夏の厳しい日差しが窓から差し込み、室内の温度がぐんぐん上がってしまうことにお悩みではありませんか。
冷房をつけてもなかなか涼しくならず、電気代が気になる方も多いはずです。そんな時、手軽な対策として注目されるのが、100均で手に入る窓の断熱シートです。
キャンドゥ・セリアやダイソーといった100円ショップには、様々な種類の断熱・遮熱アイテムが並んでいます。
しかし、そもそも断熱シートは夏場でも使えますか?という基本的な疑問や、夏に窓に断熱シートを貼るとどんな効果があるの?といった具体的な効果について、よく分からないと感じるかもしれません。
この記事では、100均の窓断熱シートが夏にどのような効果を発揮するのかを詳しく解説します。
プチプチやボードタイプの違い、ダイソーで人気のアルミ遮熱シートの特徴、そして知っておきたいデメリットまで、多角的に掘り下げていきます。さらに、完全遮光シートを100均の商品で代用するアイデアや、窓断熱ボードの手作り方法にも触れながら、あなたの疑問を解消していきます。
- 100均の窓断熱シートが夏に持つ具体的な効果
- 商品の種類別メリット・デメリットと選び方のポイント
- プチプチやボードなど素材ごとの特徴と適切な使い方
- 貼り付け時の注意点や手軽にできるDIYのアイデア
目次
100均の窓断熱シートは夏に効果あるのか?
- 断熱シートは夏場でも使えますか?
- 夏に窓に断熱シートを貼るとどんな効果があるの?
- 窓断熱シートの100均での効果を検証
- 知っておくべき断熱シート窓のデメリット
- 100均キャンドゥ・セリアの人気商品を比較
断熱シートは夏場でも使えますか?
はい、断熱シートは夏場でも有効に活用できます。
「断熱」という言葉から冬の寒さ対策を連想しがちですが、断熱の本来の意味は「熱の移動を抑えること」です。これは、冬に室内の暖かい空気が外へ逃げるのを防ぐだけでなく、夏に屋外の熱い空気が室内へ侵入するのを防ぐ働きも含まれます。
そのため、断熱シートを窓に貼ることで、夏の強い日差しによる熱の流入を軽減し、室内の温度上昇を緩やかにする効果が期待できます。冬の防寒対策として使われるイメージが強い製品ですが、年間を通して室内の快適性を保つためのアイテムとして、夏にも十分その役割を果たしてくれるのです。
夏に窓に断熱シートを貼るとどんな効果があるの?
夏に窓へ断熱シートを貼ることで、主に2つの大きな効果が期待できます。
一つ目は「遮熱効果」です。特に表面がアルミ素材のシートは、太陽光を鏡のように反射する性質があります。これにより、窓から直接侵入してくる日射熱を大幅にカットし、室内の温度上昇の主な原因を抑えることが可能です。じりじりと肌を焼くような窓際の日差しが和らぎ、体感温度も下がります。
二つ目は「断熱効果」による冷房効率の向上です。シート自体が持つ断熱性能や、シートと窓ガラスの間にできる空気層が、外の熱気を室内へ伝わりにくくします。同時に、冷房で冷やされた室内の空気が窓から逃げるのも防いでくれます。このため、一度設定温度に達した部屋の涼しさが保たれやすくなり、エアコンの過度な運転を抑制。結果として、省エネや電気代の節約にもつながるのです。
窓断熱シートの100均での効果を検証
100均で販売されている窓断熱シートでも、夏の暑さ対策として一定の効果は見込めます。高価な専門品と比較すれば性能差はありますが、コストパフォーマンスを考えれば十分に試す価値のある選択肢です。
100均の製品は、主にポリエチレン製の気泡緩衝材(プチプチ)タイプや、アルミ素材を貼り合わせたものが主流です。プチプチタイプは、気泡に含まれる空気の層が熱の伝わりを遅らせることで断熱効果を発揮します。
一方、アルミシートは日射を反射することによる遮熱効果が主な役割です。
これらの製品を窓に貼ることで、未対策の状態と比較して窓際の温度上昇が数度抑えられるというデータもあります。もちろん、部屋全体の温度を劇的に下げるほどの強力な効果はありませんが、「窓からの熱の侵入を軽減する」という目的は十分に果たしてくれます。手軽に始められる暑さ対策の第一歩として、非常に有効な手段と言えるでしょう。
知っておくべき断熱シート窓のデメリット
手軽で便利な100均の窓断熱シートですが、使用する際にはいくつかのデメリットや注意点を理解しておく必要があります。
視界の悪化と部屋の明るさ
まず、ほとんどの断熱シートは透明ではないため、窓からの視界が遮られてしまいます。特にアルミシートを貼った場合は外が全く見えなくなり、部屋が暗くなることは避けられません。プチプチタイプも、すりガラスのようになるため、クリアな視界を重視する方には不向きです。
