大きな掃き出し窓は開放感がありますが、「冬は寒く、夏は暑い」「防犯面が心配」「家具の配置が難しい」といった悩みから、掃き出し窓を腰窓にリフォームしたいと考える方が増えています。
しかし、実際に掃き出し窓を小さくするには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
この記事では、そもそも掃き出し窓とは何か、腰窓とは何かという基本的な違いから、掃き出し窓を腰窓にリフォームするメリット5選や知っておくべきデメリット3選まで詳しく解説します。具体的なリフォームの流れや日数、気になるリフォーム費用や相場、そして窓を小さくするリフォーム費用を抑えるコツも紹介します。
また、補助金や助成金の活用法や、掃き出し窓を壁にリフォーム、あるいは掃き出し窓を玄関にリフォームといった他の選択肢にも触れていきます。
専門業者に頼らず掃き出し窓を腰窓にDIYすることは可能なのか、もっと手軽に窓を小さくするパネルを使って掃き出し窓の下半分を隠す方法はないか、といった疑問にもお答えします。
目次
掃き出し窓を腰窓にリフォームする費用・価格や相場ガイド!メリット5選
- そもそも掃き出し窓とは何か?
- 比較してわかる腰窓とは何か?
- 掃き出し窓を腰窓にリフォームするメリット5選
- 知っておきたいデメリット3選
- 具体的なリフォームの流れや日数
そもそも掃き出し窓とは何か?
掃き出し窓とは、リビングやベランダへの出入り口などによく見られる、床面まである大きな窓のことを指します。その名称は、昔の住居でほうきを使って室内のゴミやホコリを外へ「掃き出して」いたことに由来すると言われています。
主な特徴は、人が立ったまま出入りできる高さと広さを持つ点です。一般的なサイズは幅が170cmから180cm、高さが200cmから220cm程度あり、住宅に設置される窓の中では最も大きい部類に入ります。この大きさから、多くの光を室内に取り込むことができ、開放的な空間を演出する役割を担っています。
開閉方式としては、2枚の窓を左右にスライドさせる「引き違い窓」が最も一般的ですが、片側が固定された「片引き窓」なども採用されることがあります。庭やウッドデッキ、ベランダに面した場所に設置されるのが典型的な例です。
比較してわかる腰窓とは何か?
一方、腰窓とは、その名の通り大人の腰くらいの高さに設置される窓のことです。床面から80cmから90cm程度の壁の上に設置されるのが一般的で、「腰高窓(こしだかまど)」とも呼ばれます。
掃き出し窓との最も大きな違いは、床に接しておらず、人の出入りを目的としていない点です。サイズは掃き出し窓よりも小さく、例えば幅は180cm程度あっても、高さは90cmから120cmくらいが標準的です。
このため、リビングはもちろん、寝室や子ども部屋、書斎など、プライバシーを確保しつつ採光や換気を行いたい部屋に適しています。開閉方式も引き違い窓だけでなく、外側に開く「すべり出し窓」など、様々なタイプに対応できるのが特徴です。掃き出し窓と腰窓の特性を比較すると、以下のようになります。
項目 | 掃き出し窓 | 腰窓 |
設置位置 | 床面から | 大人の腰の高さから |
主な目的 | 採光、換気、人の出入り | 採光、換気 |
一般的な高さ | 約200cm~220cm | 約90cm~120cm |
メリット | 開放感、採光性が高い | 家具を配置しやすい、防犯性が高い |
デメリット | 断熱性が低い、防犯面で不利 | 開放感が少ない、出入り不可 |
掃き出し窓を腰窓にリフォームするメリット5選
大きな掃き出し窓を腰窓に変更することで、住まいの快適性や機能性を向上させる多くのメリットが生まれます。ここでは、代表的な5つの利点を紹介します。
断熱性能が向上する
住宅の中で最も熱の出入りが激しい場所は窓です。掃き出し窓はガラス面積が非常に大きいため、冬は冷気が侵入しやすく、夏は日差しによって室温が上昇しがちです。腰窓にリフォームして窓の面積を小さくすることで、熱の出入りを大幅に抑制できます。これにより、冷暖房の効率が格段に上がり、光熱費の節約につながります。
