殊なフィルムを貼ることで、プライバシーを保護する方法もあります。これは、ガラス交換や内窓設置に比べて手軽で費用を抑えられるため、有力な選択肢の一つとなります。
フィルムの種類は豊富で、ミラー調のものから、すりガラス調、型板ガラス調のものまで様々です。これにより、求めるデザインやプライバシーレベルに合わせて選ぶことが可能です。
フィルムのメリット
- 低コスト: ガラス交換に比べて、材料費・施工費ともに安価に済みます。
- 手軽さ: 工事が大掛かりにならず、短時間で施工が完了します。
- 賃貸住宅でも可能: 原状回復が可能なため、賃貸物件でも導入しやすいのが特徴です。
フィルムのデメリットと注意点
- 耐久性: ガラス本体に比べて寿命が短く、一般的に10年程度で劣化による剥がれや変色が見られることがあります。
- 施工品質: 専門業者に依頼しない場合、気泡が入ったり、端が剥がれたりして見栄えが悪くなるリスクがあります。
- 熱割れのリスク: 網入りガラスや遮熱性能の高いガラスに濃い色のフィルムを貼ると、ガラスが太陽熱を吸収しやすくなり、温度差でガラスが割れる「熱割れ」という現象を引き起こす可能性があります。フィルムを選ぶ際は、既存のガラスとの相性を確認することが不可欠です。
手軽さが魅力のフィルムですが、こうしたデメリットも存在するため、長期的な視点や求める品質を考慮して、ガラス交換や内窓設置と比較検討することが賢明です。
外から見えない窓はリクシルの内窓で対策できる
より根本的な対策として、リクシルの内窓「インプラス」を設置する方法があります。ここでは、二重窓の仕組みから、インプラスがもたらすメリット、そして導入前に知っておくべき欠点や注意点について詳しく掘り下げていきます。
- 二重窓にすれば外から見えない?
- インプラスのメリット
- インプラスの欠点は何ですか?
- 内窓のすりガラスにあるデメリット
二重窓にすれば外から見えない?
「二重窓(内窓)にすれば、自動的に外から見えなくなる」と考える方もいるかもしれませんが、これは正確ではありません。二重窓の目隠し効果は、あくまで内側に取り付ける窓に「どの種類のガラスを選ぶか」によって決まります。
二重窓とは、既存の窓の室内側にもう一つ新しい窓を取り付けるリフォーム方法です。このとき、新しく設置する内窓のガラスを、プライバシー保護機能のあるガラスにすることで、初めて目隠し効果が生まれます。例えば、リクシルの内窓「インプラス」では、透明なガラスだけでなく、前述した型板ガラスや、よりデザイン性の高い和紙調ガラスなどを選ぶことができます。
したがって、内窓に型板ガラスを選べば、昼夜を問わず安定した目隠し効果が得られます。一方で、内窓に透明なガラスを選んだ場合、既存の外窓が透明であれば、目隠し効果は全くありません。
要するに、二重窓という構造自体が視線を遮るのではなく、新設する内窓に「目隠し機能を持つガラス」を組み合わせることで、断熱性や防音性の向上といった二重窓本来のメリットに加えて、プライバシー保護という付加価値を得ることができる、ということです。
インプラスのメリット
リクシルの内窓「インプラス」を設置することには、目隠し効果以外にも、住環境を快適にする多くのメリットがあります。これらを理解することで、導入の価値を多角的に判断できます。
優れた断熱効果
インプラスを設置すると、既存の窓との間に空気層が生まれます。この空気層が断熱材の役割を果たし、外の熱が室内に伝わるのを防ぎ、また室内の熱が外に逃げるのを抑制します。これにより、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を保ちやすくなり、冷暖房の効率が向上して光熱費の節約にもつながります。
高い防音性能
外窓と内窓の二重構造は、騒音対策にも非常に有効です。外からの車の音や工事の音といった騒音が、二つの窓と空気層によって減衰され、室内は静かな空間になります。逆に、室内からのピアノの音や子供の声が外に漏れるのも防ぐ効果が期待できます。
結露の抑制
断熱性の向上は、冬場の悩みの種である結露の発生を大幅に抑制します。結露はカビやダニの原因となり、建物の劣化にもつながるため、これを防ぐことは衛生的で健康的な暮らしに貢献します。
防犯性の向上
窓が二重になることで、空き巣などの侵入者は、侵入に手間と時間がかかると判断し、ターゲットから外す傾向があります。物理的に侵入を困難にするだけでなく、「侵入しにくい家」という視覚的なアピールにもなり、防犯性が高まります。
特許技術「ダストバリア」
インプラスの窓枠には、静電気の発生を抑える特殊な樹脂が採用されており、ホコリを寄せ付けにくい「ダストバリア」機能が備わっています。これにより、窓枠の掃除の手間が軽減されるのは、リクシル製品ならではの嬉しい特長です。
インプラスの欠点やデメリットは何ですか?