貼り付けられない窓の種類
シートの多くは、表面がツルツルした一般的な透明ガラスへの使用を前提としています。そのため、すりガラスや型板ガラスのような凹凸のある窓には、うまく貼り付けられなかったり、すぐに剥がれてしまったりすることがあります。また、網入りガラスの場合、断熱シートを貼ることでガラス面に熱がこもり、「熱割れ」という現象でガラスがひび割れるリスクが高まるため、使用は推奨されていません。
結露とカビの問題
シートとガラスの間に温度差が生じると、結露が発生しやすくなります。この水分を放置すると、シートの裏側や窓のサッシにカビが生える原因となりかねません。特に梅雨時期など湿度が高い季節の使用には、定期的な換気や確認が大切です。
貼り替えの手間
100均のシートは耐久性がそれほど高くないため、紫外線などによる劣化が進みます。効果を維持するためには、半年から1年程度での貼り替えが必要になる場合が多く、その手間が負担になる可能性も考えられます。
100均キャンドゥ・セリアの人気商品を比較
キャンドゥやセリアといった100円ショップでも、夏の窓対策に役立つ様々な断熱・遮熱シートが販売されています。
店舗や時期によって品揃えは異なりますが、一般的に見られる商品の特徴を比較します。
項目 | キャンドゥの商品傾向 | セリアの商品傾向 |
デザイン性 | シンプルで実用的なデザインが多い。白や無地の製品が中心。 | おしゃれな柄物やデザイン性の高い製品が比較的豊富。インテリアに合わせやすい。 |
主な素材 | ポリエチレン製の気泡緩衝材(プチプチ)タイプ、アルミ蒸着シートが主流。 | 気泡緩衝材タイプに加え、デザインフィルムのような薄手の目隠しシートも多い。 |
サイズ展開 | 一般的な窓に対応できる標準サイズ(例:90cm×45cmなど)が中心。 | 小窓用や部分使いしやすい小さめサイズも見られることがある。 |
特徴 | 水で貼るタイプが多く、貼り直しが容易な点を売りにしている製品が多い。 | UVカット機能を前面に押し出した製品や、おしゃれな柄で目隠し効果を高めた製品が特徴的。 |
どちらの店舗の製品を選ぶかは、何を重視するかによって決まります。
とにかくシンプルに断熱・遮熱効果を求めるならキャンドゥの製品、部屋の雰囲気を損なわずに目隠しやUVカットもしたいならセリアの製品、というように使い分けるのがおすすめです。
実際に店舗へ足を運び、デザインや素材感を直接確かめてから購入するのが最も確実な方法です。
窓断熱シートを夏に100均で選ぶ方法!
- 定番の窓断熱プチプチは100均で
- 100均の窓断熱ボードもチェック
- 窓断熱ボードの手作りアイデア
- ダイソーで買えるアルミ遮熱シート
- 完全遮光シートの100均代用テク
- 賢く選ぶ窓断熱シート夏100均のコツ
定番の窓断熱プチプチは100均で
窓の断熱対策として最も手軽で広く知られているのが、気泡緩緩衝材、通称「プチプチ」を窓に貼る方法です。100均でも様々なサイズのプチプチシートが販売されており、コストを抑えたい場合に最適な選択肢となります。
プチプチの断熱効果の源は、その気泡一つ一つに含まれている「空気」です。空気は熱を伝えにくい性質(熱伝導率が低い)を持つため、プチプチの層が窓ガラスを一枚隔てることで、外の熱が室内に伝わるのを遅らせてくれます。これは、複層ガラス(ペアガラス)が2枚のガラスの間に空気層を設けているのと同じ原理です。
100均のプチプチを貼る際は、凹凸のある面(プチプチしている面)を窓ガラス側に向けて貼り付けます。
これにより、ガラスとシートの間にさらに空気の層が生まれ、断熱効果をより高めることができます。水で貼るタイプが手軽ですが、なければ両面テープなどで窓枠に固定する方法もあります。ただし、視界がぼやける点は念頭に置いておく必要があります。
100均の窓断熱ボードもチェック
プチプチシートよりも、もう少ししっかりとした対策をしたい場合には、100均で手に入る「プラスチック段ボール(プラ段)」を利用した窓断熱ボードが有効です。
プラ段は、2枚のプラスチック板の間に柱が等間隔に並んだ構造をしています。この柱と柱の間にある空洞が空気層の役割を果たし、プチプチと同様に優れた断熱効果を発揮します。素材がポリプロピレンでできているため、プチプチよりも硬く、しっかりとした形状を保てるのが大きな特徴です。
窓枠のサイズに合わせてカッターで裁断し、窓にはめ込むように設置します。テープで固定しなくても自立させやすいため、夜間だけ設置して日中は外す、といった使い方も可能です。