防犯性能が向上する
空き巣の侵入経路として最も狙われやすいのが、1階の掃き出し窓です。簡単に割って侵入できるため、防犯上の弱点となり得ます。これを腰窓に変えると、窓の位置が地面から高くなるため、外部からの侵入が物理的に困難になります。よじ登る必要があり、侵入に手間と時間がかかる窓は、空き巣に敬遠される傾向があります。
壁面を有効活用できる
掃き出し窓の前は、人の動線や窓の開閉を妨げるため、家具を置くことができません。リフォームによって床から窓までの間に「腰壁」ができると、このスペースを有効活用できるようになります。例えば、テレビボードや収納棚、ソファなどを配置できるため、部屋のレイアウトの自由度が格段に上がります。
プライバシーを確保しやすくなる
特に道路や隣家に面した掃き出し窓は、外からの視線が気になることがあります。一日中カーテンを閉めっぱなしにしているご家庭も少なくありません。腰窓にすることで、窓の位置が高くなり、外からの視線を遮りやすくなります。採光を確保しつつ、プライバシーを守れる快適な空間が実現します。
耐震性が向上する場合がある
窓のような開口部は、壁に比べて建物の構造的な強度が低くなります。掃き出し窓を小さくして壁の面積を増やすことで、建物の耐力壁が増え、結果として耐震性が向上する可能性があります。もちろん、リフォームの工法にもよりますが、構造的な安定感を高める一つの要素となり得ます。
知っておきたいデメリット3選
多くのメリットがある一方で、掃き出し窓を腰窓にリフォームすることにはいくつかのデメリットも存在します。計画を進める前に、これらの点も十分に理解しておくことが後悔しないための鍵となります。
開放感が少なくなる
掃き出し窓の最大の魅力は、その大きな開口部がもたらす開放感です。腰窓にすると窓の面積が半分近くになるため、視界が遮られ、部屋が以前より狭く感じられたり、閉塞感を覚えたりする可能性があります。特に、庭の景色を楽しんでいた場合などは、その変化を大きく感じるかもしれません。
採光・通風量が減少する
窓が小さくなることで、室内に入ってくる太陽の光や自然の風の量は当然少なくなります。部屋の方角や周辺の建物の状況によっては、日中でも照明が必要になるほど部屋が暗く感じられることも考えられます。また、風の通り道が小さくなることで、換気の効率が落ちる可能性も考慮しておく必要があります。
庭やベランダへの出入りができなくなる
これまで庭やベランダへの出入り口として利用していた掃き出し窓を腰窓にすると、その動線が失われます。他にスムーズな出入り口がない場合、わざわざ玄関や勝手口まで回り道をしなければならなくなり、生活が不便になる可能性があります。洗濯物を干す、ガーデニングをするなどの日常的な動作に影響がないか、事前に確認することが大切です。
具体的なリフォームの流れや日数
掃き出し窓から腰窓へのリフォームは、どのような手順で進められるのでしょうか。一般的な工事の流れと、必要となる日数の目安を解説します。
リフォームの基本的な流れ
工事は大きく分けて以下の4つのステップで進みます。
- 既存の掃き出し窓の撤去まず、現在設置されている掃き出し窓のガラス戸、網戸、そしてサッシ枠全体を取り外します。この段階では、開口部が完全にがらんどうの状態になります。
- 下地(腰壁)の造作次に、新しい腰窓を設置するための下地を作ります。木造住宅の場合、柱や間柱といった構造材を元に、腰壁となる部分の木材フレームを組み立てていきます。この工程が、リフォーム後の強度を左右する重要な部分です。
- 新しい腰窓の取り付け造作した下地に、新しい腰窓のサッシ枠を正確に取り付けます。その後、ガラス戸をはめ込み、開閉のスムーズさや鍵のかかり具合などを調整します。この時点で、窓としての機能が回復します。