多くのメリットがあるインプラスですが、導入を後悔しないためには、事前に欠点やデメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。
窓の開閉が二度手間になる
当然のことながら、換気などの際に窓を開け閉めする動作が「外窓」と「内窓」の2回必要になります。窓の数が多い家では、この手間が毎日のこととなると、わずらわしく感じる可能性があります。
掃除の手間が増える
窓ガラスやサッシのレールの掃除箇所が単純に倍になります。特に、外窓と内窓の間の空間はホコリが溜まりやすく、掃除がしにくいと感じるかもしれません。前述の通り、インプラスにはホコリがつきにくい「ダストバリア」機能がありますが、掃除が全く不要になるわけではありません。
費用がかかる
インプラスの設置はリフォーム工事であり、製品代と工事費が必要です。窓の大きさや数、選ぶガラスの種類によっては、まとまった費用がかかります。ただし、断熱リフォームは国や自治体の補助金対象になることが多いため、費用を抑えるチャンスもあります。
日射熱の取得率が下がる
断熱性が高まるということは、冬場の暖かい日差しが室内に入りにくくなる、ということでもあります。特に日当たりの良い南側の窓では、冬に太陽の熱を無料で取り入れて部屋を暖める「日射熱取得」の恩恵が減少する可能性があります。この点を考慮し、ガラスの種類(Low-E複層ガラスの日射取得タイプなど)を慎重に選ぶ必要があります。
ガラスの熱割れリスク
まれなケースですが、外窓が網入りガラスの場合や、内窓に遮熱性の高いガラスを選んだ場合、外窓と内窓の間の温度が上昇し、温度差によってガラスが自然に割れる「熱割れ」のリスクが高まることがあります。
これらの欠点を理解した上で、ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせ、導入を判断することが後悔しないための鍵となります。
内窓のすりガラスにあるデメリット
内窓のガラスとして、プライバシー保護のためにすりガラス(ここでは型板ガラスを指します)を選ぶケースは多いですが、これにはいくつかのデメリットも伴います。
最大のデメリットは、外の景色が全く見えなくなることです。型板ガラスは光を採り入れつつ視線を遮るものですが、その代償として、窓の外の天気や庭の様子などを確認することができません。リビングのような開放感を重視したい部屋に設置すると、常に視界が遮られるため、圧迫感を感じてしまう可能性があります。
また、内窓を閉めている状態では、外から誰かが来た場合でも、その姿を確認することが難しくなります。防犯カメラなどがない場合、来訪者を窓越しに確認できないのは不便であり、少し不安に感じるかもしれません。
さらに、表面が凹凸しているため、ツルツルした透明ガラスに比べてホコリや汚れが付着しやすく、掃除に少し手間がかかるという点も挙げられます。
これらのことから、内窓に型板ガラスを選ぶ際は、その部屋の用途をよく考えることが重要です。浴室や寝室など、プライバシーを最優先したい部屋には適していますが、リビングやダイニングなど、家族が多くの時間を過ごし、外とのつながりも感じたい部屋には、他の選択肢を検討する方が満足度は高くなるかもしれません。
外から見えない窓はリクシルで見つけよう:総括
これまで解説してきたように、「外から見えない窓」を実現する方法は一つではありません。
リクシルの製品ラインナップの中から、ご自身の暮らしに最適なものを見つけるためのポイントを、以下にまとめます。
- 外からの視線を遮るガラスには主にミラーガラスと型板ガラスがある
- ミラーガラスは日中のプライバシー保護と開放感を両立できる
- ミラーガラスは夜間に室内照明をつけると効果が逆転し外から見える
- 夜間のプライバシー対策にはカーテンやブラインドの併用が不可欠
- 型板ガラスは昼夜を問わず安定した目隠し効果を発揮する
- 型板ガラスのデメリットは外の景色が見えず圧迫感が出やすいこと
- ガラス交換の価格は窓のサイズやガラスの種類で大きく変動する
- フィルムは手軽で安価だが耐久性や熱割れのリスクに注意が必要
- リクシルの内窓インプラスは断熱・防音・防犯効果も同時に得られる
- インプラスの目隠し効果は内窓にどのガラスを選ぶかによって決まる
- インプラスの欠点には窓の開閉が二度手間になることや費用がかかることなどがある
- インプラスは冬の日射熱を取り込みにくくなるデメリットも考慮する
- ホコリがつきにくい「ダストバリア」はインプラスの掃除の手間を軽減する
- プライバシーを優先するなら型板ガラス、開放感を優先するならミラーガラスが基本
- 最終的にはライフスタイルや部屋の用途に合わせて最適な方法を選択することが重要