ただし、こちらも視界は完全に遮られます。また、プチプチ以上に厚みがあるため、窓の開閉に干渉しないか事前に確認することが大切です。
窓断熱ボードの手作りアイデア
100均の材料を組み合わせることで、より効果の高い窓断熱ボードを自作することも可能です。
基本的な作り方は、窓枠のサイズに合わせてカットしたプラスチック段ボール(プラ段)に、アルミシートを貼り合わせるというものです。
準備するもの
- プラスチック段ボール(プラ段)
- アルミレジャーシートやアルミ保温シート
- 両面テープ
- カッター、ハサミ、定規
作り方
- 窓の内側のサイズ(ガラス部分ではなく、サッシの枠の内側)を正確に測ります。
- 測定したサイズに合わせて、プラ段をカッターでカットします。
- カットしたプラ段の片面に、両面テープを使ってアルミシートを貼り付けます。シワにならないように丁寧に貼り合わせるのがポイントです。
- 完成したボードを、アルミ面を室内側に向けて窓枠にはめ込みます。
このようにすることで、プラ段の空気層による「断熱効果」と、アルミシートの日射反射による「遮熱効果」の両方を兼ね備えた、高性能な断熱ボードが完成します。材料はすべて100均で揃うため、非常に低コストで高い効果が期待できるDIYです。
ダイソーで買えるアルミ遮熱シート
数ある100円ショップの中でも、ダイソーは特に断熱・遮熱関連商品のラインナップが充実している傾向にあります。中でも夏の対策として特に効果的なのが「アルミ遮熱シート」です。
ダイソーのアルミシートは、レジャーシートや保温バッグに使われるような、銀色のシートです。このシートの最大の役割は、太陽光に含まれる赤外線(熱線)を強力に反射することにあります。窓の外側に貼るのが最も効果的ですが、難しい場合は室内側に貼るだけでも十分な遮熱効果を発揮します。
シートを窓に貼ることで、窓から入る日射熱を大幅にカットできるため、室内の温度上昇を効果的に防ぎます。
特に西日が強く当たる部屋などでは、その効果をはっきりと体感できるでしょう。ただし、前述の通り、外の光をほとんど通さなくなるため、部屋がかなり暗くなる点は最大の注意点です。日中でも照明が必要になることを理解した上で使用を検討する必要があります。
完全遮光シートの100均で代用テク
寝室など、光を完全に遮断したい部屋では「完全遮光シート」が求められますが、専門品は比較的高価です。このような場合も、100均のアイテムを組み合わせて代用することが可能です。
最も効果的な方法は、黒い画用紙やカラーボードとアルミシートを組み合わせるテクニックです。
まず、窓のサイズに合わせてカットした黒い画用紙やボードを窓に貼り付け、光を吸収させます。その上から、さらにアルミシートを重ねて貼ります。これにより、黒い素材が光を吸収し、アルミシートが熱を反射するという二重のガードが完成します。
さらに完璧を期すなら、窓枠の隙間を黒いマスキングテープなどで塞ぐ「目張り」を行うと良いでしょう。こうすることで、シートの縁から漏れるわずかな光もシャットアウトでき、100均の材料だけで限りなく完全遮光に近い状態を作り出すことができます。コストを抑えつつ、安眠やプライバシー確保のための環境を整えたい場合に非常に有効な方法です。
100均の窓断熱シートは夏に効果あるのか:総括
- 夏の100均窓断熱シートは、熱の侵入を防ぎ冷房効率を高める効果が期待できる
- 主な効果は、日射を反射する「遮熱」と、熱の伝達を遅らせる「断熱」の2つ
- 100均製品でも、窓際の温度上昇を数度抑えるなど一定の効果は見込める
- デメリットとして、視界が遮られることや部屋が暗くなる点が挙げられる
- 凹凸のある窓や網入りガラスには使用できない、または熱割れのリスクがある
- 湿気が多いとシート裏にカビが発生する可能性があるため、定期的な確認が必要
- キャンドゥは実用的な製品、セリアはデザイン性の高い製品が多い傾向
- プチプチは空気層による断熱効果がメインで、最も手軽な方法
- プチプチの凹凸面を窓側に向けて貼ると、断熱効果が高まる
- プラ段ボードはプチプチより頑丈で、断熱効果も高い
- プラ段とアルミシートを組み合わせることで、断熱と遮熱を両立したボードを自作できる
- ダイソーのアルミ遮熱シートは日射反射に優れ、西日対策に特に有効
- アルミシートは部屋が暗くなるため、使用する部屋を選ぶ必要がある
- 完全遮光は、黒いボードとアルミシートの重ね貼りで100均製品でも代用可能
- 目的(遮熱、断熱、目隠し、遮光)を明確にし、それに合った素材を選ぶことが最も重要