- 壁の復旧と仕上げ最後に、内外の壁を仕上げていきます。外壁側には防水シートを施工した上で、既存の壁材に合わせたサイディングなどを張ります。室内側には断熱材を充填し、石膏ボードを張ってからクロス(壁紙)などで仕上げて、工事は完了です。
工事にかかる日数
リフォームの規模や天候にもよりますが、一連の工事にかかる日数は、一般的に2日から4日程度が目安です。内訳としては、窓の撤去から取り付けまでが1日、内外の壁の仕上げに1日から2日、そして最終的な調整や片付けといった形になります。ただし、外壁の塗装が必要になる場合などは、さらに日数がかかることもあります。
掃き出し窓を腰窓にリフォームする費用と費用を抑えるコツ
- リフォーム費用や相場と補助金や助成金
- 窓を小さくするリフォーム費用と抑えるコツ
- 掃き出し窓を壁や玄関にリフォームする選択肢
- 掃き出し窓を腰窓にDIYする際の注意点
- パネルで掃き出し窓の下半分を隠す方法
リフォーム費用や相場と補助金や助成金
掃き出し窓を腰窓にリフォームする際、最も気になるのが費用です。ここでは、一般的な費用相場と、負担を軽減できる補助金制度について解説します。
費用相場
掃き出し窓から一般的なサイズの腰窓(幅180cm、高さ90cm程度)へのリフォーム費用は、総額で30万円から50万円程度が相場です。この金額には、以下の工事内容が含まれます。
- 既存窓の撤去・処分費
- 新しい腰窓の製品代
- 腰壁の造作工事費(木工事)
- 窓の取り付け工事費
- 内外壁の補修・仕上げ工事費(断熱材、サイディング、クロスなど)
- 現場管理費などの諸経費
費用は、選ぶ窓の性能(断熱性や防犯性)、外壁や内装の仕上げ材の種類によって変動します。例えば、断熱効果の高い高性能な窓(Low-E複層ガラス、樹脂サッシなど)を選ぶと製品代は上がりますが、後述する補助金の対象になりやすくなります。
補助金や助成金の活用
窓の断熱リフォームは、国が推進する省エネ政策の対象となっており、手厚い補助金制度が利用できます。代表的なものが「先進的窓リノベ2025事業」です。
この制度は、断熱性能の高い窓への交換リフォームに対して、工事費用の最大50%相当、一戸あたり最大200万円の補助金が交付されるものです。掃き出し窓を腰窓にするリフォームも、設置する腰窓が一定の断熱基準を満たしていれば対象となります。
補助金の申請は、工事を依頼するリフォーム業者が代行するのが一般的です。制度は予算の上限に達し次第終了となるため、リフォームを検討する際は、早めに登録事業者に相談し、補助金が利用できるか確認することをおすすめします。
窓を小さくするリフォーム費用と抑えるコツ
窓を小さくするリフォームは、工夫次第で費用を抑えることが可能です。賢くリフォームを進めるための3つのコツを紹介します。
カバー工法を検討する
費用を抑える方法として「カバー工法」があります。これは、既存の窓枠を残し、その上から一回り小さい新しい窓枠をかぶせて設置する工法です。壁を壊す範囲が最小限で済むため、通常の工法に比べて解体費や壁の補修費用を削減でき、工期も短縮できます。掃き出し窓から腰窓への変更でも、この工法が適用できる場合があります。ただし、窓のサイズがひとまわり小さくなる、窓枠の劣化が激しいと採用できないなどの制約もあるため、業者への確認が必要です。
複数の業者から相見積もりを取る
リフォーム費用は、業者によって大きく異なる場合があります。そのため、必ず複数の業者(できれば3社以上)から見積もりを取り、内容を比較検討することが大切です。価格だけでなく、工事内容の詳細、使用する窓のグレード、保証内容などをしっかり確認しましょう。見積もりを比較することで、適正な価格相場を把握でき、価格交渉の材料にもなります。
補助金制度を最大限に活用する
前述の通り、省エネ関連の窓リフォームには手厚い補助金が用意されています。補助金を利用できるかどうかで、自己負担額は大きく変わります。業者に見積もりを依頼する際には、「先進的窓リノベ事業などの補助金を利用したい」と明確に伝えましょう。制度に詳しい業者であれば、対象となる製品の提案から申請手続きまで、スムーズに進めてくれます。
掃き出し窓を壁や玄関にリフォームする選択肢
掃き出し窓が不要になった場合、腰窓にするだけでなく、完全に壁にしてしまったり、別の機能を持つ玄関などに変更したりすることも可能です。
掃き出し窓を壁にリフォーム
採光が十分に確保できている、あるいはその開口部が不要である場合、掃き出し窓があった場所を完全に壁にリフォームする選択肢があります。この場合、窓を撤去した後に壁の下地を造り、断熱材を入れて内外の壁を仕上げます。
メリットは、断熱性や防音性、耐震性が最も向上することです。また、壁一面を自由に使えるようになるため、大きな家具の配置やプロジェクターの投影など、部屋の使い方の幅が広がります。費用は腰窓へのリフォームと同等か、それ以上かかる場合があります。
掃き出し窓を玄関にリフォーム
家の間取りや動線によっては、掃き出し窓の場所を新たな玄関や勝手口にリフォームすることも考えられます。例えば、駐車スペースからリビングへの直接の動線を作りたい場合などに有効です。
このリフォームは、ドアの設置に加えて、土間の造成や基礎工事、防犯対策なども必要になるため、比較的大がかりな工事となります。費用も高額になる傾向がありますが、生活動線を劇的に改善できる可能性があります。
掃き出し窓を腰窓にDIYする際の注意点
リフォーム費用を節約するために、DIYで掃き出し窓を腰窓にできないかと考える方もいるかもしれません。しかし、この作業は専門的な知識と技術を要するため、基本的にはおすすめできません。
DIYが難しい主な理由は、建物の構造と防水処理にあります。窓周りは、建物の強度を支える重要な部分であり、誤った施工は耐震性の低下を招きます。また、外壁の防水処理を正しく行わないと、数年後に雨漏りを引き起こし、柱や土台の腐食につながる可能性があります。
そうなると、修理にはリフォーム費用以上の高額なコストがかかることになりかねません。安全で確実な施工を行うためには、専門の業者に依頼するのが最も賢明な選択です。
パネルで掃き出し窓の下半分を隠す方法
壁を工事するような大がかりなリフォームは避けたいけれど、掃き出し窓の下半分からの視線や冷気をどうにかしたい、という場合には、より手軽な方法もあります。その一つが、パネルを活用して窓の下半分を簡易的に塞ぐ方法です。
これは、断熱性のあるスタイロフォームやプラスチック段ボール(プラダン)などのパネルを窓のサイズに合わせてカットし、室内側のサッシにはめ込んだり、専用のフレームで固定したりする方法です。
この方法のメリットは、賃貸住宅でも施工可能で、費用が安く、原状回復も容易な点です。断熱効果や目隠し効果も一定程度期待できます。
ただし、あくまで簡易的な対策であり、本格的なリフォームのような断熱性や防音性、防犯性は得られません。また、見た目の問題や、結露が発生しやすくなる可能性も考慮する必要があります。
総括:掃き出し窓を腰窓にリフォームする重要なポイント
この記事で解説した、掃き出し窓を腰窓にリフォームする際の重要なポイントをまとめました。
- 掃き出し窓は床までの大きな窓、腰窓は腰高の窓
- 腰窓へのリフォームで断熱性、防犯性、家具の配置自由度が向上
- メリットだけでなく、開放感や採光量が減るデメリットも理解する
- リフォーム費用相場は30万円から50万円程度
- 工事日数は2日から4日が目安
- 「先進的窓リノベ2025事業」などの補助金活用で費用を大幅に削減可能
- 複数の業者から相見積もりを取ることが費用抑制の鍵
- カバー工法なら工期短縮とコストダウンが期待できる
- 窓が不要なら完全に壁にするリフォームも選択肢の一つ
- 玄関への変更は動線を改善できるが大がかりな工事に
- 構造や雨漏りのリスクからDIYは推奨されない
- パネルで下半分を隠すのは手軽な目隠し・断熱対策
- リフォームの目的を明確にし、専門業者に相談することが成功の秘訣
- 現在の生活動線に不便がないか事前に確認する
- 完成後の部屋の明るさや開放感をイメージしておく